GLP-1の注射薬とは? ダイエット効果・副作用・飲み薬との比較などを解説

ダイエットに効果が期待できるとしてさまざまな注射が注目されています。中でも近年注目が高まっているのが、GLP-1受容体作動薬です。

今回は、GLP-1受容体作動薬の効果や使い方、副作用などについて詳しく解説します。

ダイエット効果が期待できる注射「GLP-1受容体作動薬」とは?

GLP-1受容体作動薬は、GLP-1という物質を補うお薬。GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は腸から分泌されるホルモンの一種で、インスリン(糖の代謝を調節するホルモン)の分泌を促進し、血糖値を調節する役割があるため、一般的には糖尿病治療薬として使われています。

一方で、GLP-1受容体作動薬には以下のような効果が期待できるため、ダイエットにも使われることがあります。

  • 食欲を抑え、食事量が減らせる
  • 胃の働きを抑えて満腹感を長続きさせる
  • 脂肪を減少させる

通常は、食べた物が小腸にたどりつくとGLP-1が分泌され、脳に対して満腹である信号を発して食欲が止まるのですが、注射でこの状態を作り出すことで食欲を抑えるというメカニズムになっています。

また、胃の働きが抑えられることで消化がゆっくりになると、満腹感が長続きして、やはり食欲を抑えることができ、体重を落とすことにつながります

ダイエット注射の種類

主なGLP-1受容体作動薬には以下のようなものがあります。

主な有効成分投与の頻度1回の上限量その他特徴
オゼンピックセマグルチド週1回1.0mg投与の頻度が少ない
サクセンダリラグルチド1日1回3.0mg1回に注射できる上限量が多い
マンジャロチルセパチド週1回15mg・投与の頻度が少ない
・1回に注射できる上限量がビクトーザよりも多い
・GIPの受容体にも作用する
ビクトーザリラグルチド1日1回1.8mg日本で初めて登場したGLP-1受容体作動薬

オゼンピック

日本では糖尿病の治療薬として承認されているお薬ですが、肥満治療目的では承認されていないので、ダイエット目的では自由診療(保険適用外)で処方される週1回注射のお薬です。

なお、オゼンピックと同じ成分(セマグルチド)を使った「ウゴービ」は肥満症治療薬として日本でも承認されています。(承認年月日:2021/06/04)

サクセンダ

こちらも日本では肥満治療目的で承認されていないため、ダイエット目的では自由診療(保険適用外)で処方されるお薬です。

ただ、アメリカのFDA(米国食品医薬品局)や、カナダ、EUなどでは、肥満治療薬として承認されています。(承認年月日:2014/12/23)

マンジャロ

2023年に登場したばかりの新しいお薬です。GLP-1だけでなく、GIPという受容体にも作用するのが特徴。GIPは、GLP-1と同じように、インスリンの分泌促進や食欲抑制作用を持つホルモンです。マンジャロの体重減少効果は非常に高いとされています。

また、こちらも糖尿病の治療薬として承認されているお薬ですが、肥満治療目的では承認されていないので、自由診療(保険適用外)で処方されるお薬です。ただ、同じ成分のお薬がアメリカのFDAでは肥満症治療薬として承認されています。(承認年月日:2023/11/08)

ビクトーザ

日本で初めて登場したGLP-1受容体作動薬です。成分はサクセンダと同じです。

糖尿病の治療薬として承認されていますが、日本では肥満治療目的では承認されていないので、ダイエット目的では自由診療(保険適用外)で処方されるお薬です。

上述のように同じ成分のサクセンダは、アメリカのFDA(米国食品医薬品局)をはじめ、韓国、EUなど、多くの国で肥満治療薬として承認されています。(承認年月日:2014/12/23)

その他【部分痩せ注射】

ダイエットの注射というと、顔だけ、腕だけなど、部分痩せ目的の注射も存在します。こちらは美容医療(美容外科における治療など)で使われることがあります。

どのようなものがあるか簡単にご紹介します。

分類特徴
脂肪溶解注射BNLS注射・デオキシコール酸や複数の天然由来成分を配合
・脂肪を溶かし、体外に排出
・脂肪細胞自体の数も減る
高麗人参注射・高麗人参をメインに、その他の生薬なども配合
・脂肪を溶かし、体外に排出
・脂肪細胞自体の数も減る
脂肪燃焼注射L-カルニチン注射・脂肪燃焼を促す
脂肪吸引注射・除去したい脂肪をダイレクトに吸引する
・ダウンタイムがある
ボトックス・ボツリヌス菌の毒素を注射し、筋肉をゆるませることですっきり見せる
・効果が出ている間は表情がつくりにくくなることがある

ダイエット注射の効果

GLP-1受容体作動薬の注射を使ったダイエットでは、1ヶ月で最大4〜5kgの体重減少を目指すことも期待できます。

クリニックフォアでは、「短期で集中的に痩せていくプラン」をご用意し、注射によるダイエット治療を提供しています。

なお、内服薬を使い、1ヶ月で1~2kgほどの体重減少を目指す「じっくり少しずつ痩せていくプラン」もあります。

ダイエット注射はリバウンドしにくい?

