ヘルペスの検査方法・時期・場所・費用などについて解説!治療法も紹介します

ヘルペスとは、ヘルペスウイルスが原因となって、小さい水ぶくれが現れる急性炎症性皮膚疾患のことです。ヘルペスウイルスは、主に「単純ヘルペスウイルス(HSV)」(性器ヘルペスや口唇ヘルペスの原因となるもの)と、その亜型の「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」(水ぼうそうや帯状疱疹の原因となるもの)があります。 ここでは、単純ヘルペスウイルスが原因となる性器ヘルペスを主なテーマとし、検査について紹介します。

ヘルペスの検査の方法

ヘルペスを診断する際は、まず病変の観察をします。病変の状態を見てヘルペスの可能性があれば、他の病気と区別するために、抗原検査や抗体検査を行います。詳しくは以下の通りです。

病変の観察

外陰部に痛みのある浅い潰瘍(ただれ)や水ぶくれがある場合は、性器ヘルペスの疑いがあります。病変の数は数個の場合もあればたくさんの場合もあり、広い範囲におよぶこともあります。

なお、性器ヘルペスは再発することがあります。再発時は最初に症状が現れたときよりも水ぶくれの数が少なく、大きさも小さく、症状が現れる範囲も狭いとされています。

抗原検査

抗原検査とは、検出したいウイルス(性器ヘルペスの場合は単純ヘルペスウイルス)の有無を調べる検査です。方法としては、血液検査や、綿棒などで患部からの浸出液を採る方法などがあります。

なお、浸出液を採る方法は、症状がないと実施できません。

抗体検査

抗体検査とは、調べたい病気のウイルス(性器ヘルペスの場合は単純ヘルペスウイルス)に対する抗体の有無を調べる検査です。抗体検査は血液検査によって行われます。症状はないものの、感染の可能性があり心配な場合はこちらを受けるとよいでしょう。

ただし、抗体検査は、水痘・帯状疱疹ウイルスなどの類似のウイルスに対する抗体も検出されてしまいます。つまり、過去に水ぼうそうや帯状疱疹に罹患したことがあれば、性器ヘルペスでなくても陽性となってしまうのです。

さらに、再発の場合は、抗体価(抗体の量)が変動しないことがあり、正確な診断につながらないこともあります。

また、単純ヘルペスウイルスに感染している場合でも、無症状の期間が続くと抗体価が下がって陰性になる場合があることを理解しておきましょう。

口腔感染したヘルペスの検査方法

性器ヘルペスを発症している人とのオーラルセックスや、口唇ヘルペスを発症している人とのキスなどによって、口を介してヘルペスが感染することがあります。このように感染すると、のどに痛みなどの症状が出ることがあります。

この場合の検査方法も性器ヘルペスと同じく、病変の浸出液を使った抗原検査や、血液検査による抗体検査が主となります。

口唇ヘルペスの検査方法

口唇ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスの感染によって唇やその周辺に水ぶくれなどができる病気です。こちらも検査方法は性器ヘルペスと同じく、病変の浸出液を使った抗原検査や、血液検査による抗体検査が主となります。

性器ヘルペスの検査はいつからできる?

正しい結果を得るには、抗原検査は感染から24時間、抗体検査は1ヶ月以上経過している必要があります。それよりも早いと感染していても陰性になることがあるため注意しましょう。

一方で、感染から時間が経ちすぎると、抗体検査が無効となることがあります。これは、無症状の期間が続くと抗体価が下がり、陰性になることがあるためです。

早めの検査が大事

時間が経過すると病状が悪化することがあるので、早めに検査することが大事です。特に女性は重症化しやすく、症状が強く出やすいので注意しましょう。前述の通り、抗体検査は時間が経つと陰性になることがある点にも留意してください。

性器ヘルペスの検査結果はいつ出る?

抗原検査は15分程度、抗体検査は4~5日程度で結果が出ることが一般的です。

性器ヘルペスの検査結果の見方

検査結果は陽性か陰性と出ることが一般的です。また、数値は検体の種類によって基準値が異なることがあります。そのため、数値ではなく、陽性なのか陰性なのかに注目すればよいでしょう。

なお、陰性でも症状がある場合は、別の感染症の可能性があるため、さらに検査を行うことがあります。

性器ヘルペスの検査はどこでできる?

性器ヘルペスの検査は、主に婦人科、皮膚科、性病科、性感染症専門のクリニックなどで行っています。内科でも可能なところもあります。皮膚科では、口唇ヘルペスの検査も可能です。

また、男性は泌尿器科や、のどなどに症状がある方は耳鼻咽喉科に行ってもよいでしょう。

なお、性感染症の中には保健所で検査ができるものもありますが、ヘルペスの検査はあまり行われていません。

ヘルペスの検査費用

抗原検査、抗体検査ともに、保険適用外(自由診療)の場合は8,000~10,000円くらいが相場です。

保険診療と自由診療の違い

性感染症の検査や治療は、保険適用外(自由診療)の場合もあれば、保険適用(保険診療)となることもあります。

基本的に、症状があれば保険診療、症状がなければ自由診療となります。ただし、パートナーが感染しており、自分も感染している可能性が高い場合は保険診療で検査が行われることがあります。

なお、性感染症専門のクリニックでは、症状の有無や検査方法は関係なく、一律で自由診療を行っていることも多いです。自由診療だと、保険証がいらない、一度に複数箇所の検査ができる、といったメリットがあります。

ヘルペスの検査について知っておきたいこと

生理中の検査は事前に相談を

ヘルペスの検査は、生理中でもできる場合があります。しかし、クリニックによって異なる可能性もあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。

妊娠中の検査は事前に相談を

妊娠中の検査は基本的に可能です。ただし、念のため事前に検査が可能かクリニックに確認しておくと安心です。

性器ヘルペスの治療方法

性器ヘルペスの治療には、抗ウイルス薬(飲み薬や塗り薬)を使います。ただし、治療によって症状が治まっても、一度感染した単純ヘルペスウイルスはずっと体内に存在し続けます。免疫力が低下するとウイルスの活動が活発になり、再発することがあるため注意しましょう。免疫力の低下は、疲れ、睡眠不足、ストレスなどによって引き起こされることがあります。

性器ヘルペスの治療はクリニックフォアのオンライン診療で!

クリニックフォアでは、性器ヘルペスの診療・治療を対面やオンラインで行っています。オンライン診療では、お手持ちのスマホやパソコンを使って診察を受けることができ、薬は後日配送されます。自宅にいながらでも治療が始められるので、忙しい方も受診しやすいです。

なお、他の医療機関などでもらった検査結果がある場合は、結果をもとに治療に進むことが可能なので、お手元にご用意の上受診をお願いします。

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参考文献

  1. 日本性感染症学会誌-性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016‐
  2. 日本皮膚科学会-皮膚科Q&A-