セラゼッタとは?
セラゼッタは、オランダのオルガノン社が開発した経口避妊薬です。日本では未承認ですが、海外では承認され、一般的に使われている国も多いです。28錠で1シートとなっています。
また、セラゼッタはミニピルに分類されるお薬です。ミニピルとは、黄体ホルモン(プロゲステロン)のみを含有するお薬で、かつ、ホルモン量は超低用量ピルよりも少ないです。Progestogen-only pill(プロゲストーゲンオンリーピル)=POP(ポップ)とも呼ばれます。セラゼッタは黄体ホルモン「デソゲストレル」を0.075㎎含有しています。
なお、一般的なピル(低用量ピルや超低用量ピルなど)は、卵胞ホルモン(エストロゲン)も含有していますが、ミニピルは卵胞ホルモンを含有していません。
セラゼッタは男性ホルモン作用の少ない「第3世代」
ピルは、卵胞ホルモンが含まれている場合、その種類は基本的に全て「エチニルエストラジオール」です。一方で、黄体ホルモンの種類は4種類に分類でき、黄体ホルモンの種類ごとに、第1世代~第4世代と分類することができます。セラゼッタに含まれるデソゲストレルは第3世代に該当します。
黄体ホルモンは、体内で代謝される際に男性ホルモンとしての作用を起こしてしまうことがあります。これが、ニキビや多毛の原因になることもあるのです。そこで、黄体ホルモンの作用は出しつつ、男性ホルモンの作用を抑えられるように、配合される黄体ホルモンが進化してきたという経緯があるります。
第3世代は全世代の中で黄体ホルモン作用が最も大きく、男性ホルモン作用はある程度抑えられているため、ニキビ改善や多毛にも効果が期待できます。
セラゼッタの効果
セラゼッタに限らず、ミニピルは主に避妊目的で使うお薬です。
セラゼッタなどのミニピルは、以下のメカニズムで妊娠を防ぎます。
- 排卵を抑える
- 子宮頸管の粘液の状態が変化し、精子が侵入しにくくなる
- 子宮内膜が厚くならないようにし、着床しづらくなる
月経困難症改善効果も期待できる
低用量ピルなどは、避妊以外に月経困難症の改善目的で使うことがあります。セラゼッタなどのミニピルにも、低用量ピルと同じように、月経困難症の改善、子宮内膜症の改善や、ニキビへの効果が期待できます。
セラゼッタのメリット
セラゼッタは、卵胞ホルモンを含まないことで以下のようなメリットがあります。
血栓症のリスクがほぼない
低用量ピルや超低用量ピルで問題になるのが、血栓症のリスクです。血栓症は血管に血の塊がつまるもので、場合によっては命にかかわることもあります。
そして、血栓をつくる原因になるのは卵胞ホルモンだと考えられており、ミニピルは卵胞ホルモンを含まないので、血栓症リスクがほぼないとされています。
血栓症リスクがある方でも服用できる
低用量ピルや超低用量ピルは、血栓症のリスクをわずかにでも高めるため、もともと血栓症リスクが高い方や、心血管系の障害が生じやすい持病などがある方は、服用できない決まりがあります。
しかし、セラゼッタならそのような方でも服用できることがあり、たとえば以下のような方でも服用できるケースがあります。
- 35歳以上で1日15本以上の喫煙者
- 40歳以上
- 肥満
- 高血圧
- 脂質代謝異常
- 糖尿病
など
授乳中でも服用できる
低用量ピルや超低用量ピルの場合、卵胞ホルモンの影響で母乳の量が少なくなるため、授乳中は服用できません。
一方、セラゼッタは卵胞ホルモンを含まないので、授乳しながらでも服用が可能です。赤ちゃんにも影響はないとされています。
月経困難症・過多月経が緩和される
セラゼッタを飲むと生理が来なくなります。そのため、月経困難症や、経血量の多い過多月経に悩まされていた方は、それらの症状に悩まされることがなくなります。
ただ、低用量ピルや超低用量ピルでも、月経困難症や過多月経の症状は緩和されることが一般的です。
セラゼッタの飲み方
最初は生理初日から飲み始めるのが基本で、遅くとも5日目までに飲み始める必要があります。
一般的なピルと同じように、シートの順番通りに毎日飲みますが、1相性なので順番を間違えても問題はありません。また、1シート終わったら、生理が起きているかどうかなどにかかわらず、そのまま次のシートに移ります。
