脇のブツブツはなぜできる?原因や治し方などについて解説

脇にブツブツができると見た目が気になるだけでなく、かゆみや痛みなどの症状が出ることがあります。なぜ脇にブツブツができるのか、どう対処したらよいのかと悩む人もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、脇のブツブツができる原因や対処法、美容皮膚科の施術などについて解説します。

脇のブツブツの原因とは?タイプ別に解説

脇のブツブツは、大きく3タイプに分かれます。まずは各タイプの特徴と主な原因から解説します。

脇の白いブツブツは毛穴づまりが原因

脇にできる白いブツブツの主な原因は毛穴づまりです。脇の毛穴に余分な皮脂や角質、汚れなどが混ざり合って溜まった結果、毛穴がブツブツして見えます。

毛穴に皮脂や角質、汚れが溜まる理由は、汚れをしっかり落とせていないことです。とくに脇の毛穴から分泌される皮脂の量が多かったり、デオドラント製品をしっかりと落とせていなかったりすると、毛穴づまりが起こりやすくなります。

脇の黒いブツブツは脇毛や角栓の酸化が原因

脇にできる黒いブツブツの主な原因は、脇毛や角栓の酸化です。たとえば、肌に負担がかかる方法で脇毛を自己処理したり、処理後のケアをせずに肌が乾燥したりすると、毛穴の出口が塞がる場合があります。

すると脇毛が外に出られなくなって皮下で成長してしまう「埋没毛」になり、黒いブツブツに見えることがあるのです。また、白いブツブツを放置した結果、毛穴に詰まった皮脂などが酸化して黒く見えることもあります。

脇の赤いブツブツは炎症が原因

脇にできる赤いブツブツは、何らかの炎症が起きていると考えられます。カミソリを使った脇毛の自己処理や、衣服によるこすれなどで肌に炎症が起きて、赤く腫れてしまうのです。

なお、何度も炎症を繰り返すと、その部分が色素沈着を起こして黒いブツブツになったり、脇全体が黒ずんでしまったりする場合もあります。

脇のブツブツは病気の可能性も

脇にブツブツができるのは、毛穴づまりや脇毛ではなく、何らかの病気が原因の可能性もあ

ります。ここでは、脇のブツブツの原因となる主な病気について解説します。

ニキビ(尋常性痤瘡:じんじょうせいざそう)

毛穴に皮脂や汚れがつまったり、脇毛処理でダメージを受けたりすると、ニキビができることがあります。ニキビは、正式には「尋常性痤瘡」と呼ばれる慢性炎症性疾患です。毛穴に詰まった皮脂をエサにアクネ菌が増殖し、ニキビができます。

また、ストレスなどによってホルモンバランスが乱れたことで、ニキビができやすくなる場合もあります。ホルモンバランスが乱れると肌のバリア機能が落ちるので、少しのダメージでもニキビができやすくなるのです。

女性の場合は、生理前に「プロゲステロン」という皮脂の分泌量を増やす女性ホルモンが増えるため、ニキビにつながることもあります。

毛嚢炎(もうのうえん)

毛嚢炎とは、体毛の根本にある毛嚢・毛包に何らかの理由で傷ができ、細菌が感染して炎症を起こしたものですものす。毛包炎とも呼ばれます。

毛嚢炎を起こすと赤いブツブツができたり、周辺が赤く膿をもったブツブツができたりします。体毛が生えているところならどこでも起こる可能性があり、脇に生じる場合もあります。

粉瘤(ふんりゅう)

粉瘤とは、皮膚内部に袋のようなものができて、通常であれば体外に排出されるはずの垢や皮脂などが、袋の中に溜まってできるしこりのことです。アテロームやアテローマと呼ばれることもあります。垢や皮脂の逃げ場がないので、放置するとだんだん大きくなっていきます。

ちなみに、しこりの中央に黒い点状の開口部があり、強く押すと強いニオイのドロドロとした膿のような物質が出てくることがあります。無理に潰すと細菌感染を起こして症状が悪化するおそれがあるので、しこりが気になるからといって潰さないようにしましょう。自然治癒はしないので、改善したい場合は医療機関に相談することが大切です。

脂肪腫

脂肪腫とは、皮膚内部にできる柔らかい感触の良性腫瘍です。その名のとおり脂肪でできており、数ミリ程度の大きさの場合もあれば、直径10cmを超える場合もあります。痛みを感じることはほぼないとされていますが、サイズが大きくなった場合は手術で切除・摘出するのが一般的です。

