デュタステリドで初期脱毛は基本的に起きないとされている
デュタステリドはAGAの原因とされるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑制することで、AGAの進行を抑える目的で処方される内服薬です[2]。
発毛を直接促す作用は持たず、デュタステリド自体が初期脱毛を引き起こすことは考えにくいとされています。
日本皮膚科学会の診療ガイドラインや添付文書にも、デュタステリドによる初期脱毛に関する記載はありません[1][2]。
5α還元酵素阻害薬の作用機序から初期脱毛は考えにくい
デュタステリドの作用機序から考えると、お薬が初期脱毛を引き起こすこと基本的にないとされています。
デュタステリドは5α還元酵素のI型とII型の両方を阻害し、AGAの原因物質であるDHTの産生を抑える働きをもつお薬です[2][3]。
発毛を直接促す作用は持たず、抜け毛の進行を抑えることを目的としたAGA治療薬として位置づけられています[2]。
一方、初期脱毛が見られるとされるミノキシジルは、毛包に作用してヘアサイクルの休止期から成長期への移行を促す働きがあり、デュタステリドとは作用の仕組みが異なります[4]。
こうした作用の違いから、ミノキシジルで見られる初期脱毛と同じ現象がデュタステリド単独で起こることは考えにくいとされています。
初期脱毛が見られるのはミノキシジル使用時が一般的
初期脱毛が一般的に見られるのは、発毛を促す作用をもつミノキシジルを使用した場合とされています[1][4]。
ミノキシジルは毛包に作用し、ヘアサイクルの休止期から成長期への移行を促すと考えられており、この過程で休止期にとどまっていた毛が押し出されることで、一時的に抜け毛が増えたように感じる場合があります[4]。
この現象はミノキシジルの治療効果と関連した一時的な変化と考えられており、継続使用により毛髪数・密度の改善が期待できる場合があるとされています[4]。
日本皮膚科学会のAGA診療ガイドラインでも、ミノキシジル外用の項にはこの一時的な抜け毛増加に関する記載があります[1]。
初期脱毛は5α還元酵素阻害薬であるデュタステリドではなく、発毛を促すミノキシジル特有の現象に近いと考えられています。
ガイドライン・添付文書における記載状況
日本皮膚科学会のガイドラインやデュタステリドの添付文書には、お薬の作用による初期脱毛に関する記載はありません[1][2]。
「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、AGA治療における各お薬の作用や副作用に関する内容がまとめられていますが、デュタステリド・フィナステリドの内服薬に関する項目には、治療開始後の一時的な抜け毛増加についての記載は確認できません[1]。
ザガーロ(デュタステリド)の添付文書に記載されている主な副作用は、性機能関連の症状や肝機能値の変化、乳房に関する症状などが中心です[2]。
デュタステリド治療中に抜け毛が増えたと感じる主な原因
デュタステリド単独の治療では初期脱毛は起こりにくいとされていますが、治療中に抜け毛が増えたように感じる場合には、お薬とは直接関係しない要因が影響している可能性があります。
考えられる要因は、AGA以外の脱毛症の併存、季節性の生理的な抜け毛、治療開始による意識の変化、ミノキシジル併用などが挙げられます。
ここからは、それぞれの要因について見ていきましょう。
AGA以外の脱毛症が併存している可能性
治療中に抜け毛が増えたと感じる場合、AGA以外の脱毛症が併存し、そちらが抜け毛の増加に関与している可能性があります。
円形脱毛症や、栄養不足・甲状腺機能異常などに関連する休止期脱毛は、AGAと併存することがあるとされています[1]。
特に鉄・ビタミンB群・亜鉛・タンパク質の不足は、健康な毛髪の維持を困難にする要因と考えられています[5]。
血液検査などにより、栄養素の不足や甲状腺ホルモンの異常などを見分けることが可能とされているため、抜け毛が気になる場合は医師に相談し、必要に応じて検査を受けることが推奨されます。
抜け毛の原因がデュタステリドではなく別の脱毛症である場合、原因に合わせた治療が必要となるため、自己判断せず医師に確認しましょう。
季節性の生理的な抜け毛
健康な方でも、季節の変わり目などには一時的に抜け毛が増えることがあります。
人の毛髪には自然な毛周期があり、季節や体調の変化に伴って抜け毛の量が増減することが知られています[6]。
