インフルエンザの予防接種は10月下旬から12月上旬までに受けるのが目安
インフルエンザの予防接種は、いつ受けても結果が同じではありません。
早く受けすぎると流行の後半で効果が弱まり、遅すぎると流行に間に合わない可能性が出てきます。
受け付けている期間や効果が続く長さを知ると、自分の予定に合わせて日程を決めやすくなるでしょう。
予防接種を受け付けている期間は10月から2月末ごろまで
予防接種を受けられるのは、多くの医療機関で10月から2月末ごろまでの期間(厚生労働省はインフルエンザの予防接種を自治体の判断で例年よりも早く実施できると自治体に周知しています)です。
インフルエンザワクチンは流行シーズンに合わせて供給されるため、一年を通していつでも受けられるものではありません。
高齢者を対象とした定期接種は10月1日から始まる自治体が多く、一般の方向けの接種もおおむね同じ時期から始まります。
10月に入ると医療機関の予約枠は埋まりやすく、11月の週末は混み合うこともあるでしょう。
自治体の助成を受けられる期間を1月末までとしている地域もあり、期限は地域によって異なります。
受けたい日が決まっている場合は、9月のうちに予約状況を確認しておくと落ち着いて動けるでしょう。
効果があらわれるまでには接種後およそ2週間かかる
予防接種の効果があらわれるのは、接種からおよそ2週間後とされています[1]。
体の中で抗体がつくられるまでには、一定の時間が必要になるためです。
流行が始まってから受けた場合、抗体ができあがる前に感染してしまう可能性も残ります。
11月1日に受けたとすると、効果が期待できるのは11月中旬以降という計算です。
効果が続くのはおよそ5か月間
ワクチンの効果が続く期間は、およそ5か月程度と考えられています[2]。
10月に受けた場合は3月ごろまで、11月に受けた場合は4月ごろまでが一つの目安です。
日本の流行シーズンは12月から3月にかけて続くため、10月から11月の接種でシーズン全体をおおむねカバーできる計算です。
流行のピークから逆算すると接種時期を決めやすい
インフルエンザの接種時期は、流行のピークを起点に考えると判断しやすくなります。
例年の流行カーブと、その年ごとのずれの両方を知っておくことが役立ちます。
例年の流行ピークは1月末から3月上旬
日本のインフルエンザは、例年12月から流行が始まり、1月末から3月上旬に患者数のピークを迎えます[3]。
インフルエンザウイルスは低温と乾燥を好むため、冬に広がりやすいです。
年末年始に人の移動が増えることも、年明けの急増につながる要因の一つです。
学校が再開する1月中旬以降は学級閉鎖の報告が増え、家庭内での感染も目立つようになります。
2月に入ってからB型が増えるシーズンもあり、流行は一度の山では終わらないこともあります。
ピークの手前には、抗体ができている状態をつくりましょう。
2025-2026年シーズンは10月上旬に流行が始まった
直近の2025-2026年シーズンは、例年より1〜2か月早い時期に流行が始まりました。
東京都は2025年10月2日に流行シーズン入りを発表しており、これは2003/04年シーズン以来の早さでした[4]。
全国の定点あたり報告数も12月には警報の基準を大きく超え、多くの都道府県で警報レベルに達しています[3]。
いつも通り11月下旬に接種しようと考えていた方が、その前に感染してしまったケースもありました。
例年の感覚だけで日程を決めると、こうした前倒しの年には後手に回ってしまいます。
毎年の流行状況は、厚生労働省や自治体の感染症情報センターが週ごとに公表しているため、9月から10月にかけて確認しておくと、その年に合った時期を選べます[3][4]。
年齢や体調によって変わる予防接種の時期と回数
インフルエンザの予防接種は、年齢によって必要な回数が変わります。
回数が変われば、逆算して決めるべき1回目の時期も変わってきます。
13歳以上は原則1回で10月下旬から11月中が目安
13歳以上の方は、原則として1回の接種で完了します[2]。
健康な成人を対象とした研究では、0.5mLの1回接種で2回接種と同等の抗体の上がり方が得られました[2]。
高齢者を対象とした定期接種も、1回です[2]。
働いている方であれば、10月下旬から11月中の受けやすい日に1回で済ませる形が現実的でしょう。
医学的な理由から医師が2回必要と判断した場合は、この限りではありません。
1回目の接種時に12歳で、2回目のときに13歳になっていた場合は、2回接種を行って差し支えないです[2]。
生後6か月から13歳未満は2〜4週間あけて2回受ける
生後6か月から13歳未満のお子さんは、2回の接種が基本になります[2]。
1回目より2回目のあとのほうが、抗体の上がり方が高くなることが分かっており、1回目と2回目の間隔は、2〜4週間あけるのが目安とされています[2]。
2回目から効果があらわれるまでにさらに2週間かかるため、逆算すると1回目は10月上旬から中旬が適したタイミングです[1][2]。
10月上旬に1回目、11月上旬に2回目を受けた場合、11月下旬から効果が期待できる流れです。
お子さんの分は大人より1か月ほど早く動き出す、と覚えておくとスケジュールを組みやすくなります。
65歳以上や基礎疾患のある方は早めの接種が勧められる
65歳以上の方や基礎疾患のある方は、少なくとも10月のうちに受けておくことが勧められます。
インフルエンザにかかったあとに肺炎などを起こし、重症化するリスクが高いと考えられているためです。
国内の研究では、65歳以上の高齢者において発病を34〜55%、死亡を82%阻止する効果があったと報告されています[2]。
多くの自治体では、65歳以上の方などを対象とした定期接種の自己負担額を軽減しています。
対象や金額は住んでいる市区町村によって異なるため、対象になるかどうかは、市区町村のホームページか窓口で確認しましょう。