なお、セラゼッタには休薬期間がありません。休薬期間とは、お薬を飲まない、またはホルモンを含有しない偽薬(プラセボ)を飲む期間のことで、低用量ピルの場合は通常月に1度、休薬期間が設けられています。しかし、セラゼッタには休薬期間がないので、ひたすら飲み続ければよいのです。
服用時間を固定することが重要
セラゼッタをはじめとするミニピルは、服用時間が少しずれると避妊効果が落ちることがあります。そのため、毎日同じ時間に飲むことが大事です。
また、服用時間のずれは3時間以内が望ましいとされているため、数時間単位でずれてしまったときは、他の避妊法も併用したほうがよいでしょう。
なお、飲む時間がずれると、不正出血する可能性も高まります。
飲み忘れた場合の対処法
万が一飲み 忘れがあった場合、いつもの服用時間から 12時間以内であればすぐに飲み忘れた錠剤を 服用し、その日の錠剤も通常時間どおりに服用してください。
12時間以上過ぎてから飲み 忘れに気づいた場合も同様に飲み忘れた錠剤をすぐ服用し、その日の錠剤も通常時間どおり に服用してください。
ただし、1 週間は性交渉を控えるかコンドーム等による避妊を行って ください。
セラゼッタの副作用
セラゼッタには卵胞ホルモンが含まれておらず、黄体ホルモンの含有量も少ないため、副作用が生じにくいとされています。
しかし、飲み始めの時期は、ホルモンバランスの変化に体が慣れておらず、副作用が生じることがあります。たとえば以下のようなものです。
- 不正出血
- 乳房の痛み
- 頭痛
- 吐き気
- 嘔吐
- イライラ
など
特に最初の1~2ヶ月程度は、不正出血が起こる頻度が高めであり、出血が続くケースもあります。
ただ、飲み続けることで体がお薬に慣れ、気にならなくなることが一般的です。症状がそこまでひどくなければ、しばらく様子を見てもよいでしょう。
セラゼッタが向いている方
セラゼッタは、体質や持病などによって低用量ピルや超低用量ピルが飲めない方に向いています。たとえば以下のような方です。
- 40歳以上の方
- 喫煙者の方
- 授乳中の方
- 肥満、高血圧などがある方
- 頭痛持ちの方
- 吐き気、胸の張りなどのピルの副作用が気になる方
- ピルの血栓症リスクに不安がある方
など
セラゼッタを飲めない方
以下のような方には、セラゼッタの処方ができないケースがあります。
- 過去に、黄体ホルモンを含むお薬でアレルギーを起こしたことがある
- がんの既往がある
- 重篤な肝障害の既往がある
- 原因不明の性器出血がある
- 異所性妊娠の既往がある
- ポルフィリン症
セラゼッタと併用できないお薬
セラゼッタと併用できないお薬は、低用量ピルとほぼ同じです。たとえば以下のようなお薬と併用すると、セラゼッタの効果が下がるなどの悪影響が出ることがあるため注意しましょう。
- 抗てんかん薬
- 肺高血圧治療薬
- 抗HIV薬
- 結核治療薬
- C型肝炎治療薬
- セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含む健康食品
など
このほかにも、何らかのお薬と併用したい場合は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
セラゼッタの入手方法
セラゼッタは低用量ピルなどと同じく市販されていないため、医療機関で処方してもらう必要があります。
ただし、セラゼッタは日本では未承認のお薬なので、取り扱いのない医療機関も多いです。事前に確認してから受診しましょう。
なお、通販でセラゼッタを見かけることがあるかもしれませんが、これは海外製品を個人輸入していることになります。正規の入手方法ではなく、粗悪品や偽物が流通していることも珍しくないため、通販での購入は控えましょう。
クリニックフォアのオンラインピル診療
クリニックフォアでは、オンラインピル診療を行っています。セラゼッタ(後発品)の他、低用量ピルの「マーベロン」や「ラベルフィーユ」を取り扱っています。
まずはスマホなどで診察を受けていただき、お薬はその後配送されてお手元に届きます。定期配送もあるので、毎回受診しなくてもピルが続けやすくなっています。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※自由診療
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。