ミニピルとは?低用量ピルとの違い・効果・副作用・飲み方を解説

年齢や喫煙歴から、低用量ピルが服用できず、「ミニピルなら飲めるのかもしれない」と思って検索した方もいらっしゃるでしょう。
低用量ピルはエストロゲンを含むため、喫煙・年齢・体質によっては血栓症のリスクから処方が制限されることがあります。
そうした方に新たな選択肢として近年注目されているのが「ミニピル」です。
ミニピルはエストロゲンを含まない黄体ホルモン単剤の経口避妊薬であり、血栓症リスクが低用量ピルと比べて低いとされています[1]。
2025年5月に厚生労働省の製造販売承認を受けた「スリンダ錠28」は、日本初の国内承認ミニピルとして同年6月より発売されました[1]。
ただし、ミニピルもすべての方に適しているわけではなく、服用の可否は必ず医師の診察のもとで判断する必要があります。
この記事では、ミニピルの定義から低用量ピルとの違い、起こりうる副作用、正しい飲み方まで解説します。
ミニピル服用前に注意事項をしっかり確認したい方は、ぜひ最後までお読みください。
※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。

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ミニピルとは

ミニピルは従来の低用量ピルとは成分が異なる経口避妊薬であり、近年日本でも関心が高まっています。

まずはミニピルの定義と避妊効果の仕組み、日本で選べるお薬の種類を整理しておきましょう。

ミニピルの定義と仕組み

ミニピルとは、黄体ホルモンのみを含む経口避妊薬のことです[1]

英語では「Progestogen-Only Pill(POP)」と呼ばれ、一般的な低用量ピルに含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)を含まない点が特徴です[1]

「ミニ」という名称は、配合剤の低用量ピルと比較してホルモンの種類が少ない(黄体ホルモンのみ)点に由来します。

エストロゲンを含まないことで、血栓症リスクが高いとされる方にとっても選択肢になりうるお薬です[1]

ただし、後述するとおりすべての方に適しているわけではなく、服用の可否は医師の診察が必要です。

ミニピルが避妊効果を発揮する仕組み

ミニピルは主に3つの仕組みで避妊効果を発揮します[1]

  • 黄体ホルモンの作用で排卵を抑制する
  • 子宮頸管粘液の粘度を高め、精子が子宮内に侵入しにくくする
  • 子宮内膜を薄く保ち、受精卵が着床しにくい環境をつくる

これらが複合的に働くことで高い避妊効果が期待できます[1]

正しく毎日服用することが効果を維持するうえでとくに重要です。

日本で選べるミニピルの種類

日本国内で承認されているミニピルとして「スリンダ錠28」(ドロスピレノン)があり、2025年6月に発売されました[1]。クリニックフォアでは国産の「スリンダ錠28」(ドロスピレノン)、および海外製ミニピル「セラゼッタ」の後発医薬品「デソコン」(デソゲストレル含有)を取り扱っています。

どの種類が適しているかは体質や症状によって異なるため、医師と相談しながら選ぶことが重要です。

ミニピルと低用量ピルの違い

同じ経口避妊薬でも、ミニピルと低用量ピルには含まれる成分・血栓症リスク・服用方法などに違いがあります[1]

比較項目ミニピル低用量ピル
含まれるホルモン黄体ホルモンのみエストロゲン+黄体ホルモン
エストロゲン含まない含む
血栓症リスク低用量ピルより低いとされるエストロゲンの作用により一定のリスクがある
服用方法休薬期間を設けず毎日1錠を連続服用するのが基本(28錠すべて実薬の製品と、実薬24錠+プラセボ4錠の製品がある)実薬21錠+休薬7日間が一般的
避妊効果正しく服用すれば高い避妊効果が期待できる正しく服用すれば高い避妊効果が期待できる
月経への影響不正出血が起きやすい、無月経になる方もいる休薬期間に消退出血が起きる
喫煙者・40代への処方医師の判断のもとで検討できる場合がある制約がある場合が多い

それぞれ詳しく解説します。

成分・血栓症リスクの違い

低用量ピルとミニピルの最大の違いは、含まれる女性ホルモンの種類です。低用量ピルにはエストロゲンと黄体ホルモンの2種類が含まれているのに対し、ミニピルに含まれるのは黄体ホルモンのみです[1]

低用量ピルで問題となる血栓症のリスクは主にエストロゲンの作用によるものと考えられており、エストロゲンを含まないミニピルは血栓症リスクが低用量ピルと比べて低いとされています[1]。そのため、低用量ピルの服用に制約がある体質・年齢・生活習慣の方でも、医師の診察のもとでミニピルの服用を検討できる場合があります[1]

