ニキビ治療薬「ベピオゲル」とは? 効果・使い方・副作用を徹底解説!

ニキビ治療に使うお薬にはさまざまなものがありますが、中でも、ニキビの始まりである白ニキビ(コメド)や、軽症~中等症の赤ニキビの治療で強く推奨されているお薬がベピオゲルです。ここでは、ベピオゲルの特徴や成分、効果、使い方などについて詳しく解説します。

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ニキビ治療薬「ベピオゲル」とは

ベピオゲルは、過酸化ベンゾイルを有効成分とする白濁したゲル状のニキビ治療薬です。抗菌作用と角質をはがす作用によってニキビの改善が期待でき、白ニキビ(コメド・面皰)にも、炎症が起きた赤ニキビの治療にも使われることがあります。

海外では50年以上前から使われているお薬であり、日本でも2014年に製造販売が承認されてからはニキビ治療でよく使われるお薬となっています。

ベピオゲルに期待できる効果

ベピオゲルに期待できる効果は、抗菌作用と角質をはがす作用の二つ。抗菌作用については、ニキビの原因菌であるアクネ菌や、黄色ブドウ球菌などに対する抗菌作用が認められています。現在のところ薬剤耐性菌(お薬が効かないように変化した菌)の出現は確認されておらず、長期間使っても安定した効果が期待できるとされています。

また、角質の細胞同士の結合を緩めることで、皮膚表面の古い角層を取り除き、毛穴の詰まりも改善します。

ベピオゲルの効果は2週間~3カ月ほどで実感でき、ニキビの初期段階である白ニキビや黒ニキビ、炎症が起きた赤ニキビにも効果が期待できるとされています(効果・効能の現れ方は個人差があります)。

ベピオゲルの使い方

1日1回、洗顔・スキンケア後に患部に塗りましょう。日光が当たると乾燥や刺激感などの副作用につながることがあるため、夜に塗るのがおすすめです。

顔全体に塗る場合は1FTU(約0.5g)、1カ月で1本分(15g)使うのが目安となります。FTUはフィンガーチップユニットのことで、大人の人差し指の先から第一関節までの長さを指します。

おでこの左側、右側、左ほほ、右ほほ、鼻、あごの6箇所にお薬を置き、顔全体に広げます。この時、目の周りや唇、粘膜、傷口などには塗らないようにしましょう。

使いはじめはニキビの部分だけに少量塗り、数日様子を見て、副作用(赤みやかぶれ)などの問題がなければ少しずつ塗る範囲を広げ、ニキビができやすい部分にまんべんなく塗り広げます。ニキビの周りには、見えなくても初期段階のニキビが発生していることが多いため、あらかじめお薬を塗っておくことで新しいニキビの予防にもなります。

また、ニキビがよくなったからといって自己判断でお薬を中断すると、繰り返しニキビができることがあります。予防のためにも一定期間続けることが大切なので、医師の指導のもと、適切にお薬を使いましょう。

他のニキビ治療薬を処方された場合は重ね塗りする

ニキビ治療の際は、ベピオゲルと一緒に保湿剤などの他のお薬が処方されることがあります。この場合は重ね塗りをしても問題ありません。

基本的に、広範囲に塗る保湿剤などを先に塗り、ベピオゲルは最後に塗ることになりますが、症状などによって異なる場合もあるため、医師の指示に従いましょう。また、他の塗り薬と一緒に使うと皮膚症状がひどくなることがあるため、同時に処方されたものではないお薬と併用したい場合は医師に相談してからにしてください。

使い方の注意点

ベピオゲルには漂白作用があるため、髪や服につかないように注意しましょう。塗った後はすぐに手を洗うと安心です。

また、ベピオゲルは25℃以下の涼しいところで保存する必要があります。夏は冷蔵庫に入れたほうがよいですが、凍結しないよう、置く場所に注意してください。

ベピオゲルの副作用

使いはじめに、赤みやヒリヒリ感、皮むけ、乾燥などの症状が現れることがありますが、2〜3週間を過ぎると改善されていくことが多いです。

また、3%程度の割合でかぶれが生じることがあり、その他、湿疹やかゆみなどが生じる可能性もあります。強い赤みやかゆみ、ジュクジュクした腫れ、全身性の発疹、発熱などが現れた場合はすぐに医師に伝えてください。過酸化ベンゾイルに対してアレルギーがある人もいるため、気になる症状があれば早めに医師に相談することが大切です。

その他、紫外線によって乾燥や刺激感などの副作用につながることがあるため、紫外線に長時間当たらないように注意し、日傘や帽子などで紫外線対策をしてください。

ベピオゲルを使う時の注意点

これまで、べピオゲルの使用中に過敏症(全身性の発疹、発熱、塗った部分のアレルギー反応など)を起こしたことがある場合は、ベピオゲルを使うことはできません。他の塗り薬と一緒に使うと皮膚症状がひどくなることがあるため、併用する場合は医師に相談してからにしましょう。

また、妊娠中、授乳中、12歳未満は安全性が確立されていないため、使わないことが一般的です。

過酸化ベンゾイルが配合されたニキビ治療薬

ベピオゲルと同じく、過酸化ベンゾイルが配合されたニキビ治療薬に「デュアック配合ゲル」と「エピデュオゲル」があります。

デュアック配合ゲルには、抗菌作用が期待できる成分であるクリンダマイシンリン酸エステル水和物も配合されています。また、エピデュオゲルにはアダパレンが配合されており、皮膚が硬く厚くなるのを防ぎ、毛穴の詰まりを改善するとされています。

他にも、ニキビ治療に使われるお薬にはさまざまなものがあります。詳細はこちらをご覧ください。

ベピオゲルを処方してもらうには?

ベピオゲルは市販されていないため、病院で処方してもらう必要があります。クリニックフォアではベピオゲルを取り扱っています。診療はオンラインで行い、お薬は配送するため、忙しい方でもニキビ治療が始めやすくなっています。

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参考文献

  1. マルホ株式会社, 2020年, 「ベピオ®ゲル 2.5% 添付文書」
  2. 公益社団法人 日本皮膚科学会, 2017,「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」,日本皮膚科学会雑誌 127 (6):1261-1302