※自由診療
※医師の判断によりお薬の処方ができない場合があります
ニキビに漢方が使われるのはなぜ?基本の考え方
ニキビのケアといえば塗り薬のイメージが強く、漢方と聞くと少し意外に感じる方もいるでしょう。
漢方は、ニキビそのものだけでなく、その背景にある体質から整えていくという考え方が特徴です。
繰り返すニキビや、塗り薬だけでは改善しにくいニキビに、選択肢のひとつとして使われます[1]。
まずは、ニキビに漢方が使われる理由と、その基本の考え方から確認していきましょう。
漢方は「体質」に合わせて内側から整える
漢方の大きな特徴は、その人の体質に合わせて、体の内側から整えていく点にあります。
そもそもニキビは、毛穴の詰まりや皮脂、アクネ菌、炎症などが重なって起こる肌トラブルです[2]。
漢方では、その背景にある体の熱のこもりや血のめぐり、ホルモンの乱れといった要因に目を向けます。
同じニキビでも、脂性肌で赤く炎症するタイプと、冷えや生理と関わるタイプとでは、使う漢方が変わってきます。
だからこそ、「ニキビに効く漢方」を一律に決めるのではなく、体質に合わせて選ぶことが大切です。
自分の体質や症状に合ったものを選んでこそ、漢方の力を活かしやすくなるでしょう。
西洋医学の治療と組み合わせて使うのが基本
漢方は、西洋医学の治療と組み合わせて使われることが多いお薬です。
ニキビの標準的な治療には、毛穴の詰まりや炎症に働きかける塗り薬などがあり、漢方は体質を整える役割を担い、こうした治療を内側から支える形で使われます[1]。
ガイドラインでも、漢方が有効とされた研究の多くは、抗菌薬などとの併用で確かめられています[1]。
漢方だけで対応しようとするより、標準治療と組み合わせるほうが心強い場合が多いものです。
どう組み合わせるかは自己判断せず、医師に相談して決めていくのが望ましいでしょう。
ニキビに使われる代表的な漢方薬
ニキビに使われる漢方には、代表的なものがいくつかあります。
炎症をしずめるタイプや、血のめぐりを整えるタイプなど、働きかける方向が異なります。
市販でも手に入るものがありますが、選び方には体質の見きわめが欠かせません。
ここでは、よく使われる漢方を、その向き不向きとあわせて見ていきましょう。
十味敗毒湯|膿をもった赤ニキビ・化膿したニキビに
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)は、炎症や化膿のあるニキビによく用いられます[1]。
皮膚にたまった膿を外に出し、炎症をしずめる働きが期待できる漢方です。
体力が中くらいの方で、赤く膿をもったニキビが出やすい方に向くとされています。
ガイドラインでも、炎症のあるニキビに対して推奨度が示されているお薬のひとつです[1]。
比較的初期の、膿を持ったニキビが散発的に見られる方に用いられることがあります。
自分のニキビの状態に合うかは、医師や薬剤師に相談して確かめるのが安心です。
清上防風湯|脂性肌・熱をもった赤ニキビに
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)は、脂性肌で熱をもった赤ニキビに使われる漢方です。
顔にこもった熱を冷ますことで、赤みや炎症をしずめる働きが期待できるとされています。
体力が中くらい以上で皮脂の多い方に向くとされ、思春期のニキビにも用いられます。
ガイドラインでも、炎症のあるニキビに対して推奨度が示されている処方のひとつです[1]。
おでこや頬が脂っぽく、赤く盛り上がったニキビが出やすい方に向いています。
脂性肌の赤ニキビが気になる方は、医師に相談して合うか確かめるとよいでしょう。
荊芥連翹湯|赤み・繰り返す慢性のニキビに
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は、赤みが強く繰り返す慢性のニキビに用いられます。
皮膚表面の熱や炎症をしずめ、しつこいニキビを体質から整えることが期待される漢方です。
肌の色が浅黒め、慢性の鼻炎などをともなう方にも向くとされています。
ガイドラインでは、炎症のあるニキビと面皰の両方に対して推奨度が示されている処方です[1]。
炎症が治ったあとに色素沈着(跡)が残りやすい方に、用いられることもあります。
何度も繰り返すニキビを体質から整えたい方には、選択肢になりやすい処方だといえるでしょう。
桂枝茯苓丸(加薏苡仁)|生理周期で悪化・冷えがある方に
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、血のめぐりを整えることでニキビにはたらきかけます。
