ピルで眠気が出る原因と対処法|いつまで続くか・飲む時間の工夫を解説

「ピルを飲み始めてから、なんだか日中ずっと眠い」「仕事中に強い眠気があって困っている」と感じている方も多いのではないでしょうか。
ピルによる眠気はお薬に含まれる黄体ホルモンの影響によるもので、多くの場合は服用を続けることで数か月ほどで徐々に落ち着くものです[1][4]。一方で、飲む時間を就寝前に変えるといった工夫を取り入れることで、日中の眠気を軽減できる可能性があります。
この記事では、ピルで眠気が起こる原因や、持続期間、具体的な対処法、医師に相談すべきタイミングについて詳しく解説します。
ピルによる眠気に悩まされずに日常生活を送りたい方は、ぜひ参考にしてください。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。

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ピルで眠気が起こる原因

ピルによる眠気は、お薬に含まれる女性ホルモンの成分が体内のホルモンバランスに影響を与えることで起こると考えられています[1]。原因は以下の3つに大別されます。

原因仕組み目安の期間
黄体ホルモンの影響代謝物アロプレグナノロンが中枢神経に作用数か月で軽減
自律神経の乱れホルモン変化が自律神経に影響し睡眠の質が低下体が慣れるまで
服用初期の副作用吐き気・だるさに伴う倦怠感飲み始め数か月

それぞれの原因について詳しく解説します。

黄体ホルモンの影響

ピルによる眠気の大きな原因としてあげられているのが、お薬に含まれる黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響です[1]。黄体ホルモンは体内で代謝される際に「アロプレグナノロン」という物質に変化し、これが中枢神経に作用して鎮静・催眠効果をもたらす可能性があると考えられています[2][3]

「生理前になると決まって眠くなる」という経験をお持ちの方も多いかと思いますが、これも同じく黄体ホルモンの分泌増加が一因です。ピルには黄体ホルモンが含まれているため、服用することで生理前に似た眠気が出やすくなる場合があります。

自律神経の乱れによる睡眠の質の低下

ピルの服用を始めた直後は、体内のホルモンバランスが一時的に変化します。この変化が自律神経に影響し、睡眠の質が低下するケースが少なくありません。

睡眠の質が低下すると熟眠感が得られないため、日中に強い眠気を感じやすくなります。

「寝つきが悪い」「途中で目が覚める」といった状態が続く場合は、自律神経の乱れが関与している可能性も考えられます。

服用初期の副作用による体調変化

ピルの服用を開始した直後は、体が新しいホルモン環境に適応する過程でさまざまな軽い副作用があらわれることがあります[4]。吐き気・だるさ・頭痛などの体調変化によって、日中にぼんやりしたり眠気を感じやすくなったりする場合も珍しくありません。

これらの症状は一時的なものであることが多く、服用を続けるうちに軽減していくとされています。とくに飲み始めの数か月は体が慣れていないため、無理をせず体調の変化を見ながら過ごすことが大切です。症状が強い場合や長く続く場合は、お薬の種類が体に合っていない可能性もあるため、医師への相談が推奨されます。

ピルの眠気への対処法

「数か月待てばいいとわかっていても、今すぐ何とかしたい」という方も多いでしょう。

ピルによる眠気を和らげるためにできる工夫はいくつかあり、とくに飲む時間の変更は多くの方に効果的とされています。

自分の生活スタイルに取り入れやすいものから試してみましょう。

飲む時間を夜に変える

ピルによる眠気に対する効果的な対処法のひとつが、服用する時間を夜(就寝前)に変えることです。ピルの副作用による眠気は服用後数時間以内にあらわれやすいとされているため、朝や日中に飲んでいる場合は日中に眠気が出やすくなります。就寝前に変更することで、眠気が強くなる時間帯を睡眠中にずらせます。

飲む時間を変える際も、毎日同じ時間に服用するというルールは守るようにしてください。

「夜寝る前の歯磨き直前に飲む」といったルーティンを作っておくと、飲み忘れの防止にもつながります。

睡眠の質を高める工夫をする

ピルによる眠気の一因は、夜の睡眠の質が低下することにあります。夜にしっかり眠れるよう睡眠環境を整えることが、日中の眠気の軽減につながります。以下のような習慣を取り入れてみましょう。

  • 就寝前にぬるめのお湯で湯船につかる
  • 好きな音楽を聴いてリラックスする
  • ストレッチや深呼吸で体の緊張をほぐす
  • 室温や寝具を自分に合った状態に整える
  • 就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控える

