帯状疱疹とは?原因とうつる仕組み
帯状疱疹は、過去に感染した水ぼうそうのウイルスが、治ったあとも体の神経にひそみ続け、あるとき再び活動して起こる病気です[2]。
まずは、発症の仕組みと引き金になる要因を整理します。
水ぼうそうのウイルスが再び活動して起こる
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスが原因です[2]。
このウイルスに初めて感染すると水ぼうそうを発症し、治ったあともウイルスは体の神経節にひそみ続けます[1]。
ふだんはおとなしくしているウイルスが、あるとき再び活動を始め、神経を伝わって皮膚に達すると、痛みや発疹を引き起こします。
そのため、過去に水ぼうそうにかかったことがある人なら、誰でも帯状疱疹を発症する可能性があるのです。
自分の中にひそんでいたウイルスが再び動き出す病気だと知っておくと、発症の仕組みが理解しやすくなるでしょう。
発症の引き金(加齢・免疫低下・ストレスなど)
ウイルスが再び活動する引き金には、加齢や免疫の低下、ストレスなどがあります[1]。
年齢を重ねること、疲れや睡眠不足、強いストレス、ほかの病気などが重なって免疫が下がると発症しやすくなります。
「まだ若いから関係ない」と思う方もいますが、疲れがたまれば若い世代でも発症することがある病気です。
日ごろから体調を整え、免疫を下げすぎないことが、発症のリスクを抑えることにつながります。
帯状疱疹の症状の経過|初期から治るまで
帯状疱疹の症状は、初期の痛みから発疹、そして治癒へと、段階を追って移り変わっていきます[2]。
「今の症状がどの段階なのか知りたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
症状には典型的な経過があり、流れを知っておくと、早めに気づいて受診する助けになるでしょう。
初期(前兆):発疹の前のピリピリ・チクチクした痛み
帯状疱疹の初期には、発疹が出る前に、体の片側にピリピリ・チクチクとした痛みや違和感があらわれることがあります。
これは、皮膚に症状が出るより先に、神経の中でウイルスが活動を始めているためと考えられています。
この段階では、まだ発疹がないため、筋肉痛や神経痛、虫刺されなどとまちがえやすいのが特徴です。
「片側だけがなんとなく痛い・しみる」という違和感が、数日ほど続くこともあります。
その後、同じ場所に赤みや発疹があらわれてくると、帯状疱疹の可能性が高まります。
体の片側の痛みに続いて発疹が出てきたときは、早めに医療機関を受診することが大切です。
急性期:赤い発疹から水ぶくれへ(体の片側・帯状)
痛みに続いて、体の片側に赤い発疹があらわれ、やがて水ぶくれ(水疱)に変わっていきます。
再活性化したウイルスが神経を伝わって皮膚に達し、その神経が支配する範囲に沿って炎症を起こすためです。
発疹は体の左右どちらか片側に、神経に沿って帯のように広がるのが大きな特徴です[1]。
赤い発疹の上に小さな水ぶくれが集まってでき、ピリピリとした痛みをともなうことが多くみられます[1]。
胸や背中、腹部、顔などにあらわれることが多いですが、体のさまざまな部位に出ることがあります。
体の片側に帯状の発疹と痛みがそろってあらわれたときは、帯状疱疹を疑って早めに受診しましょう。
治りかけ〜治癒:かさぶたになり治るまでの期間
水ぶくれはやがて乾いてかさぶたになり、皮膚の症状は数週間ほどで治っていくことが多いです。
炎症が落ち着くにつれてウイルスの活動もおさまり、皮膚が回復に向かいます。
治りかけの時期にはかゆみを感じることもありますが、かき壊すと跡が残ることがあるため注意が必要です。
一方で、皮膚が治ったあとも痛みが続くことがあり、これは後遺症として注意が必要です。
皮膚の症状が落ち着いても痛みが残るときは、自己判断せず医療機関に相談することが大切になります。
帯状疱疹の痛み・かゆみはどんな感じ?
