デュタステリドと体毛の関係【薄くなる・濃くなると感じる原因を解説】

デュタステリドを服用していて、体毛が薄くなった、または濃くなったと感じていませんか。体毛の変化に気づくと「このまま治療を続けてよいのか?」と不安になる方もいるでしょう。

デュタステリドはAGAの原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制するお薬です。
DHTは頭髪では脱毛を引き起こしますが、体毛では成長を促すように働きます。このため、デュタステリドを服用すると、頭髪の脱毛は抑えられる一方、体毛は薄くなる可能性があるのです。
反対に、体毛が濃くなる場合は別の原因が影響している可能性があります。安心して治療を継続するためには、考えられる要因を整理しておくことが大切です。

この記事では、デュタステリドと体毛の関係について、薄くなる仕組みや濃くなる原因、それぞれの対処法を解説します。
デュタステリド服用中に体毛の変化が気になる方は、参考にしてください。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。

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デュタステリドで体毛が薄くなる仕組み

体毛が薄くなる背景には「DHT(ジヒドロテストステロン)」というホルモンが関係しています。

デュタステリドは、このDHTの生成を抑制するお薬であり、その影響は頭髪だけでなく体毛にも及ぶことがあります。

体毛の変化は必ず起こるものではありませんが、「DHTの生成を抑える」という仕組みから理論上は起こりうると考えられています。

DHTと体毛の関係

DHTは、体毛の成長に関わるホルモンです。頭髪と体毛の毛根に作用しますが、部位によって働きが異なります。

頭頂部や前頭部の毛髪では脱毛を促進する一方、体毛では成長を促す働きをするのです。

思春期以降に濃くなるヒゲや胸毛などは、男性ホルモンの作用が関与して発達します。具体的には、テストステロンがDHTに変換され、体毛の成長を促すことで男性らしい体毛が形成されます。

一方、頭頂部や前頭部の毛髪は、DHTの影響を受けると成長期が短縮され、細く短い髪しか育たなくなります。これがAGAの進行メカニズムです。

部位DHTの働きDHTを抑制した場合
頭頂部・前頭部の毛髪成長期を短縮し、脱毛を促進薄毛の進行を抑制
ヒゲ・胸毛・腕毛などの体毛成長を促進体毛が薄くなる可能性

デュタステリドはDHTを抑制するため、頭髪には薄毛の進行を抑える効果が期待できる一方で、体毛は薄くなる可能性があるのです。

また、体毛の変化は、DHTへの依存度が高い部位ほど現れやすいと考えられます。

5αリダクターゼ阻害による影響

DHTは、男性ホルモンであるテストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素によって変換されることで生成されます。

5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、デュタステリドは両方を阻害する特徴があります[1]。Ⅰ型は皮脂腺や皮膚に多く分布し、Ⅱ型は前立腺や毛包に多く分布するとされています[1][2]。ただし、両型の分布には重複があり、毛包における役割についてはまだ十分に解明されていない部分もあります[1][2]

2つの酵素を阻害することで、血中DHT濃度は約93%低下するとされています[2]。この強力なDHT抑制作用が、頭髪だけでなく体毛にも影響を及ぼす要因と考えられているのです。

デュタステリドとフィナステリドの体毛への影響の違い

デュタステリドとフィナステリドは、どちらもAGAの進行を抑制する効果が期待できるお薬です。5αリダクターゼの働きを抑えてDHTの生成を減らし、脱毛の進行を抑える働きをします。

ただし、抑える酵素の範囲が異なるため、DHTの減少量には差があります。

5αリダクターゼの作用範囲の違い

デュタステリドとフィナステリドでは、DHTを作り出す「5αリダクターゼ」の働きを抑える範囲に違いがあります。

フィナステリドは5αリダクターゼⅡ型の働きのみを抑えるのに対し、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方の働きを抑えます[3]。作用する酵素の違いにより、DHTが低下する範囲や程度に差が生じるのです。

項目デュタステリドフィナステリド
作用する酵素5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型5αリダクターゼⅡ型のみ
抑制範囲より広範囲限定的

海外の臨床試験では、フィナステリドで血中DHT濃度が約70%低下するのに対し、デュタステリドでは約93%低下すると示されています[2]