避妊効果の高さについては両者の間に大きな差はなく、正しく服用することで同等の高い避妊効果が期待できます[1]

服用方法・休薬期間の違い

低用量ピルは実薬21錠を服用したあとに7日間の休薬期間を設けるのが一般的ですが、ミニピルには休薬期間がなく、全錠もしくは実薬+プラセボの構成で連続服用する方式です[1]

休薬期間がないためホルモンの変動が少ない点が特徴です。避妊効果を維持するには毎日同じ時間に服用し続けることが重要です。

飲み忘れがあった場合の対処法は種類によって異なるため、処方を受けた医師の指示に従ってください[1]

月経への影響の違い

低用量ピルは偽薬または休薬期間中に消退出血(月経様の出血)が起きるのが一般的です。

一方、ミニピルは子宮内膜を薄く保つ作用により、服用を続けることで月経が不規則になったり無月経になったりする方もいます[1]

この子宮内膜を薄く保つ作用により、副次的に月経痛や経血量の軽減を実感する方もいます。ただし、月経困難症や過多月経の治療を目的とする場合は、それぞれに適応のある別のお薬の処方が検討されます。

また、ミニピルでは飲み始めの時期に不正出血が起きやすい傾向があります。この症状は服用を継続することで徐々に軽減していくことが一般的ですが、不正出血が長期間続く場合は、自己判断せずに医師に相談してください[1]

ミニピルを服用できる方・できない方

ミニピルはエストロゲンを含まないため、これまで低用量ピルの服用が難しかった方に新たな選択肢を提供するお薬です[1]。ただし、ミニピルにも服用できないケースや、慎重な判断が必要な状況があります。

ミニピルを服用できる方

低用量ピルに含まれるエストロゲンは血液凝固に影響を与えるため、血栓症リスクが高い方は服用が制限されることがあります[1]

日本産科婦人科学会のガイドラインでは、以下の条件に該当する方は低用量ピルの服用に制約があるとされています[2]

  • 35歳以上で1日15本以上喫煙する方
  • 40歳以上の方
  • BMIが30以上の方
  • 前兆を伴う片頭痛がある方

ミニピルはエストロゲンを含まないため、こうした条件がある方に加え、授乳中の方も相談できる場合があります。低用量ピルはエストロゲンの影響で母乳の量が減ることがあるため授乳中の服用が制限されますが、ミニピルは母乳分泌への影響が少ないとされています[1]。授乳中の服用については医師の判断が必要です。

ミニピルの服用希望がある方は、婦人科で相談してみましょう。

ミニピルを服用できない方

ミニピルの製品ごとに禁忌は異なるため、必ず処方時に医師にご自身の既往歴・服用中のお薬・体質などを正確に伝えてください。

代表的な禁忌として以下が挙げられます[1]

【ミニピルの主な禁忌】

  • 乳がんまたは生殖器がんおよびその疑いのある方
  • 診断の確定していない異常性器出血がある方
  • 重篤な腎障害または急性腎障害のある方
  • 重篤な肝障害のある方
  • 妊娠中または妊娠している可能性のある方

既往症や薬剤過敏症によって異なるため、必ず医師にご相談ください。

ミニピルの処方を受ける前に医師へ伝えるべきこと

処方の可否を正確に判断してもらうために、受診前に以下の情報を整理しておくと診察がスムーズです。

  • 現在の喫煙習慣(1日の本数)
  • 年齢・BMI
  • 既往歴(血栓症・がん・肝疾患・腎疾患など)
  • 妊娠可能性
  • 授乳中かどうか
  • 片頭痛の有無と種類(前兆あり・なし)
  • 現在服用しているお薬

低用量ピルの処方を断られた経験がある方は、その理由も伝えると医師がより適切な判断をしやすくなります。「こんなことを相談していいのかな」と遠慮する必要はありません。安全な服用のために、気になることはすべて受診時に伝えましょう。

ミニピルの主な副作用

ミニピルは血栓症リスクに関連する副作用が起こりにくいとされていますが、副作用そのものがないお薬ではありません。とくに飲み始めの時期は体がお薬に慣れておらず、副作用が出やすい傾向があります。

国内承認ミニピルの臨床試験で報告された主な副作用は以下のとおりです[1][3]

