高尿酸血症とは
高尿酸血症とは、血中の尿酸の濃度が高すぎる状態のことをいいます。数値としては、尿酸値が7mg/dl以上となると高尿酸血症と診断されます。
高尿酸血症自体には症状はありませんが、放置すると痛風の原因となります。
また、患者数は推定で1000万人以上。その多くが男性です。その理由は、女性ホルモンに、尿酸の排泄を促進する作用があるから。そのため、女性ホルモンが減る閉経後は、女性でも高尿酸血症になりやすくなるとされています。
(参考)
https://kininaru-nyousanchi.jp/kounyousan/index.html
高尿酸血症の症状とリスク
尿酸値が高いだけでは、自覚症状はないことが一般的です。しかし、高尿酸血症を放置すると、痛風のほかさまざまな合併症につながり、命にかかわるリスクもあります。
高尿酸血症の代表的な合併症とそれぞれの症状や特徴は以下の通りです。
痛風(痛風発作)
痛風は、風が吹いても痛いことから「痛風」と呼ばれているくらい、強い痛みを感じるものです。痛風になると、以下のような場所が赤く腫れ、激痛を感じます。
- 足の親指の付け根
- 足・ひざ・手などの関節
- 足の甲
- アキレス腱の付け根 など
また、以下のような場所にこぶ(痛風結節)が現れることもあります。
- 足の親指
- 手の指
- 耳 など
メカニズムとしては、尿酸塩が結晶化して関節内にたまり、白血球が処理する際に痛風発作が発生するとされています。
また、発症は夜中から明け方や、夏に多いと言われます。これは、睡眠中の体温低下、脱水による尿酸の濃度上昇などが原因として考えられています。
尿路結石
尿酸が結晶化し、硬い結石になったものが尿の通り道にできるのが、尿路結石です。尿路結石には、できる場所によって腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石に分類できます。
症状は以下の通りです。
- 突然の激しい痛み
- 血尿 など
一般に、結石が尿管に存在すると強い痛みを感じるとされています。
腎障害
尿酸値が高いままだと、腎臓が傷つき腎障害になることがあります。腎障害が進むと、以下のような症状が現れることがあります。
- むくみ
- 量の変化
- 頻尿
- だるさ
- 貧血
- 発疹のないかゆみ など
腎障害になると尿酸の排泄が低下し、さらに尿酸値が高くなる悪循環となることも多いです。さらに、腎障害は命に関わることも珍しくないため、早めの対処が必要です。
動脈硬化
高尿酸血症は、動脈硬化の進行への関与も疑われています。
動脈硬化とは、血管が硬くなり、弾力がなくなった状態のことです。動脈硬化になると血栓などができやすくなり、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患につながることがあります。
動脈硬化になっているだけでは自覚症状はありませんが、心血管疾患を発症すると、以下のような症状が現れることがあります。
- 胸の痛みや圧迫感
- 呼吸困難
- 上記に伴う吐き気、冷や汗
- 顔や手足の片方の麻痺
- ろれつがまわらない
- 視野がおかしい
- 吐き気を伴う頭痛
- 意識がもうろうとする など
心血管疾患は発症から数時間以内で死に至ることも珍しくないため、注意が必要です。
このほかにも、高尿酸血症はさまざまな生活習慣病(高血圧、メタボリックシンドロームなど)のリスクを高めるとされているため、予防や早めの対処が肝心なのです。
高尿酸血症のメカニズム
高尿酸血症は、尿酸(プリン体が分解されるときに生じる老廃物)の産生が過剰になる、もしくは排泄が低下することで起こるとされています。
もう少し具体的に説明すると、通常、体内には1,200mgの尿酸が存在します。1日に約700mgの尿酸が体内で作られ、尿や便から同じ量が排泄されており、体内の尿酸の量は常に一定となっているのです。