特に秋口は抜け毛が増えやすい時期とされており、AGA治療を開始した時期と重なるとお薬の影響と感じてしまう場合があります。
健康な方でも1日に50〜100本程度の自然な脱毛は通常見られる現象であり、ある程度の抜け毛は治療中であっても起こり得る変化です[6]。
治療開始のタイミングと季節性の抜け毛が重なった場合、デュタステリドの影響と誤って受け止めてしまう可能性もあるため、抜け毛の量だけで治療効果を判断しないことが大切です。
治療開始により抜け毛への意識が高まっている
治療開始をきっかけに頭皮や髪への意識が高まり、抜け毛が増えたと感じてしまう場合があります。
AGA治療を開始すると、ご自身の髪の状態に注目する機会が増え、洗髪時や枕についた毛などを以前より細かく確認するようになる方もいるでしょう。
もともと存在していた抜け毛が、治療開始を境に多く感じられるようになることがあります。
健康な方でも1日50〜100本程度の脱毛は通常見られる現象であり、意識して数えると「抜け毛が多い」と感じやすくなる傾向があります[6]。
治療効果は短期間で判断できるものではないため、まずは一定期間、経過を見ていくことが大切です。
ミノキシジルを併用している場合
ミノキシジルとデュタステリドを併用している場合、ミノキシジルの作用により使用開始後に一時的な抜け毛の増加が見られることがあります。
これは先述したとおり、休止期から成長期への移行に伴い、休止期にとどまっていた細く弱い毛が押し出されるためと考えられています。
この現象はミノキシジル使用開始から数週間〜数ヶ月で見られることがあるとされています[4]。
継続使用により毛髪数・密度の改善が期待できる場合があるとされ、一時的な抜け毛の増加はお薬の作用と関連した変化と考えられています[4]。
ミノキシジルを併用している場合の抜け毛は、お薬の作用過程で見られる一時的な変化の可能性があるため、自己判断で中止せず医師に確認しましょう。
治療中に抜け毛が気になるときの3つの対処法
デュタステリド治療中に抜け毛が増えたと感じる場合、すぐに服用を中止するのではなく、まずは経過を見ながら必要に応じて医師に相談することが大切です。
AGA治療薬は継続服用が前提のお薬であり、短期間の変化だけでお薬の効果や影響を判断することは難しいとされています[2]。
ここからは、抜け毛が気になるときに取れる3つの対処法を見ていきましょう。
自己判断で服用を中止しない
抜け毛が気になる場合でも、自己判断で服用を中止することは避けましょう。
デュタステリドはAGAの進行を抑える目的のお薬であり、継続服用が治療の前提です[2]。
服用を中止すると、抑えられていたAGAの進行が再び進む可能性があるとされています[2]。
短期的な抜け毛の量の変化を理由に中止してしまうと、本来期待できた治療効果を十分に評価できない場合があります[2]。
抜け毛の量の変化が気になっても、まずは一定期間継続し、自己判断で中止せず医師に確認することが望ましいとされています。
6ヶ月を目安に経過を見る
デュタステリドの治療効果を判断するためには、最低でも6ヶ月程度の継続が推奨されています[2]。
AGAはヘアサイクルの乱れによって進行する脱毛症であり、お薬の作用が毛髪の状態に反映されるまでには一定の時間が必要とされています[1]。
ヘアサイクル全体に変化が現れるまでの期間を考慮すると、効果判定には数ヶ月以上の継続が必要です[2]。
ザガーロの添付文書にも「治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である」と記載されており、効果判定には6ヶ月以上の継続服用が前提とされています[2]。
抜け毛の変化が気になっても、まずは6ヶ月程度を一つの目安として継続し、その間の状態を医師と確認していくことが大切です。
不安が強い場合は医師に相談する
抜け毛の変化が長期間続く場合や、不安が強い場合は、自己判断せず医師に相談することが推奨されます。
治療中の抜け毛にはお薬とは関係しない要因が関与している可能性があり、原因を見分けるためには医師の診察が必要となるケースがあります[1]。
血液検査などにより、栄養不足や甲状腺機能異常などの他の脱毛要因を確認できる場合もあるとされています[5]。
クリニックフォアのオンライン診療では、自宅から医師に治療経過や気になる症状を相談することが可能です。
自己判断で中止せず医師に確認することで、不安を軽減しながら、状態に合わせた治療を続けやすくなる場合があります。
デュタステリドと初期脱毛に関するよくある質問
Q1. デュタステリドで本当に初期脱毛は起こらないのか?
