低用量ピルの服用方法とは?飲み方や休薬期間について、医師が解説します。

低用量ピルは一般的なお薬と違い、薬を飲むのをお休みする休薬期間があるなど、初めての方には少し飲み方が難しいかもしれませんが、毎日正しく服用するだけで避妊以外にも様々な効果が期待できるお薬です。 今回は低用量ピルの使い方・服用方法や休薬期間について徹底解説します。


ピルの正しい飲み方は?大事なポイントは2つ

低用量ピルの正しい飲み方は、以下の2ポイントです。

  • 初めてのシートは、生理の初日~5日目の間に飲み始める
  • 1日1錠を28日又は21日連続して飲む(ピル種類によって錠剤の数は異なり、120日連続して飲むタイプも)

なるべく決まった時間に内服することが望ましいですが、飲む時間や飲み方に指定は特に無し。上記2点を除けば、一般的な錠剤と特に変わることはありません。

低用量ピルを生理1日目~5日目の時以外に飲み始めるのはNG?避妊効果が弱くなる

避妊目的の場合、低用量ピルを生理1日目~5日目の時以外に飲み始めるのはNG。

生理5日目までに開始できなかった場合、排卵を抑制できない可能性があり、避妊効果が薄れます。服用2周目までは、ほかの避妊法を使用しましょう。

しかし、月経困難症や過多月経、PMSには効果が期待できるため、それらを目的とする場合には内服のタイミングは問いません。

アフターピルは飲み方が違う?避妊失敗後の72時間以内に飲むのが一般的

低用量ピルは日常的に飲むお薬ですが、アフターピルは違います。アフターピルの場合は、避妊失敗後の72時間以内に内服する必要があります。(エラワンというアフターピルの場合には120時間以内まで可)

また、アフターピルは避妊失敗後からできるだけ早く内服した方が効果は高まるため、避妊に失敗してしまった方は早めにアフターピルの処方を受けましょう。

低用量ピルの休薬期間とは?

休薬期間とは、その名の通り薬を休む期間のこと。この休薬期間に月経が起こります。ここでは休薬期間についてより詳しく説明します。

休薬期間でも避妊効果はきちんとある

休薬期間は通常の生理周期と同様に、子宮内膜が剥がれ、出血が起こります。そのため、基本的には妊娠することはないといわれています。

お薬によっては21日分の実薬を飲み終えた後に、偽薬 (プラセボ)という、ホルモンが一切含まれていないお薬がついてきます。しかし、これはあくまで飲み忘れを予防するために薬の内服を習慣づけるためについてくるもの。そのため、この偽薬 (プラセボ)を飲み忘れたからといって避妊効果が減少するということはありません。

休薬期間の何日目に月経がくることが多いの?およそ2~3日以内

ピルにもさまざまな種類があるため一概には言えませんが、休薬期間が始まってからおよそ2~3日以内に生理と同じような出血が4~5日程度起こる方が多いです。

この出血は厳密には生理ではなく、ピルによるホルモンの補充がなくなって子宮の内膜が剥がれ落ちて起こるため、消退出血と呼ばれます。

休薬期間に生理が来ない場合は?

1%未満というごく僅かな割合ですが、低用量ピル内服中に消退出血が来なくなる方もいるといわれています。休薬期間に消退出血、いわゆる生理が来なかった場合でも、そのまま低用量ピルを内服し続けてかまいません。

ただし、妊娠する可能性もゼロではないので、心配な方は念のため妊娠検査を行うことをおすすめします

ピルのよくある質問

最後にピルに関するよくある質問をまとめたので、参考にしてみてください。

Q. 低用量ピル服用中にお酒は飲んでいいの?

低用量ピルの服用中に飲酒をしても、適量なら薬の効果に影響はないといわれています。ただし、ピルをお酒で飲んだり、ピルを飲んでからすぐにお酒をのんだりするのはよくないので注意しましょう。

Q. 低用量ピルに副作用は無いの?

低用量ピルは飲み始めの頃、むくみや吐き気、頭痛などの副作用が起こることがあります。しかし、基本的には飲み続けているうちに症状が治まることがほとんどです。

低用量ピルの副作用について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。