イソトレチノインとは?
イソトレチノインは、ビタミンA誘導体を含む飲み薬です。一般的なニキビ治療を年単位で行っても治らないような、重症のニキビの治療に使われることがあるお薬です。
重症とはどのような状態かと言うと、炎症や膿を持ったニキビが複数集まって融合していたり、個数が40個以上と多かったりする場合などに使われることがあります。
日本ではニキビ治療薬として承認されているものではないので、使いたい場合は自由診療で処方してもらう必要がありますが、欧米ではニキビ治療薬として一般的で、20年以上にわたって使われています。
なお、お薬の名前はさまざまで、アキュテイン(ロアキュタン)、 ソトレット、 アムネスティーム、クララビス、イソトロイン、アクノティンといったものがあります。
イソトレチノインの効果のメカニズム
イソトレチノインは、以下のようにさまざまな角度からニキビ改善に働きかけます。
- 皮脂腺を小さくし、皮脂の分泌を抑える
- 皮膚のターンオーバーを促進し、皮膚が厚くなり毛穴がつまることを抑える
- 免疫応答を正常化し、炎症や赤みを抑える
炎症は、ニキビの原因菌であるアクネ菌に対して免疫が過剰に反応することで起きます。そのため、免疫応答を正常化することで、炎症や赤みの改善につながります。
イソトレチノインの飲み方
1日1~2錠、最初は有効成分の量が少ないお薬からスタートします。3ヶ月ほど続けても効果があまりない場合は、飲む量を増やすことが一般的です。そして、トータル半年ほど服用を続けます。
もし再発があれば服用を再開することになりますが、約半年間の服薬を2~3セット行うことで、ニキビが気にならなくなることが多いです。
イソトレチノインの効果はいつ頃感じられる?
イソトレチノインの効果は、1ヶ月目頃から実感するケースが多いです。
飲み始めて1~2週間くらいで逆にニキビが悪化することがありますが、これは「好転反応」と言って、お薬の効果が出始めている証拠です。飲み続ければ1ヶ月ほどで気にならなくなり、ニキビがなくなってくるので、お薬をやめないようにしましょう。
また、ニキビがなくなったからといってすぐ中止するのではなく、再発予防のために半年ほど続けることもポイントです。
イソトレチノインの副作用
イソトレチノインには、効果が期待できる反面、副作用のリスクもあります。主な副作用としては、以下のようなものが挙げられます。
- 皮膚の乾燥
- 皮むけ
- 発疹
- かゆみ
- 光線過敏症
- ドライアイ
- 眼瞼炎・結膜炎
- 口・喉・鼻の乾き
- 鼻血
- 頭痛
- めまい
- 吐き気・嘔吐
- 下痢
- 筋肉・関節の痛み
- 肝臓機能低下
- コレステロール値の上昇
- 脱毛(服用をやめると回復する)
など
また、稀ではありますが、以下のような副作用のリスクもあります。
- 不安・うつ症状
- 気分の変調
- 自殺念慮
- 幻覚・幻聴
- 脳卒中
- 急性膵炎
- 消化管出血
- 横紋筋融解症(筋肉が融解・壊死して、痛みや脱力を生じる)
- スティーブンス・ジョンソン症候群(粘膜にただれが生じ、全身の皮膚にも赤い斑点や水ぶくれ、ただれなどが多発する病気)
- 視力低下
- アナフィラキシー(重いアレルギー症状)
(参考)厚生労働省‐アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1b.html
イソトレチノインの処方ができない方
体質や持病によっては、イソトレチノインの処方に注意が必要な方がいます。以下に当てはまるような方は必ず医師に相談してください。
- お薬や食べ物によるアレルギー症状が出たことがある
- 妊娠、妊娠している可能性がある
- 1年以内に妊娠を希望している
- 授乳している
- うつ病や精神疾患の治療中
- 中性脂肪・コレステロール値が高い
- 肝機能障害がある
- 15歳未満
- 身長が伸びている途中
併用に注意が必要なお薬
他のお薬やサプリを飲んでいる場合は、お互いに効果が下がったり、逆に作用が強くなりすぎて体に悪影響を及ぼしたりすることがあります。
以下のような薬は特に併用に注意が必要なので、服用中の方は必ず医師に伝えてください。
- テトラサイクリン系の抗生物質(ビブラマイシン、ミノマイシン、ミノサイクリン)
- 副腎皮質ステロイドの内服薬
- フェニトイン系の抗てんかん薬(アレビアチン、ヒダントール)
- ビタミンAや総合ビタミン剤
- アダパレン、ベピオ、エピデュオの外用薬
なお、アダパレン、ベピオ、エピデュオはいずれもニキビの治療薬であり、併用すると副作用のリスクが上がるため、併用はできません。
イソトレチノイン服用時の注意点
イソトレチノインを服用する時は、重大な副作用などを避けるため、日常生活において注意すべきことがいくつかあります。詳しくは以下の通りです。
妊娠中の服用は絶対に避け、必ず避妊する
妊娠中の女性がイソトレチノインを服用していると、胎児の先天異常、奇形、流産、早産、死産の危険性が極めて高くなると言われています。そのため、妊娠中や、妊娠を計画している方は服用しないでください。
また、服用を終えた後も、1ヶ月は妊娠を控えましょう。服用中~服用後1ヶ月は避妊しましょう。
(参考)厚生労働省‐アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1b.html
その他のやってはいけないこと
イソトレチノインの服用中は、以下のようなこともしてはいけません。
- 脱毛治療
- レーシック手術
- 献血
イソトレチノイン服用中は光に対する感受性が高まります。そのため、光やレーザーを使った脱毛治療を受けると炎症が強くでたりシミ、色素沈着などの原因となることがあるので、服薬中は脱毛治療を受けないでください。
また、レーシック手術の前後6ヶ月間も服用できません。
さらに、服用中や、服用を終えてから1ヶ月は献血できません。これは、献血した血液を介して、妊娠中の女性に対して重大な影響を及ぼすことがあるためです。
イソトレチノインの費用
イソトレチノインは国内では承認されていないお薬なので、保険適用外です。自由診療での処方となり、医療機関によって費用が異なります。
クリニックフォアでは、イソトレチノインを12,793円(イソトレチノイン 20mgとヘパリン類似物質ローション0.3% 50gとのセット料金)のお薬代と配送料550円で治療を始めることができます。
※処方されない場合は診察料1,650円がかかります
※掲載の金額はすべて税込表記
イソトレチノインは通販で購入できる?
イソトレチノインは国内では承認されておらず、市販もされていません。
個人輸入という形で海外製品をネットで購入することができますが、偽物の可能性があったり、副作用などが生じたときに対応が難しかったりと、リスクが大きいです。重大な副作用を生じることがあるので、医師の診察なしで購入すべきではないと、厚生労働省も注意喚起を出しています。
また、そもそも処方箋なしで医療用医薬品を販売するウェブサイトは違法であり、利用するのは非常に危険です。そのため、イソトレチノインを扱っている病院を受診しましょう。
ニキビ治療はクリニックフォアへ
クリニックフォアではニキビ治療のオンライン診療でイソトレチノインの飲み薬を取り扱っています。
また、美容皮膚科のオンライン診療では、毛穴、ニキビ跡、乾燥など、さまざまな肌悩みに効果が期待できるお薬やスキンケアアイテムをご用意しています。
いずれもスマホなどを使ってオンラインで診察を受けていただき、お薬は配送するので、忙しい方でも続けやすくなっています。まずは受診をご予約ください。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。