コンドームをつけていても妊娠する!? 間違った装着方法や避妊に失敗したときの対処法とは

代表的な避妊方法として知られているコンドームですが、実はコンドームを装着していても100%避妊できるわけでないことを、知っていますか? 間違ったコンドームの装着方法や避妊方法などによって、避妊しているつもりでも妊娠してしまう可能性があります。

今回は、コンドームと避妊方法や、コンドームと併せて使用したいピルなどについて紹介します。

コンドームをつけていても妊娠するの?

性行為時にコンドームを装着していたら、妊娠しないと思っている人は多いでしょう。まずはコンドームの使用と避妊率の関係や、避妊に失敗する場合の原因について解説します。

コンドームをつけていても避妊に失敗することはある

代表的な避妊方法として広く知られているコンドーム。性行為時にコンドームを装着していれば妊娠することはないと思っている人も少なくないのでは。しかしコンドームを装着していても、妊娠する可能性はゼロではありません。

性行為時に避妊をしていたにも関わらず、妊娠した割合を表すパール指数というものがあります。これは、100人の女性が特定の避妊方法を1年間行っていた場合に、妊娠した人の確率を表すもので、この数値が低いほど妊娠の可能性が低い(避妊率が高い)ことを示しています。

コンドームはパール指数が13%であり、他の避妊方法と比べて比較的高い割合となっています。

<コンドームを含む、主な避妊方法とパール指数>

理想的な使用(%)*1一般的な使用(%)*2
コンドーム213
低用量ピル0.37
ミレーナ(IUS)0.1~0.30.1~0.4
子宮内避妊具(IUD)0.60.8
リズム法(基礎体温法)0.4~515

*1  理想的な使用…その避妊法を正しく続けて使用しているにもかかわらず妊娠してしまった場合 

*2  一般的な使用…その避妊法を使用して妊娠してしまった場合

避妊に失敗する理由は間違ったコンドームの使用

コンドームを装着していても避妊に失敗してしまうのは、間違った使用方法や選び方などが原因である可能性があります。コンドームを使用していても避妊に失敗してしまう原因として、具体的にどのようなことが起こりやすいのか、次より詳しく紹介していきます。

※コンドームは、避妊以外に「性感染症予防」の観点においても性行為時には使用することを推奨します。

妊娠につながる、コンドームの間違った使用例

性行為時にコンドームを装着していても、正しく使用できていないことで妊娠してしまう可能性があります。そこで、コンドームを装着しているのに妊娠する可能性がある場合、どのような原因があるのか紹介します。

コンドームの装着方法や外し方が間違っている

コンドームを使用していても、装着方法が間違っていると、避妊に失敗することがあります。特に以下のような場合は、避妊に失敗する可能性があるので注意しましょう。

<間違ったコンドームの使用による避妊の失敗例>

  • コンドーム装着時に、先端に溜まっている空気を抜かったことによる精液だまり
  • 勃起する前にコンドームを装着した
  • コンドームをしっかりと下までおろさずに装着した
  • コンドームに絡まった陰毛から、精液が漏れてしまった
  • 射精後すぐにコンドームを腟から抜かなかった
  • 射精の寸前(性行為の途中)でコンドームを装着した

他にも性行為中にコンドームが腟内で外れてしまい、避妊に失敗してしまう場合もあるようです。

コンドームの選び方や保管方法が適切でない

コンドームの選び方や保管方法にも、注意が必要です。コンドームは薬局やコンビニなどで気軽に手に入りますが、性器のサイズにあったものや、厚労省から認可を受けた信頼できる品質・安全性のものを選ぶことが大切です。

どこのメーカーのものか分からないような海外製のコンドームや、自分達で準備したもの以外を使用するのは、同じように品質や安全性の観点でおすすめできません。

またコンドームはゴム製であるため、直射日光などが当たる場所など、保管方法によってはゴムが劣化してしまう場合も。プラスチックケースなどに入れておくなど、劣化しないような場所で保管するようにしましょう。

間違った避妊方法

避妊方法の中にはコンドーム以外にもさまざまありますが、なかには間違った避妊方法の情報を信じてしまい、実践してしまうケースもあるようです。

間違った避妊方法は、避妊に失敗するだけでなく、感染症などのトラブルを招く可能性があるため、正しく理解することが大切です。

腟外射精をするからとコンドームを使用していない

射精時に腟外に出したからと言って、妊娠しないとは限りません。精液は射精時だけでなく、性行為中にも少量ですが分泌されている(いわゆる我慢汁)ためです。性行為時は腟外射精する場合でも、コンドームを装着することをおすすめします。

ビデなどによる腟洗浄

性行為時に腟内に射精された精液を、トイレのビデ機能などによる腟洗浄によって、腟の外に出すことはできません。このように自分で腟洗浄を行ったり、出された精液をかき出そうとしたりする行為は、腟内を傷付ける恐れや細菌感染を招いてしまう恐れもあります。このような行為で避妊ができるわけではないので、注意してくださいね。

生理中の性行為

生理中は排卵が起こらないから安全だと思い込み、コンドームを使用せずに性行為をことも避けましょう。

生理周期は人によって異なりますが、一般的に28日周期で起こります。この場合、排卵日を中心として14日後ごろに生理が来ることが多いですが、自分が気づかない間にこの周期がずれてしまう場合があります。そうすると次の排卵日もずれてしまったり、また性行為後も数日間精子が生存していたりすることで、思わぬ妊娠につながってしまうことも。そのため生理中であっても、妊娠しないとはいえません。

また生理中は感染症や子宮内膜症のリスクも上がるため、この時期の性行為は控えましょう。

性感染症予防ができるのはコンドームだけ

コンドーム以外にも、低用量ピルや避妊リングなど、避妊するための方法は色々あります。しかし、性感染症を予防できるのはコンドームだけ。

妊活をしていたり、性感染症の検査をしていたりする場合以外は、性感染症のリスクを高めないためにも、性行為時に必ずコンドームをつけましょう。

妊娠を避けるためには「コンドーム+低用量ピルの併用」がおすすめ

効果の高い避妊法として、低用量ピルもあります。ピルを服用することで排卵を抑制できるため、妊娠しにくくなるのです。

先述したパール指数においても、低用量ピルはコンドームよりも低い数値を示しているため、妊娠を避けたい場合の方法としておすすめです。

クリニックフォアならオンライン診療によるアフターピル処方が可能

避妊に失敗してしまったかも!というときには、性行為後72に時間以内に服用することで、高い確率で妊娠を避けられるアフターピルと呼ばれるピルもあります。アフターピルの場合、80%以上の割合で望まない妊娠をさけられるとされています*。

クリニックフォアなら低用量ピルを始め、アフターピルについてもオンライン診療での処方が可能です。初診からオンライン診療が可能なので、周囲には知られたくない悩みや不安を抱えた人でも安心して利用できます。受診後は、最短で翌日にはお薬が自宅に届くので、すぐに服用できるのも嬉しいポイントです。

参考:女性の健康推進室ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修)「避妊」

コンドームは正しく使用し、望まない妊娠を防ごう

性行為をするときには避妊だけでなく、感染症予防の観点でもコンドームを装着しましょう。また避妊方法に関する情報の中には、根拠のないうわさ話や信ぴょう性のないネット情報など、誤った情報が流れていることもあります。

コンドームに限らず、避妊方法は正しく理解し、望まない妊娠は避けられるようにパートナーと一緒に気を付けてくださいね。