クラミジアの検査方法・時期・場所・費用などについて解説!治療法も紹介します

クラミジアは、クラミジアトラコマチスという細菌が感染することで発生する性感染症です。
性器に感染、発症することが一般的であるため、性器クラミジア感染症とも呼ばれます。日本における性感染症の中では最も患者数が多く、特に若い女性に多いとされています。

クラミジアに感染しているかどうかは、医療機関などで検査を受けることでわかります。この記事では、クラミジアの検査方法や検査の時期、結果の見方などについて詳しく解説します。

クラミジア検査の方法

クラミジアの検査方法は、大きく分けると抗原検査と抗体検査の2つがあります。

抗原検査は、細菌自体を検出する検査です。一方、抗体検査は、感染したときに自分の身体の免疫が対応するためにつくられた抗体の有無を検出する検査です。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

抗原検査

抗原検査は、細菌自体の有無を調べる検査です。感染が疑われる部位の分泌物を使って検査を行います。「即日簡易検査」、「迅速検査」、「精密検査(SDAやPCR)」、「即日精密検査(TMA)」などと呼ばれるものも、抗原検査の一種です。

なお、抗原検査と一口に言っても、性別や、クラミジアが感染した場所によっていくつかの方法があります。詳細は以下の通りです。

男性の性器クラミジア検査:尿検査

男性の性器クラミジアの検査は尿検査で行います。中間尿では抗原が見つからないことがあるので、尿を十分にため(我慢し)、最初の尿をとる必要があります。

女性の性器クラミジア・肛門クラミジア検査:分泌物の採取

女性の性器クラミジアや肛門クラミジアの検査は、感染部位の分泌物を採取して行います。女性の性器クラミジアの場合は原則、腟からの分泌物を綿棒などで採取して行いますが、尿検査を行うケースもあります。

また、男女問わず、肛門クラミジアの検査は、肛門に数センチ程度綿棒を入れ、分泌物を採取して行います。

咽頭クラミジア検査:うがい検査

咽頭クラミジア(のどに感染している場合)の検査はうがいによって行います。生理食塩液を使って15秒程度うがいをし、その液体に菌が含まれているかどうかを検査します。

抗体検査(血液検査)

抗体検査は、血液検査によって、クラミジアに対する抗体があるかを調べる検査です。「精密検査(IgA/IgG)」といった表記があるものは抗体検査です。

なお、抗体検査では感染部位は特定できません。

クラミジアの検査はいつからできる?

抗原検査は感染から24時間以上経てば正確な結果が期待できます。一方、抗体検査(血液検査)は感染から4週間以上経たないと正確な結果が得られません。

医療機関では抗原検査を行うことが一般的なので、感染したかもしれないタイミングから24時間経過したら、早めに検査を受けたほうがよいでしょう。

定期的に検査するとよい

クラミジアに感染していても自覚症状がないことも多いです。そのため、無自覚のうちに感染を広げないためにも定期的に検査するとよいでしょう。目安としては、年に1度程度がよいとされています。

なお、不特定多数のパートナーがいる場合は、1ヶ月に1回程度の検査を心がけるとよいでしょう。

クラミジアの検査結果はいつ出る?

即日簡易検査や迅速検査は20~30分程度で結果が出るため、早ければ当日その場で結果を教えてもらうことができます。

一方、PCRなどの精密検査は2~3日程度かかります。再度受診が必要となることもありますが、医療機関によっては、後日、電話やWEBで結果が確認できるようにしているところもあります。

クラミジアの即日検査について

すぐに結果を知りたい場合は、即日検査(即日簡易検査、簡易検査、迅速検査など)を受けるとよいでしょう。これは、約30分で結果が出る簡易的な検査です。

ただし、一般的な検査よりも精度が低いとされています(陰性でも本当は陽性の可能性があります)。さらに、症状がないと正確な結果が出ないことがあるため、症状がある人向けです。

また、簡易検査キットはインターネットで販売されているものもあり、自宅でもできるものです。検査するときは、尿や、腟の中に入れた綿棒を採取容器に入れるといった方法をとります。しかし、インターネットで販売されているものは返送して結果を待つ必要があるので、結果を得るまでにはしばらく時間がかかります。

なお、医療機関によっては即日精密検査を行っているところもあります。即日簡易検査などよりも時間はかかりますが、早ければ当日に結果を知ることができ、精度も高いです。PCR法(DNAを複製して増幅させ、細菌が存在するか調べる方法)やTMA法(RNAを増幅させて細菌が存在するか調べる方法)、TCR法などを用いて検査が行われます。

