低用量ピルの副作用とは?症状の種類やいつまで続くかを解説

「低用量ピルを飲み始めたいけれど、副作用が心配」と感じている方もいるのではないでしょうか?
低用量ピルの副作用に関する情報はさまざまあり、何が正しいのか判断に迷う方も多いでしょう。
結論から言うと、低用量ピルの副作用は「軽度のマイナートラブル」と「重大な副作用(血栓症)」の2種類に分かれ、マイナートラブルの多くは3か月ほどで自然に改善します[1]。
一方で、血栓症はまれですが命にかかわる可能性もあるため、初期症状や予防法を事前に知っておくことが大切です[2]。
この記事では、低用量ピルの副作用の種類や時期、血栓症のリスクと予防法を詳しく解説します。
あわせて「太る」「不妊になる」といった誤解の真相や、副作用がつらいときの対処法についても、公的資料をもとにわかりやすくお届けします。
低用量ピルの副作用について正しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。

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低用量ピルの副作用は軽度と重大の2種類に分かれる

低用量ピルの副作用は、頻度は高いものの症状が軽い「マイナートラブル」と、頻度は低いが注意が必要な「重大な副作用(血栓症)」の2つに分けて理解することが重要です。

両者の違いを整理すると以下のようになります[1][3]

比較項目マイナートラブル血栓症
主な症状不正出血・吐き気・頭痛・乳房の張り・むくみ・気分の変調など足の急激な痛み・息切れ・胸の痛み・激しい頭痛・視覚障害など
出やすい時期服用開始から1〜3か月服用開始から3か月以内
頻度初めて飲む方の約40〜50%年間1万人に3〜9人
対応多くは継続服用で改善すぐに服用中止・医療機関を受診

マイナートラブルは飲み始めの1〜3か月に集中しやすく、体がホルモンに慣れるにつれて改善していきます[1]

血栓症は発症頻度が低いものの、見逃すと重篤な状態につながる可能性があるため、症状を知っておくことが大切でしょう。

ここでは、それぞれの副作用の特徴・出やすい時期・血栓症の基本について詳しく解説します。

マイナートラブルの主な症状と特徴

低用量ピルの服用を開始すると、体内のホルモンバランスが変化する過程でさまざまな症状があらわれることがあります。

これらは「マイナートラブル」と呼ばれ、初めてピルを飲む方の約40〜50%が経験するとされています[1]

主な症状としては以下のものが挙げられます[1]

  • 不正出血(約18%)
  • 吐き気(約30%)
  • 頭痛
  • 乳房の張り
  • むくみ
  • 眠気
  • 気分の変調

とくに不正出血と吐き気は飲み始めに多く見られますが、継続服用によりホルモン環境(バランスのほうがわかりやすいかと思います。ホルモン環境って検索しても出てこないので一般的な表現ではないと思います)が安定すると改善するケースがほとんどです。

マイナートラブルがあらわれた場合でも、自己判断で服用を中止せず、まずは医師に相談することが大切でしょう。

副作用が出やすい期間——1〜3か月が目安

マイナートラブルが出やすい時期は、服用開始から1〜3か月(1〜3シート目)です[1]

この期間は体がまだ低用量ピルのホルモンに慣れておらず、一時的にホルモンバランスが変動するためです。

3シート目以降はホルモン環境(同上、バランス)が安定し、副作用をほとんど感じなくなる方が多いとされています[1]

ただし、副作用の出方やおさまる時期には個人差があるため、3か月を過ぎても症状が続く場合はピルの種類変更を含めて医師に相談することをおすすめします。

最も注意が必要な重大な副作用——血栓症

低用量ピルの副作用で最も注意が必要なのは血栓症です[1][2]

血栓症とは血管内に血液の塊(血栓)ができ、血管が詰まることでさまざまな臓器に障害をきたす病気の総称です。

低用量ピル服用の有無や妊娠状態による血栓症発症率の比較は以下のとおりです[3][4]

