生理がこない・妊娠していないのになぜ?原因・放置のリスク・受診の目安を解説

「妊娠検査薬は陰性なのに生理がこない」「もう2か月近く生理がない原因は何?」と不安を感じている方はいませんか? 妊娠していないのに生理が3か月以上止まっている状態は「続発性無月経」と呼ばれ、ストレス・急激な体重変化・ホルモンの異常・お薬の影響など、さまざまな要因が関係している可能性があります[1]。
妊娠以外の理由で生理が止まっている状態は、体のホルモンバランスに乱れが生じているサインの一つであり、婦人科を受診することが大切です[1]。
「生理がないほうが楽」と感じて放置してしまうと、骨粗しょう症・不妊・子宮内膜の異常といったリスクにつながる可能性があるため注意しましょう[2][3][4]。
この記事では、妊娠していないのに生理がこない主な原因・放置した場合のリスク・婦人科受診の目安・検査内容・今すぐできる対処法について、公的機関や医療機関の情報をもとにわかりやすく整理しました。
生理がこない状態に不安を感じている方は、ぜひ最後までお読みください。
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妊娠していないのに生理がこない主な原因

「妊娠の可能性はないのに生理がこない」という場合、生活習慣に関わる要因が関係していることが少なくありません。

生理は脳の「視床下部→脳下垂体→卵巣」という連動したホルモンの流れでコントロールされており、この流れのどこかが乱れると生理が止まることがあります[5]

とくに多いのが、ストレス・体重の急激な変化・過度な運動の3つです[1]

ここでは、生活習慣に関連する代表的な原因について詳しく解説していきます。

ストレスによるホルモンバランスの乱れ

生理がこない原因の一つとして多くみられるのが、ストレスによるホルモンバランスの乱れです[1]

強いストレスがかかると視床下部からストレスに反応するホルモンが分泌され、その影響で生殖に関わるホルモン(性腺刺激ホルモン)の分泌が抑制されることで、排卵や月経が止まることがあります[6]

就職・転職・引っ越しなどの環境変化や、人間関係のトラブル・身近な方との死別といった出来事のほか、日常の小さなストレスの積み重ねも、生理がこなくなる原因の一つです。

生理が止まった場合は、ストレスに心当たりがないか、生活環境の変化を振り返ってみましょう。

急激な体重変化(痩せすぎ・太りすぎ)

体重の急激な変化も、生理が止まる代表的な原因のひとつです。

痩せている場合(BMI18.5未満)、過度な食事制限で栄養不足になると、生殖機能を一時的に抑える方向に脳からの指令が働き、女性ホルモンの分泌が低下して生理が止まることがあります[6][7]

「ダイエットを始めてから生理が遅れるようになった」「体重が急に減ってから生理が止まった」という場合は「体重減少性無月経」の可能性があるでしょう[6]

一方で、太りすぎ(BMI25以上)でも生理トラブルは起きやすく、後述する多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が隠れている場合もあります[8]

適正体重(BMI18.5以上25未満)を大きく外れている方は、ホルモンバランスの乱れに注意が必要です。

過度な運動による生理の停止

運動習慣がある方でも、過度な運動によって生理が止まることがあります。

身体的な消耗が極端に大きくなると、痩せすぎの場合と同じように体がエネルギー不足と判断し、脳が生殖機能を低下させるためです[9]

長距離ランナー・体操・フィギュアスケートなどの激しいトレーニングをおこなう女性アスリートにとくに多くみられ、「運動性無月経」と呼ばれています[9]

「最近トレーニングの量を増やしたら生理が遅れるようになった」という場合は、運動量や体への負担を見直すことが大切でしょう。

生理がこない原因となる病気

生活習慣に思い当たる変化がないのに生理が止まっている場合や、生理が止まるとともに他の症状がある場合は、病気が関係している可能性があります。

無月経の原因となる病気にはいくつかの種類があり、それぞれ治療法が異なるため、早めに婦人科で原因を特定することが重要です。

代表的な疾患の特徴を整理すると、以下のようになります[8][10][11][12]

疾患主な特徴・症状治療法の例
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)排卵障害、月経不順、不正出血、多毛ホルモン剤投与、排卵誘発剤、メトホルミン、腹腔鏡下卵巣開孔術
高プロラクチン血症妊娠・授乳と関係ない乳汁分泌原因疾患の治療(下垂体腺腫の治療など)
甲状腺機能異常疲れやすい、体重の増減、動悸、体の冷え甲状腺機能の調整
早発卵巣不全(早発閉経)40歳未満でほてり・のぼせ・倦怠感など更年期様症状ホルモン補充療法など