帯状疱疹の痛みは、ピリピリ・チクチクとした神経に沿った痛みが特徴です[1]。
「この痛みは帯状疱疹によるものなのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
皮膚と神経の両方でウイルスが増えて炎症が起こるため、皮膚の症状に加えて痛みをともないます。
痛みの感じ方は人によって幅があり、軽い違和感から強い痛みまでさまざまです。
チクチクと刺すような痛み、焼けるような痛み、服がふれるだけでも痛いといった感じ方をすることがあります。
また、痛みだけでなく、発疹の部分にかゆみを感じることもあります。
痛みやかゆみが強いときは、自己判断で市販薬に頼らず、早期に医療機関で相談しましょう。
部位別に見る帯状疱疹の症状と注意点(顔・目や耳・頭・体・手足)
帯状疱疹は体のさまざまな部位に出ますが、部位によっては特に注意が必要な場合があります。
「顔に出たけれど大丈夫だろうか」と心配になる方もいるのではないでしょうか。
発疹が出る場所によっては、皮膚以外の器官に影響が及ぶことがあります。
部位ごとの注意点を知っておくと、受診の緊急性を判断する助けになります。
胸や背中、腹部、手足などにあらわれることが多く、体の片側に帯状に広がるのが典型的です[1]。
顔や目のまわりにあらわれた場合は、目の症状につながることがあり、視力に関わることもあるため早めの受診が特に大切です。
耳のまわりにあらわれた場合は、耳の症状や顔の動きに関わる神経に影響することがあり、注意が必要とされています。
頭部や頭皮、口の中などにあらわれることもあり、部位を問わず、体の片側の痛みや発疹に気づいたら早めに受診することがすすめられます。
帯状疱疹はうつる?家族やお風呂で気をつけたいこと
帯状疱疹そのものが人にうつるわけではありませんが、ウイルスがうつって水ぼうそうを起こすことがあります。
「家族にうつしてしまわないか」と不安になる方もいるのではないでしょうか。
水ぶくれの中には水痘帯状疱疹ウイルスがいて、このウイルスに免疫のない人にうつると、水ぼうそうを発症することがあります。
うつり方や注意点を知っておくと、家族と安心して過ごすことにつながるでしょう。
主なうつり方は水ぶくれに直接ふれる接触によるもので、発疹がかさぶたになるまでは感染力があるとされています。
とくに、水ぼうそうにかかったことのない人、妊娠中の人、免疫が低下している人との接触は、発疹が乾くまで避けることが大切です[1]。
お風呂は医師の指示に従い、水ぶくれをかき壊さないようにやさしく扱い、タオルの共用は避けると安心です。
うつす範囲は限られますが、周りに免疫の低下している人がいるときは、発疹が乾くまで配慮することがすすめられます。
注意したい合併症・後遺症(帯状疱疹後神経痛など)
帯状疱疹では、皮膚の症状が治ったあとにも痛みが残ることがあり、注意が必要です[2]。
「発疹が治ったのに痛みが続くのはなぜ」と悩む方もいるのではないでしょうか。
ウイルスによって神経がダメージを受けると、皮膚が治ったあとも痛みが長く残ることがあります。
後遺症を知っておくことは、早期治療の大切さを理解することにもつながります。
皮膚の症状が治ったあとも痛みが続く状態は、帯状疱疹後神経痛と呼ばれ、代表的な合併症の一つです[2]。
帯状疱疹後神経痛は、日常生活に支障をきたすこともあり、高齢の方や症状が重かった方に起こりやすいとされています[2]。
このほか、顔や目、耳にできた場合には、視力や聴力、顔の動きに関わる合併症が起こることもあります。
こうした後遺症や合併症を防ぐためにも、早い段階で治療を始めることが大切です。
帯状疱疹かも?と思ったら|何科・受診の目安と早期治療の大切さ
帯状疱疹を疑ったら、できるだけ早く医療機関を受診することが何より大切です。
「どの科に行けばいいのか分からない」と迷う方もいるのではないでしょうか。
帯状疱疹は、発症してから早期に治療を始めることが、症状や後遺症を抑えるうえで重要です。
受診先や目安を知っておくと、迷わず行動しやすくなるでしょう。
帯状疱疹は皮膚の病気のため、まずは皮膚科を受診するのが基本で、症状に応じて眼科や他科と連携することもあります。
治療は抗ウイルス薬が中心となり、ウイルスの増殖を抑えることで、皮膚の症状や痛みをやわらげ、合併症を減らすことが期待できます。
体の片側の痛みや帯状の発疹に気づいたら、様子を見すぎず、数日以内を目安に早めに受診しましょう。
とくに、顔や目のまわりの症状、強い痛み、発疹が広がっていくときは、早急に受診することが大切です。
帯状疱疹の症状に関するよくある質問
Q:帯状疱疹の初期症状はどんな感じですか?
A:発疹が出る前に、体の片側にピリピリ・チクチクとした痛みや違和感があらわれることが多いです。
この段階では発疹がなく、筋肉痛や神経痛とまちがえやすいのが特徴です。
Q:帯状疱疹は人にうつりますか?
A:帯状疱疹そのものはうつりませんが、ウイルスがうつって水ぼうそうを起こすことがあります。
Q:帯状疱疹は何科を受診すればいいですか?
A:皮膚の病気のため、まずは皮膚科を受診するのが基本です。
早期の治療が大切なため、疑わしいときは早めに受診しましょう。
Q:発疹が治れば痛みもなくなりますか?
A:多くは治りますが、皮膚が治ったあとも痛みが続くことがあります。
痛みが残るときは、我慢せず医療機関に相談してください。
まとめ
帯状疱疹は、過去にかかった水ぼうそうのウイルスが再び活動して起こる病気です。
加齢や免疫の低下、ストレスなどが引き金となり、体の片側に痛みと帯状の発疹があらわれます。
症状は、発疹の前のピリピリした痛みから始まり、赤い発疹・水ぶくれを経て、かさぶたになって治っていきます。
痛みだけで発疹が目立たないことや、症状が軽く見えることもありますが、自己判断は禁物です。
顔や目のまわりの症状、うつる可能性、帯状疱疹後神経痛などの後遺症にも注意が必要です。
治療は抗ウイルス薬が中心で、早く始めるほど症状や後遺症を抑えることが期待できます。
体の片側の痛みや帯状の発疹に気づいたら、様子を見すぎず、早めに皮膚科など医療機関を受診しましょう。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。
症状の現れ方や経過には個人差がございます。
※帯状疱疹は早期の治療が大切です。体の片側の痛みや発疹に気づいたときは、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
