オルリスタットはどんなお薬?
オルリスタット(ゼニカル)はもともと、生活習慣病などで肥満を改善する必要がある方のための肥満治療薬でしたが、ダイエット目的でも処方されるようになりました。欧米では抗肥満症薬として承認されて広く使われており、日本でもこれまでも自由診療で処方している病院がありました。※
なお、日本では、2024年4月からいくつかの条件はありますが、薬局で購入できるOTC医薬品として、「アライ」という名前のお薬が発売される予定です。
※アメリカ食品医薬品局(FDA)で肥満症治療薬として(承認年月日:1999/4/23)オルリスタットは肥満治療目的での処方は国内で承認されていませんが、同成分の要指導医薬品は内臓脂肪減少薬として国内で承認されています
オルリスタットのダイエット効果
オルリスタットは、食事から摂った脂質の吸収を抑制することで、ダイエット効果が期待できるお薬です。メカニズムとしては、脂肪を分解する「リパーゼ」という酵素の働きを阻害するというもの。食事から摂った脂質のうち、30%程度の吸収を抑制して便に排出すると言われています。
減量の効果が実感されるのは多くは服用から2~3週間程度経ってからです。
海外で行われた試験では、ゼニカル(120mg)を1年間飲んで、-6.1kgの体重減少があったという結果も出ています。このとき試験を受けた1561人のうち、45.3%の人が元の体重から5%以上減少、20.2%の人が10%以上減少したそうです。
なお、オルリスタットの効果が期待できるのは、服用から1~2時間程度とされています。そのため、食事中~食後1時間以内に服用すると、効率よく効果が期待できるでしょう。
(参考)
オルリスタットは「やばい」?特徴は?
ダイエット効果が期待できるオルリスタットですが、ネットなどでは「オルリスタットはやばい!」という言葉を目にすることがあります。
実はオルリスタットはその作用によって、排便トラブルにつながるなどのデメリットがあるのです。詳しく見ていきましょう。
油漏れする
体に吸収されるはずの脂質がオルリスタットによって吸収されなくなるため、肛門から漏れてしまうことがあります。
気がつかないうちに漏れることがあるため、下着や布団などが汚れることもあります。また、便の漏れが同時に起こることもあるようです。
その他にも排便トラブルが起きる
気がつかないうちに便が漏れるほか、おならだと思ったら油や便が出てしまうこともあります。
そのほかにも、便の回数が増えたり、便に油が含まれるため、トイレ掃除が大変になったりするといったことが起こります。
肌荒れや脱毛
脂質と一緒に脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)も排出されてしまうため、乾燥、にきび、赤み、かぶれなどの肌荒れ、脱毛などが生じることがあります。
命にかかわることはある?
オルリスタットをネットで調べると、「死亡」というキーワードが出てくることがあります。
オルリスタットと同じ成分を含むゼニカルを使っている人に、深刻な肝障害が出たケースが13件あり、うち2件は肝不全で死亡しています。しかし、お薬と死亡の因果関係は明らかではなく、ゼニカルが原因とはっきり言えないので、過度な心配は不要です。
念のため、肝臓の病気が指摘されている人は、医師に確認して使用しましょう。
(参考)
https://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly8/14100708.pdf
油漏れが気になるタイミングは?
吸収されなかった脂質は24~48時間以内に便となって出るとされています。また、オルリスタットを飲み始めた最初の3ヶ月で油漏れが気になることが多く、慣れると症状がなくなることもあるので、しばらく続けてみましょう。
オルリスタットのデメリットをカバーするためのコツ
「やばい」と言われるオルリスタットですが、上手に使えばデメリットをカバーしながらダイエット効果を得ることも可能です。そのためには、以下のようなコツを押さえるのがポイントです。
まずは少量からはじめる
オルリスタットは1日2−3回、各食事の前に内服することが可能です。しかし副作用やトラブルを少なく始めるのであれば、1日1食、どこかの食事のみ服用するのも有効です。そうすることで油漏れを最小限に抑えることができるかもしれません。
飲むタイミングを考える
毎日飲むのではなく、脂質をたくさん摂ったときにだけ飲むのも一つの方法です。
また、休みの時だけ飲むのもおすすめです。というのも、吸収されなかった脂質は24~48時間以内に便となって出るので、金曜日の夜だけ飲めば、平日は油漏れが気にならなくなる可能性があるのです。
このように、飲むタイミングを工夫すれば、オルリスタットのデメリットがある程度気にならなくなります。
脂質の摂取を減らす
食事から摂る脂質の量が多ければ多いほど、排出される油も多くなります。そのため、摂取する脂質の量を減らすことも心がけましょう。
ただし、脂質も体にとっては大事なものです。完全に排除するのではなく、適量を摂りましょう。
ナプキンやおむつを使う
気がつかないうちに油漏れすることも多いので、ナプキンやおむつで事前に対策しておくことも有効です。
便器の対策をしてから排便する
油によって便器の掃除が大変になることがあります。この場合は、トイレットペーパーを便器の中に入れたり、キッチンなどの油汚れ用洗剤を便器にまいてから排便すると、便器に便が直接つくのをある程度防ぐことができ、便器が汚れにくくなります。
また、掃除のときは、食器用洗剤などを使うと油汚れも取れやすいと言われています。
ビタミンを積極的に摂取する
