あせもの原因と起こりやすい部位
あせも(汗疹)は、汗の出口である汗管が詰まり、汗が皮膚内にたまることで起こる皮膚トラブルです[1]。
| 項目 | 内容 |
| 主な症状 | ブツブツ・赤み・かゆみ |
| 起こりやすい部位 | 首・脇・肘の内側・膝裏・太ももの内側・乳房の下 |
| 悪化しやすい環境 | 高温多湿・汗をかきやすい環境 |
| 汗かぶれとの違い | あせもは「ブツブツ中心」、汗かぶれは「広範囲の赤み」が特徴 |
あせものお薬:塗り薬・飲み薬
あせものお薬には、塗り薬(外用薬)と飲み薬(内服薬)の2種類があります[1]。
中心となるのは塗り薬で、剤形によって特徴が異なり、症状や部位に合わせて使い分けます。
| 剤形 | 特徴 | 向いている部位・状態 |
| 軟膏 | 保湿力が高い | ジュクジュクした患部 |
| クリーム | べたつきが少ない | 広範囲に塗りたい部位 |
| ローション | 伸びがよくサラッとする | 汗をかきやすい部位・毛のある部位 |
軽いかゆみや赤みであれば、市販薬で改善する場合がありますが、強いかゆみ・ジュクジュク・化膿がある場合は、皮膚科受診が推奨されます。
睡眠が妨げられる場合や、夜間に無意識に掻いてしまう場合などの強いかゆみに対しては、抗ヒスタミン薬の飲み薬が使用されることがあります。
市販薬を数日使用しても改善しない場合や悪化する場合は、自己判断で使い続けず医療機関へ相談しましょう。
あせものお薬に配合される主な成分
あせものお薬には、それぞれ異なる働きを持つ複数の成分が配合されています。
<主な成分の働きと代表的な薬剤>
| 成分カテゴリ | 主な働き | 代表的な成分 |
| ステロイド | 抗炎症 | プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルデキサメタゾン酢酸エステルベタメタゾン吉草酸エステル ほか |
| 抗ヒスタミン | かゆみ抑制 | ジフェンヒドラミン塩酸塩クロルフェニラミンマレイン酸塩 |
| 鎮痒成分 | かゆみ・知覚を一時的に和らげる | リドカイン、クロタミトン |
| 非ステロイド性抗炎症 | 抗炎症(ステロイド以外) | ウフェナマート |
| 抗菌成分 | 二次感染の予防・治療 | フラジオマイシン硫酸塩、バシトラシン |
ステロイド外用薬の強さランクと使い分け
ステロイド外用薬は強さによってランク分けされており、症状や部位に応じて使い分けることが大切です。
日本では、ステロイド外用薬は強さによって5段階のランクに分類されています[2]。
| ランク | 強さ | 市販/処方 | 主な用途・適応部位 |
| Ⅰ. ストロンゲスト | 最も強い | 処方のみ | 重症の体幹・四肢(顔・首は原則不可) |
| Ⅱ. ベリーストロング | とても強い | 処方のみ | 重症の体幹・四肢 |
| Ⅲ. ストロング | 強い | 市販可・処方 | 中等症の体幹・四肢 |
| Ⅳ. ミディアム | 普通 | 市販可・処方 | 軽症〜中等症、顔・首にも使用可 |
| Ⅴ. ウィーク | 弱い | 市販可・処方 | 軽症、乳幼児、顔・首・デリケートゾーン |
あせもに対しては、症状の程度に応じてウィークからストロング程度の外用薬が選択されることが一般的です。
市販薬で買えるのはストロングまで
ドラッグストアや薬局で購入できる市販のステロイド外用薬は、ウィーク・ミディアム・ストロングの3つのランクまでです。
ストロンゲストおよびベリーストロングのステロイド外用薬は処方箋医薬品に分類されており、市販薬としては販売されていないため、医師の処方が必要です。
市販のステロイド外用薬を選ぶときは、自己判断せず薬剤師や登録販売者に症状を伝えて相談することをおすすめします。
症状別・対象別・部位別のお薬の選び方
あせものお薬は症状の程度や対象となる人、塗布する部位によって選び方が変わります。
ここでは、症状別・対象別・部位別のお薬の選び方を3つの視点から順番に解説します。
症状別の選び方
あせものお薬は、症状の程度に応じて成分を選ぶことが大切です。
| 症状の程度 | 状態 | 推奨される成分 |