状態年間1万人あたりの発症率
ピル非服用の女性1〜5人
ピル服用中の女性3〜9人
妊娠中〜産後12週間の女性6〜12人

ピル服用中の発症率は非服用の女性と比較すると約2〜5倍ですが、妊娠中〜産後12週間の女性のリスクと比べると低い水準です[4]

血栓症の発症リスクがとくに高い時期は服用開始から3か月以内であり、この期間は自分の体の変化に注意することが推奨されます。

低用量ピルの副作用で注意すべき血栓症のリスク

血栓症は低用量ピルの副作用のなかで最も重大なリスクですが、正しく理解して予防することで過度に怖がる必要はありません。

リスクが高い人の特徴や初期症状を知っておくことで、万が一のときに早期対応ができます。

服用前の確認事項や日常生活で取り組める予防法もあるため、ピルを安心して服用するための知識として把握しておくことが大切でしょう。

ここでは、血栓症のリスク因子・初期症状・予防法を解説します。

血栓症のリスクが高い人の特徴

血栓症のリスクが高い方は、服用前に医師に伝えたうえで処方の可否を判断してもらう必要があります。

リスクが高まる主な特徴は以下のとおりです[1]

  • 35歳以上で1日15本以上喫煙する方(禁忌)
  • 肥満(BMI30以上)の方
  • 血栓症の既往歴・家族歴がある方
  • 高血圧・糖尿病の方
  • 40歳以上の方
  • 前兆のある片頭痛がある方
  • 長期間の臥床状態にある方

リスクが複数重なるほど危険性が高まるため、診察時に正確な健康情報を医師に伝えることが大切でしょう。

血栓症の初期症状——ACHESの覚え方

血栓症にはとくに注意すべき初期症状があり、頭文字をとった「ACHES」として覚えておくと早期対応に役立ちます。

  • A(Abdominal pain):激しい腹痛
  • C(Chest pain):胸の痛み・息切れ
  • H(Headaches):激しい頭痛
  • E(Eye problems):視覚障害
  • S(Severe leg pain):足の急激な痛み・腫れ

これらの症状があらわれた場合は、すぐに低用量ピルの服用を中止して医療機関を受診してください[2]

受診時には「低用量ピルを服用していること」を医師に伝えることが早期診断につながります。

日常生活でできる血栓症の予防法

低用量ピル服用中の血栓症リスクを下げるために、日常生活での取り組みが重要です。

予防のために意識したいポイントは以下のとおりです[1]

  • 十分な水分補給:脱水は血液を濃縮させて血栓ができやすくなる
  • 長時間同じ姿勢を避ける:1〜2時間ごとにストレッチや歩行をおこなう
  • 禁煙:喫煙者はピル服用で血栓リスクがさらに高まる
  • 自己判断での休薬・再開を避ける:1か月以上の休薬後の再開は飲み始めと同様にリスクが高まる

脱水はとくに夏場・運動時・長距離移動時に意識的に水分を摂ることが必要です。

長時間同じ姿勢を避けることも大切で、フライトや長距離バスなどで長時間の座位が続く場合は1〜2時間ごとに立ち上がってストレッチや歩行をおこなうことが推奨されます。

喫煙習慣のある方は非喫煙者に比べて血栓リスクが高まるため、ピルを服用するうえで禁煙はとくに重要でしょう[1]

1か月以上ピルを休薬して再開した際は飲み始めと同様に血栓リスクが高まるため、自己判断での中断・再開を繰り返さないよう注意が必要です[1]

「太る」「不妊になる」は誤解——低用量ピルの副作用の正しい知識

低用量ピルの副作用については「太る」「不妊になる」など、医学的根拠のない情報が広まっていることがあります。

正しい知識を持つことで、不要な不安を感じることなくピルの服用を検討できるでしょう。

また、飲み合わせに注意が必要なお薬やサプリメントもあるため、あわせて確認しておくことが大切です。

ここでは、よくある誤解の真相と飲み合わせの注意点を解説します。

低用量ピルと体重増加の関係

低用量ピルの服用と体重増加の間に直接的な因果関係はないと考えられています。

飲み始めの時期にホルモン変動によって食欲が増したり、むくみ(水分貯留)が生じたりすることで「太った」と感じさせる場合があるでしょう。

このような変化は一時的なものであり、継続服用によりホルモン環境(同上、バランス)が安定すると改善することがほとんどです。

ドロスピレノンを含む製品(ヤーズ配合錠など)は利尿作用があるためむくみが出にくいとされており、体重変化が気になる場合は医師に種類の変更を相談することも選択肢でしょう。