夜にしっかり眠れるようになると、日中の眠気が自然と和らいでくることが多いため、まずは睡眠環境の改善から始めてみることをおすすめします。

日中に短時間の昼寝をする

夜の睡眠をしっかりとっていても日中にどうしても眠気を感じる場合は、20〜30分程度の短時間の昼寝が有効です。短い昼寝は眠気を効果的にリセットし、午後の集中力の回復に役立つとされています。長時間の昼寝は夜の睡眠に影響を与える場合があるため、短時間にとどめることが大切です。

日中の活動中にどうしても眠気がひどいときは、無理せず可能な範囲で短時間の休息をとることも体のためには大切な選択肢です。

ピルによる眠気がつらかったら医師に相談する

ピルによる眠気は多くの場合、服用を続けることで改善していきますが、すべての方が数か月以内に落ち着くわけではありません。

以下の目安を参考に、受診を検討してください。

  • 3〜4か月服用しても眠気が改善しない
  • 仕事・学業・運転などに明らかな支障が出るほど眠気がつらい
  • 眠気以外に吐き気・頭痛・むくみ・気分の落ち込みなど複数の副作用が重なっている

自己判断でお薬の服用を急にやめることはおすすめできないため、気になる場合はまず医師に相談してください。

3〜4か月経っても眠気が続く場合

3〜4か月服用を続けても眠気が改善しない場合は、現在服用しているピルが体質に合っていない可能性があります。ピルの種類によって配合されている黄体ホルモンの世代・種類・量が異なり、副作用のあらわれやすさにも違いがあるとされているためです[4]

眠気が続く場合は、医師に種類の変更を検討してもらうと良いでしょう。

「今飲んでいるピルが合わないから、ピル自体を諦める」と結論づける前に、まず医師に種類の変更について相談してみることが、より快適にピルを続けるための近道です。

日常生活に支障が出るほどつらい場合

服用期間にかかわらず、仕事や学業、日常生活に明らかな支障が出るほど眠気が強い場合は、早めに医師へ相談することが重要です。

たとえば、「仕事中に立っていられないほど眠い」「運転中に眠気が出て危険を感じる」「授業や会議に集中できない」といった状態が続く場合は、無理をせず受診を検討しましょう。

また、眠気に加えて吐き気・頭痛・むくみ・気分の落ち込みなど、複数の副作用が重なっている場合も同様に、医師へ状況を伝えることが大切です。

自己判断で服用を中止するとホルモンバランスに影響する可能性があるため、中止を検討する場合も医師に相談のうえで判断しましょう。

アフターピル・中用量ピルの眠気の違い

眠気が出やすいのは低用量ピルだけではありません。アフターピルや中用量ピルでも同様に眠気が生じることがあります。

種類1回または1日あたりのホルモン含有量眠気の出方持続期間主な対処
低用量ピル比較的少ない徐々にあらわれる数か月で軽減飲む時間の変更・体を慣らす
中用量ピル低用量より多い強めにあらわれることがある服用期間中安静・医師相談
アフターピル1回投与量が多い急激にあらわれることがある通常数日以内安静・数日で改善

低用量ピルと比べてホルモン量が多い種類では副作用が出やすい傾向があるため、事前に特徴を把握しておくことで慌てずに対処できるでしょう。

アフターピルによる眠気の特徴と対処法

アフターピル(緊急避妊薬)は服用後にホルモンバランスが急激に変化するため、眠気・倦怠感・吐き気・腹痛などの副作用が生じることがあります[5]

これは、アフターピルに含まれる黄体ホルモン量が低用量ピルよりも多く、副作用が強くあらわれやすいためです[5]

低用量ピルによる眠気は継続服用によるホルモン変化が原因であり、数か月程度かけて徐々に落ち着いていく傾向があります。一方、アフターピルによる眠気は一時的なホルモンの急激な変化が原因であり、通常数日以内におさまるとされています[5]

数日を過ぎても強い眠気の症状が続いたり他の症状を伴う場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。

中用量ピルによる眠気の特徴と対処法

中用量ピルは低用量ピルと比較して1錠あたりのエストロゲン含有量が多く、眠気が強くあらわれることがあります[6]。眠気以外にも倦怠感・頭痛・吐き気などの副作用が出やすい傾向があるため、服用期間中は無理をせず体を休めることが大切です[6]

中用量ピルは月経移動・機能性子宮出血の治療など、一時的に服用するケースが多いお薬です。そのため副作用も服用期間が終わるにつれて軽減していきます。日常生活に支障が出るほど眠気や副作用がつらい場合は、服用期間中であっても医師に相談してください。

