ミニピルとは?
ミニピルとは、黄体ホルモン(プロゲステロン)のみを含有するピルのことです。卵胞ホルモン(エストロゲン)は含有せず、ホルモン量も少ないのが特徴。主な目的は避妊です。プロゲステロン(プロゲストーゲン)のみのピルなので、Progestogen-only pill(プロゲストーゲンオンリーピル)=POP(ポップ)と呼ばれることもあります。
なお、現在一般的に処方されているピルは、主に超低用量ピルと低用量ピルですが、いずれも黄体ホルモン、卵胞ホルモンの両方を含有しています。また、ホルモンの含有量は超低用量ピル < 低用量ピルとなっています。
ミニピルにはどんなものがあるの?
ミニピルには、以下のようなものがあります。
- セラゼッタ
- ノリディ
- ノルゲストン
- マイクロノア
- マイクロバル
- (ディナゲスト)
- (ノアルテン)
ディナゲストとノアルテンは国内で承認されているお薬で、ミニピルの定義通り、黄体ホルモンしか含有していません。ただ、黄体ホルモンの含有量が非常に多いため、ミニピルには含めないという考え方もあります。
また、ディナゲストやノアルテンはホルモンの含有量の観点から、避妊目的に使うにはメリットよりも副作用などのデメリットが大きいため、避妊目的では使いません。
ディナゲストは子宮内膜症、子宮腺筋症に伴う疼痛の改善に使い、ノアルテンは生殖補助医療に使うことが一般的です。
ミニピルの効果
ミニピルは主に避妊目的のお薬です。含有するホルモン量は少ないですが、低用量ピルと同等の効果が期待できるとされています。
また、生理初日に飲み始めた場合、その日から避妊効果が得られるのも特徴。生理2-5日目の間に飲み始めた場合は、1週間連続で服用した後から避妊効果が得られます。
なお、ミニピルは低用量ピルと同じように、月経困難症改善、子宮内膜症改善、ニキビ改善などの効果も期待できます。
ミニピルの特徴・メリット
ミニピルは卵胞ホルモンを含まないことで、副作用が少ないほか、以下のようなさまざまな特徴やメリットがあります。
血栓症のリスクがほぼない
低用量ピルや超低用量ピルで問題となるのが血栓症のリスクです。血栓症とは、血管に血の塊がつまってしまう状態のことで、生じる場所などによっては命にかかわることもあります。
なお、低用量ピルで血栓症のリスクが上がると言っても、それは微々たるもので、ほとんど気にする必要はありません。
ただ、血栓をつくる原因になるのは卵胞ホルモンであり、ミニピルは卵胞ホルモンを含まないことから、血栓症リスクがほぼないとされています。血栓症のリスクが気になる方にとってはミニピルはよい選択肢だと言えるでしょう。
血栓症リスクのある方でも服用できる
低用量ピルや超低用量ピルは、血栓症のリスクをわずかに高めるため、もともと血栓症リスクが高い方や、心血管系の障害が生じやすい持病などがある場合は服用できません。
しかし、ミニピルならそのような方でも服用できるケースがあります。
たとえば以下のような方です。
- 35歳以上で1日15本以上の喫煙者
- 40歳以上
- 肥満
- 偏頭痛がある
- 授乳中
- 高血圧
- 脂質代謝異常
- 糖尿病
など
頭痛持ちの方でも服用できる
低用量ピルや超低用量ピルは、前兆のある片頭痛の方の服用が禁止されています。前兆とは、正式には「閃輝暗点」や「星型閃光」と呼ばれるもので、視野の中に突然ギザギザ、キラキラとしたものが見え、だんだん広がり、その後頭痛が起きるというものです。
このような前兆のある片頭痛持ちの方がピルを飲むと、脳卒中などが発生しやすくなるため、服用が禁止されているのです。また、前兆がなくても、片頭痛持ちの方へのピルの処方には注意が必要とされており、処方できないケースもあります。
一方、ミニピルではそのようなリスクが少ないため、片頭痛持ちの方でも服用が可能です。
毎日同じ時間に服用する必要がある
ミニピルの成分の血中濃度が一定となるよう、ミニピルは毎日決まった時間に服用する必要があります
服用時間が12時間以上遅れると、避妊効果が得られなくなったり、不正出血が起きたりする恐れがあるため注意しましょう。
なお、低用量ピルや超低用量ピルもできるだけ同じ時間に飲んだほうがよいですが、一般的にはミニピルは服用時間のズレが3時間以内が望ましい(デソゲストレルが主成分の場合は12時間以内)とされており、低用量ピル・超低用量ピルよりも厳密です。
ミニピルの飲み方
ミニピルは、生理が始まった日から飲み始めるのが基本です。
また、低用量ピルのように休薬期間がないのが特徴です。休薬期間とは、お薬を完全に飲まない、またはホルモンの成分が含まれていない偽薬(プラセボ)を飲む期間のことで、低用量ピルの場合は1ヶ月に1度、必ず休薬期間が設けられています。
しかし、ミニピルには休薬期間がないので、ずっと飲み続けます。
また、ミニピルを飲んでいる場合は、飲んでいないときと同じように生理が来ますが、生理が来ても飲み続けて構いません。
そして、1シートが終わったらそのまま次のシートを飲み始めます。
毎日同じ時間に飲むことが重要!
