そばかすとシミの違いは何?原因も解説【医師監修】

そばかすの症状・原因・対策と治療法について、医師が解説します。

皮膚にできる茶褐色のシミ。顔にできると目立つので気になる方も多いと思いますが、そばかすとシミは違うものなのでしょうか? 今回は、そばかすとシミの違いや、対処法、治療法などについて詳しく解説します。

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そばかすとシミの違い

そばかすもシミも、どちらも原因はメラニンです。しかし、メラニンがつくられる原因や、症状が出やすい年齢が異なります。詳しくは以下の通りです。

そばかす

そばかすの正式な名前は雀卵斑(じゃくらんはん)です。名前の通り、雀の卵の模様のように、小さなシミがたくさんできるのが特徴です。

そばかすは遺伝的なものが原因となることが多く、たとえば特定の遺伝子が発症に関与するケースがあります。そして、メラノサイト(メラニン分泌にかかわる細胞)が活性化していることが多いとされています。

また、3歳ころから出始めることが多く、年齢とともに悪化していき、思春期にピークとなりますが、その後は薄くなっていくことが多いです。

シミ

シミの正式な名前は老人性色素斑や日光性色素斑です。主な原因は紫外線によってメラニンが過剰に作られることであり、中高年以降に目立つようになることが多いです。メラニンが多少多くつくられても、通常はターンオーバーによって排出されるのですが、ターンオーバーが乱れるとメラニンが排出されにくくなり、シミになるのです。

また、ホルモンバランスの乱れや加齢によっても、メラニンの過剰生成は起こります。

なお、シミと言えば老人性色素斑(日光性色素斑)を指すことが一般的ですが、肝斑や炎症性色素沈着がシミと呼ばれることもあります。

肝斑(かんぱん)

肝斑は、頬の高いところに左右対称に現れるシミのようなものです。女性ホルモン分泌の変化がメラノサイトを活性化させることが大きな原因なので、妊娠中・産後、更年期などの、ホルモンバランスが変化する時期に現れやすいです。30代以降の女性に発症することが多く、男性が発症することはほとんどないとされています。

なお、妊娠中にできた場合は、産後数ヶ月も経てば改善されることが多いです。

炎症後色素沈着

ケガややけど、ニキビ、強い摩擦などによって肌に炎症が起こった後に跡が残るものです。原因は、炎症によってメラノサイトが刺激され、メラニンがつくられることです。

時間が経てば徐々に薄くなっていくことが多いですが、炎症が強かったり、繰り返されたりした場所には、そのままシミのように残ってしまうことがあります。

そばかすとシミの見た目の違い

そばかすとシミ(老人性色素斑、肝斑、炎症後色素沈着)の見た目の違いは以下の通りです。

種類そばかすシミ
老人性色素斑肝斑炎症後色素沈着
大きさ直径3mm程度大小さまざまさまざまさまざま(炎症した部分の大きさ次第)
・褐色
・シミよりも薄い傾向
・褐色
・境界は比較的くっきりしている
淡い褐色灰褐色、茶褐色、紫褐色など
・円形に近い形
・表面は平らで、盛り上がることはない
円形に近い形・さまざま
・モヤっとした印象
さまざま(炎症した部分の形次第)
できる場所・顔、首、前腕など(日光が当たる場所)
・特に頬の高い部分に多い傾向
顔や手の甲、前腕など(日光が当たる場所)・頬の高い部分
・おでこや口まわりに広がることもある
・目の周りにはできない
さまざま(炎症した場所次第)
その他・雀の卵の模様のように複数できる
・夏に色が濃くなり、冬は薄くなる傾向
・左右対称に現れる
・夏に色が濃くなり、冬は薄くなる傾向

そばかすとシミの対処法【セルフケア】

そばかすは年齢とともに消えることがあり、妊娠による肝斑も時間とともに消えることが一般的です。炎症後色素沈着も、中には自然と薄くなっていくものがありますが、シミ(老人性色素斑)の場合は自然に消えることはあまりありません。