| 軽症 | 軽いかゆみ・赤み | 抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミン塩酸塩など)非ステロイド性抗炎症成分(ウフェナマートなど) |
| 中等症 | 炎症やかゆみが強い(紅色汗疹) | 弱め〜中等度のステロイド外用薬[1](強さは症状や部位により異なるため、薬剤師や医師に確認する) |
| 重症・感染疑い | ジュクジュク・化膿 | 抗菌成分配合の外用薬(医療機関での診断が推奨) |
紅色汗疹で炎症が強い場合は、ステロイドの中でも弱〜中等度のランクが用いられることがあります[1]。
ジュクジュクした状態や感染が疑われる場合には、抗菌成分を含む外用薬が使用されることもありますが、症状によっては医療機関での診断が推奨されます。
子ども・赤ちゃんに使えるお薬
子どもや赤ちゃんのあせもには、年齢に応じたお薬を選ぶことが大切です。
子どもの皮膚は大人より薬剤の吸収率が高く、強い成分は副作用のリスクが上がる可能性があるためです。
乳幼児の皮膚トラブルでは、症状や部位に応じて弱めのステロイド外用薬から使用されることがあります。
また、ジフェンヒドラミン塩酸塩などの抗ヒスタミン成分やウフェナマートなどの非ステロイド性抗炎症成分を含む外用薬の中には、乳幼児への使用が可能とされる製品もあります。
ただし、使用の可否は製品ごとに異なるため、添付文書の確認や医師・薬剤師への相談が重要です。
なお、年齢によってランクを下げる必要は必ずしもないとされていますが、乳幼児・小児では短期間で効果があらわれやすいため、使用期間に注意する必要があります[2]。
自己判断で強いお薬を使わず、迷う場合は小児科や皮膚科で相談し、医師の指導のもと適切なお薬を選んでいきましょう。
部位別の選び方
あせものお薬は、塗布する部位によっても選び方が変わります[2]。
| 部位 | 推奨されるお薬 | 注意点 |
| 顔・首・デリケートゾーン | ウィークやミディアムランクの弱めのステロイド非ステロイド性のお薬 | 「顔・首には使用しない」と表示された製品は指示を厳守 |
| 大人の体(顔・首以外) | 症状に応じた幅広い選択肢 | 汗をかきやすい部位はローションやクリームタイプが使いやすい |
| ジュクジュクした患部 | 軟膏タイプ | 滲出液が多い場合は医師の診察を検討 |
顔・首・デリケートゾーンなど皮膚が薄い部位は薬剤が浸透しやすく、皮膚が厚い部位とは適したお薬が異なります[2]。
市販品を使用する際は、用法・用量をよく確認しましょう。
あせものお薬を使うときの注意点と受診の目安
あせものお薬を効果的に使うためには、いくつかの注意点を押さえておくことが大切です。
ここでは、お薬を使うときの注意点と受診の目安を3つの視点から順番に解説します。
数日使っても改善しないときは受診
市販薬を数日使用しても症状が改善しない場合は、自己判断で使い続けず皮膚科を受診することが望ましいでしょう。
改善が見られない場合は、あせもではない別の皮膚疾患の可能性や、症状の重症化が考えられるためです。
具体的には、長期間市販薬を使い続けると副作用のリスクが上がるだけでなく、根本的な治療が遅れる可能性があります。
ステロイド外用薬を漫然と使い続けると、以下のような局所性の副作用があらわれるおそれがあります[2]。
- 塗布部位の皮膚が薄くなる(皮膚萎縮)
- 血管が浮き出る(毛細血管拡張)
- ニキビ様の発疹が出る
- 皮膚線条(伸展性皮膚線条)
「治らない」「症状が悪化している」と感じたら、早めに皮膚科を受診して適切な処方薬を相談することが大切です。
子どもの場合はとくに慎重な判断が求められるため、迷わず小児科や皮膚科の医師に相談しましょう。
皮膚を清潔に保ってから塗布する
あせものお薬を塗る前は、皮膚を清潔に保つことが効果を高める基本となります。
汗や汚れが付着したままお薬を塗っても十分な効果が得られにくく、患部を清潔にしてから塗布することで成分が肌になじみやすくなるためです。
塗布の基本的な流れは以下の通りです。
- 入浴後やシャワー後など、皮膚が清潔な状態で塗布する
- タオルでやさしく水分を拭き取る(ゴシゴシこすらない)
- お薬を必要量だけ塗り広げる
