シミを消したいと考えているけれど、ホームケアでも消せるのか、あるいは治療が必要なのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そんな悩みを解決するために、今回はシミを消すためのケアについてホームケアと医療機関の治療、両方の観点からケアの方法を解説していきます。
ホームケアで対処できるシミと、医薬品・治療が必要なシミの違いは?
まず、一言でシミと言ってもさまざまな種類があり、ホームケアでも対処できるシミと、どんなに頑張ってもホームケアでは対処できない、医療的な治療が必要となるシミがあります。
まず、ホームケアでも対処できる見込みのあるシミについてご紹介します。
ホームケアで完全に消すということは難しいものの、ある程度薄くすることが期待できるシミは、日光性色素斑あるいは老人性色素斑と呼ばれる紫外線の影響で発生するシミと、炎症性色素沈着と呼ばれるニキビ痕や虫刺されが原因でできたシミ、が該当します。また、肝斑も時間はかかってしまうものの根気強く治療を続けることで、ホームケアでも薄くすることが可能と考えられています。ただし、濃くなってしまったシミや、短期間で目立つほど大きくなってきたシミ、中に潰瘍ができたりかゆみや痛みを伴ったりするシミについては、ホームケアで対処することが難しいため、医療機関で治療を受けるのがおすすめです
ホームケアでシミを消す方法とは?
ホームケアでシミを完全に消すというのは難しいですが、シミを薄くするためには飲み薬と塗り薬の使用、ピーリングという方法があります。
まず、飲み薬と塗り薬の使用についてです。
シミを薄くする効果のある飲み薬にはトラネキサム酸、L-システイン、ビタミンC、ビタミンEが含有されている内服薬があります。トラネキサム酸にはメラニンを活性化させる酵素をブロックする働きがあり、L-システインとビタミンCはメラニン生成の起因となる作用を抑え、ビタミンEとともにお肌のターンオーバーを促します。さらにビタミンCにはメラニンの生成を遅らせたり、蓄積しているメラニンを還元して薄くする効果もあります。
特に肝斑によるシミの場合は、トラネキサム酸を服用することで高い効果が期待されます。
塗り薬ではハイドロキノンとトレチノインの成分が含有されているものを使用します。トレチノインには表皮角化細胞の増殖促進およびそれに伴う表皮のターンオーバーを起こすことによる脱色素効果があり、ハイドロキノンは紫外線が色素細胞にあたった際にメラニンを作るために出てくる酵素を抑制する働きがあり、シミを作らせないようにする効果が期待できます。ですが、ドラッグストアなどで売られている飲み薬や塗り薬は、効果を得るための成分を配合しても良い量が決まっています。例えばトランサミンの主成分であるトラネキサム酸は市販品の場合、1日分の最大量が750mgと決められており、これを超えることはできません。ですので、市販薬はトラネキサム酸を750㎎とし、他の成分を一緒に含有することで、シミに対しての高い効果を謳っています。
一方で、医薬品は1日分の最大量は2000mg、下限は750mgとしており、市販薬の約2倍の量のトラネキサム酸を含有することができます。また、外用薬のハイドロキノンも市販薬は医薬品の100分の1程度とされており、トレチノインは市販薬として販売されていません。そのため、同じ名前の薬剤を使用しても医薬品と同じ効果を得ることは難しいです。
もう1つ、ホームケアとして高い効果が期待できるピーリングとは、皮膚に薬品を塗って化学的に皮膚をはがすことによってターンオーバーを促進し、シミを薄くしていく方法です。市販されているピーリング剤は、医療機関で行うピーリング(マッサージピールやウーバーピールなど)と比べて作用が抑えられていることもあり、肌への負担は小さいですが、作用も医療機関で行うものと比べれば弱いという特徴があります。
このように、ホームケアでもシミに対して対処をすることはできるのですが、薄くするという程度で完全に消すのは難しく、同じ薬品名でも医療機関で処方する薬品に比べて有効成分の含有量が少ないため、高い効果は期待できません。また、薬の成分が医療機関と比べて少ない分、シミを薄くしていくのにも時間がかかります。シミを完全に消してしまいたい、早く効果を得たいという方は、医療機関で治療を受けられることをおすすめします。