Ⅰ型とⅡ型の両方を阻害するデュタステリドは、フィナステリドよりも広い範囲でDHTの生成を抑える作用を持つと考えられています。

体毛への影響の差

デュタステリドは、フィナステリドよりも体毛に影響を与えやすい可能性があります。

体毛はDHTによって成長が促されるため、DHTの抑制範囲が広いほど、体毛に対する作用も及びやすいと考えられます。

酵素5αリダクターゼⅠ型5αリダクターゼⅡ型
おもな分布部位皮膚・皮脂腺など前立腺・毛包(頭頂部や前頭部を含む)など

フィナステリドはⅡ型の働きのみを抑えるため、頭皮の毛包での作用が中心です[1]

一方、デュタステリドはⅠ型の働きも抑えます。Ⅰ型は皮膚に広く分布しているため[2]、体毛にも作用が及ぶ可能性があります。

すべての方に体毛の変化が起こるわけではなく、過度に心配する必要はありません。気になる場合は医師に相談し、経過を確認してもらいましょう。

デュタステリド服用中に体毛が濃くなる場合に考えられる理由

デュタステリドを服用中に、反対に「体毛が濃くなった」と感じる方もいるかもしれません。この場合、デュタステリド以外の要因が影響している可能性が考えられます。

とくにミノキシジル内服薬を併用している場合は、「多毛症」を考慮する必要があります。なお、ミノキシジルには外用薬と内服薬があり、内服薬は国内ではAGA治療薬として承認されていない点にご留意ください。

ミノキシジル併用の影響

AGA治療でデュタステリドとともにミノキシジル内服薬を併用している場合、体毛が濃くなる原因はミノキシジルの影響が考えられます。

ミノキシジルでは、まれに体毛が増えたり濃くなったりする「多毛症」を引き起こすことが報告されているためです[4]

ミノキシジルは、毛包への直接作用などにより発毛を促すと考えられているお薬です。内服薬では成分が全身に作用するため、頭髪だけでなく体毛の成長が促されることがあります。

海外の研究では、低用量のミノキシジルを3か月間服用した1,404名のうち、15.1%に多毛症が認められたと報告されています[4]

ただし、ミノキシジルを服用したすべての方に多毛症が起こるわけではなく、症状の出方・感じ方には個人差もあります。

心配な場合でも自己判断で中断せず、医師に相談しながらご自身に合う治療方針を検討することが大切です。

その他の要因

ミノキシジルを服用していない場合でも、体毛が濃くなる要因はいくつか考えられます。

加齢による体毛の変化は自然な現象であり、眉毛・耳毛・鼻毛などは年齢とともに長く太くなることがあります[5]

また、季節による変動やホルモンバランスの変化の影響を受けることもあります。体毛の変化に意識が向いたことで、以前より濃く感じるケースもあるでしょう。

デュタステリド単独で体毛が濃くなることは理論的に考えにくいため、すぐにお薬の影響と決めつけず、ほかの要因も含めて考えることが大切です。

それでも体毛の変化が気になる場合は、医師に相談しましょう。

デュタステリド服用中に体毛の変化が気になる場合の対処法

体毛の変化が気になる場合、「濃くなったのか」「薄くなったのか」で考え方と対応が異なります。

どちらの場合も、まずは自己判断で服用を中止せず、医師に相談することが大切です。

体毛が濃くなった場合

体毛が濃くなったと感じる場合は、デュタステリド以外の要因が関与している可能性を考える必要があります。

気になる場合は、医師とともに原因を整理したうえで対応を検討することが大切です。

ミノキシジル内服薬を併用している場合は、内服薬を中止する、または外用薬に変更するといった対応で落ち着く可能性もあります。

不安を感じたときはひとりで抱えず、医師と相談しながらご自身に合った治療を続けていきましょう。

体毛が薄くなった場合

体毛が薄くなった場合、基本的にはデュタステリドを中断する必要はありません。体毛の減少自体は健康上の問題を引き起こすものではないため、気にならなければ服用を続けながら経過をみることも可能です。

