副鼻腔炎とはどんな病気?
副鼻腔炎は、鼻の周囲にある副鼻腔という空洞に炎症が起こり、分泌物がたまりやすくなる病気です。
鼻の周りの骨には、上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞という4種類の空洞が左右一対ずつあり、それぞれが鼻腔と細い通り道でつながっています[1]。
分泌物は通常この通り道から鼻腔へ排出されますが、炎症で粘膜が腫れてふさがると、うまく排出されずに副鼻腔内にたまってしまいます。
かつては「蓄膿症」と呼ばれることもありました[1]。 粘りのある濁った鼻水や鼻づまりのほか、顔や頭の痛みなどをともなうことがあります。
急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の違い
副鼻腔炎は、症状の続く期間や病態などによって、主に急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に分けられます。
急性副鼻腔炎は、風邪などのウイルス感染をきっかけに起こることが多く、主な症状は鼻づまりや鼻水、顔の痛み、発熱などです。
多くは比較的短期間で改善しますが、一部では細菌感染が関係し、症状が長引いたり悪化したりすることがあります。
一方、鼻づまりや鼻水、後鼻漏などが12週間以上続く場合は慢性副鼻腔炎が疑われます[2]。診断では、鼻の中の診察や必要に応じた画像検査などが行われます。
副鼻腔炎の主な症状
副鼻腔炎の症状は鼻だけにとどまらず、顔や頭、のど、全身にまで及ぶことがあります。
ここでは、鼻の症状、顔や頭の症状、のどや全身の症状に分けて整理していきます。
鼻の症状(膿性の鼻水・鼻づまり・においが分からない)
副鼻腔炎でよくみられるのが、粘り気のある濁った鼻水や鼻づまり、においが分かりにくくなるといった鼻の症状です。
副鼻腔にたまった分泌物が鼻に出てくることで、黄色や緑色っぽい濁った鼻水がみられ、粘膜の腫れによって鼻がつまり、においを感じる働きが低下することもあります[2]。
顔や頭の症状(顔面痛・頭痛・頭重感)
副鼻腔炎では、顔の痛みや頭痛、頭が重い感じといった症状があらわれることがあります。
副鼻腔にたまった分泌物や炎症によって、頬や目の周り、おでこなどに痛みや圧迫感が生じ、それが頭痛や頭重感として感じられることもあるためです。
とくに、下を向いたときに痛みが強くなる、痛む部分を押すと響くといった特徴がみられることがあります。
のどや全身の症状(後鼻漏・せき・痰・発熱・だるさ)
副鼻腔からの分泌物が鼻の奥からのどへ流れる状態を後鼻漏といいます。のどが刺激されることで、せきや痰、のどの違和感が続くことがあります。
また、感染や炎症にともなって発熱やだるさがみられることもあります。
後鼻漏によるせきや痰、のどの違和感は、横になったときや起床時に感じやすい場合もあります。
副鼻腔炎で痛む場所の目安と痛みの特徴
副鼻腔炎による顔や頭の痛みは、炎症が起きている場所によって痛む部分が変わるのが特徴です。
炎症を起こしている副鼻腔の場所によって、頬・目の奥・おでこ・頭の奥などに分かれて痛みがあらわれることがあります。
<副鼻腔炎で痛みが出やすい場所の目安>
| 炎症が起きている副鼻腔 | 痛みや圧迫感が出ることのある場所 | 特徴 |
| 上顎洞(じょうがくどう) | 頬、頬骨周辺、上の奥歯 | 歯が浮くような痛みを感じ、歯の痛みと区別しにくいことがある |
| 篩骨洞(しこつどう) | 目と目の間、目の奥 | 目の周囲に痛みや圧迫感が出ることがある |
| 前頭洞(ぜんとうどう) | おでこ、眉間周辺 | 前かがみになったときに痛みが強くなることがある |
| 蝶形骨洞(ちょうけいこつどう) | 目の奥、頭頂部、頭の奥、後頭部など | 痛む場所が分かりにくく、頭痛として感じることがある |
痛む場所は炎症が起きている副鼻腔によって異なりますが、あくまで目安です。上顎洞では歯の痛みとして感じることもあります。
頭痛の原因は副鼻腔炎以外にも多いため、鼻症状が乏しい場合や頭痛を繰り返す場合は、ほかの原因も含めた評価が必要です。
副鼻腔炎の主な原因
副鼻腔炎には、感染やアレルギー、鼻の構造など、複数の要因が関係しています。
急性副鼻腔炎の主なきっかけは、風邪などのウイルス感染です。一部では、細菌感染が関係するケースもあります。