GLP-1受容体作動薬の注射は、6ヶ月ほどしっかり続ければリバウンドしにくいと言われています。

また、ストレスなく食事制限ができ、体質にもアプローチするのでリバウントしにくいでしょう。

ダイエット注射のメリット

GLP-1受容体作動薬の注射を使えば、無理せず自然にダイエットすることが期待できます。。GLP-1受容体作動薬の注射をすることで、食欲を抑えて自然に食事量が減り、脂肪も分解されるためです。そのため、ストレスの少ないダイエットが可能です。

また、1日もしくは週に1回注射をすればよいので時間がかからず、忙しい方でもダイエットに取り組みやすいでしょう。 

さらに、GLP-1受容体作動薬の注射を行い、減量することは、生活習慣病予防にもつながるとされています。高血圧、糖尿病などの生活習慣病の原因のひとつに肥満があり、注射によって脂肪を減らしし、減量することで生活習慣病予防につながるのです。

ダイエット注射が向いている方

以下のような方は、GLP-1受容体作動薬の注射によるダイエットが向いています。

  • 甘いものや脂っこいものが好き
  • 無理な食事制限をしたくない
  • ストレスなく痩せたい
  • 運動ができない
  • 太りづらい体質を目指したい

なかなかダイエットがうまくいかないとお悩みの方は、GLP-1受容体作動薬を検討してみてはいかがでしょうか?

GLP-1ダイエットは注射と飲み薬のどっちがよい?

GLP-1受容体作動薬には、リベルサスという飲み薬もあります。作用のメカニズムは同じですが、飲むタイミングや一緒に飲む水の量が厳密に決まっており、飲み方が複雑なので注射の方が簡単に感じる方が多いようです。

ただ、注射に抵抗がある場合は、飲み薬のほうが続けやすいでしょう。

また、GLP-1受容体作動薬以外のダイエット飲み薬もあります。たとえば以下のようなものが挙げられます。

種類作用の仕方
SGLT2阻害薬ルセフィ、フォシーガ尿に糖の排出を促す
漢方薬防風通聖散脂肪の減少、体内の水分循環の改善など、体質を改善しながら減少を目指す
脂肪吸収抑制薬オルリスタット(ゼニカル)脂肪の吸収を抑制し、便として排出する

ダイエット注射の使い方

GLP-1受容体作動薬の注射は、1日1回、または1週間に1回,、自分で注射します。毎回同じ時間に打つとよいとされています。

注射は1分ほどですぐに終わります。具体的な流れは以下の通りです。

  • ①注射のキャップを外して、ゴム栓をアルコール綿でふく
  • ②付属の針を取り付け、2つのキャップを外す
  • ③投与する量に合わせてダイヤルをセットする
  • ④わき腹や太ももなどの脂肪の多い場所で垂直に刺す
  • ⑤ダイヤルが「0mg」になるまで注入
  • ⑥注入が終わってから数秒待つ
  • ⑦ボタンを押したま注射を抜く
  • ⑧①のキャップをつける
  • ⑨針を外す

ダイエット注射の痛みは?

GLP-1受容体作動薬の注射針の細さは髪の毛ほどなので、痛みはほとんどないとされています。

ダイエット注射の副作用

GLP-1受容体作動薬の注射の使い始めに、便秘、下痢、胃のむかつき・不快感、吐き気などが生じることがあります。使い続けると症状はなくなっていくことがほとんどであるため、あまり気にしなくてもよいですが、嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛といった強い症状が現れた場合には、急性膵炎の可能性があるので、医療機関を受診しましょう。

なお、日本で肥満症に対して承認されていない薬の場合、重大なリスクが明らかになっていない恐れもあるので、医師の指導を受け、理解した上で使ってください。

そのほか、注射によって、まれに注射したところに内出血が生じることがありますが、数日で落ち着くことが一般的です。

低血糖症状について

GLP-1受容体作動薬は、血糖値を下げるために使う薬です。そのため、低血糖状態になることがあります。

以下のような症状が出たらすぐに糖分(甘いジュース、あめなど)を摂取し、病院に相談してください。

  • 脱力感
  • 動悸
  • 冷や汗
  • 強い空腹感
  • 手足の震え
  • 意識が低下するなど

なお、GLP-1は胃が食べ物を検知したときだけ働くホルモンであり、血糖値が上がった時だけ血糖値を下げる仕組みなので、通常時に血糖値が下がりすぎてしまうことはなく、リスクは少ないとされています。ただ、この作用はGLP-1受容体作動薬の種類や、他に使っているお薬、運動や食事量にもよるので、医師の説明をよく聞いてから使いましょう。

