ピルによってニキビが改善されるのは何故か
ピルの服用でニキビが改善されるメカニズムについて、解説します。
黄体ホルモンの過剰分泌が抑えられることでニキビが改善される
ニキビの原因にはさまざまなものがあります。そのうち、大人になってからできるニキビの原因のひとつに、生理から約1週間前の、黄体ホルモンの過剰分泌が特に挙げられます。
生理の約1週間前は、黄体ホルモンの一種である「プロゲステロン」の分泌量が最大となります。プロゲステロンには男性ホルモンに似た作用があり、皮脂の分泌を増加させることでニキビができやすくなります。生理の約1週間前は、ホルモンバランスが乱れているわけではなく、通常のホルモン周期の中でニキビができやすい肌質になってしまうのです。
そして、ピルにはプロゲステロンの産生を抑える効果があるため、プロゲステロンが原因となってできるニキビの改善が期待されます。
クリニックフォアのオンライン診療では、ニキビ治療のため多くの患者様に受診いただいております。もちろん、生理周期で悪くなるニキビに対しても、適切なピルを提案させていただくことができます。肌のお悩みやニキビ治療でピルの服用を検討している方は、ぜひオンライン診療で医師にご相談ください。
黄体ホルモンの産生でニキビができやすくなるのはなぜ?
黄体ホルモンの一種であるプロゲステロンは、子宮内膜を着床しやすいように変化させ、女性の身体が妊娠しやすいようにし、妊娠を維持する際にも重要な役割を果たします。
一方でプロゲステロンは代謝されると男性ホルモンの一種であるテストステロンに変化します。その作用によって、皮脂の量が増えたり毛穴が詰まりやすくなったりするため、ニキビができやすくなります。
また、プロゲステロンがアクネ菌から肌を守るペプチドの発現量を減らすと言われています。そのため、排卵後から次の月経までの「黄体期」にはニキビができやすくなるのです。
ピルをやめたらニキビが再発する可能性もある
ピルをやめることで、黄体ホルモンの産生が再開するため、ピルによって抑えられていた黄体ホルモンが原因となるニキビは、再発する可能性があります。
ピルで治らない症状もある?
ピルはニキビ痕に対して有効ではない
ピルはあくまでも黄体ホルモンが原因であるニキビに対して、効果を発揮します。そのため、ニキビの改善には効果があるものの、ニキビ痕の治療には有効ではありません。
ニキビ痕は、ニキビの炎症によりメラノサイトが刺激され、メラニンが生成されることが原因となって色素沈着が起こることでできます。
そのため、ピルではニキビ痕を治すことは困難です。
ただし、ニキビ痕は他の治療方法によってしっかりと治すことができます。
ピルを飲んでもニキビが治らない場合もある
ピルを飲んでもニキビが治らない場合もあります。ニキビの原因にはホルモン周期はもちろんですが、それ以外にも肌の乾燥や寝不足によるターンオーバーの乱れなど、様々なものがあるからです。
原因が様々あるように、ニキビに対しては、低用量ピル以外にも様々な治療法があります。クリニックフォアのオンライン診療では、ニキビ治療外来も行っておりますので、ピル以外の様々な選択肢からニキビの治療を提案させていただくことができます。低用量ピルでニキビが改善できなかった場合は、是非オンライン診療で医師に相談してみてくださいね。
※ニキビ痕に関しては、通常のニキビ治療でも改善が難しく、美容皮膚科での治療が必要になる場合もあります。ニキビ痕にお悩みの場合はこちら(オンライン美容皮膚科)でご相談ください。
ピルを飲んでニキビがひどくなることもある?
頻度としては高くないうえに、特に後述する3種類のピルではひどくなることはほとんどありませんが、そのほかの種類のピルでは、人によっては稀にひどくなることもあります。
副作用や効果には個人差がありますので、お薬の種類は医師にご相談ください。
ニキビに効くピルは?オススメのピルは3種類
どの種類のピルでもニキビに効果があるわけではありません。
クリニックフォアでは、8種類の低用量ピルを取り扱っていますが、その中でも特に次の3種類にニキビ改善効果があると言われています。
- ヤーズフレックス(超低用量ピル)
- ファボワール(低用量ピル)
- マーベロン(低用量ピル)
それぞれのピルの違いは?
低用量ピルは、使用されている黄体ホルモンの種類によって違いがあります。上記3種類のピルのうち、ファボワールとマーベロンは同じくデソゲストレルという黄体ホルモンを使用しており、ニキビ改善の他にも多毛症の改善などが期待できるとされています。
一方でヤーズフレックスは、ドロスピレノンという黄体ホルモンを使用しており、むくみが少ないと言う特徴があります。また、ヤーズフレックスは超低用量ピルと呼ばれており、黄体ホルモンの種類だけでなく、卵胞ホルモンの配合量が少ないという特徴があります。
超低用量ピルは、低用量ピルと比べて吐き気や下痢、頭痛などの副作用の症状が軽減できる可能性があります。
ただし、副作用や効果には個人差がありますので、お薬の種類は医師にご相談ください。
名称 | 黄体ホルモンの種類 | 特徴 | 該当する薬 |
第一世代 | ノルエチステロン | 月経困難症のコントロールに優れる 子宮内膜症の治療効果が高い | シンフェーズ フリウェルULD ルナベルULD |
第二世代 | レボノルゲストレル | 不正出血が起こりにくい | トリキュラー ラベルフィーユ アンジュ ジェミーナ |
第三世代 | デソゲストレル | 大人ニキビや多毛症の改善が期待できる | マーベロン ファボワール |
第四世代 | ドロスピレノン | 大人ニキビの改善が期待できる むくみが少ない 国内ではヤーズが月経困難症、子宮内膜症治療薬として保険適用されている アメリカではPMDDに対する治療薬としてFDAに承認されている | ヤーズ ヤーズフレックス |