服用中止後の妊娠への影響

低用量ピルの服用が将来の不妊につながるという医学的根拠はありません[1]

ピルの服用をやめると通常1か月以内に排卵が再開し、服用前の状態に戻るとされています[1]

ただし、ピルは月経不順やPMSなどの根本的な原因を治すお薬ではないため、服用をやめると以前の症状が再びあらわれる可能性があります。

元々生理不順があった方は、やめた後すぐに規則的な排卵が再開しないことがありますが、これはピルの影響ではなく元の体質によるものです。

妊娠を希望する時期にピルの服用を中止する場合は、事前に医師に相談しておくと安心でしょう。

飲み合わせに注意が必要なお薬・サプリメント

低用量ピルの効果を弱める可能性があるお薬・サプリメントには以下のものが知られています[1]

  • 抗てんかん薬(フェニトイン・カルバマゼピンなど)
  • 抗結核薬(リファンピシン)
  • 抗HIV治療薬
  • セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)含有サプリメント

セントジョーンズワート含有製品はピルの代謝を促進し、避妊効果を低下させる可能性があるとされています[1]

一般的な解熱鎮痛薬・風邪薬・抗生物質との飲み合わせは通常問題ないとされていますが、何らかのお薬を服用している方は処方時に医師に伝えることがおすすめです。

判断に迷う場合は、自己判断せず医師または薬剤師に確認してみてください。

低用量ピルの副作用がつらいときの対処法

低用量ピルの副作用がつらい場合でも、対処法を知っておくことで服用を継続しやすくなります。

多くのマイナートラブルは服用方法の工夫やお薬の種類変更によって軽減できる場合があるため、まずは医師に相談してみることが大切です。

一方で、血栓症が疑われる症状があらわれた場合はすぐに服用を中止して受診する必要があります。

ここでは、症状ごとの対処法と受診が必要なサインを解説します。

吐き気・頭痛への対処法

吐き気がつらい場合は、服用するタイミングを就寝前に変更することが有効な対処法のひとつです。

就寝中は吐き気を自覚しにくいため、ホルモン変動の影響を感じやすい日中の活動時間を避けられるでしょう。

また、食後に服用することで吐き気が軽減する場合もあり、食前・食後のどちらに服用しても効果に差はありません[1]

それでも症状がつらい場合は、処方クリニックで吐き気止めや頭痛薬を同時に処方してもらうことも選択肢になるでしょう。

なお、服用後2時間以内に嘔吐した場合はお薬が十分に吸収されていない可能性があるため、医師または薬剤師に相談することが推奨されます[5]

不正出血が続くときの対処法

不正出血(スポッティング)への基本的な対処法は、あわてず3シート目まで服用を継続することです。

飲み始めの不正出血はホルモン環境(同上、バランス)が安定するまでの一時的な現象であり、多くの場合は2〜3か月で自然に治まるためです[1]

出血量が少なければパンティライナーを活用することで日常生活への影響を最小限に抑えられます。

毎日同じ時間に服用することでホルモンレベルが安定し、不正出血の軽減にもつながるでしょう。

3シート目以降も不正出血が続く場合は、ピルの種類変更や他の原因(飲み忘れ・性感染症・子宮や卵巣の疾患など)がないかを医師に確認してもらうことをおすすめします。

すぐに受診・服用中止が必要なサイン

以下の症状があらわれた場合は、マイナートラブルの範囲を超えている可能性があるため、すぐに服用を中止して医療機関を受診してください[2]

血栓症が疑われる症状として、以下のものが代表的です[2]

