シミと肝斑の見た目の違い【見分け方】
肝斑とシミ(老人性色素斑)は、以下のように見た目やできる場所などが異なります。
肝斑やシミに似ているものに、ケガやニキビなどによる炎症が起きた後に跡が残る「炎症後色素沈着」や、色素異常症の「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)」もあるため、それぞれの見た目の違いもまとめました。
肝斑 | 老人性色素斑 | 炎症後色素沈着 | 後天性真皮メラノサイトーシス(ADM) | |
大きさ | さまざま | 数ミリから1cmを超えるものまでさまざま | さまざま(炎症した部分の大きさ次第) | 数ミリ程度の小さなもの |
色 | 淡い褐色 | 褐色 | 灰褐色、茶褐色、紫褐色など | 褐色~褐紫色 |
形 | ・さまざま ・境界がはっきりしない | ・円形に近い形 ・境界は比較的くっきりしている | さまざま(炎症した部分の形次第) | ・点状のものが多発 |
よくできる場所 | ・頬の高い部分 ・おでこや口まわりに広がることもある ・目の周りにはできない | ・顔や手の甲、前腕など(日光が当たる場所) ・顔の中の肝斑ができないような場所にもできる | さまざま(炎症した場所次第) | ・男性はおでこ ・女性は頬骨部分 ・まれに四肢や胴体にできることもある |
その他 | ・左右対称に現れる ・夏に色が濃くなり、冬は薄くなる傾向 | 多数できる |
シミと肝斑の原因の違い
シミも肝斑も、色素の原因はメラニンです。具体的には、メラニンをつくるメラノサイトが刺激され、メラニンが過剰につくられることが原因となります。しかし、両者はメラノサイトが刺激される理由や発症する年齢に違いがあります。
炎症後色素沈着や後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)も含め、それぞれの原因について見ていきましょう。
肝斑:女性ホルモンの分泌の変化
まず、肝斑の原因は主にホルモンバランスの変化です。女性ホルモンの分泌が変化することで、メラノサイトが刺激されると考えられています。そのため、妊娠をきっかけに肝斑ができる方も少なくありません。また、30代以降の女性にできることが多く、男性にはほとんど見られません。
なお、妊娠中にできた肝斑は、産後数ヶ月ほどすると自然と解消されることが一般的です。
シミ(老人性色素斑):紫外線や加齢
シミ(老人性色素斑)は、紫外線や加齢が主な原因となります。過度な紫外線によってメラニンの分泌が過剰になり、加齢などによってターンオーバーが遅くなった皮膚からメラニンが排出されないまま蓄積されることでシミができます。男女問わず、中高年以降に多く見られるのも特徴です。
炎症後色素沈着:炎症
炎症後色素沈着は、ケガやニキビなどによる炎症でメラノサイトが刺激されることが主な原因です。そのため、年齢や性別にかかわらずできることがあります。ただ、年齢が高い方が治りにくい傾向があります。
後天性真皮メラノサイトーシス(ADM):遺伝(真皮のメラノサイト)
ADMには遺伝が関連するとされています。具体的には、通常は皮膚の外側の表皮に存在するメラノサイトが、表皮よりも内側の真皮に存在すると考えられています。
真皮のメラノサイトが活性化する原因としては、紫外線、ケガ、炎症、妊娠などが挙げられます。アジア人に多く、特に20代の女性に多いとされています。
肝斑・シミの対処法【セルフケア】
肝斑もシミも、発症・悪化予防のためには刺激や紫外線を避けることが大事です。洗顔などで皮膚をごしごしこすることは避け、日焼け止めなどでしっかり紫外線対策を行いましょう。
また、美白に効果が期待できる成分のスキンケアアイテムを使ったり、生活習慣を整えたりすることもポイントです。皮膚のターンオーバーやホルモンバランスを整えるためには、栄養バランスのよい食事、十分な睡眠、ストレスをためないことなどが大事です。
肝斑・シミの対処法【治療法】
できてしまった肝斑(妊娠性肝斑を除く)やシミは、自然には治らないことも多いです。早く、高い効果を得たい場合には、美容治療を受けるのも選択肢の一つです。
シミ(老人性色素斑)はレーザー治療やお薬での治療、肝斑はお薬での治療を行うことが多いです。
肝斑の治療の第一選択は以下のようなお薬で、シミの場合も同じようなお薬を使うことがあります。
【外用薬】
- ハイドロキノン(外用薬):メラニンの生成を防ぐ
- トレチノイン(外用薬):肌のターンオーバーを促す
【ビタミン剤】
- トラネキサム酸(内服薬):炎症を抑制し、メラニンの生成を防ぐ
- ビタミンC:メラニンの生成を防ぐ
- ビタミンE:血流を改善し、肌のターンオーバーを促す など
また、シミはレーザー治療で改善できるケースが多いですが、肝斑はレーザーでは悪化してしまうことがあるため、禁忌となっています。その他のシミや肝斑の治療法としては、光治療やダーマペン、ケミカルピーリング、イオン導入などが選択肢となることもあります。
ただし、いずれの治療も一時的に赤み、皮むけなどのダウンタイム症状が現れることが一般的です。治療の際は副作用のリスクなども十分に理解した上で受けましょう。
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※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
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