副作用特徴対処法
不正出血(月経中間期出血)もっとも多く報告される副作用。子宮内膜が薄く不安定になるために起こる服用継続で徐々に軽減することが多い。長期間続く場合は医師に相談[3]
頭痛飲み始めの時期に起きやすい体が慣れるにつれ軽減することが多い
下腹部痛・腹痛飲み始めの時期に起きやすい症状がつらい場合は医師に相談
乳房不快感黄体ホルモンの作用による体が慣れるにつれ軽減することが多い
気分の落ち込み・不安感黄体ホルモンが精神症状に影響する可能性がある続く場合は処方を受けた医療機関に相談

主な副作用と対処の方向性をあらかじめ把握し、いざ症状が出たときに適切な対処ができるよう準備しておきましょう。

不正出血はいつまで続くか

ミニピルでもっとも多く報告されている副作用が不正出血(月経中間期出血)です[1]。これはミニピルに含まれる黄体ホルモンの作用で子宮内膜が薄く不安定になるために起こる現象であり、避妊効果が低下しているサインではありません[1]

不正出血が続く期間には個人差がありますが、服用を続けることで減少・消失していくことが一般的です[3]。数か月以上持続する場合は別の疾患の可能性も考えられるため、長引く場合は医師に相談することが大切です[3]

その他の副作用と対処法

不正出血のほかにも、頭痛・下腹部痛・腹痛・乳房不快感などが報告されています[1]。これらは体がお薬に慣れるにつれ徐々に軽減することもありますが、つらい場合は自己判断せずに医師に相談してください。

気分の落ち込みや不安感が続く場合は、黄体ホルモンが精神症状に影響している可能性があります[1]。自己判断でお薬を急にやめることはホルモンバランスに影響するため、服用を中止したい場合も必ず医師に相談しましょう。

副作用が強い場合の受診タイミング

以下の症状がある場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに処方を受けた医療機関に相談してください。

  • 不正出血が数か月以上続く、または出血量が多くてつらい
  • 激しい頭痛や腹痛がある
  • 気分の落ち込みや不安感が強くなった

副作用の程度には個人差があります。早めに医師に相談し、種類の変更や対処法を検討してもらいましょう。

ミニピルの正しい飲み方と服用中の注意点

ミニピルの効果を最大限に発揮するためには、正しい服用方法を守ることが大切です。毎日同じ時間に1錠を服用し続けることが基本であり、時間のずれや飲み忘れは避妊効果の低下につながります[1]

服用開始のタイミングと時間管理

ミニピルは月経第1日目から服用を開始するのが基本で、遅くとも月経5日目までに開始します[1]

毎日同じ時刻に1錠を服用するのが基本の飲み方です。

食前・食後の決まりはないため、服用を忘れにくい時間帯を選びましょう。

服用開始日が月経第1日目から遅れた場合は、飲み始めの最初の1週間はコンドームをはじめとする他の避妊方法を併用する必要があります[1]

スマートフォンのアラームを設定したり、歯磨きや就寝前など毎日おこなう習慣とセットにしたりすることで、飲み忘れを防ぎやすくなるのでおすすめです。

なお、ミニピルは性感染症(HIV感染・梅毒・淋病・クラミジアなど)を予防するものではありません。感染症予防としてのコンドームの使用は必要であることを覚えておきましょう[1]

飲み忘れた場合の対処法

ミニピルの飲み忘れ対処法は、お薬の種類によって異なります[1]

【偽薬がないタイプのミニピル(デソコンなど)】

通常の服用時間から12時間以内に飲み忘れに気づいた場合は、直ちに飲み忘れた錠剤を服用し、その日の錠剤も通常時間どおりに服用します。12時間以上過ぎてから気づいた場合も同様に服用しますが、その後7日間はコンドームなど他の避妊方法の併用が必要です。

【偽薬があるタイプのミニピル(スリンダ錠28)】

低用量ピルの飲み忘れと同じ方法で対処します。

添付文書から判断できない場合は自己判断で対処せず、処方を受けた医師または医療機関に確認しましょう。

飲み忘れがあった周期は避妊が不十分になるリスクがあるため、コンドームなど他の避妊手段を併用することが推奨されます[1]