放置すると不妊や子宮内膜の異常につながることもあるため、「ストレスのせいだろう」と自己判断せず、気になる症状があれば受診を検討しましょう。

ここでは、生理がこない原因となる代表的な病気について解説します。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、女性の約5〜10%が発症するとされる、無月経の代表的な原因疾患です[10]

脳下垂体と卵巣のホルモンバランスが崩れて排卵が障害されることが背景にあり、インスリン抵抗性が関与する場合もあるとされています[10]。卵巣の中に多数の小さな卵胞が確認されるのは、PCOSにおける特徴的な所見の一つです[10]

月経不順・不正出血・多毛などの症状を伴うことがあり、治療法は妊娠の希望があるかどうかによって変わりますが、ホルモン剤・排卵誘発剤・メトホルミンによる薬物療法や、必要に応じて腹腔鏡下卵巣開孔術などの治療法が選択されます[8]

PCOSは適切な治療でコントロールが期待できる疾患のため、心当たりのある方は早めに婦人科を受診しましょう。

高プロラクチン血症

高プロラクチン血症は、授乳中に母乳を出すために分泌される「プロラクチン」というホルモンが、妊娠・授乳と関係なく高い値になる状態です。

プロラクチンが過剰に分泌されると排卵が抑制されるため、生理が止まることがあります[11]

原因としては、下垂体腺腫・お薬の副作用・甲状腺機能低下症などが挙げられます[11]

原因によって治療方法が異なるため、「生理が止まった」「妊娠していないのに乳汁が出る」といった症状がある場合は婦人科を受診しましょう。

甲状腺機能異常・早発卵巣不全

甲状腺の機能が過剰(バセドウ病など)、もしくは低下(橋本病など)により、ホルモン量のコントロールが乱れて生理に影響する可能性があります。

甲状腺機能異常では、疲れやすさ・体重の増減・動悸・体の冷えなど全身症状を伴うことが多いのが特徴です。

また、早発卵巣不全(早発閉経)は40歳未満で卵巣機能が低下・停止してしまう状態で、ほてり・のぼせ・倦怠感など更年期障害に似た症状があらわれることがあります[12]

生理が止まった方で生活習慣の変化に思い当たらない場合は、これらの病気の可能性を視野に入れて、早めに婦人科で検査を受けましょう。

生理がこない状態を放置するリスク

「生理がなければ生理痛もなくて楽」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、妊娠以外の理由で生理が止まっている場合、放置することでさまざまな健康リスクが蓄積されていきます。

とくに注意すべきなのは、骨粗しょう症・不妊・子宮内膜の異常の3つです。

ここでは、無月経を放置した場合に起こりうるリスクについて、具体的に解説します。

骨粗しょう症・血管の老化リスクが高まる

生理が止まっている状態では、骨の健康を守るエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌も低下していることが少なくありません[3]

エストロゲンは骨密度や血管の若さを保つ重要なホルモンであり、分泌が低い状態が続くと、若い年齢でも骨がもろくなる「骨粗しょう症」のリスクが高まります[3]

「女性は閉経後に骨が弱くなる」と思われがちですが、無月経の状態では20代・30代でも同様のリスクがあるとされています[3]

将来の骨折や血管トラブルを防ぐためにも、無月経を放置せず早めに対処することが大切でしょう。

不妊・妊娠への影響

無月経の状態が続いている間は排卵が起きていないため、将来的に妊娠を希望した際に妊娠しにくくなる可能性があります[13]

「今は妊娠を考えていない」という方でも、無月経を長期間放置することは、将来の選択肢を狭めることにつながりかねません。

妊娠の希望に関わらず、生理が止まっている場合は、早めに婦人科を受診して原因を確認しておきましょう。

子宮内膜の異常・子宮体がんのリスク

PCOSなどが原因の無月経を長期間放置すると、子宮内膜が正常な周期でリセットされず、異常に厚くなる「子宮内膜増殖症」のリスクが高まります[14]

子宮内膜増殖症は、さらに進行すると子宮内膜がんにつながる危険性があるとされています[14]