デュタステリド単独の治療では、お薬の作用による初期脱毛が起こる可能性は低いとされています。
ガイドラインや添付文書にも、デュタステリドによる初期脱毛に関する記載はありません[1][2]。
治療中に抜け毛が増えたと感じる場合は、別の要因が関与している可能性があります。
Q2. ミノキシジル併用時の抜け毛はいつまで続く?
ミノキシジル使用開始後の一時的な抜け毛は、数週間〜数ヶ月で見られることがあるとされています[4]。
継続使用により毛髪数・密度の改善が期待でき、初期脱毛は一定期間で落ち着くケースが多いと考えられています[4]。
気になる場合は自己判断で中止せず、医師に相談しましょう。
Q3. フィナステリドからデュタステリドに切り替えた場合は?
お薬の切り替え時にも、お薬自体の作用による初期脱毛は起こりにくいとされています。
お薬の効果が出るまでにはヘアサイクル全体の変化を待つ必要があるため、一定期間は経過観察が必要です[2]。
切り替えの際は医師の判断のもとで進めることが大切です。
Q4. 抜け毛が長期間続く場合は?
数ヶ月経過しても抜け毛の増加が続く場合は、栄養不足や甲状腺機能異常、円形脱毛症など別の原因が関与している可能性 もあります[1][5]。またAGAが進行している可能性もあります。
担当医師に相談し、血液検査などで他の原因がないかを確認することが推奨されます。
自己判断で服用を中止せず、医師に確認することが大切です。
まとめ
デュタステリドはAGAの原因物質であるDHTの産生を抑制することで、抜け毛の進行を抑えることを目的とした内服薬であり[2]、お薬自体が初期脱毛を引き起こす可能性は低いと考えられています。
ガイドラインや添付文書にもデュタステリドによる初期脱毛に関する記載はなく、初期脱毛が一般的に見られるのは、発毛を促す作用をもつミノキシジルを使用した場合とされています[1][4]。
それでもデュタステリド治療中に抜け毛が増えたと感じる場合には、AGA以外の脱毛症の併存・季節性の生理的な抜け毛・治療開始による意識の変化・ミノキシジルの併用・AGAの進行、といった、お薬とは直接関係しない要因が影響している可能性があります。
AGAは進行性の脱毛症とされており、治療を中断すると抑えられていた進行が再び進む可能性があるため、短期間の抜け毛の変化だけで判断せず、治療を継続することが大切です[2]。
治療効果の判定には、添付文書でも通常6ヶ月間の継続が必要とされており、6ヶ月程度を一つの目安として経過を見ていくことが推奨されています[2]。
抜け毛の変化が長期間続く場合や、不安が強い場合は、自己判断で服用を中止せず、医師に相談して原因を見分けることが望ましいとされます。
デュタステリドの治療は継続が前提となるお薬であるため、不安に感じる症状があれば医師と相談しながら、ご自身に合った治療を続けていきましょう。
※診察の結果、医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※対面診療をご案内する場合もございます。