ピルによる眠気や副作用の相談はクリニックフォアへ

「ピルを飲み始めてから眠気が続いていて不安」「飲む時間を変えたいが医師に確認したい」という方には、クリニックフォアのオンライン診療が便利です。

クリニックフォアでは、ピルの副作用の相談・種類の変更・服用方法の確認をオンラインでおこなえます。

ただし、眠気以外に激しい頭痛・視覚異常・舌のもつれ・片側のふくらはぎの急な痛みや腫れ・突然の息切れや胸痛など、血栓症が疑われる症状がある場合は、オンライン診療ではなく、すぐに救急外来を受診してください。

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※診察の結果、医師の判断によりお薬を処方できない場合がございます。

※触診・検査などが必要な場合は、対面での診療をお願いする場合がございます。

※診療費は診察内容によって異なります。

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。

ピルによる眠気についてよくある質問

ピルによる眠気の副作用について、多く寄せられる質問をまとめました。診察を受けるべきかの判断材料としてご活用ください。

Q1:ピルの眠気はいつから始まりますか?

ピルによる眠気は飲み始めの時期にあらわれやすく、ホルモンバランスが安定するまでは副作用が出やすい状態が続くとされています。症状の出方には個人差があり、まったく眠気を感じない方もいれば飲み始めてすぐに強い眠気を感じる方もいます。

Q2:ピルは朝と夜どちらに飲む方が良いですか?

眠気が気になる場合は、服用時間を就寝前に変えることをおすすめします。ピルによる眠気は服用後数時間以内にあらわれやすいため、夜に飲むことで眠気が強くなる時間帯を睡眠中にずらすことが可能です。毎日同じ時間に服用することが大切なため、時間を変える場合は医師に確認してから変更すると安心でしょう。

Q3:ピルの眠気はずっと続きますか?

ピルによる眠気は、服用を続けることで体がお薬に慣れ、多くの場合数か月ほどで落ち着いてくるとされています。3か月を過ぎても眠気が改善しない場合は、医師に相談しましょう。

Q4:アフターピルを飲んだあとの眠気はいつまで続きますか?

アフターピルによる眠気や倦怠感などの副作用は、多くの場合数日以内におさまります。一時的なホルモンバランスの急激な変化が原因のため、低用量ピルとは異なる強さの副作用が短期間で出ることがあります。数日を過ぎても症状が続いたり、強い腹痛や吐き気が続く場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。

まとめ

ピルによる眠気の主な原因は、黄体ホルモンの代謝産物による中枢への作用、自律神経の乱れによる睡眠の質の低下、服用初期の副作用による体調変化の3つです。

飲み始めの時期にもっともあらわれやすく、多くの場合数か月ほどで徐々に落ち着いてくるとされています。

日中の眠気には、就寝前への服用時間の変更が手軽で効果的な対処法です。あわせて睡眠環境の改善や短時間の昼寝を取り入れることも有効です。

3〜4か月服用を続けても眠気が改善しない場合や、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、ピルの種類変更を医師に相談してください。眠気が続くからといってピル自体を諦める必要はなく、種類を変えることで副作用が軽減することがあります。

アフターピルや中用量ピルでも眠気が生じることがありますが、アフターピルの副作用は通常数日以内におさまります。いずれの場合も、自己判断で服用をやめずに、不安な場合は婦人科やオンライン診療に相談することが大切です。

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参考文献

  1. Babalonis S, Lile JA, Martin CA, Kelly TH. Progesterone effects on the discriminative stimulus, subjective and performance effects of triazolam in healthy, premenopausal women. Behav Pharmacol. 2011;22(5-6):441-449.
  2. Bäckström T, Bixo M, Johansson M, et al. Allopregnanolone and mood disorders. Prog Neurobiol. 2014;113:88-94.
  3. Johansson M, Doverskog M, Scharschmidt B, Blackburn TP, Bäckström T. GR3027 reversal of neurosteroid-induced, GABA-A receptor-mediated inhibition of human brain function: an allopregnanolone challenge study. Psychopharmacology (Berl). 2018;235(5):1533-1543.
  4. 日本産科婦人科学会/日本女性医学学会 編.OC・LEPガイドライン2020年度版.診断と治療社;2021.
  5. ノルレボ錠1.5mg 添付文書|あすか製薬株式会社/独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  6. プラノバール配合錠 添付文書(2024年7月改訂・第4版)|あすか製薬株式会社/独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
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