そばかすにしてもシミにしても、早く改善したい場合はセルフケアをしっかり行うことが大事です。発症・悪化予防にもつながります。

なお、どのような症状でもセルフケアのポイントは基本的に同じで、詳細は以下のようになります。

刺激を避ける

摩擦、ケガ、炎症などによってシミやそばかすができやすくなったり、悪化したりすることがあるため、このようなことが起こらないようにしましょう。

洗顔やタオルドライ時にごしごしこすらない、マッサージや美顔器を過度にするのは避けるなどの心がけが大事です。スキンケアも丁寧に行いましょう。

特に、すでにシミやそばかすができている部分は、気になってもあまり触らないようにしてください。

紫外線を避ける

紫外線は、シミの発生や悪化、そばかすの悪化の原因となるため、紫外線対策をしっかり行いましょう。

紫外線は、冬や曇りの日にも降り注いでおり、室内にいても影響を受けるので、季節や天気、時間、屋外・室内にかかわらず対策をすることが大事です。ただし、日焼け止めは、季節やライフスタイルに適した強さのものを使いましょう。帽子、サングラス、日傘などを取り入れるのもおすすめです。

美白スキンケアを行う

スキンケアアイテムを、美白効果が期待できるものに変えるのも一つの方法です。シミに効果が期待できる成分としては、以下のようなものがあります。

  • トラネキサム酸
  • アルブチン
  • ビタミンC誘導体
  • ナイアシンアミド(ビタミンB3) など

生活習慣を改善する

そばかすやシミを完全に治すことは難しいですが、発症や悪化の予防のためには、生活習慣を改善することも大事です。

まず、健やかな肌のためには栄養バランスのよい食事が大事です。特に、抗酸化作用のある食べ物がおすすめです。体の酸化(過度な活性酸素の発生)によって細胞が傷ついたり、シミの原因となったりするためです。

抗酸化作用がある成分、食べ物には、以下のようなものがあります。

  • ポリフェノール:大豆、果物(りんご、なし、ぶどう、いちご、ブルーベリーなど)、なす、しそ
  • カロテノイド:緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など)、トマト、サケ、エビ、カニ
  • ビタミンA:緑黄色野菜、レバー、青魚、うなぎ、卵
  • ビタミンC:果物(柑橘類など)、緑黄色野菜、いも類
  • ビタミンE:植物油(オリーブオイルなど)、ナッツ類、ほうれん草、ブロッコリー など

また、ストレスや睡眠不足も肌のターンオーバーの乱れなどにつながるため、十分な睡眠をとり、ストレスをためないようにしましょう。

そばかすとシミの対処法【治療法】

そばかすやシミにアプローチする美容治療にはさまざまなものがあります。ただ、そばかすやシミの種類によって治療法が異なるので、きちんと診断を受けて適切な治療を受けることが大事です。

主な治療法は以下の通りです。

  • そばかす:レーザー治療、光治療
  • シミ(老人性色素斑):レーザー治療、お薬
  • 肝斑:お薬
  • 炎症後色素沈着:レーザー治療、ケミカルピーリング、お薬

なお、治療後は紫外線の影響を受けやすくなることが多く、適切な予防をしないとかえって症状が悪化することがあるため注意しましょう。それぞれの治療法の詳細は以下の通りです。

お薬による治療

どのようなそばかすやシミでも、比較的リスクが少なく、効果が期待できるのがお薬による治療法です。肝斑については、お薬による治療が第一選択となっています。ただし、ハイドロキノンやトレチノインは、使い始めに赤みや皮むけなどの副作用が現れることが多い点を理解しておきましょう。

  • ハイドロキノン(外用薬):メラニンの生成を防ぐ
  • トレチノイン(外用薬):肌のターンオーバーを促す
  • トラネキサム酸(内服薬):炎症を抑制し、メラニンの生成を防ぐ

【ビタミン剤】

  • ビタミンC:メラニンの生成を防ぐ
  • ビタミンE:血流を改善し、肌のターンオーバーを促す など
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レーザー治療

シミやそばかすに対してはレーザー治療を行うことが多いです。1回で効果が期待できることもあるため、早く、できるだけ高い効果を得たい場合は、レーザー治療がよい選択肢となります。