服用中に注意すること

ミニピルの服用中は以下の4点に注意してください。

  1. 服用時間を守る
  2. 定期的に婦人科を受診する
  3. 他のお薬との相互作用に注意する
  4. 気になる症状はすぐに相談する

なかでも忘れがちなのが「他のお薬との併用」です。市販薬であっても定期的に服用しているお薬があれば、必ず受診時に医師に伝えましょう。

また、体調の変化や副作用の悪化を感じた場合は、自己判断で服用を中止せず、処方を受けた医師に相談してください。

ミニピルの相談はクリニックフォアのオンライン診療へ

ミニピルに興味があっても、仕事や生活の都合で婦人科への受診を後回しにしてしまう方も多いのが現状です。

クリニックフォアでは、スマートフォンやパソコンから受診できるオンライン診療でミニピルの処方・相談をおこなっています。

現在、クリニックフォアではセラゼッタの後発品「デソコン」を取り扱っており、「低用量ピルの処方を断られた経験がある」「ミニピルに切り替えたい」などのご相談に医師が対応します。

来院の手間なく診察を受けられるため、仕事や育児で忙しい方でも相談しやすい環境です。

ただし、診断の確定していない異常性器出血・強い腹痛・激しい頭痛など緊急性が高い症状がある場合は、オンライン診療ではなく速やかに対面の医療機関を受診してください。

クリニックフォアのオンライン診療はこちら

※診察の結果、医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

※触診・検査などが必要な場合は、対面での診療をお願いする場合があります。

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。

ミニピルに関するよくある質問

ミニピルの服用にあたり、多く寄せられる質問にお答えします。ミニピル服用への不安を少しでも軽減してから服用したい方は、ぜひご活用ください。

Q1:ミニピルと低用量ピルはどちらが良いですか?

体質や生活習慣によって、どちらが適しているかは異なるため、一概にどちらが良いとは言えません。

血栓症リスクが低い方・喫煙習慣のない方・40歳未満の方であれば低用量ピルも選択肢のひとつですが、喫煙・40代・肥満傾向・授乳中などの条件がある方はミニピルが適している場合があります。

どちらが自分に合っているかは必ず医師への相談が必要で、自己判断での選択は避けてください。

Q2:ミニピルで生理は止まりますか?

ミニピルの作用で子宮内膜が薄く保たれるため、服用を続けることで生理が止まる(無月経)方もいます[1]

これは体の異常ではなく、お薬の作用によって子宮内膜が薄く維持されている状態です。

服用をやめると月経が元の周期に戻ることがほとんどであり、将来の妊娠への影響は少ないとされています[1]

不安がある場合は医師に相談してみましょう。

Q3:ミニピルの飲み忘れは低用量ピルより影響が大きいですか?

ミニピルは低用量ピルと同様に、飲み忘れによって避妊効果が低下する可能性がありますが、両者を比較した報告はありません[1]

なお、飲み忘れた場合の対処法は服用する製品によって異なるため、飲み忘れに気づいた際は処方を受けた医師に確認することが確実です。

飲み忘れがあった周期はコンドームなど他の避妊手段を併用することが推奨されています[1]

まとめ

ミニピルは黄体ホルモンのみを含む経口避妊薬であり、エストロゲンを含まないため血栓症リスクが低用量ピルと比べて低いとされています。

そのため、日本産科婦人科学会のガイドラインで低用量ピルの服用に制約がある喫煙者・40代・肥満傾向・授乳中の方でも、医師の診察のもとでミニピルの服用を検討できる場合があります。

服用方法は毎日同じ時間に1錠を服用し続けるシンプルなものです。飲み忘れがあった周期は避妊が不十分になる可能性があるため、コンドームなど他の避妊手段の併用が推奨されます。確実な服用管理が必要です。

副作用として不正出血がもっとも多く報告されていますが、服用を継続することで多くの場合軽減します。

一部で無月経になる方もいるものの、服用中止後に月経が回復することが一般的です[1]

ミニピルの製品ごとに禁忌は異なります。乳がんや生殖器がんの既往・診断未確定の異常性器出血・重篤な肝障害・妊娠中の方は服用できない場合があるため、必ず医師の診察を受けて判断してください[1]

「ピルを諦めていた」「体質的に低用量ピルが合わなかった」という方は、諦めずにミニピルについて婦人科で相談してみましょう。

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参考文献

  1. スリンダ錠28 添付文書(あすか製薬株式会社)|医療用医薬品情報(KEGG)
  2. OC・LEPガイドライン2020年度版(日本産科婦人科学会/日本女性医学学会編)|Mindsガイドラインライブラリ
  3. スリンダ錠28 インタビューフォーム(あすか製薬株式会社)|PMDA医薬品情報検索(※「スリンダ錠28」で検索→インタビューフォームを参照)
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