この記事を読まれている方は「トレチノインにはどんな効果があるの?」「副作用はあるの?」「どういった使い方をするの?」など気になっている方が多いのではないでしょうか。
そこで、今回はシミ等の治療に使われる代表的なお薬のトレチノインを解説いたします。。
効果から副作用、正しい使い方をはじめ、よくある質問についても解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
トレチノインとは
トレチノイン(Tretinoin)はビタミンAであるレチノールの誘導体です。 オールトランスレチノイン酸とも呼ばれ、その生理活性はレチノールの約50~100倍ともいわれています。
アメリカでは古くからニキビの治療薬として用いられており、皮膚の若返り薬、万能薬とも呼ばれています。しかし、日本では治療薬としてまだ正式に認可されてはいません。
薬局などの市販で売られているレチノールの生理作用はかなり低い
近年、市販の化粧水などに「レチノールを含有している」と表記しているものが多数販売されています。
しかし、市販で売られているレチノール含有の化粧水等は、医療機関で処方できるトレチノインの約100分の1の生理作用しかありません。そのため、市販品は保湿クリーム+α という位置づけとなっています。
こういった事から、市販でレチノールが含有されている商品を使用した場合、長期的に使用継続をする必要があり、効果効能も処方薬のトレチノインに比べ低いため、しっかりとした効果を出したいのであれば、医療機関でトレチノインを処方してもらうことをおすすめします。
トレチノインとレチノールの違い
トレチノインはレチノールの誘導体です。誘導体とは化合物の構造や性質を大幅に変えず、一部分だけを改変された化合物のことです。
そのため、トレチノインはレチノールと似た性質を持つものの、人体に使用した際に以下のような違いがあります。
レチノール | トレチノイン | |
生理活性比 | 1 | 50-100 |
美肌効果 | 低い | 高い |
副作用 | 少ない | 多い |
安定性 | 比較的高い | 低い |
手に入れ方 | 市販で手に入る | 医療機関のみ |
※ここで記載している生理活性とは、物質がヒトの体内で効果をどれだけ発揮するかを数値化したものです。
トレチノインはレチノールよりも生理活性や美肌効果が大幅に上回るものの、体質や使い方によっては肌に赤みが出てしまったりなど副作用も強く現れることがあります。
それぞれの違いについて詳しく気になる方は「レチノールとトレチノインって何が違うの?それぞれの効果は?皮膚科医が解説します。」の記事をご覧ください。
トレチノインの効果
トレチノインには以下の様な効果があります。
- ニキビ・毛穴の改善
- 皮膚のハリ・潤い・シワの改善
- ターンオーバーを促進させることによるシミ改善
ニキビ・毛穴の改善効果
トレチノインは古くからアメリカでニキビ治療の薬として扱われてきました。トレチノインを塗布することで、皮脂腺の働きを抑えることで皮脂の分泌を抑えたり、角質をはがしたりします。
この効果によってニキビ・毛穴の改善が期待できるのです。
皮膚のハリ・潤い・シワの改善効果
トレチノインは皮膚のハリ・潤い・シワの改善効果も期待できます。真皮内でコラーゲンやエラスチンの分泌を高めてくれるため、長期的にみていくと、皮膚にハリが生まれたり、小じわを改善したりといった効果が期待できるのです。
これに加えて表皮の角化細胞を増殖させて表皮を厚くすることで、表皮内でのヒアルロン酸などの粘液性物質の分泌を高めてくれるため、皮膚の潤いUPの効果も期待できます。
ターンオーバーを促進させることによるシミ改善
また、トレチノインはシミに対して高い改善効果が期待できます。シミを薄くする方法としては、ターンオーバーが起こることによって得られる脱色素効果が効果的です。
通常、皮膚がターンオーバーをするまで約4~6週間ほどかかるのですが、トレチノインを使用することで表皮角化細胞が増殖促進され、ターンオーバーが促進されます。
トレチノインの生理作用のメカニズムにはまだ不明の点が多く残されているのが現状です。しかし、トレチノインを昔から使用している国や医療機関、研究によって上記の効果は証明されており、皮膚科での治療にも用いられているのです。
トレチノインの副作用