クリニックフォアでは、Qスイッチルビーレーザーによる治療を行っています。照射するレーザー光の波長がメラニン色素に吸収されやすいため、シミやそばかすにピンポイントでアプローチが可能。後述する光治療で取れないシミも取れることがあります。

ただし、高い効果が期待できる一方で、1週間程度のダウンタイムもあります。具体的には、かさぶたができることが多いです。かさぶたがはがれた後は一時的にそばかすやシミが濃くなったように感じることもあります。ただ、徐々に改善されてきれいになっていくことが一般的です。また、赤み、かゆみ、皮むけ、かさぶたなどの副作用のリスクがある点を理解しておきましょう。

なお、肝斑にレーザーを照射するとかえって悪化するので、レーザー治療を受けてはいけません。悪化の原因は、強いエネルギーのレーザー照射によってメラノサイトが刺激されてしまうためです。

光治療

シミ、そばかす、ニキビ跡(炎症後色素沈着)などに対しては、光治療を行うこともあります。クリニックフォアではフォトフェイシャルによる治療を行っています。

レーザーと似ている治療ですが、光の場合は照射する光線の波長が複数の異なるものになるため、威力は穏やかですが、広範囲かつ幅広い肌悩みにアプローチすることができます。また、レーザー治療に比べてかさぶたができにくい一方で、レーザー治療よりも施術回数・期間が長くなることが多いといった特徴があります。

こちらも施術後は一時的にそばかすやシミが濃くなったように感じることがありますが、だんだんと薄くなっていくことが一般的です。ただし、赤みや乾燥といった副作用のリスクもある点に注意しましょう。

肝斑に対して光治療を行うケースもありますが、レーザー治療と同様、悪化のリスクがあるため、医師の判断に従いましょう。

なお、光治療で改善されないシミに対しては、レーザー治療を検討することが多いです。

ダーマペン

極細の針が複数ついた機器を使って、肌に微細な穴をあけつつ、美容液を浸透させる治療法です。穴をあけることで皮膚の治癒力が高まり、ターンオーバー促進効果が期待できます。シミ、くすみのほか、ニキビ跡改善、シワやたるみの改善など、さまざまな目的で行います。

なお、副作用として、赤み、ひりつき、かゆみ、腫れなどが現れることがあります。

ケミカルピーリング

肝斑に対しては、ケミカルピーリングが選択肢となることもあります。お薬を肌に塗り、角質や汚れをとるほか、肌が傷つくことで治癒力が高まり、ターンオーバーが促進されるというメカニズムの治療法です。

クリニックフォアでは、肝斑などに対して、ウーバーピールの施術を行っています。低刺激なお薬であり、痛みやひりつきが少ないのが特徴。ただし、乾燥や赤み、皮むけなどの副作用のリスクはあります。

イオン導入

肝斑に対してはイオン導入も選択肢となります。イオン導入では、微弱な電流を使って美容液を浸透させることで、通常よりも肌の奥まで美容成分を届けることができます。クリニックフォアでは、ビタミンCやトラネキサム酸などの複数の成分から、お肌の状態に合わせてお薬を選びます。

副作用としては、赤み、ひりつき、腫れなどが生じるリスクがあります。

凍結療法

シミに対しては凍結療法も選択肢となります。病変部を凍結して細胞を壊死させることで取り除く治療法です。副作用のリスクとしては、一時的な痛み、水ぶくれ、むくみ、色素沈着などが挙げられます。

お肌のお悩みはクリニックフォアの美容皮膚のオンライン診療へ

クリニックフォアの美容皮膚オンライン診療では、そばかすやシミなど、さまざまなお悩みにアプローチするお薬を取り扱っています。

医師の診察を受けたい、医薬品でお肌の悩みを改善したいという方は、受診をご検討下さい。

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。 

※自由診療

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参考文献

  1. 北海道大学 大学院医学研究員 皮膚科学教室|雀卵斑
  2. 北海道大学 大学院医学研究員 皮膚科学教室|肝斑
  3. 北海道大学 大学院医学研究員 皮膚科学教室|老人性色素斑
  4. 一般社団法人 日本形成外科学会|しみ(色素斑)