帯状疱疹

帯状疱疹とは、水ぼうそうの原因である水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化して起こる病気です。1度水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると、水ぼうそうが治った後もウイルスが消えることはなく、体内に潜伏します。

その潜伏しているウイルスが、免疫力が低下したときなどに、再度活発に動き出して増殖します。そして増殖したウイルスが皮膚表面の細胞に感染し、赤いブツブツや水疱が現れるのです。

強い痛みを感じることも多く、入院が必要になるほど重症化するケースもあります。神経痛などの後遺症が残る場合もあるので、帯状疱疹が疑われるときは速やかに医療機関を受診しましょう。

化膿性汗腺炎

化膿性汗腺炎とは、毛包や汗腺が何らかの原因によって塞がってしまい、痛みをともなうおできのようなものができるものです。赤く腫れてしこりのようになったり、皮膚の下に膿が溜まったりすることがあります。

症状が悪化すると、膿が溜まった部分同士が皮膚内部でトンネルのようにつながることもあります。脇の下やお尻などにできることが多く、慢性化したり何度も再発したりしやすいのが特徴です。日常生活に支障が出るほどの状態になる場合があるので、早めに医療機関を受診することが重要です。

脇のブツブツの治し方

脇にブツブツができると見た目が気になったり、痛みやかゆみなどをともなったりする場合があるので、早く何とかしたいと思う方も多いのではないでしょうか。そこで、脇のブツブツを改善する方法を紹介します。

脇を清潔にしておく

脇に余分な皮脂や角質、汚れが毛穴に溜まると、ブツブツと目立ちやすくなります。そのため脇のブツブツが気になったら、しっかりと脇を洗って皮脂や汚れなどが毛穴に溜まらないようにすることが大切です。皮脂や汚れを落とすことは、脇のブツブツの予防にもつながります。

摩擦による刺激を避ける

脇のブツブツが気になったら、しっかりと脇を洗うことが重要ですが、ゴシゴシとこすり洗いするのはNGです。摩擦によって肌がダメージを受け、肌トラブルが発生・悪化しやすくなってしまいます。

低刺激の石けんやボディソープをよく泡立てて、こすらないようにやさしく洗いましょう。また、石けんやボディソープが脇に残らないように、ていねいに洗い流すことも心がけてください。

脇を保湿する

脇にブツブツができたときは、肌を保湿することも大切です。肌が乾燥するとターンオーバーが乱れ、バリア機能が低下するので肌トラブルが起こりやすくなります。ボディクリームなどを使うか、顔のスキンケアに使っている化粧水などを使ってもよいでしょう。

医療機関で相談する

脇のブツブツはただの肌トラブルではなく、何らかの病気の場合もあります。なかには時間とともにしこりが大きくなったり、後遺症が残ったり、日常生活に支障が出るほどの痛みが出たりするものもあります。

洗い方を変えたり保湿したりしても脇のブツブツが治らない場合は、毛穴のつまりや脇毛などではなく、何らかの病気が原因かもしれません。早めに医療機関を受診し、医師に相談してみましょう。

脇のブツブツ改善なら美容皮膚科も検討を

脇のブツブツを改善するなら、美容皮膚科の受診も検討してみてはいかがでしょうか。美容医療には、脇のブツブツ改善に役立つ施術がいろいろあります。ここでは、脇のブツブツが気になるときの選択肢となる、美容皮膚科の施術を紹介します。

毛穴づまりによる脇のブツブツにはピーリング

ピーリングとは、肌に薬品を塗布して古い角質を剥がす施術です。脇のブツブツの原因である毛穴のつまりを改善する効果が期待できます。また、ターンオーバーを促進するため、色素沈着による黒いブツブツを改善する効果も期待できます。

【副作用・リスク】肌の乾燥・皮むけ・赤み など

黒ずんだ脇のブツブツにはレーザー

脇の黒いブツブツが気になるときは、レーザーを使った施術を受けるのもよいでしょう。たとえば美容皮膚科では、ピコ秒という、ごく短い時間レーザーを照射するピコレーザーを用いた、「ピコトーニング」という施術を取り扱っていることがあります。

ピコトーニングは、シミやくすみの原因となるメラニンを分解するとされており、脇の黒いブツブツ改善によい効果が期待できます。

顔だけでなく、脇や手の甲などの施術が受けられるクリニックもあるので、相談してみるとよいでしょう。クリニックフォアでも、脇や手の甲のピコトーニングに対応していますので、お気軽にお問い合わせください。