漢方でいう「瘀血(おけつ)」、つまり血のめぐりの滞りを改善する代表的な処方です。
下半身の冷えやのぼせ、生理にともなうトラブルがある方に向くとされており、生理周期に合わせて悪化するニキビが気になる方に用いられることがあります。
肌のケアを兼ねて、薏苡仁(よくいにん)を加えた処方が使われることもあります。
生理前に決まってニキビが増える方は、こうした処方が助けになることもあるでしょう。
そのほかの漢方(体質別の選択肢)
このほかにも、体質やニキビの状態に応じて選ばれる漢方が知られています。
冷え性で体力が低め、赤みの少ない小さなニキビには、当帰芍薬散が向くといわれています。
のぼせやすく便秘がちで、生理前に悪化するニキビには、桃核承気湯が使われることもあるでしょう。
どれが合うかは、体力や冷え、生理との関わりなど、体質を細かく見て選ばれます。
同じニキビでも、体質が違えば向く漢方も変わってくるのが、漢方の考え方です。
種類が多く見分けが難しいため、選ぶ際は医師や薬剤師に相談するのが確実だといえます。
【体質・症状別】自分に合う漢方の選び方
ここまで見てきた漢方を、症状や体質のタイプ別に整理してみましょう。
自分のニキビや体の状態に近いものから、向きやすい漢方の見当をつけやすくなります。
ただし、これはあくまで目安で、最終的な判断は専門家にゆだねるのが安心です。
ここでは、代表的なタイプごとに考え方を整理します。
赤ニキビ・膿があるニキビ(炎症タイプ)
赤く腫れたニキビや膿をもったニキビには、熱や炎症をしずめる漢方が向きやすいとされています。
このタイプは、体に熱がこもって炎症が強く出ている状態と考えられるためです。
十味敗毒湯や清上防風湯、荊芥連翹湯などが、炎症のあるニキビに用いられます[1]。
脂性肌で赤ニキビが多い方や、膿をもって化膿しやすい方に選ばれやすい処方です。
炎症が深く、しこりになりやすい場合には、荊芥連翹湯が選ばれることもあります。
炎症の強いニキビは跡にもつながりやすいため、早めに医師へ相談するのが安心です。
生理前・ホルモンバランスで悪化するニキビ
生理前に決まって増えるニキビには、血のめぐりやホルモンの乱れに着目した漢方が向きやすいとされています。
生理周期にともなうホルモンの変化が、皮脂やニキビに影響すると考えられるためです。
桂枝茯苓丸や当帰芍薬散、桃核承気湯などが、体質に応じて用いられるでしょう。
冷えやのぼせ、生理不順をともなう方には、こうした処方が選ばれやすくなります。
あご周りに繰り返すニキビも、ホルモンとの関わりが指摘されることがあります。
生理のたびにニキビが気になる方は、体質から整える漢方が心強い支えになることもあるでしょう。
大人ニキビと思春期ニキビの違い
大人ニキビと思春期ニキビでは、向きやすい漢方の傾向にも違いがみられます。
思春期のニキビは皮脂の多さが主な背景で、脂性肌向けの処方が選ばれやすいです。
大人のニキビは、ストレスや冷え、生理など複数の要因が重なることが多いとされています[2]。
皮脂の多い思春期の赤ニキビには、清上防風湯が用いられることがあります。
生活の乱れや生理と関わる大人ニキビには、血のめぐりを整える処方が選ばれることもあるでしょう。
年代によって背景が違うため、自分の状態に合わせて選ぶことが大切だといえます。
漢方の効果はどのくらい?効くまでの期間の目安
漢方を試すとき、「どのくらいで効くのか」は、いちばん気になるところですよね。
漢方は体質から整えていくお薬のため、効果を感じるまでには、ある程度の期間がかかることが多いものです。
一般的には、数週間から数か月ほど続けてみて、変化を見ていくことが多いとされています。
塗り薬のように貼ってすぐに、というより、じっくり体質を整えていくイメージになります。
一定期間続けても変化が乏しい、あるいは合わないと感じるときは、処方を見直すことも大切です。
効き方や続ける期間には個人差があるため、経過を医師や薬剤師に相談しながら進めると安心です。
自己判断で長く飲み続けたり、急にやめたりせず、専門家と一緒に見ていくのが望ましいでしょう。
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漢方を使うときの注意点と副作用
漢方は自然由来のイメージから副作用がないと思われがちですが、そうとはかぎりません。
漢方薬も医薬品であり、体質に合わないと副作用が出ることもあります。
安全に使うために、注意したい点をあらかじめ知っておくことが大切です。
ここでは、飲み合わせや市販との違いなど、気をつけたいポイントを整理します。
