花粉による肌荒れ「花粉皮膚炎」とは
花粉によって顔や首に肌荒れが起きることがあり、これを「花粉皮膚炎」と呼ぶことがあります。
症状は、皮膚の赤み、発疹、かゆみ、かさつきなどのほか、熱っぽさを感じることもあります。皮膚が薄い部分に症状が出やすいため、頬やまぶた、首などの症状が強い傾向がある点が特徴です。
また、かきむしってただれてしまったり、色素沈着したりすることもあるため、早めに対処することが重要です。
なお、鼻や目の症状がほとんどなく、症状が肌荒れのみというケースも珍しくありません。そのため、花粉が原因だと気がつかないことも多いです。
花粉による肌荒れの原因、メカニズム
鼻や目の症状が出る花粉症と同じく、花粉によるアレルギー反応で肌荒れが起きると考えられます。
日本人に最も多いのはスギ花粉症で、花粉の飛散は1月頃から始まり、3月頃がピークとなります。この時期は肌が乾燥しやすく、肌のバリア機能が低下しやすい時期でもあります。
通常であれば、花粉が皮膚についても肌のバリア機能によって守られるため、問題は生じません。しかし、乾燥するとバリア機能が低下し、花粉が皮膚の中に侵入しやすくなるため、アレルギー反応も生じやすくなると考えられます。
なお、花粉によるアレルギー反応のメカニズムは、体内で花粉に対抗する抗体がつくられ、抗体がくっついている肥満細胞(マスト細胞)からヒスタミンなどの化学物質が放出されて、アレルギー症状が現れるというものです。
花粉による肌荒れの治療法
花粉による肌荒れを治療する場合は、お薬を使うことが一般的です。たとえば「ステロイド外用薬」で炎症を抑えたり、乾燥している場合は「保湿剤」を使ったりします。
また、飲み薬の場合は、かゆみなどのアレルギー症状を抑える「抗ヒスタミン薬」や「抗アレルギー薬」が処方されることになるでしょう
花粉による肌荒れの予防法、対処法
最後に、花粉による肌荒れが発症・悪化しないようにできることをご紹介します。
花粉の飛散が多い時期の外出を避ける
花粉の飛散量が多い時期は、できるだけ外出を避けましょう。特に朝と夕方、気温の高い13~15時頃、雨があがったあとは花粉の飛散が多くなる傾向があるため注意してください。
花粉から肌を守る
外出の際は、顔や首などに花粉がつかないようにしましょう。通常の花粉症対策と同様に、マスク、メガネ、帽子、マフラーやスカーフなどを使うのがおすすめです。こうすることで肌を花粉から守るだけでなく、口、鼻、目から体内に花粉が入るのも防げます。ただし、モコモコした素材などは花粉がつきやすいので、ツルツルした素材を選びましょう。
また、軽くメイクをするだけでも、肌への影響を少なくできる場合があります。ただし、肌荒れしているときにメイクをするとかえって悪化することもあるので、メイクをすると症状がひどくなる場合はやめましょう。
帰宅後は洗顔をする
外出すると、少なからず肌や衣服に花粉がついてしまいます。そのため、帰宅したら洗顔をしましょう。ごしごしこすると刺激になって肌によくないので、よく泡立てて優しく洗うのがポイントです。もちろん、手洗いやうがいも必須です。
髪や衣服にも花粉がつくので、ブラッシングしたり、衣服を払ってから室内に入るのがよいでしょう。
また、帰宅したらすぐにシャワーを浴びることで、肌についた花粉をしっかり落とすことができ、室内に持ち込む花粉を最小限にできます。
皮膚に刺激を与えない
肌荒れの悪化予防のため、かゆくてもかかないでください。また、刺激によって花粉の影響をより受けやすくなったり、症状が悪化したりするので、強くこすったりしないようにしましょう。
肌に触れるマスクやティッシュなども、肌触りのよい滑らかなものを選ぶのがおすすめです。
保湿をする
皮膚のバリア機能を保ち、花粉の影響を最小限にするためには、保湿することが大事です。スキンケアをするときは十分に保湿することを心がけてください。
いつものスキンケアで刺激を感じるときは、低刺激のスキンケアアイテムに変えるのも一つの方法です。
生活習慣を改善する
肌のバリア機能とターンオーバーを正常に保つために、生活習慣を正すことも大事です。栄養バランスのよい食事をとる、十分な睡眠をとる、規則正しい生活を送る、ストレスをためないなどのポイントを押さえましょう。
なお、食べ物は以下のような栄養素が特におすすめです。
栄養素、成分 | 多く含まれる食品 | 特徴、老化に関するはたらき | |
ビタミンB2 | ・レバー ・卵 ・牛乳 ・チーズ ・うなぎ ・納豆 など | ターンオーバーを整える | |
ビタミンB6 | ・レバー ・ささみ ・卵 ・牛乳 ・チーズ ・にんにく ・マグロ など | ・ターンオーバーを整える ・タンパク質の合成をサポート | |
タンパク質 | ・肉 ・魚 ・卵 ・乳製品(牛乳、チーズなど) など | 皮膚の土台となる基本的な栄養素 | |
食物繊維 | ・ニンジン ・ゴボウ ・穀類 ・イモ類 ・海藻類 など | 腸内環境を整え、アレルギーに対する免疫機能を高める | |
発酵食品 ・ヨーグルト ・漬物 など |
部屋を清潔にする
室内にも花粉は入り込んでいるので、こまめに掃除をすることが大事です。雑巾などで拭き掃除をすると、花粉が舞い上がりづらいためおすすめです。
また、部屋に花粉を入れないために、布団は部屋干しをしたり、窓を開けずに空気清浄機を使ったりするなどの工夫をしましょう。
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