排卵がない状態ではプロゲステロン(黄体ホルモン)が十分に分泌されず、子宮内膜を定期的にはがす仕組みが働かないことが一因です[14]

「生理がこないから楽」と放置するのではなく、不調がある場合は婦人科で定期的にみてもらいましょう。

婦人科受診の目安と検査内容

「どのくらい生理がこなかったら医療機関を受診すべき?」「婦人科でどんな検査をされるのか不安」という方もいるかもしれません。

そういった場合は、事前に検査の流れを知っておくことで、受診へのハードルを下げられるでしょう。

ここでは、受診の目安・問診・検査について詳しく解説します。

受診のタイミング——1〜2週間・2か月・3か月が目安

生理予定日を1〜2週間過ぎても来ない場合は、まず市販の妊娠検査薬で妊娠の有無を確認しましょう。

妊娠検査薬は生理予定日の1週間後以降に使うと精度が高まるため、このタイミングでの検査が推奨されています。

妊娠検査薬で陰性にもかかわらず、2か月(60日)以上生理がこない場合は婦人科への受診が必要です。

生理がない期間が3か月(90日)以上続く場合は「続発性無月経」と診断される可能性もあります[1]

とくに突然生理が止まった場合は、早めに婦人科を受診しましょう。

血液検査——ホルモンの状態を調べる

生理がこない原因を調べるために、婦人科では血液検査により複数のホルモン値を確認します。

主に確認されるのは、以下の項目です。

  • エストロゲン(卵胞ホルモン)
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)
  • 卵胞刺激ホルモン(FSH)
  • 黄体形成ホルモン(LH)
  • プロラクチン
  • 甲状腺ホルモン

これらの数値を見ることで、無月経の原因が脳(視床下部)・下垂体・卵巣のどの段階にあるのかを推定できます。

超音波検査——子宮・卵巣の状態を確認する

超音波検査(エコー検査)は、子宮と卵巣の大きさ・形・状態などを画像で確認する検査です。

PCOSの診断のほか、子宮・卵巣の異常の有無などを確認するためにおこなわれます。

エコーに使用されるのは、腟から超音波プローブを挿入する「経腟超音波検査」が一般的です。

ただし、性交経験のない方や検査に抵抗感が強い方は、お腹の上からのエコーでも対応できる場合があります。

「痛みが心配」「性交経験がない」などの理由から検査が不安な場合は、受診時に遠慮なく医師に伝えましょう。

生理がこないときに今すぐできる対処法

生理がこない原因がストレスや生活習慣にある場合、日常生活の見直しが生理周期の改善につながることがあります[1]

ただし、セルフケアだけで改善しない場合や原因が病気にある場合は、婦人科での治療が必要です。

ここで紹介する対処法は、あくまで医師の診察と並行しておこなうことが前提であり、自己判断だけに頼るのは避けましょう。

以下では、今すぐ取り組める3つの対処法を解説します。

適正体重を目指す食事の見直し

BMI18.5未満で痩せている場合や、BMI25以上で太りすぎている場合は、生理のトラブルの原因になる可能性があるため食事の見直しが大切です[1][8]

とくにダイエット中の方は、極端な食事制限が栄養不足を招き、卵巣機能の低下につながっている場合があります[6]

厚生労働省の情報でも、若い女性の「やせ」は月経異常のリスク因子として挙げられています[7]

無理なダイエットは中止し、バランスのよい食事を心がけましょう。

睡眠の質とストレス管理

質のよい睡眠を確保することは、女性ホルモンの安定に大きく関わります。

生理に関わるホルモンは、脳からの指令でコントロールされているため、睡眠不足や精神的なストレスが続くとホルモンバランスが乱れやすくなります。

睡眠の質を改善するために、以下の対策を心がけましょう。

  • 就寝前のスマートフォンの使用を控える
  • 入浴でリラックスしてから寝る
  • 深呼吸や軽い運動などで意識的にストレスを発散する

短期間で睡眠の質を上げるのは難しいため、まずはハードルが低いと感じるものから取り組みましょう。

過度な運動の見直しと基礎体温の記録

トレーニングの強度や量が多すぎる場合は、一時的に運動量を減らすことで生理が再開する可能性があります[6][9]

運動性無月経は、エネルギー消費と摂取のバランスが崩れることが原因のため、運動量の調整と栄養摂取の見直しが大切です[9]