重症化を防ぐという目的から考えると、10月中に済ませておくことが望ましいです。
発熱しているときやアレルギーがある場合は事前に医師へ相談する
当日に37.5度以上の発熱がある場合は、予防接種を受けられません[4]。
体調が万全でない状態での接種は、副反応との見分けがつきにくくなることも理由の一つです。
過去にインフルエンザワクチンで強いアレルギー症状が出た方も、接種の対象から外れます。
卵アレルギーがある方は接種できないと思われがちですが、程度によっては受けられる場合もあります。
心臓や腎臓、血液の病気で治療を受けている方は、事前にかかりつけの医師へ伝えておくと判断がスムーズです。
判断に迷う点がある場合は、予約の段階で医療機関に相談しましょう。
12月や1月になってからの予防接種にも意味がある
予防接種の時期を逃したと感じても、諦める必要はありません。
インフルエンザの流行は年明け以降も続き、シーズン後半に山が来る年もあります。
流行している時期の接種でも重症化を防ぐ効果は期待できる
流行が始まったあとの接種にも、意味は十分にあります。
インフルエンザワクチンの主な目的は、感染そのものを完全に防ぐことではなく、重症化を防ぐことにあるためです。
日本の流行は3月から4月ごろまで続くことがあるため、12月中旬に受けた場合でも、年明けから春先にかけての期間には効果が期待できます[2]。
すでにA型にかかった方が、その後にB型へ感染するケースもあります。
年末年始は帰省や集まりで人と接する機会が増えるため、12月の接種にも実際的な意義があるといえるでしょう。
受験や出張の予定がある場合は2〜3週間前までに済ませる
大切な予定が決まっている方は、その2〜3週間前までに接種を終えておくのが目安です。
1月中旬に入試を控えているお子さんであれば、13歳未満は2回必要になるため、1回目は11月中に受けておく計算になります。
海外出張や旅行を予定している方も、出発の3週間前を一つの区切りとして考えておくと安心です。
予定から逆算する習慣を持っておくと、毎年迷わずに日程を決められます。
予防接種が間に合わないときは抗インフルエンザ薬の予防投与も選択肢
予防接種が間に合わなかった場合でも、取れる手段は残されています。
家族が発症してしまったときには、抗インフルエンザ薬を予防の目的で服用する方法があります。
家族が発症した場合は接触から48時間以内に服用を始める
抗インフルエンザ薬を予防の目的で服用する場合、患者さんとの接触から48時間以内に開始する必要があります[6]。
ウイルスが体内で増える前に働きかけることで、発症のリスクを下げる狙いがあるためです。
ワクチンを接種していても100%防げるわけではないため、併用が検討される場面もあります。
予防投与に使われるお薬は3種類で効果は約10日間
予防投与に用いられるお薬は、主に3種類です。
吸入するタイプ、10日間飲み続けるタイプ、1回で服用を終えるタイプがあり、それぞれ服用の方法が異なります。
いずれも効果が続くのはおよそ10日間で、その期間を過ぎると予防の働きは終わります。
10日間飲み続けるタイプは、飲み忘れると効果が途切れる点に注意が必要です[6]。
1回で終わるタイプは手間が少ない一方、体重によって処方される量が変わります。
どのお薬が合うかは状況によって変わるため、診察のときに自分の生活を伝えておくと選びやすくなります。
自由診療となるため費用と対象年齢を事前に確認する
抗インフルエンザ薬の予防投与は、保険適用外の自由診療になります。
治療のための処方とは目的が異なり、公的医療保険の対象から外れているためです。
お薬の代金に加えて診察料がかかる医療機関も多く、合計の金額は事前に確認しておくと安心です。
抗インフルエンザ薬の予防投与は、薬の種類によって対象となる年齢や体重などが異なります。小児でも予防投与が認められている薬がありますが、年齢や体重、基礎疾患などを考慮して医師が判断します。
費用と対象年齢の両方を先に把握しておけば、急なときも迷わず動けるでしょう。
インフルエンザの予防接種の時期についてよくある質問
Q:経鼻タイプのワクチンは何歳から受けられますか?
A:鼻にスプレーする経鼻タイプのワクチンは、2歳以上19歳未満の方が対象です[7]。
1シーズンに1回の投与で済む点が特徴ですが、重い喘息のある方や妊娠中の方などは対象から外れます。
取り扱っている医療機関は限られているため、希望する場合は事前に確認しておくと安心です。
クリニックフォアでは、経鼻タイプのワクチンのお取り扱いはございません。
Q:新型コロナワクチンと同じ日に受けられますか?
A:同じ日に接種することが可能です。
左右の腕に分けて接種する形が一般的で、時期をずらす必要はありません。
体調や過去の副反応の出方によって判断が変わる場合もあるため、予約の際に医師へ相談してみてください。
まとめ
インフルエンザの予防接種は、早くて10月下旬、遅くても12月上旬までに済ませておくのが目安です。
効果があらわれるまでに約2週間かかり、その効果は約5か月続くとされています[1]。
例年の流行ピークは1月末から3月上旬にあるため、10月下旬から11月中の接種でシーズン全体をおおむねカバーできます[2]。
13歳以上は原則1回、生後6か月から13歳未満は2〜4週間あけて2回の接種が基本です[2]。
65歳以上の方や基礎疾患のある方は、重症化を防ぐという目的から10月中の接種が勧められます。
12月や1月になってからの接種でも、シーズン後半に向けた備えとしての意味は残ります。
今シーズンの流行状況を確認したうえで、自分と家族に合ったタイミングで予約を進めてみてください。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。お薬の服用に関しては必ず医師にご相談ください。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