炎症で粘膜が腫れると、副鼻腔と鼻腔をつなぐ穴がふさがり、分泌物がたまりやすくなります。
これに加えて、アレルギー性鼻炎や花粉症によって鼻粘膜の腫れが続くと、副鼻腔の換気や排出が妨げられ、副鼻腔炎を起こしやすくなることがあります。
鼻中隔が曲がっている、鼻の中にポリープ(鼻茸)があるといった構造的な要因や、上の奥歯の炎症が広がる歯性上顎洞炎も、原因のひとつです。
副鼻腔炎と風邪・アレルギー性鼻炎の見分け方
副鼻腔炎は、風邪やアレルギー性鼻炎と症状が似ているため、見分けにくいことがあります。
鼻水の色や症状の続き方、出方の違いに注目してみましょう。
風邪との違いは鼻水の色だけでなく症状の経過を確認する
風邪と副鼻腔炎は、鼻水の色だけで見分けることはできません。
風邪でも、経過中に鼻水が黄色や緑色になることがあります。副鼻腔炎を疑う目安になるのは、鼻水の色に加えて、鼻づまりや顔の痛みなどが改善しない場合や一度よくなった後に再び悪化するといった経過です。
高熱や強い顔の痛みがある場合は、副鼻腔炎を含む感染症などの評価が必要になるため、早めに医療機関へ相談しましょう。
アレルギー性鼻炎との違い
副鼻腔炎とアレルギー性鼻炎では、鼻水の性質や流れ方が異なります。
アレルギー性鼻炎では、透明でさらさらした鼻水が出て、くしゃみや目のかゆみをともないやすいのが特徴です。一方、副鼻腔炎では粘り気のある濁った鼻水が出て、喉のほうへ流れることもあります。
「透明でさらさらの鼻水とくしゃみが中心」であればアレルギー性鼻炎、「濁った鼻水と鼻づまり、顔の重さが中心」であれば副鼻腔炎が疑われます。
副鼻腔炎の症状セルフチェックと放置のリスク
副鼻腔炎は、症状を自分で振り返ることで気づきやすくなり、早めの対処につなげられます。
症状が長引く場合は、慢性副鼻腔炎やほかの病気が隠れている可能性があります。
鼻や副鼻腔の炎症が長期間続くと、鼻づまりや後鼻漏、嗅覚の低下などが慢性的にみられることがあるため注意が必要です。
慢性化を防ぐためにも、症状が長引くときは早めに受診して適切な対処を始めることが大切になります。
副鼻腔炎のセルフチェック
次のような症状がみられる場合は、副鼻腔炎が関係している可能性があります。
<副鼻腔炎でみられる主な症状>
- 粘り気のある黄色や緑色の鼻水が続く
- 鼻づまりが続いている
- 鼻水がのどに流れる
- においが分かりにくい
- 頬や目の奥、おでこに痛みや圧迫感がある
- 頭が重く感じる
- せきや痰が長引いている
- 発熱がある
- いったん改善した症状が再び悪化した
ただし、これらは風邪やアレルギー性鼻炎、歯の病気などでもみられる症状です。当てはまる項目の数だけで、副鼻腔炎かどうかを判断することはできません。
鼻づまりや濁った鼻水、顔の痛みなどが長引いている場合や、いったんよくなった後に再び悪化した場合は、耳鼻咽喉科で相談しましょう。
また、目の周りの腫れや視力の変化、激しい頭痛、高熱などがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
副鼻腔炎を繰り返す方は背景にあるアレルギーの相談も検討しよう
副鼻腔炎や繰り返す鼻の不調の背景に、花粉症やアレルギー性鼻炎が合併していることがあります。
アレルギー性鼻炎を合併している場合は、その治療もあわせて行うことで、鼻粘膜の腫れや鼻症状を抑えやすくなる可能性があります。
クリニックフォアのオンライン診療では、花粉症やアレルギー性鼻炎について相談でき、症状に応じたお薬の処方も可能です。
なお、症状が重い場合や検査が必要と判断された場合は、対面診療をご案内する場合もあります。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※検査等が必要な場合は、対面診療をご案内させていただく場合があります。
花粉症がある場合は舌下免疫療法を検討するという選択肢も
舌下免疫療法は副鼻腔炎そのものを治療する方法ではありませんが、スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎を合併している場合に、アレルギー性鼻炎の治療として検討されることがあります。