甘草の重複など、飲み合わせの注意
ニキビに使う漢方では、成分の重複による副作用に注意が必要です。
ニキビ向けの漢方の一部には、甘草(かんぞう)という生薬が含まれています。
甘草を含む漢方を重ねて飲むと、むくみや血圧の上昇などが起こることがあります[3]。
これは偽アルドステロン症と呼ばれ、複数の漢方を自己判断で併用すると起こりやすくなってしまうのです[3]。
ほかのお薬やサプリメントとの組み合わせでも、注意が必要な場合があります。
飲んでいるものがあるときは、医師や薬剤師に伝えて確認しておくのが安心です。
市販と処方の違い・自己判断のリスク
ニキビの漢方には市販のものもありますが、自己判断だけで選ぶのは避けたいところです。
漢方は体質に合わせて選ぶもので、合わないものを続けても効果を感じにくいためです。
体質に合わない漢方を長く飲むと、副作用や体調の乱れにつながることもあります。
市販薬は手軽な一方で、自分の体質やニキビのタイプの見きわめが難しくなりがちです。
医療機関では、体質を診たうえで合う処方を選んでもらえ、錠剤など飲みやすい形もあります。
迷うときは市販で自己判断せず、医師や薬剤師に相談して選ぶのが確実だといえるでしょう。
漢方だけに頼らない|皮膚科を受診する目安
漢方は体質を整える助けになりますが、ニキビのケアを漢方だけに頼るのは避けたいところです。
赤く腫れて痛むニキビや、しこり・膿の大きなニキビは、放っておくと跡が残ることもあります。
こうしたニキビには、塗り薬などの標準的な治療が向いており、早めの受診がすすめられます。
数か月ケアを続けても改善しない、繰り返す、悪化するといったときも、皮膚科への相談を考えたいところです。
漢方を使いたい場合も、皮膚科や漢方を扱う医療機関で体質を診てもらったうえで選ぶと安心です。
自己ケアだけで抱え込まず、標準治療と組み合わせて考えることが、跡を残さない近道になります。
気になるニキビが続くときは、一人で悩まず、まず専門家に相談していくのが望ましいでしょう。
ニキビの漢方に関するよくある質問
Q:ニキビの漢方はどのくらいで効きますか?
漢方は体質から整えるお薬のため、効果を感じるまでに数週間から数か月かかることが多いとされています。
塗り薬のようにすぐ、というより、じっくり続けて変化を見ていくイメージです。
一定期間続けても変化が乏しいときは、医師や薬剤師に相談して見直すと安心です。
Q:ニキビの漢方は市販で買えますか?
ニキビに使う漢方には、市販で購入できるものもあります。
ただし体質に合わせて選ぶことが大切なため、自己判断だけで続けるのは避けたいところです。
迷うときは、医療機関で体質を診てもらったうえで選ぶと確実です。
Q:生理前のニキビにはどの漢方が向いていますか?
生理前に悪化するニキビには、血のめぐりやホルモンの乱れに着目した漢方が向きやすいとされています。
桂枝茯苓丸や当帰芍薬散、桃核承気湯などが、体質に応じて用いられます。
冷えや生理不順の有無でも向く処方が変わるため、医師に相談して選ぶのが安心です。
Q:漢方とニキビの塗り薬は併用できますか?
漢方は、塗り薬などの標準的な治療と組み合わせて使われることが多いお薬です。
実際、漢方が有効とされた研究の多くも、ほかの治療との併用で確かめられています[1]。
併用のしかたは自己判断せず、医師に相談して決めるのが安心です。
まとめ
ニキビの漢方は、体質やニキビの状態に合わせて内側から整えるお薬です。
炎症の強い赤ニキビには十味敗毒湯や清上防風湯、繰り返す慢性のニキビには荊芥連翹湯などが用いられます。
生理前やホルモンの乱れで悪化するニキビには、桂枝茯苓丸など血のめぐりを整える処方が向きやすいとされています。
漢方は体質から整えるため、効果を感じるまでに数週間から数か月かかることが多いものです。
甘草の重複による副作用などもあるため、複数の漢方の自己判断での併用は避けたいところです。
漢方は塗り薬などの標準治療と組み合わせて使うのが基本で、赤く腫れる・繰り返すニキビは早めの受診をおすすめします。
自分に合う漢方を選ぶためにも、自己判断せず、医師や薬剤師に相談しながら進めていきましょう。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療や特定の商品を推奨するものではありません。漢方薬も医薬品であり、体質によって合う・合わないや副作用があります。服用の開始や中止は自己判断で行わず、医師や薬剤師にご相談ください。効果や副作用の現れ方には個人差があります。
※自由診療
※医師の判断によりお薬の処方ができない場合があります
