漢方薬のメリット・デメリットとは?飲む前に知っておきたい漢方の基本

漢方薬とは、植物・動物・鉱物といった「生薬」を組み合わせた薬です。古代中国から、奈良時代の日本に伝わった後、日本人の体質や生活習慣に合わせて独自の発展をとげてきました。 この記事では、漢方薬のメリット・デメリットを詳しく解説。メリットデメリットを理解し、納得した上で漢方薬を使えるようにしましょう。

漢方薬のメリット

漠然とした症状に使える

漢方薬は、なんとなく調子が悪い、症状が出ている部位がはっきりしないといった、漠然とした症状にも使用可能。

たとえば冷え症や更年期障害といったものは、検査ではわかりにくく、体質による部分もありますが、このような不調にも使うことができます。

複数の症状に効果が期待できる

一つの漢方薬で、複数の幅広い症状にアプローチできる漢方薬も多いです。たとえば更年期であれば、のぼせや冷え、むくみ、イライラ、めまいなど、その症状は多岐にわたります。

更年期治療に使われる西洋薬では、このような症状の全てを一気に改善することは難しいですが、漢方薬であれば、このような多岐にわたる症状を一種類のお薬で解消できることがあります。

効果がマイルドで使いやすい

漢方薬は、効き方がマイルドなものが多いです。これは一見デメリットにも思えますが、副作用のリスクが少ないというメリットにもなります。

たとえば、便秘に対して西洋薬を使うと、腹痛や下痢が起きるリスクがあります。しかし、

漢方薬ではそのようなリスクが少ないと同時に、依存性や離脱症状も少ないとされています。

体質改善で根本から解決できる

症状だけでなく、体質や体力も考慮して最適な漢方薬を選ぶことで、自然治癒力を高めて根本から改善することを目指します。

このように漢方医学では、症状を直接的に治療するのではなく、体質改善にアプローチするため、トラブルを根本から解決できるというメリットがあります。

早い段階で治療が始められる

漢方薬は、未病(病名はつかないものの、症状が出ている状態)にも使うことができます。そのため、早い段階から治療を始めることができます。

誰でも使いやすい

漢方薬には禁忌(処方してはいけない条件)が少ないので、子供や高齢者、妊婦さん、授乳中の方でも使いやすいです。

また、同じような効果が期待できる漢方薬が複数種類あることも多いので、体質などによって適切なものを選択しやすい点もメリットです。

西洋薬との併用がしやすい

2種類以上の西洋薬は、併用できないことも多いですが、西洋薬と漢方薬の併用は基本的に問題ありません。併用が治療に有効だったという症例もあるようです。

ただし、複数の漢方薬を併用すると副作用のリスクが高まることがあるため、医師に処方してもらうと安心です。

漢方薬のデメリット・注意点

単独で病気を治療できるほどの強い効果はない

漢方薬だけで病気を治せるほどの強い効果はなく、病気の治療において、補完的なお薬として使われることが多いです。

ただし、症状や原因によっては漢方薬だけでも効果が期待できるケースはあります。

効果が出るまでに時間がかかる

漢方薬は、服用を続けることで体質を改善し、症状改善を目指すという側面があります。西洋薬のようには即効性が期待できないことが多く、数ヶ月~数年単位で服用を続ける必要があるケースもあります。

なお、服用を続けると副作用のリスクが高くなる漢方薬もあるため、定期的に医師による診察を受けるとよいでしょう。

効果が評価しにくい

「症状がなくなった」といった明らかな効果が感じられればいいのですが、そうでない場合、数値の変化などで効果が評価しづらいことが多いです。

選ぶのが難しい

漢方薬には、症状だけでなく、体質や体力も考慮して最適なものを選ぶことで、自然治癒力を高め、トラブルを根本から改善することを目指すという側面があります。同じ症状であっても、複数種類の漢方薬があり、体質などをふまえて適切なものを選ぶ必要があります。

自分で選ぶのは難しい部分もあるので、医師に相談し、適切な漢方薬を処方してもらうとよいでしょう。

漢方処方の方法の例

漢方を処方する際の診察の仕方の一つに、以下の4つの部分を見る「四診」というものがあります。

  • 望診(ぼうしん):顔色や表情、姿勢、体型などを見る
  • 聞診(ぶんしん):声の大きさ、話し方、呼吸音、咳や痰の状態などを見る
  • 問診(もんしん):自覚症状、既往歴、生活習慣などの確認
  • 切診(せっしん):身体に触れて確認する

その他、「証(しょう)」(体質のようなもの)や、「気・血・水(き・けつ・すい)」(身体を構成すると考えられているもの)の状態などを踏まえて適切な漢方薬が処方されます。

副作用がある

漢方薬には副作用がないと誤解されることも多いです。しかし、漢方薬にも、一般的な西洋薬と同じように、副作用のリスクはあります。

漢方薬の副作用としては、お腹の不快感や肝機能の異常などが代表的です。また、特定の種類の漢方薬を過剰摂取すると、偽アルドステロン症(手足の脱力)や腸間膜静脈硬化症(腹痛、血便などの症状)が現れることがあります。

このような副作用のリスクを最小限にするためには、用法・用量を守ることが大事です。

飲みづらい

漢方薬には顆粒タイプが多いため、苦みが気になるなど、飲みづらさを感じることも多いです。少しでも飲みやすくなるように、錠剤があれば錠剤を選んだり、顆粒をお湯に溶かして飲んだりするなどの工夫をしましょう。

クリニックフォアはオンラインで漢方処方しています

クリニックフォアでは、オンラインで漢方処方をしています。有効成分量が多い医療用医薬品を処方しており、32種類の漢方薬の中から不調や悩みに合わせて適切なものを医師が処方します。診察はスマホやPCを使ってオンラインで受けられ、お薬は配送なので、忙しい方でも漢方治療が始めやすくなっています。