唇にぶつぶつのできものができる原因は?
唇にぶつぶつができる場合、口唇ヘルペス、口唇炎、フォアダイス(脂肪のかたまり)などの可能性が考えられます。
性感染症の場合は口唇ヘルペスの可能性が最も高いですが、梅毒というケースもあるので、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
梅毒
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる性感染症です。自然治癒することはほとんどなく、放置すれば数年、数十年にわたって体内で細菌が広がっていき、がんに発展したり、最終的に命にかかわったりすることもある重大な病気です。
口の周辺に感染すると、感染から3~6週間ほどで唇などに1~2cmくらいの大きさのしこりができます。しこりはしばらくすると消えますが、体の中では感染が広がっていきます。
クリニックフォアでは筋肉注射もしくは内服薬を使った治療を行っています。
口唇ヘルペス
性感染症において、唇にぶつぶつのできものができる場合は「口唇ヘルペス」の可能性が高いです。これは単純ヘルペスウイルスによって生じる病気で、唇の周りに水ぶくれができるのが特徴です。
ただ、子どものときに感染して体内に潜伏し、免疫力が下がったなどのきっかけで再発し症状が出ることが多く、性行為以外でも感染するというのがひとつの特徴です。
口唇ヘルペスってどんな病気?性病なの?
ここからは、唇のぶつぶつができたときの原因としてよくある「口唇ヘルペス」について詳しく見ていきましょう。
前述の通り、口唇ヘルペスは子どものときに感染して体内に潜伏し、免疫力が下がったなどのきっかけで再発し症状が出るものです。つまり、性行為以外でウイルスに接触し、感染している人も多いのです。ただ、オーラルセックスなどによって口に感染することもあり、性感染症の側面もある病気です。
口唇ヘルペスの原因となる病原体
口唇ヘルペスの原因となるのは、単純ヘルペスウイルスというウイルスです。
以前は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)が口唇ヘルペスの原因と言われており、2型(HSV-2)が性器ヘルペスの原因と言われていました。
しかし、現在ではオーラルセックスが一般的になったこともあり、口と性器の間で感染することがあるので、型と場所が上記のように一致しないケースも増えています。
口唇ヘルペスの感染経路
口唇ヘルペスの感染経路には、以下のようなものがあります。
- 性行為、オーラルセックス
- キス
- 感染者の水ぶくれに触れる
- 感染者とタオル、食器、トイレなどを共用する
- 感染者との入浴
- 母子感染
感染者が無症状でもうつることがあるので注意しましょう。
また、性器にもヘルペスを発症している場合、その状態で出産すると産道感染し、赤ちゃんが新生児ヘルペスになることがあります。発熱や哺乳力低下、皮膚や口内の発疹のほか、呼吸障害、急性脳炎などを引き起こすこともあります。通常は妊婦健診で検査が行われ、陽性の場合は治療を行ったり、必要に応じて帝王切開を選択したりすることになります。
口唇ヘルペスの症状
初期症状として、唇やその周辺がヒリヒリ、チクチクまたは軽いかゆみを感じることがあります。その後唇が赤く腫れ、数日中に5mmほどの水ぶくれができるという経過をたどることが一般的です。
症状は上唇か下唇のどちらかだけに出ることが多く、痛がゆさを伴うこともあります。また、発熱、あごや耳周辺のリンパが腫れるといった症状を伴うことも。
さらに、初めての感染で発症したときは、唇以外の広い範囲に水ぶくれができたり、重症になることもあります。
そのほか、顔面ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎になることもあります。
顔面ヘルペス
唇だけでなく、顔の皮膚に水ぶくれなどの症状が現れることがあります。
ヘルペス性歯肉口内炎
口の中にヘルペスによる炎症が現れるものです。歯茎、のどの奥など、口の中のいたるところに症状が出て痛みます。生後半年~3歳くらいの小さな子どもが発症することが多いとされています。
口唇ヘルペスは自然に治る?
口唇ヘルペスは数週間以内に自然と治ることが多いですが、お薬を使ったほうが早く治ります。
ただし、一度ヘルペスウイルスに感染すると一生体内に潜伏するため、症状が消えても完治したわけではありません。人によっては年に複数回の頻度で再発する人もいます。
口唇ヘルペスの対処法・治療法
前述の通り、口唇ヘルペスはお薬を使ったほうが早く治ります。そのため、早めに受診しましょう。口唇ヘルペスなら基本的に皮膚科が選択肢となります。
治療では、抗ウイルス薬の飲み薬や塗り薬を使います。ただし、抗ウイルス薬はウイルスの増殖を抑えることはできますが、ウイルスを消滅させることはできないため、免疫力が下がったタイミングなどで再発することがあります。
口唇ヘルペスから性器ヘルペスに感染することもある!
口唇ヘルペスになっている人がオーラルセックスで相手の性器と接触すると、相手が性器ヘルペスになることがあります。
性器ヘルペスになると、性器に水ぶくれや腫れ、痛み、かゆみなどの症状が現れます。抗ウイルス薬を内服して治療を行います。
唇にぶつぶつができたときの注意点
唇にぶつぶつができたときは、口唇ヘルペスの可能性を考慮し、感染拡大予防や再発予防に努めましょう。詳しくは以下の通りです。
水ぶくれをつぶさない
ぶつぶつが気になると触りたくなるかもしれませんが、ぶつぶつをつぶしても早く治るとは限りません。むしろ、水ぶくれに含まれるウイルスが出てしまったり、跡が残ってしまったりする恐れがあります。
唇を触った手で他の場所を触らない
唇を触った手で顔などの他の場所を触ると、症状が広がることがあります。また、他の人や周囲の物に触れると、そこから感染拡大することもあるので注意しましょう。たとえば、食器やタオルなどを洗わないで共有するのも避けてください。
キスやオーラルセックスをしない
口唇ヘルペスはキスやオーラルセックスで相手の口や性器にうつすことがあります。相手にうつさないためにも、症状があるときはキスやオーラルセックスを控えましょう。
免疫力低下に注意する
一度感染すると、今後も免疫力が下がったときに再発するので注意しましょう。
免疫力低下を防ぐためには、規則正しい生活、バランスの良い食生活、ストレスや疲れがたまらないように適切な休養をとるなど、健康維持に努めることが大事です。
クリニックフォアでは性感染症の検査・治療が可能!
クリニックフォアでは、対面やオンラインで性感染症の検査・治療を行っています。口やのどなどに感染する病気については、うがい液などによるオンライン検査が可能。診断結果によってはオンラインでお薬の処方も可能です。
気になる症状がある場合はまずご相談ください。