ピル服用中の下痢の原因とは?効果への影響と対処法を医師が解説

ピルを飲んでいる方の中には、下痢について気になっている方もいるのではないでしょうか?

この記事では、ピル服用中の下痢の原因や、対処法について詳しく解説します。

ピル服用中に下痢をすることがある?

ピルを飲むと、副作用で下痢になることがあります。副作用で下痢が発生する頻度(確率)は、クリニックフォアで取り扱いのあるマーベロンで0.1~5%未満、ラベルフィーユは1~5%未満とされています。

(参考)
医薬品医療機器情報提供ホームページ‐マーベロン21/マーベロン28
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/254910BF1055_1_11/
医薬品医療機器情報提供ホームページ‐ラベルフィーユ21錠/ラベルフィーユ28錠https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/254910CF1025_3_02/

下痢以外の副作用の症状は?

どのようなお薬にも、効果の反面、副作用のリスクがあります。ピルでも、下痢だけでなく、頭痛、吐き気、胸の張り、頭痛、下腹部の痛み、むくみ、食欲低下、眠気、不正出血など、さまざまな副作用が生じる恐れがあります。

なお、こういった副作用の多くはピルによるホルモンバランスの変化が原因と考えられています。

ピル服用中の下痢はいつまで続く?

飲み始めはピルに体が慣れておらず、副作用が起こりやすいです。飲み始めてから3ヶ月ほどで気にならなくなることが多いため、多少の症状であればあまり気にせず飲み続けてみましょう。

下痢以外の多くの副作用も、飲み続けることで気にならなくなることが多いです。

ピル服用中の下痢の影響は?

ピル服用中に下痢をすると、ピルの効果が得られにくかったり、不正出血が起きたりすることがあります。詳しくは以下の通りです。

効果が得られにくい

ピルを飲んですぐに下痢をすると、お薬の成分が体に吸収されず、効果が得られないことがあります。

特に避妊目的で服用している場合、お薬の成分が十分に吸収されない日が続くと、排卵を止められず妊娠することがあるため注意が必要です。

不正出血が起きる

ピルは、女性ホルモンを補充することで排卵を止めるお薬です。多くのピルは、4週間のうち1週間程度が休薬期間(お薬を飲まないか、成分が入っていない偽薬を飲む)になっており、この期間に体内の女性ホルモンが変化することで、子宮内膜がはがれて生理のような出血(消退出血)が起きます。

便秘によってピルの成分が吸収されない時間が長くなると、消退出血と同じようなメカニズムで不正出血が起きることがあります。

ピルの服用中に下痢をしたときの対処法は?

前述の通り、ピルを飲んですぐに下痢をすると、お薬の成分が体に吸収されず、効果が得られにくいことがあります。対処法は下痢の程度やタイミングにもよるため、事前に医師に確認しておくことをおすすめしますが、一般的には以下のように対処するとよいでしょう。

軟便程度なら問題ない

軟便程度なら、お薬の成分が体外に排出されることはあまりありません。一方で、水っぽい下痢のときは注意が必要です。

2時間以内に水っぽい下痢をしたらもう1錠服用する

ピル服用から2時間以内に水っぽい下痢をしたときは、成分が体に吸収されずに出てしまう恐れがあります。そのため、そのときは追加でもう1錠飲みましょう。

なお、2錠目のお薬は翌日分のお薬なのでズレが生じますが、あまり気にせず、そのあとはシートの順番通りに飲み続けてください。

2時間以上経過後の下痢は基本的に問題ない

ピルの成分が体に吸収されるまでの時間は2時間程度と言われています。2時間以上経てば吸収されている可能性が高いので、下痢をしても問題ないことがほとんどです。

1日以上続く下痢のときは、ピルの服用を休む

下痢が続いている時は、ピルの成分が体に吸収されないので、服用を休みましょう。下痢がおさまって再開するときは、飲み忘れのときの方法と同様の対応をしてください。

具体的な対処法は担当医に事前に確認しておく

下痢のときの対応は、下痢の程度やタイミングによっても異なることがあるため、事前に医師に確認しておくと安心です。

なお、下痢だけでなく吐き気も同様です。

ピル以外の避妊法も併用する

ピルは、7日以上連続して飲むことで効果が見込めるようになるお薬です。そのため、下痢をしてしまったときは、下痢が治まった後で7日間連続服用できるまでは、コンドームなどの別の避妊法も併用しましょう。

ピル服用中に下痢をしたら病院?ピルをやめるべき?

ピルの副作用で下痢があった場合、「体に合わないのでは?」「ピルをやめたほうがよいのでは?」と思うかもしれません。基本的には3ヶ月程度は様子を見て、それでも治まらないときは受診したほうがよいでしょう。詳しくは以下の通りです。

3ヶ月程度は様子を見てもよい

すでに説明した通り、ピルの飲み始めの時期は下痢などの副作用が起こりやすいです。3ヶ月ほど飲み続けるとホルモンバランスが安定して下痢もなくなることが多いため、そこまでひどくなければ3ヶ月ほど様子を見ましょう。

下痢が続くときは一旦ピルをやめる

下痢が続いており、原因がピルの疑いがあるときは一旦ピルをやめてみてください。やめても下痢が数日以上続くような場合は、別の病気の恐れもあります。

また、ピルをやめて下痢が治まった場合は、ピルが体に合っていないことが考えられるため、医師に相談してください。

長期間続くときは受診

3~4ヶ月経っても下痢が続くときは、別の原因があったり、ピルが体に合っていない恐れがあります。別のピルに変えることで改善されるかもしれないので、ひとまず担当医に相談してみてください。

アフターピル服用時の下痢について

アフターピルとは、避妊に失敗したときに飲む緊急避妊薬です。アフターピル服用時も、飲んで2時間以内に水っぽい下痢をした場合はもう1錠飲む必要があります。

また、アフターピルは、副作用で嘔吐が起きやすく、嘔吐したときも同様の対応が必要です。なお、嘔吐を予防するため、吐き止めが処方されることもあります。

ピルと下痢止めの併用は問題ない?

ピルと下痢止めなどのお薬の併用は基本的に問題ありません。ただし、前述の通り、下痢が続いているときはピルは一旦やめることをおすすめします。

下痢を防ぐために!ピル服用中の注意点

日常的な心がけによって、ある程度下痢を予防することも可能です。特に、ピル服用中は過度の飲酒を避けることをおすすめします。

お酒を飲みすぎると腸で水分が吸収されづらくなり、下痢をすることがあるためです。また、飲みすぎると嘔吐にもつながり、下痢と同様にピルの成分が吸収されなくなる恐れがあります。

なお、ピル服用中の飲酒は禁止ではありませんが、飲むときは適量を心がけましょう。

クリニックフォアのオンラインピル処方

クリニックフォアではオンラインでピルの処方を行っており、低用量ピルの「マーベロン」や「ラベルフィーユ」などを取り扱っています。

スマホなどを使ってオンラインで診察を受けていただき、ピルはご自宅などに配送するので、忙しい方でもピルを始めやすく、続けやすくなっています。これから始めようと思っている方も、続けて行きたい方も、まずは受診をご検討ください。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

参考文献

  1. 医薬品医療機器情報提供ホームページ-マーベロン21 /マーベロン28
  2. 医薬品医療機器情報提供ホームページ-ラベルフィーユ21錠 /ラベルフィーユ28錠