また、体毛は加齢とともに自然に減っていく傾向もあるため、必ずしもお薬の影響とは限らないことも理解しておく必要があります。

一方で、体毛の変化が強く気になる場合や不安を感じる場合は、我慢せず医師に相談してください。

大切なのは、自己判断で服用を中止しないことです。デュタステリドを中止すると、DHT抑制作用が失われ、AGAの進行が再び始まる可能性があります。

心配な場合は、治療を継続して問題ないかを医師に相談し、適切な指示を仰ぎましょう。

安心してAGA治療を続けるために

デュタステリドの服用中に体毛の変化が気になる場合は、専門の医師に相談することが大切です。

AGA治療では「効果が得られているか」「副作用が強くないか」の見極めが重要です。医師は効果と副作用のバランスをみながら、一人ひとりに合った治療方針を提案します。

安心してAGA治療を続けるためには、ささいな変化でも相談できるクリニックを選ぶことが重要です。

自己判断で治療を中断してしまうと、AGA治療の効果が失われる可能性があります。迷いや不安があるときにすぐ相談できる環境であれば、適切な対応がとりやすくなるでしょう。

クリニックフォアでは、オンライン診療により自宅から相談できます。

デュタステリドやフィナステリド、ミノキシジルは内服薬と外用薬ともに取り扱っており、体毛への影響が気になる方は治療薬の変更についても相談可能です。

AGA治療は長期的に続けていくことが前提となるため、いつでも相談できる体制の整ったクリニックで、安心して治療を進めましょう。

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デュタステリドと体毛に関するよくある質問

デュタステリドと体毛の関係について、よく寄せられる質問をまとめました。

治療を進めるうえで気になりやすいポイントを整理していますので、参考にしてください。

デュタステリドで体毛は必ず薄くなりますか?

デュタステリドを服用しても、体毛が必ず薄くなるわけではありません。

ザガーロの添付文書には「脱毛(主に体毛)」が副作用として記載されていますが、発現頻度は「頻度不明」とされています[3]

これは、自発報告など分母が明確でないデータに基づいており、正確な発現率を算出できないことを意味します。

体毛の濃さには遺伝的要因やホルモン感受性の個人差が関係しているため、同じお薬を服用しても変化の程度は人によって異なります。

体毛が薄くなるのはいつ頃からですか?

体毛が薄くなる時期について、明確なデータは報告されていません。

デュタステリドは服用開始後、血中濃度が安定するまでに一定期間を要します。また、体毛の成長サイクルは数か月単位であるため、DHT低下の影響が目に見える変化として現れるまでには時間がかかります。

頭髪では服用開始から約1〜2ヶ月で変化を感じ始める方が多いとされていますが、体毛の変化については明確なデータがなく、個人差が大きいため一概にはいえません。

体毛が薄くなったら服用をやめるべきですか?

体毛が薄くなったことを理由に、自己判断で服用を中止するのは避けてください。

デュタステリドの服用を中止するとDHT濃度が徐々に元に戻り、AGAの進行が再開する可能性があります。

体毛の変化が気になる場合は、医師に相談のうえで治療を継続するか、他の治療薬に変更するかを判断しましょう。

まとめ

デュタステリドは、AGAの原因となるDHTを抑制することで薄毛の進行を抑える治療薬です。その作用の影響により体毛が薄くなる可能性はありますが、すべての方に起こるわけではありません。

体毛が薄くなった場合でも、健康上の問題はなく、多くの場合は治療を中止する必要はありません。

一方で、体毛が濃くなったと感じる場合は、ミノキシジルの併用や加齢、ホルモンバランスの変化など、デュタステリド以外の要因が関与しているケースが考えられます。

大切なのは、体毛の変化があっても自己判断で治療を中止しないことです。服用をやめるとDHTの抑制が解除され、AGAの進行が再び始まる可能性があります。

体毛の変化が気になる場合は、考えられる原因を整理したうえで、医師に相談しながら治療方針を検討しましょう。AGA治療には複数の選択肢があるため、医師と相談しながら、ご自身の希望に合った治療を続けていくことが大切です。

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参考文献

  1. 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
  2. Comparison of Clinical Trials With Finasteride and Dutasteride. Rev Urol. 2004;6(Suppl 9):S31-S39.
  3. ザガーロカプセル添付文書
  4. Vañó-Galván S, et al. Safety of low-dose oral minoxidil for hair loss: A multicenter study of 1404 patients. J Am Acad Dermatol. 2021;84(6):1644-1651.
  5. MedlinePlus「Aging changes in hair and nails」
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