シミを消すのに効果がある医薬品について
シミを消すのに効果がある医薬品について内服薬、外用薬の2種類からご紹介します。
まず、 内服薬ではシナール・ユベラ・ハイチオールなどのビタミン、トランサミンが高い効果を発揮します。
シナール
シナールは、アスコルビン酸とパントテン酸を配合した複合型のビタミン剤で、主成分をビタミンCです。メラニンを還元する作用があり、シミを薄くする効果が期待できます。
ユベラ
ユベラは、ビタミンEを主成分とするお薬で、肌のターンオーバーを促す効果が期待できます。
ハイチオール
ハイチオールは、L-システインを主成分とするお薬で、メラニンを抑制し肌のターンオーバーを促す効果が期待できます。
トランサミン
トランサミンは、トラネキサム酸を主成分とし、メラノサイトの活性化を抑制してシミを薄くしてくれる効果が期待できます。
ご紹介したお薬は市販薬と比較して高濃度の成分を含有しているため、市販薬よりも高い効果が期待できます。
外用薬は先ほどもご紹介したトレチノインとハイドロキノンが使われます。トレチノインとハイドロキノンはセットで処方されることが多く、ハイドロキノンでシミを薄くしながらトレチノインで、ターンオーバーを促すという方法でシミを薄くしていきます。この塗り薬で治療をすることで、約2ヶ月ほどで効果を実感することができます。
内服薬、外用薬ともに市販薬よりも高い効果が期待できる反面、副作用が生じる可能性もあります。特に、トレチノインとハイドロキノンは皮膚がひりひりしたり、皮がむけたり、塗った部分が赤くなることがあります。ですので、自己判断で使用せず必ず皮膚科で指示を受けて使用していくようにしましょう。
クリニックフォアではこれらの薬をオンラインで処方しています。忙しくて皮膚科へ行く時間がなかなか取れないという方は自宅で手軽に高い効果の得られる日本の皮膚科医が監修したメディカルスキンケアプログラム「sai+skincare」をぜひご活用ください。
シミを消すのに効果がある美容施術について
外用薬や内服薬よりも即効性がありより高い効果も期待できる美容施術。シミに対する美容施術をご紹介します。
まず美容医療の初心者の方におすすめなのが美白点滴やピーリングです。
美白点滴
美白点滴とは美白成分を配合している点滴を行うもので、肌に塗るのではなく血管内にお薬を注入するため、即効性があり、高い効果が期待できます。1~2週に1回の施術をすることでより高い効果が期待できます。
ピーリング
ピーリングは先ほどご紹介したものと同じですが、皮膚に精通した医師の指示のもと、肌に合った薬品を使用して高い効果が期待できます。
どちらの施術も1度で永続的な効果を期待できるものではないため、継続してケアをしていくことが必要です。
一方、シミをすぐにきれいに消すのではなく、徐々に薄くしていきたいという方や、シミを予防したいという方にはダーマペンや水光注射がおすすめです。
ダーマペン
ダーマペンとは肌に微細な穴を開け、美容液を浸透させることで肌の本来持つ自然治癒力を引き出し、肌の生まれ変わりを促す治療方法です。肌を生まれ変わらせるため、シミを徐々に薄くして消す効果が期待できます。
水光注射
水光注射とは極細の針を使って肌に美容成分を直接注入していく治療法です。高い保湿力を持つジェル状のヒアルロン酸を注入することで、ハリのある肌を手に入れることができます。
どちらの治療も針を刺すので痛みを伴うことがありますが、痛みに対して麻酔クリームを使うなど対策も可能なため、安心して治療を受けることができます。どちらも1ヶ月~数か月に1回単位の継続的な治療が必要です。
フォトフェイシャル、レーザー治療
シミをすぐにきれいに取りたいという方にはフォトフェイシャルやレーザー治療がおすすめです。しかし、シミの種類によっては取れないものや、治療により逆に悪化するものもあります。そのため、まずは医師へご相談されることをおすすめします。
クリニックフォアグループでは、ここでご紹介したシミの全ての治療を行っておりますので気になる治療があるという方は、お気軽にご相談ください。