  • 足(とくに片脚)の急激な痛み・腫れ・しびれ
  • 突然の息切れや胸の痛み
  • 激しい頭痛・視覚障害・ろれつが回らない
  • 激しい腹痛

そのほか、以下のような状態も受診が必要です。

  • 3か月以上続く吐き気・頭痛・不正出血
  • 出血量が非常に多い場合
  • 前兆のある片頭痛が新たに出現した場合

受診の際は「低用量ピルを服用していること」を医師に伝えてください。

自己判断で様子を見ることは避け、少しでも不安を感じたら早めに医師に相談することが大切でしょう。

低用量ピルの副作用が不安ならオンライン診療で相談できる

低用量ピルの副作用が心配な方や、服用中に気になる症状があらわれた方は、オンライン診療を活用して医師に相談する方法もあります。

クリニックフォアのオンライン診療では、低用量ピルの処方から服用中の副作用に関する相談まで、自宅にいながら医師の診察を受けられます。

「副作用が出ているが、わざわざ通院するほどか判断がつかない」「ピルの種類を変更したい」といった場合にも気軽に相談できる点がメリットでしょう。

ただし、血栓症が疑われる症状(ACHESに該当する症状)があらわれた場合は、オンライン診療ではなくすぐに最寄りの医療機関を受診することが必要です。

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※診察の結果、医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

※触診・検査などが必要な場合は、対面での診療をお願いする場合があります。

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。

よくある質問

Q1. 低用量ピルの副作用はいつからいつまで続きますか?

マイナートラブルは服用開始直後〜1か月以内に始まり、多くの場合は3か月以内に自然に改善します[1]

3か月を過ぎても症状が続く場合は、ピルの種類変更も含めて医師に相談することをおすすめします。

Q2. 低用量ピルの副作用で吐き気が強いときはどうすればよいですか?

服用タイミングを就寝前に変更したり、食後に服用したりすることで軽減できる場合があります。

それでもつらい場合は、医師に吐き気止めの処方を相談してみてください。

Q3. 低用量ピルの副作用で太ることはありますか?

低用量ピルの服用と体重増加に直接的な因果関係はないとされています。

飲み始めのむくみや食欲変化は一時的なもので、継続服用により改善するケースがほとんどです。

Q4. 低用量ピルの副作用がつらくて途中でやめてもよいですか?

自己判断でやめる前に、まず処方医に相談することが大切です。

服用時間の変更やピルの種類変更など、症状を改善しながら継続できる方法を提案してもらえる可能性があります。

まとめ

低用量ピルの副作用は「マイナートラブル」と「血栓症」の2種類に分かれ、マイナートラブルの多くは飲み始めの1〜3か月で自然に改善します[1]

血栓症の発症率は年間1万人に3〜9人とまれですが、足の急激な痛み・胸の痛み・激しい頭痛などACHESの症状があらわれた際はすぐに服用を中止して受診が必要です[2]

35歳以上で1日15本以上喫煙する方など、血栓症リスクが高い方は禁忌・慎重投与となる場合があるため、診察時に正確な情報を医師に伝えてください[1]

「太る」「不妊になる」は医学的根拠がない誤解であり、体重変化は一時的なむくみが主な原因で、服用中止後は通常1か月以内に排卵が再開します[1]

副作用がつらい場合は服用時間の変更・吐き気止めの処方・ピルの種類変更など、医師と相談しながら対処法を試してみることが大切でしょう。

セントジョーンズワート含有サプリや一部の抗てんかん薬との飲み合わせはピルの効果を弱める可能性があるため、服用中のお薬は医師に申告してください[1]

低用量ピルの副作用について不安がある方は、まずは医師に相談してみてはいかがでしょうか。

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。

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参考文献

  1. トリキュラー錠21/トリキュラー錠28 添付文書(電子添文)|独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  2. 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 血栓症(血栓塞栓症、塞栓症、梗塞)」(令和3年4月改定)
  3. 杉浦和子「わが国における女性ホルモン剤と血栓症の実態」血栓止血誌.2021;32(5):632-634
  4. 日本ペインクリニック学会「抗血栓療法中の区域麻酔・神経ブロックに関するガイドライン」
  5. 日本産科婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)」
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