ゴシゴシこすったりタオルで強く拭いたりすると、患部を悪化させる可能性があるため避けましょう。
自己判断で長期使用しない
あせものお薬は、自己判断で長期間使用し続けるのは避けるべきとされています。
ステロイド外用薬は長期使用により皮膚萎縮・毛細血管拡張・ニキビ様発疹などの局所性副作用があらわれる可能性があるためです[2]。
症状が改善したら、必要以上に使用を続けないようにしましょう。
子どもや顔への使用では、より慎重に短期間の使用にとどめる姿勢が大切です。
使用期間や塗布範囲は説明書をしっかり読み、自己判断でお薬の使用を中止・変更せず、不明な点は薬剤師や医師に確認しましょう。
あせもや皮膚トラブルのご相談はクリニックフォアへ
あせもや皮膚トラブルでお悩みの方は、クリニックフォアのオンライン診療でご相談いただける場合があります。
軽症のあせもや、市販薬で改善しないかゆみ・湿疹・赤みなどの症状について、自宅から医師へ相談できる選択肢として活用されています。
平日忙しい方や対面受診の時間が取りにくい方にとって、オンライン診療は便利な選択肢となるでしょう。
ただし、以下のような場合は対面での皮膚科受診を優先することが大切です。
- 患部が広範囲に広がっている場合
- 膿や強い腫れを伴う場合
- 発熱を伴う場合
- 症状が長引いて他疾患が疑われる場合
※医師の判断によりお薬を処方できない場合がございます。
※対面診療をご案内する場合もございます。
※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
あせものお薬に関するよくある質問
Q1. 飲み薬でもあせもは治りますか?
あせもの治療は塗り薬が中心ですが、飲み薬も補助的に使われる場合があります[1]。
寝ている間に無意識にかいてしまう方や強いかゆみで眠れない方には、抗ヒスタミン成分の内服薬がかゆみの軽減に役立つ可能性がありますが、副作用が出る場合もあるため医師や薬剤師に相談しましょう。
Q2. あせもに保湿剤を使ってもよいですか?
あせもの予防では、必要に応じてべたつきにくい保湿剤を使う方法があります。症状が強い時期は自己判断で重いクリームを重ねず、お薬の使用を優先するか医師・薬剤師に相談しましょう。
肌が乾燥するとバリア機能が低下しあせもになりやすい環境となるため保湿が望ましい一方、症状が強い時期は治療薬を優先し改善後に保湿でケアする使い分けが大切です。
ただし、汗管を塞ぐ恐れがあるため、油分の多い重いクリームや軟膏の使用は避けたほうがよいとされています[1]。
Q3. あせもとかぶれの違いは何ですか?
あせもは汗の出口が詰まって小さな水ぶくれやブツブツができる症状で、汗かぶれは汗の刺激で皮膚が全体的に赤くなる症状です[1]。
両者は見分けがつきにくいケースもあるため、判断に迷う場合は皮膚科で診察を受けることをおすすめします。
Q4. あせものお薬は何科でもらえますか?
あせものお薬は、基本的に皮膚科や小児科で処方してもらえます。
子どものあせもの場合、小児科でも対応してくれるケースが多く、市販薬で数日使用しても改善しない・症状が広範囲に広がっている・化膿している場合は早めに皮膚科を受診しましょう。
まとめ
あせもは汗管が詰まって起こる皮膚トラブルで、塗り薬や飲み薬で対処することがあります。ステロイド成分・抗ヒスタミン成分・抗菌成分などを症状に応じて使い分けます[1]。
ステロイド外用薬は5段階のランクに分かれ、市販薬ではウィーク・ミディアム・ストロングまでが購入でき、部位や年齢に応じて適切なランクを選ぶことが大切です[2]。
数日使用しても改善しない場合は受診する・皮膚を清潔に保ってから塗布する・自己判断で長期使用しないという3つの注意点を押さえ、症状に合ったお薬を使うようにしましょう。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。症状や治療の選択については、必ず医師の診察を受けてください。
※効果・効能・副作用のあらわれ方には個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合や、対面診療をご案内する場合がございます。