【副作用・リスク】肌の赤み・痛み・やけど など

脇のブツブツの予防法

脇のブツブツは改善するのに時間がかかりがちなので、予防や再発防止に努めることも重要です。具体的には何をするとよいのか、脇のブツブツの予防法を紹介します。

肌への負担が少ない方法で脇毛を処理する

毛抜きやカミソリを使った脇毛処理は肌に負担がかかるため、脇のブツブツを引き起こしやすいとされています。毛抜きを使用するのは避けること、またカミソリを使う場合はシェービング剤を使うよう心がけましょう。

自己処理の頻度をできるだけ減らして、処理後は肌の乾燥を防ぐために、しっかりと保湿することも重要です。

生活習慣を見直す

過度にストレスが溜まっていたり、睡眠不足の状態が長引いたりすると、ホルモンバランスが乱れて脇のブツブツができやすくなります。ニキビができる原因にもなるので、ストレスを発散したり、質のよい睡眠を十分にとったりするようにしましょう。

適度に運動する習慣を身に付ける

運動して血行がよくなったり汗をかいたりすると、老廃物が排出されやすくなります。すると脇のブツブツもできにくくなるので、ウォーキングなどの適度な運動を行う習慣を身に付けましょう。

脇のブツブツに関するQ&A

ここでは、脇のブツブツに関するよくある質問と回答を紹介します。

脇のブツブツに市販薬を使ってもよい?

炎症が原因の赤いブツブツは、抗炎症成分配合の市販薬で改善する可能性があります。

しかし、何らかの病気が原因の可能性もあります。自己判断で市販薬を使用するのはできるだけ避け、市販薬を使った場合でもしばらく改善が見られなければ、皮膚科や美容皮膚科の受診を検討しましょう。

脇のブツブツがかゆいのはなぜ?

かゆみをともなう脇のブツブツは、汗疹などが原因と考えられます。しかし、ほかの病気の場合もあり、自己判断するのは難しいので、やはり医療機関を受診を検討するとよいでしょう。

エステやクリニックでの脱毛で脇のブツブツはできる?

脇毛の自己処理はブツブツができる原因になるので、エステやクリニックでの脱毛は予防法の一つだと言えます。

ただし、エステやクリニックでの脱毛でも、脇にブツブツができる場合があります。脱毛後は一時的に肌のバリア機能が落ちるので、毛嚢炎などのトラブルが起こる可能性があるのです。

毛嚢炎は自然治癒することもありますが、なかなか改善しない場合は医療機関を受診するとよいでしょう。

脇のブツブツとワキガは関係ある?

脇のブツブツとワキガが関係している可能性も考えられます。脇にはサラサラの汗が出るエクリン腺と、脂質やタンパク質を多く含んだ汗が出るアポクリン腺という2種類の汗腺があります。

アポクリン腺が多いと、タンパク質や皮脂を好む常在菌が増えやすいため、ワキガになりやすいとされています。

また、アポクリン腺から分泌される汗は粘度があるので、毛穴につまりやすいのが特徴です。ニオイを気にしてデオドラント製品を使用する機会も増えがちなので、脇のブツブツが目立つようになる場合があります。

脇のブツブツのお悩みはクリニックフォアの美容皮膚オンライン診療へ

脇のブツブツには、毛穴づまりが原因のものや脇毛が原因のものなどがあります。まずは脇を清潔にすること、摩擦などの刺激に注意し保湿することを心がけましょう。

ただし、何らかの病気の可能性もあるので、なかなか改善しなかったり痛みやかゆみなどの症状が出たりしている場合は、医療機関を受診することを検討してみてください。美容皮膚科の施術を受けるのもよいでしょう。

クリニックフォアでは、医学的効果のある外用薬や内服薬を使って肌悩みにアプローチする美容皮膚オンライン診療を行っています。

乾燥、肌荒れ、シミ、くすみ、色素沈着のほか、シワやたるみなど、さまざまなお悩みに適したお薬を用意しています。お肌のお悩みをお薬で改善したい方は、まず受診をご検討ください。

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。 

※自由診療

参考文献

  1. 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023
  2. 皮膚科Q&A アテロームとはどんなものですか?
  3. 日本形成外科学会 脂肪腫とは
  4. 皮膚科Q&A 脂肪腫とは違うのですか?
  5. 日本形成外科学会 脂肪腫とは
  6. 皮膚科Q&A 帯状疱疹とは何ですか?
  7. 帯状疱疹診療ガイドライン 2025
  8. 皮膚科Q&A 入院が必要となる重症の帯状疱疹というのはどんなものですか?
  9. 皮膚科Q&A 帯状疱疹後神経痛とはどういうものですか?
  10. 化膿性汗腺炎診療の手引き 2020
  11. 皮膚科Q&A ケミカルピーリング