しかし、尿酸の産生が過剰になるか、排泄が低下すると、このバランスが崩れて高尿酸血症になると考えられています。
(参考)
https://kininaru-nyousanchi.jp/kounyousan/index.html
高尿酸血症のタイプ
高尿酸血症には以下の4タイプがあります。
- 尿酸産生過剰型:尿酸を過剰に産生してしまう
- 尿酸排泄低下型:腎臓からの尿酸の排泄が低下してしまう
- 腎外排泄低下型:腸管からの尿酸の排泄が低下してしまう
- 混合型:上記の特徴が混合している
日本人は尿酸排泄低下型が多いとされています。
高尿酸血症の原因
高尿酸血症の原因の多くは生活習慣の乱れだと言われています。特に代表的な原因である食事と、その他の原因に分けて見ていきましょう。
大きな原因は食事
生活習慣の中でも特に影響するのが食事(食べすぎ、お酒の飲みすぎ)だと考えられています。
尿酸のもととなるのがプリン体です。体内に存在するプリン体の8~9割は体内で作られたものですが、食べ物にも含まれているため、プリン体が多く含まれる食材の過剰摂取は控えたほうがよいでしょう。
特にプリン体が多いのは、魚の肝や、肉類のレバー、干物などです。
また、アルコール(特にビールの飲みすぎ)や肉類ばかりの食事も避けましょう。
その他の原因
強いストレスや激しい運動も、高尿酸血症の原因となることがあります。その他にも、薬(利尿薬など)や病気(腎機能の低下、白血病など)などが原因となるケースも。
さらに、生まれつき尿酸の代謝が十分にできない病気もあります。
高尿酸血症の検査
高尿酸血症は、主に血液検査で調べることができ、尿酸値が7.0mg/dl以上の場合に高尿酸血症と診断されます。
また、腎機能や、高尿酸血症のタイプを把握するために尿検査を行うこともあります。
なお、クリニックフォアではオンライン血液検査も実施しているため、気になる方はご利用ください。
高尿酸血症の治療法
高尿酸血症の治療では、生活習慣の改善(主にアルコール・プリン体の摂取制限)とともに、尿酸値を下げる薬による薬物療法を行います。薬の種類は高尿酸血症のタイプごとに異なります。
また、痛風発作が起きた時は、痛みや腫れを取り除く治療薬を使い、痛風が治まって尿酸値を下げる薬を使うのが一般的。
さらにその他に、尿路結石予防の薬が処方されることもあります。
なお、クリニックフォアでは、尿酸値を下げる薬と痛風発作治療薬セット(発作緩和薬・鎮痛薬・胃薬)を取り扱っています。
高尿酸血症の予防法
高尿酸血症の予防法は以下の通りです。
- 摂取カロリーを適正にし、適正体重を維持する
- アルコールを飲みすぎない
- プリン体が多く含まれる食べ物を食べすぎない
- 動物性タンパク質をとりすぎない
- 海藻や野菜類をしっかりとる
- 水分をしっかりとる
- ストレスをためない
- 有酸素運動を適度に行う
高尿酸血症治療はクリニックフォアのオンライン診療で
クリニックフォアでは、スマホやパソコンから診察を受けられる「オンライン高尿酸血症外来」を行っています。
健康診断で尿酸値の異常を指摘された方も、すでに高尿酸血症の治療を始めている方も、まずは受診してみてください。
クリニックフォアでは、尿酸値を下げるお薬と、痛風発作治療薬セット(発作緩和薬・鎮痛薬・胃薬)を取り扱っており、病気の状態に合わせてお薬を処方しています。
60日ごとに問診にお答えいただいたうえで回答内容を医師が確認し、決められた周期でお薬が処方・配送されるため、何度も受診する手間が省けます。お薬は税込で、1ヶ月分4,880円(配送料税込550円)。
健康診断で尿酸値の異常を指摘された方も、すでに高尿酸血症の治療中という方も受診をご検討ください。