クラミジアの検査結果の見方

ここからは、クラミジアの検査結果の見方について見ていきましょう。なお、結果の精度は100%ではなく、偽陰性(陽性なのに陰性)や偽陽性(陰性なのに陽性)の結果が出る可能性があることも理解しておきましょう。

検体のとり方や、検査方法によっては検査の精度が落ちることもあります。特に即日簡易検査や迅速検査はやや精度が低いとされています(結果が出るまでに3~4時間かかる「迅速PCR検査」は高精度です)。

抗原検査

クラミジアの検査では抗原検査を行うことが一般的です。この場合、+かーで結果が出ることが多いです。+(陽性)であれば感染している、ー(陰性)であれば感染していないと判断します。

抗体検査

IgAとIgGの2つの結果が出るので、この結果を組み合わせて感染の有無を判断します。

  1. IgAー(陰性)・IgGー(陰性)の場合:感染していない
  2. IgA+(陽性)・IgGーの場合:感染初期である可能性がある
  3. IgAー・IgG+の場合:過去に感染していた可能性がある
  4. IgA+・IgG+の場合:かなり前から感染しており、今も感染状態の可能性がある

なお、抗体検査では感染部位は特定できません。

さらに、過去に感染していた場合も陽性になることがあるため、現在の感染を正確に判断しづらいというデメリットがあります。こういった理由もあり、抗体検査を行うことはあまりありません。

クラミジアの検査はどこでできる?

クラミジアの検査は、性病専門のクリニック、婦人科、泌尿器科(男性の場合)などで受けられます。

また、保健所で行っている場合もあります。保健所では、匿名で検査を受けられることが多いです。

そのほか、インターネットでは、自分で検査するキットが販売されていることもありますが、あらゆる商品があるので、精度が高いものを選ぶことが大事です。

クラミジアの検査費用

クラミジアの検査費用は、検査をする場所(医療機関)、部位、方法などによって異なります。

自由診療の場合は、6,000~10,000円程度が目安です。また、さらに金額は上がりますが、淋病などの他の性感染症と併せて検査できることが多いです。

保険診療と自由診療の違い

一口にクラミジアの検査といっても、医療機関や状況によって、保険診療(保険適用)のケースと自由診療(保険適用外)のケースがあります。

基本的に、症状があれば保険適用、症状がなければ保険適用外となります。一方で、パートナーが感染しているなど、本人の感染の可能性も高い場合は保険適用となるケースもあります。また、性感染症を専門に扱うクリニックでは、症状の有無や方法にかかわらず自由診療となっているところも多いです。

保険適用外となれば金額が上がるので、保険診療のほうがよいと思うかもしれませんが、保険診療には制限が多いというデメリットがあります。

たとえば、一度に複数箇所の検査ができない、結果に時間がかかる、保険証が必要といった特徴があります。なお、保険診療では検査方法にも制限があり、保険適用となるのは尿検査とうがい検査のみとなっています。

クラミジアの検査について知っておきたいこと

痛みはある?

基本的に、痛みを感じる可能性があるのは血液検査のみです。

うがい検査や尿検査には、もちろん痛みはありません。肛門や腟に綿棒を挿入する検査も痛みはないので、安心して検査を受けましょう。

生理中は検査できない

生理中は性器クラミジアの検査はできないので注意しましょう。

妊娠中の検査について

感染に心当たりがなくても、出産時の母子感染を防ぐために、妊娠初期に性病検査を行うことが一般的です。

また、性器に綿棒を入れる検査を含め、クラミジアの検査で胎児に危険が及ぶことはないため心配はいりません。

クラミジアの治療方法

クラミジアの治療では、クラミジアトラコマチスに効果のある抗生物質(細菌の成長を阻害、殺菌する薬)を使います。通常は1回薬を飲めば治療が終わりますが、薬の種類によっては1週間程度飲み続ける必要があるものもあります。

なお、抗生物質が効かない菌(耐性菌)もあり、その場合は治療効果が得られません。

治療後も検査が必要

抗生物質がきちんと効いたかどうか、完治したかどうか調べるために、治療後の検査も大事です。治療後の検査では、抗原検査を行います。抗体検査は過去の感染でも陽性になり、完治したかどうか分かりづらいためです。

この検査は、治療後4週間ほど経ってから行い、治療後の検査で陽性だった場合はさらに治療を続ける必要があります。

性感染症の治療はクリニックフォアのオンライン診療で!

クリニックフォアでは、オンライン診療や対面診療でクラミジアの治療を行っています。

オンライン診療ではPCやスマホで簡単に診察を受けることができ、薬は自宅などに配送するので、忙しい方も利用しやすくなっています。

また、他の医療機関等で検査した結果がある場合は、結果をもとに治療することも可能なので、まずはご相談ください。

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参考文献

  1. NIID 国立感染症研究所