ビタミン不足による肌荒れなどを防ぐために、ビタミンを積極的に摂取しましょう。オルリスタットで排出されてしまう脂溶性ビタミンと、それらが多く含まれる食材は以下の通りです。
- ビタミンA:レバー、卵黄、ニンジン、ほうれん草、うなぎ
- ビタミンD:あんきも、魚の干物、いくら
- ビタミンE:アーモンド、かぼちゃ、アボカド、うなぎ
- ビタミンK:のり・海藻類、ほうれん草
ときにはサプリメントをうまく使うのもよいでしょう。ただ、オルリスタットによって成分が排出されないように、それぞれの服用時間を2時間以上あける必要があります。
オルリスタットの飲み方
食事中、または食後1時間までに1錠を飲みます。1日の服用回数の上限は3回なので、朝、昼、晩の食事のときに飲むとよいでしょう。
ただし、必ず3回飲む必要はありません。脂質をたくさんとっていないときは飲まなくてもよいでしょう。
オルリスタットの副作用
油漏れや肌荒れだけでなく、ビタミン不足によってさまざまな不調が生じることがあります。
また、それ以外にも以下のような重大な副作用が生じることがあります。ここで紹介するような症状が現れた場合は、早めに医師に相談してください。
- 肝機能障害: 食欲が低下する、かゆみ、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、尿や便の色が変わる、胃のあたりの痛みなど
- 腎機能障害:尿が少ない・出ない、頻尿、排尿時の痛み、血尿、脚の腫れ、食欲が低下する、吐き気・嘔吐、背中や腹部の痛み、鼠径部の強い痛みなど
- 胆石症:胃のあたりの痛み、吐き気・嘔吐など
オルリスタットの処方ができない方
体質や持病によっては、処方できない方や、処方に注意が必要な方がいます。以下に当てはまるような方は必ず医師に相談してください。
- お薬や食べ物によるアレルギー症状(かゆみ、発疹など)が出たことがある方
- オルリスタットの成分によってアレルギー症状が起きたことがある方
- 慢性吸収不良症候群の方
- 胆汁うっ滞の方
- 妊娠、妊娠している可能性がある方
- 授乳している方
併用に注意が必要なお薬
他のお薬やサプリを飲んでいる場合は、併用するとお互いに効果が下がったり、逆に作用が強くなりすぎて体に悪影響を及ぼしたりすることがあります。
オルリスタットには併用禁忌薬(併用が禁止されているお薬)はないものの、併用に注意が必要なお薬は複数あります。例えば以下のようなものです。
- シクロスポリン(免疫を抑制するお薬)
- レボチロキシン(甲状腺機能低下症などの治療薬)
- ワーファリンなどの抗凝固薬(血液をサラサラにするお薬)
- アミオダロン(不整脈の治療薬)
- 抗てんかん薬
- 抗レトロウィルス薬(HIV治療薬)
ただ、オルリスタットと服用時間をずらせば問題ないものもあるので、医師に相談してください。
オルリスタットを飲む時のコツ・注意点
オルリスタットの効果をより高め、安全に飲むためのコツや注意点もご紹介します。
糖質を控える
オルリスタットは脂質の吸収を抑えてダイエットを目指すお薬です。糖質も脂質と同じように太る原因となりますが、オルリスタットは糖質には効果が期待できません。
そのため、糖質をたくさん摂ってしまうとその分太ってしまいます。糖質にも注意しながら食事を楽しみましょう。
適度に運動する
お薬だけに頼らず、運動することでより効率よく脂肪が落とせます。20分以上の有酸素運動で脂肪の燃焼効率が高まるとされています。
また、筋肉がつくと代謝が高まり、痩せやすい体になるため、筋トレなども適度に取り入れましょう。
用法用量を守る
決められた量よりも多く飲んだからと言って、それだけ効果が高まるわけではありません。むしろ、副作用のリスクが高まり、体に悪影響を及ぼすこともあります。
そのため、必ず用法用量を守りましょう。
オルリスタットは通販で購入できる?
オルリスタットやゼニカルは、個人輸入という形でネットで購入することができます。しかし、個人輸入した製品には偽物の恐れがあったり、万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となるため対応が難しかったりすることがあり、リスクが大きいです。
そのため、オルリスタットを扱っている病院を受診するか取扱い薬局で薬剤師と相談しましょう。
オルリスタットの費用
オルリスタットは、日本では肥満の治療薬として承認されていないので、保険適用外となります。自由診療のため、医療機関によって金額が異なり、クリニックフォアでは以下の金額で処方しています。
1ヶ月分 | 税込7,678円 |
3ヶ月分(5%OFF) | 税込21,882円(7,294円/月) |
半年分(10%OFF) | 税込41,461円(6,910円/月) |
定期配送(15%OFF) | 税込6,526円 |
オルリスタットはクリニックフォアのオンラインメディカルダイエットへ
クリニックフォアでは、メディカルダイエットのオンライン診療を行っており、オルリスタットも取り扱っています。
そのほかにも、糖を排出するお薬や、食欲を抑えるお薬、漢方薬など、さまざまなお薬を処方しているため、目的やライフスタイルに合わせてダイエットをしてみましょう。
スマホなどを使ってオンラインで診療を受けていただければ、薬はご指定の場所に配送します。定期配送もあるので、忙しい方でもダイエットが続けやすくなっています。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
※クリニックフォアでの取扱いオルリスタットは日本国内未承認医薬品・医療機器等は厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断の下、輸入をしたものになります。