ダイエット注射ができない方

体質や持病によっては、GLP-1受容体作動薬の注射が処方できない方や、処方に注意が必要な方がいます。以下に当てはまるような方は必ず医師に相談してください。

  • 糖尿病治療をしている
  • 膵臓の異常、腎機能障害、肝機能障害が生じたことがある
  • 重度の胃腸障害がある
  • 甲状腺の腫瘍の家族歴や既往歴がある
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある
  • 産後まもない
  • 授乳中
  • 高齢
  • 18歳未満
  • 極度に痩せている

また、他のお薬やサプリを飲んでいる場合は、お互いに効果が下がったり、逆に作用が強くなりすぎて体に悪影響を及ぼしたりすることがあるため、医師に相談してください。

併用に注意が必要なお薬

他のGLP-1受容体作動薬、SU薬(スルホニル尿素薬)、インスリンなどと併用しないでください。

いずれも糖尿病治療薬であり、血糖値を下げる働きがあるため、併用すると作用が過剰となって体に悪影響を及ぼすことがあります。

ダイエット注射使用時の注意点・コツ

GLP-1受容体作動薬の注射を安全かつ効果的に使うために、以下のような点を心がけましょう。

用法用量を守る

投与間隔が空きすぎると効果が得られないことがあります。また、量を増やしたり、頻度を高めたりすると副作用のリスクが高まることがあるため、用法用量を守りましょう。

しばらく続ける

1回の注射で効果が実感できるわけではありません。3~6ヶ月は継続し、自然な食欲・食事量の減少に体を慣らすことが大事です。

食事にも気を遣う

注射をしているからと言ってカロリーや糖質・脂質をとりすぎてしまうと、十分なダイエット効果が期待できません。そのため、糖質や脂質を控え、バランスのよい食事を心がけてください。

ただし、お薬によって食事量が少なくなってくると、栄養不足になることがあります。必要な栄養はしっかりとるためにもバランスのよい食事を意識しましょう。

過度な飲酒を控える

インスリンは膵臓から分泌されるホルモンです。お酒を飲みすぎると膵臓に負担をかけることにもなります。またカロリー摂取につながるので減量効果がしっかりと出ない場合があります。そのため、お酒を飲む場合は適量を心がけてください。

運動も行う

運動に取り組むことで、さらなるダイエット効果が期待できます。特に、ウォーキング、ランニング、水泳などの有酸素運動がおすすめです。

効率よく脂肪燃焼させるには、有酸素運動を20分以上続けるとよいとされています。

ダイエット注射は通販でも入手できる?

GLP-1受容体作動薬の注射は個人輸入という形でネットで購入することもできます。しかし、このような方法で購入すると、日本に流通していないお薬だったり、偽物の可能性があったりするなどリスクが大きいです。副作用などが生じたときにも、対応が難しくなってしまいます。

そのため、GLP-1受容体作動薬などのダイエット注射を扱っている病院を受診するとよいでしょう。

ダイエット注射の費用

この記事で紹介したGLP-1受容体作動薬の注射は、肥満治療薬としては日本で承認されていません。そのため、ダイエット目的の場合は保険適用外(自由診療)となり、医療機関によって値段が異なります。

クリニックフォアでは、以下の金額で取り扱っています。

1本あたりの金額
オゼンピック(2mg)税込26,730円~
サクセンダ税込18,810円~

ダイエット注射ならクリニックフォアへ

クリニックフォアでは、GLP-1受容体作動薬の注射薬では、オゼンピック、サクセンダを取り扱っています。そのほか、飲み薬のGLP-1受容体作動薬であるリベルサス、医療用漢方(防風通聖散)、糖の排出を促すSGLT2阻害薬、脂肪吸収抑制薬などを取り扱っています。

オンライン診療なので、スマホなどから診察を受けていただき、目的に合ったダイエット薬を医師が処方します。お薬は定期配送も可能なので、忙しい方でもメディカルダイエットが続けやすくなっています。

 

 

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります  
※別途税込で診察料1,650円・送料1,100円がかかります。 
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。 
※クリニックフォアでは国内正規販売代理店(医薬品卸業)から仕入れています。 
※万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。