また、基礎体温を毎朝記録することで、排卵の有無やホルモンの状態をある程度把握できるため、婦人科を受診する際の参考情報にもなります。

ただし、運動量を減らしても生理が戻らない場合は、自己判断に頼らず婦人科を受診しましょう。

生理の悩みはオンライン診療でも相談できる

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オンライン診療の特徴は以下のとおりです。

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オンライン診療は自宅にいながら医師に相談できるため、受診を先延ばしにしがちな方にとっても、最初の一歩を踏み出しやすい選択肢のひとつです。

ただし、超音波検査や血液検査が必要な場合は対面での受診が求められることがあるため、オンライン診療で医師と相談のうえ、必要に応じて婦人科への来院を検討しましょう。

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よくある質問

Q1:妊娠検査薬が陰性なのに生理がこないのはなぜですか?

妊娠検査薬が陰性でも、ストレス・急激な体重変化・過度な運動・ホルモン異常・病気(PCOSや甲状腺機能異常など)が原因で生理がこないことがあります。

生理は脳(視床下部・下垂体)と卵巣のホルモンの連動で起きるため、ホルモンの分泌過程で異常が生じると、生理が止まる可能性があります[5]

2〜3か月以上生理がこない場合は、婦人科を受診しましょう[9]

Q2:ストレスで生理は本当に止まりますか?

はい、ストレスは生理が止まる原因のひとつです[6]

強いストレスがかかると脳がストレス対処を優先し、生殖機能に関わるホルモンの分泌が抑えられるため、排卵・生理が止まることがあります[6]

ストレスが解消されれば自然に戻ることもありますが、2〜3か月以上続く場合は自己判断せずに婦人科を受診してください。

Q3:生理がこない状態を放置するとどうなりますか?

妊娠していないのに生理が止まった状態を放置すると、エストロゲンが低い状態が続くことで若い年齢でも骨粗しょう症になりやすくなります[3]

また、不妊や子宮内膜増殖症、子宮内膜がんになる可能性もあります[14]

2〜3か月以上生理がなければ婦人科を受診しましょう。

Q4:生理不順を改善するために今すぐできることはありますか?

生理不順の原因がストレス・生活習慣にある場合、適正体重の維持(BMI18.5以上25未満)・質のよい睡眠の確保・ストレス発散・過度な運動量の見直しが改善につながることがあります。

ただし、セルフケアには限界があるため、2〜3か月以上生理がない場合は婦人科を受診し、根本原因を確認することが大切です[9]

不安な場合は、医師に相談してみてください。

まとめ

妊娠していないのに生理がこない場合、ストレス・急激な体重変化・過度な運動によるホルモンバランスの乱れが主な原因です。

このほかPCOS・高プロラクチン血症・甲状腺機能異常・早発卵巣不全などの病気の可能性も考えられます。

無月経を放置すると、骨粗しょう症・不妊・子宮内膜の異常といったリスクが高まる可能性があります。

生理予定日から1〜2週間経過したらまず妊娠検査薬を使い、陰性でも2〜3か月以上生理がこない場合は婦人科の受診を検討してください。

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参考文献

  1. 日本女性心身医学会「無月経」
  2. 厚生労働省・スマート・ライフ・プロジェクト「女性の健康週間」
  3. 森川香子.「女性医学からみた骨粗鬆症」日本転倒予防学会誌. 2020;7(1):17-20.
  4. PubMedレビュー「Amenorrhea during the reproductive years--is it safe?」
  5. 日本産婦人科医会「7.月経周期と女性ホルモンのメカニズム」
  6. 日本産科婦人科学会「体重が減って月経が止まった…身体で何が起きているの?」
  7. 厚生労働省「女性特有の健康課題に関する調査研究報告書」
  8. 日本産科婦人科学会「多嚢胞性卵巣症候群に関する全国症例調査の結果と本邦における新しい診断基準(2024)について」
  9. スポーツ庁「女性アスリートの三主徴」
  10. 日本産婦人科医会「多のう胞性卵巣と言われました。どのような病気ですか」
  11. Hyperprolactinemia. StatPearls [Internet]
  12. Hamoda H, Sharma A. Premature ovarian insufficiency, early menopause, and induced menopause. Best Pract Res Clin Endocrinol Metab. 2024;38(1):101823
  13. Amenorrhea. StatPearls [Internet]
  14. Endometrial Hyperplasia. StatPearls [Internet]
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