舌下免疫療法は、スギ花粉やダニといったアレルギーの原因物質(アレルゲン)を少量ずつ継続的に投与し、アレルギー症状を和らげることや長期的な寛解を目指す治療法です。
3~5年程度、毎日続けることで、鼻の症状の改善やお薬の減量が期待できるとされています。ただし、効果や続け方には個人差がある点に注意が必要です。
副作用として、口の中の腫れやかゆみ、喉の違和感などがみられることがあります。まれではあるものの、アナフィラキシーなどの重いアレルギー反応にも注意しなければなりません。
治療を受けられるかどうかは、アレルギー検査の結果や喘息の状態などを踏まえて医師が判断します。
初回投与は医療機関で行う必要があり、オンライン診療を利用できるのは2回目以降の継続処方のみです。
また、スギ花粉症の舌下免疫療法は花粉飛散時期を避けて開始するため、新規受付は例年5月〜12月となる点にご注意ください。
<料金(税込)>
| 項目 | 金額 |
| シダキュア(60日分) | 2,700円 |
| ミティキュア(60日分) | 3,600円 |
| 診察料・システム利用料 | 2,200円 |
| 配送料 | 無料 |
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※検査等が必要な場合は、対面診療をご案内させていただく場合があります。
※診察料・システム利用料:合計2,200円(税込)
下記のものが含まれます。
・診察料(初診料・再診料)の保険診療の自己負担部分
・院内処方関連費用(薬剤情報提供料など)
・オンライン診療システム利用料
※価格は2026年7月時点のものになります。
副鼻腔炎の症状に関するよくある質問
ここでは、副鼻腔炎の症状に関してよくある質問にお答えします。
Q:風邪と副鼻腔炎はどう見分けますか?
鼻水の色だけで、風邪と副鼻腔炎を見分けることはできません。
風邪でも、経過中に鼻水が黄色や緑色になることがあるためです。
副鼻腔炎を疑う目安になるのは、粘り気のある濁った鼻水や鼻づまり、顔の痛みなどが長引くことです。
また、症状がいったん軽くなった後に再び悪化した場合も、副鼻腔炎が関係している可能性があります。
Q:副鼻腔炎は自然に治りますか?
風邪にともなう急性ウイルス性鼻副鼻腔炎は、多くの場合、時間の経過とともに改善します。
ただし、症状が長引く場合、いったん改善した後に再び悪化した場合、強い顔面痛や高熱がある場合は、細菌感染などが関係している可能性があります。
自己判断で様子を見続けず、耳鼻咽喉科に相談しましょう。
Q:副鼻腔炎を繰り返すのはなぜですか?
副鼻腔炎を繰り返す背景には、アレルギー性鼻炎、鼻茸、鼻中隔の形、歯の炎症、喫煙など、さまざまな要因が関係することがあります。
アレルギー性鼻炎を合併している場合は、その治療も必要か医師に相談しましょう。
Q:副鼻腔炎は何科を受診すればいいですか?
副鼻腔炎は、耳鼻科(耳鼻咽喉科)が主な受診先です。
鼻の中の観察や必要に応じた画像検査などで、状態を確かめてもらえます。
歯の痛みをともなう場合は、歯科との連携が必要になることもあります。
まとめ
副鼻腔炎は、鼻腔や副鼻腔の粘膜に炎症が起こる病気です。主な症状には、粘り気のある濁った鼻水、鼻づまり、においの分かりにくさ、顔や頭の痛み、後鼻漏によるせきなどがあります。
顔や頭の痛みが出る場所は、炎症が起きている副鼻腔によって異なることがあります。ただし、痛む場所だけで炎症部位を特定することはできません。
風邪と副鼻腔炎は、鼻水の色だけで見分けることは困難です。鼻づまりや濁った鼻水、顔の痛みなどが改善しない場合や、いったんよくなった後に再び悪化した場合は、耳鼻咽喉科への相談を検討しましょう。
アレルギー性鼻炎を合併している場合は、その治療も必要になることがあります。舌下免疫療法は副鼻腔炎の治療ではありませんが、原因が確認されたスギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎の治療として検討されることがあります。
目の周りの腫れ、視力の変化、物が二重に見える、激しい頭痛、高熱などがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※目の周りの腫れや視力の変化、激しい頭痛や高熱などがある場合は、自己判断せず速やかに医療機関にご相談ください。
