梅毒の検査方法・時期・場所・費用などについて解説!治療法も紹介します

梅毒の検査は採血によって行う

梅毒の検査は血液検査によって行います。血液中に抗体(感染の際に抵抗するためにつくられたもの)が存在するかどうかを調べます。

また、血液による抗体検査にもいくつか種類があります。日本性感染症学会梅毒委員会による「梅毒診療ガイド」では、TP抗体検査とRPR抗体定量検査の2つを併せて行うことが強く推奨されています。

TP抗体検査(TP法)

TP抗体検査(TP法)は、梅毒に感染した際に作られる抗体(TP抗体)の有無を調べるものです。しかし、TP抗体検査は現在の感染状況を正確に把握できるものではありません。

TP抗体は、梅毒に一度感染すると生涯血液中に存在します。つまり、今は感染していなくても、過去に感染した経験があると陽性になってしまいます。

そのため、以前に感染経験がある場合はRPR抗体定量検査の検査を受ける必要があります。また、過去の感染経験の有無にかかわらず、TP抗体検査で陽性になった場合は、追加でRPR抗体定量検査による検査を行うことが多いです。

RPR抗体定量検査(RPR法)

RPR抗体定量検査(RPR法)は、カルジオリピン(細菌の膜)に存在する物質に対する抗体の有無を調べるものです。現在の梅毒の活動性を知る指標となる検査です。

感染初期から陽性になり、 治療後は陰性になることが多いため、正確な結果が得やすいとされています。一方で、肝臓の病気や自己免疫疾患がある場合、妊娠中の場合などでは、梅毒でなくても陽性になることがあります。

その他の検査方法

血液検査以外にも、病変から検体を採取し、顕微鏡で観察する検査や、PCR検査(調べたい細菌の遺伝子を増やして検出する方法)が行われることもあります。

梅毒の検査はいつからできる?

TP抗体検査は感染から2ヶ月以上、RPR抗体定量検査は感染から4週間以上経過すれば検査が可能です。梅毒に感染しても、すぐに検査で陽性になるわけではないので注意しましょう。

定期的に検査するとよい

梅毒は症状に気づかないまま進行することがあるため、定期的に検査するとよいでしょう。特に、性交渉の回数が多い方、複数のパートナーがいる方などは、検査を心がけましょう。

たとえば風俗店でお仕事している場合は、月に1回程度のペースが目安となります。

梅毒の検査結果はいつ出る?

検査結果は2~3日程度で出ることが一般的です。また、当日中(検査後30分程度)に結果が出る即日検査を行っている医療機関もあります。

梅毒の即日検査について

すぐに結果を知りたい場合は、即日検査を受けるとよいでしょう。即日検査では、TP抗体検査が行われることが一般的です。結果は15~30分程度で出ます。

ただし、即日検査(TP抗体検査)で陽性になっても、感染状態にあるとは断言できません。前述の通り、過去に感染した経験があると、治癒していても陽性になるためです。そのため、過去に感染した経験がある場合は即日検査を受けてもあまり意味がありません。さらに、即日検査で陽性となった場合は、さらにRPR抗体定量検査が必要になることが一般的です。

梅毒の検査結果の見方

結果は+かーで出ることが一般的です。+(陽性)なら感染している、ー(陰性)なら感染していないということです。さらに、TP抗体検査とRPR抗体定量検査の結果を組み合わせて、以下のようにより詳しく判定することもできます。

  • RPR-・TP-の場合:梅毒ではない(まれに、感染初期の場合がある)
  • RPR+・TP-の場合:偽陽性(梅毒以外の要因で陽性になっている)または、まれに感染初期の場合がある
  • RPR-・TP+の場合:梅毒は治癒している
  • RPR+・TP+の場合:梅毒に感染しているか、治癒している

梅毒の検査はどこでできる?

気になる症状があったり、パートナーの感染が判明したりした場合は医療機関で検査を受けましょう。性感染症の専門クリニックや性病科、感染症科、婦人科(女性)、泌尿器科(男性)、皮膚科(皮膚に症状がある場合)などが選択肢となります。

また、性感染症専門のクリニックは自由診療(保険適用外)で、症状がない人に対する検査を行っていることも多いです。

インターネットでは自分で検査ができるキットが販売されていることもあります。

梅毒の検査費用

検査費用は、検査を受ける医療機関や方法などによって異なります。自由診療の場合は7,000~9,000円程度が相場です。また、さらに金額は上がりますが、他の性感染症と併せて検査できる場合もあります。

保険診療と自由診療の違い

症状があれば保険診療(保険適用)、症状がなければ自由診療(保険適用外)となることが一般的です。なお、パートナーが感染しているといった状況で、本人も感染している可能性も高い場合は保険診療となるケースもあります。

一方で、性感染症専門のクリニックでは、どのようなケースでも自由診療となるケースが多いです。

自由診療のほうが値段が高くなることが一般的なので、できれば保険診療がいいと思うかもしれませんが、実は保険診療は制限が多いというデメリットがあります。

たとえば、「一度に複数箇所の検査ができない」「結果に時間がかかる」「保険証が必要」といった点です。逆に、自由診療であれば、複数個所の検査も可能で、状況によっては即日検査ができることがあり、もちろん保険証も不要です。

梅毒の治療法

梅毒の治療では、主にペニシリン(抗生物質)を使います。通常は飲み薬もしくは注射薬での治療となりますが、病状が進行しているケースなどでは、点滴での治療を行うこともあります

また、飲み薬と注射薬の治療では感染から時間が経過しているほど服薬期間・回数は増えます。感染から1年以内なら2週間程度の服薬もしくは1回の注射で終わりますが、感染期間が長い場合は4週間以上服薬もしくは数回の注射が必要となることもあります。

治療後の検査

治療後は、完治したかどうかを確認するために再度RPR抗体定量検査を行います。これは、治療が終わってから半年程度の間に複数回行うことが一般的です。

治療が終わってから半年以上経過しても数値が改善しない場合は、治療効果が出ていないか、再感染した可能性があるため、再治療を行います。このようなケースでは、HIV感染に梅毒が併発していることが多いため、HIVの検査も同時に行うことを推奨します。

梅毒の治療はクリニックフォアで!

クリニックフォアでは、対面診療で梅毒の検査と治療を行っています。また、他の医療機関などでもらった検査結果をもとに治療することもできるので、まずはクリニックフォアにご相談ください。

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