トレチノインは様々な肌トラブルに対して効果的です。しかし副作用も併せて発生します。トレチノインの副作用は主に以下の2点。
- 肌が赤く発疹する
- 皮膚の皮がむける
トレチノインを使用し始めて1~3日ほどで、これらの症状が見られるようになります。 そのため、口の周りや目の周りを避けて使用することが推奨されています。副作用はアレルギーでなく新しい表皮を作るために行われていることですので、様子を見ながら使用していくことをおすすめいたします。
トレチノインは私たちの体内でも血液中にごく微量流れているものです。そのため、抗原抗体反応やアレルギー反応を引き起こす可能性は低いとされています。
赤みや皮むけはアレルギーではなくトレチノインが古い細胞を落として新しい表皮に生まれ変わらせるために起きている反応と考えましょう。しかしながら、アトピー性皮膚炎の既往歴がある方や敏感肌の方は、反応が強く出過ぎてしまい、炎症が起きる場合があります。かえって、炎症後の色素沈着に繋がる恐れもあるため、使用を検討する際は、必ず医師に相談をしましょう。
皮むけで剥がれている皮膚は角質!落ち切ると薬の吸収力がアップする
ポロポロと剥けている皮膚は角質です。これらがすべて落ちきると、処方薬の吸収力がアップすると同時に、皮膚の赤みや熱感が感じやすくなる方もいらっしゃいます。
副作用は一過性でそのうち症状が出てこなくなる
副作用はほとんどの場合が一過性です。そのため、使用を開始して2-3週間目が副作用のピークで、その後1ヶ月〜1.5ヶ月程度で徐々に落ち着いてきます。人によってはこの症状が全く出てこないという方もいらっしゃいます。特にTゾーンに塗布される方は、この症状が見られないという方が多い傾向にあります。
しかし、もしも症状がひどい場合には、トレチノインを処方された医療機関へ相談しましょう。
妊娠中・妊娠予定の女性は使用できない
皮膚科でニキビの改善を目的として、トレチノインの内服薬を処方する場合があります。トレチノインの内服薬は胎児の催奇性を起こす可能性があるとされており、妊娠予定・妊娠中の方は服用できません。
しかし、外用薬の場合は投与量、吸収率などから考慮すると内服薬の数千分の一程度であるため、胎児の催奇性が起こる可能性はほとんどないと考えらえていますが、妊娠中の肌は過敏になることもあり、複合的に判断して、トレチノインや、高濃度レチノールは使用しないようにしましょう。どうしても使用したい場合は、医師に必ず相談するようにしましょう。
トレチノインの正しい使い方・塗り方
トレチノインの使用方法は、洗顔をして化粧水で肌を整えた後に、塗布します。
塗布する量や回数は目的によって異なります。診察の結果、医師が判断した用法・用量を守って使用しましょう。トレチノイン使用中は紫外線の影響を受けやすいため、朝の使用を避け、日中は日焼け止めを使用しましょう。
トレチノインとハイドロキノンを併用する際の使い方
トレチノインとハイドロキノンを併用する際は、先の方法でトレチノインを塗布した後にハイドロキノンを塗るようにしましょう。
トレチノインは冷蔵庫で保存がおすすめ
トレチノインは冷蔵庫で保存をおすすめしています。
分解が非常に速いお薬のため、高温多湿な場所を避けて保管しましょう。処方する医療機関によっては、必ず冷蔵庫での保管を推奨しているところもあります。また使用期限も開封後1カ月程度となっていることが多く、毎月新しく処方してもらうようにしましょう。
トレチノインに関するよくある質問
最後にトレチノインに関するよくある質問についてまとめました。ぜひチェックしてみてくださいね。
Q. 使用し始めてから効果を実感するまでどれぐらい時間がかかりますか?
人によって異なりますが使用し始めてから1カ月ほどで、効果を実感できる方が多くいらっしゃいます。
Q. 東大方式トレチノイン治療とは何ですか?
1995年に国内で初めて東京大学美容外科でトレチノインを用いた美肌治療が行われ、トレチノインを用いた美肌治療が東大式トレチノイン治療と呼ばれるようになりました。
そのため、塗布の方法や量などにルールがある訳では無く、国内におけるトレチノイン治療は全て東大方式トレチノイン治療とも言えます。
Q. トレチノインとハイドロキノンを併用する際、使用する順番に決まりはありますか?
トレチノインを先に塗布した後にハイドロキノンを塗布します。
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