前述の通り、ミニピルの服用時間のズレは3〜12時間以内におさめることが望ましいとされています。
服用時間が12時間以上遅れると、避妊効果が得られなくなったり、不正出血が起きたりする恐れがあるので注意しましょう。
ミニピルの副作用
黄体ホルモンのみを配合するディナゲストの場合、以下のような副作用のリスクがあります。(ディナゲストやノアルテン以外の狭義のミニピルは、黄体ホルモン量が少ないため、副作用のリスクは少ないと考えられます。)
- 不正出血
- 乳房の痛み
- 頭痛
- 吐き気
- 嘔吐
- イライラ
など
なお、重篤な不正出血が起こることがあり、それによって重度の貧血につながることが考えられます。そのため、出血量が多く、長く続くような場合は早めに再受診してください。
ミニピルを飲めない方
低用量ピルや超低用量ピルが飲めない方の選択肢となるミニピルですが、ミニピルが飲めない方もいます。たとえば以下のような方です。
- 過去に、黄体ホルモンを含むお薬でアレルギーを起こしたことがある
- がんの既往がある
- 重篤な肝障害の既往がある
- 原因不明の性器出血がある
- 異所性妊娠の既往がある
- ポルフィリン症
など
ミニピルと併用できないお薬
ミニピルと併用できないお薬は、低用量ピルと併用できないお薬の内容とほぼ同じです。たとえば、以下のようなお薬と併用するとミニピルの効果が下がることがあるため注意しましょう。
- 抗てんかん薬
- 結核治療薬
- C型肝炎治療薬
- セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含む健康食品
など
その他にも、なんらかのお薬を併用したい場合はまず医師に相談してください。
ミニピルの入手方法
ミニピルは、低用量ピルなどと同じく市販されていないため、医療機関で処方してもらう必要があります。
ただし、現在国内で承認されているのはノアルテンとディナゲストのみなので、それ以外の未承認薬は取り扱っていない医療機関もあります。
なお、通販でミニピルが販売されているケースもありますが、国内で未承認のお薬が通販で売られているということは、海外製品を個人輸入していることになります。しかし、個人輸入で購入した医薬品が偽物だったり粗悪品だったりすることは珍しくありません。危険なので手を出さないようにしましょう。
ミニピルに関するよくある質問
最後に、ミニピルに関するよくある質問にお答えします。
低用量ピルとの違いは?
低用量ピルとミニピルの大きな違いは、ミニピルには卵胞ホルモンが含有されていないという点です。さらに、低用量ピルよりも、含有されるホルモン量が少ないです。
これらのことから、ミニピルは血栓症リスクが低く、血栓症リスクが高いために低用量ピルが服用できなかった方も服用できるというメリットがあります。
また、ミニピルは休薬期間なしで飲み続ける点も異なります。
ミニピルを飲み忘れたらどうすればいい?
万が一飲み 忘れがあった場合、いつもの服用時間から 12時間以内であればすぐに飲み忘れた錠剤を 服用し、その日の錠剤も通常時間どおりに服用してください。
12時間以上過ぎてから飲み 忘れに気づいた場合も同様に飲み忘れた錠剤をすぐ服用し、その日の錠剤も通常時間どおり に服用してください。
ただし、1 週間は性交渉を控えるかコンドーム等による避妊を行って ください。
ミニピルの服用中にお酒を飲んでもいい?
服用中の飲酒は問題ありません。ただし、過度の飲酒で嘔吐してしまうと、ミニピルの成分が吸収されないまま排出されてしまうこともあるので注意してください。
また、お薬は肝臓で代謝されます。アルコールも肝臓で代謝されるので、過度の飲酒は肝臓の負担になるため注意しましょう。
ミニピルの服用中に市販薬を飲んでもいい?
ミニピルと、かぜ薬や胃腸薬、頭痛薬などの併用は問題ありません。
下痢や嘔吐をしたらどうすればいい?
ミニピルの服用直後に下痢や嘔吐をすると、お薬の成分が吸収されず、効果が得られないことがあります。
そのため、ミニピルの服用から2時間以内に下痢、嘔吐をした場合はもう1錠飲んでください。次のお薬は予定通りに飲めば問題ありません。
なお、下痢や嘔吐が続いている場合はミニピルの服用をやめ、お薬を7日連続で服用できるようになるまでは別の避妊法も併用することをおすすめします。
ミニピルは太る?
ミニピルで太ることはあまりないと言えます。
低用量ピルなどは、飲むと太るとよく言われることがあります。確かに副作用として体重増加やむくみが生じるリスクはありますが、ホルモンバランスの変化によるものなので、ピルに慣れれば気にならなくなることが多いです。
加えて、ミニピルは低用量ピルよりもホルモン量が少ないため、太ることもあまりないと考えられます。
喫煙者でもミニピルを飲める?
喫煙者でもミニピルを飲めるケースもあります。
ミニピルは、低用量ピルや超低用量ピルよりも処方できる対象範囲が広いです。低用量ピルや超低用量ピルの場合、喫煙者は血栓症のリスクが上がるため、処方に注意が必要とされており、35歳以上で1日15本以上の喫煙者には処方できないと決まっています。
しかし、ミニピルであればそのような方にも処方が可能です。ただ、患者さんの状態やクリニックの方針にもよるので、まずは医師にご相談ください。
ミニピルをやめたら生理が来る?
ミニピルをやめた後、3ヶ月以内に生理が普通に来るようになります。それ以上経っても生理が来ないときは再受診してください。
クリニックフォアのオンラインピル診療
クリニックフォアではオンライン診療でピルの診察を行っています。スマホなどを使ってオンラインで診察を受けていただき、お薬は配送します。
ミニピルの取り扱いはありませんが、低用量ピルの「マーベロン」や「ラベルフィーユ」を取り扱っています。お薬の定期配送もあるので、ピルを始めたい方・続けたい方は受診をご検討ください。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※自由診療
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。