ジャディアンスはどんなお薬?
ジャディアンスは、エンパグリフロジンを主成分とする飲み薬で、2型糖尿病、慢性心不全の治療に使われています。
腎臓で糖を再吸収するSGLT2というタンパク質を阻害し、糖が尿に排出されるのを促し、血糖値を改善する「SGLT2阻害薬」という種類のお薬です。
ジャディアンスの効果・効能
前述の通り、糖が尿に排出されるのを促し、血糖値を改善する効果が期待できます。
また、SGLT2の阻害によってナトリウムの再吸収なども抑えられるため、慢性心不全の治療にも使われています。
ジャディアンスはダイエットに効果あり?
ジャディアンスによって尿から糖が排出されると、糖質制限をしているような状態になるため、ダイエット効果が期待できます。そのため、無理な糖質制限をしたり、食事量を減らしたりしなくても、減量を目指すことができるのです。
なお、ジャディアンスと体重にかかわる試験では、2型糖尿病の患者さんに1日1回ジャディアンス10mgまたは25mgを投与したところ、76週間後(約17ヶ月半後)の体重は、10mgで-2.2kg、25mg群で-2.5kgとなったという結果が出ました(体重のベースラインからの調整平均変化量)。なお、このときプラセボを投与された人の体重変化は-0.4kgでした。
(参考)
ジャディアンスが向いている方
ジャディアンスは、以下のような方に向いています。
- 食事量をあまり減らしたくない方
- 炭水化物の摂取量が多い方
- 甘いものの摂取量が多い方
食事は我慢したくないけれど、ダイエットはしたいという方はジャディアンスを検討してみてはいかがでしょうか?
ジャディアンスの飲み方
糖尿病や心不全の治療においては、1日1回1錠を飲むことが一般的です。
ダイエット目的の場合も、同じく1日1回1錠飲みます。朝食前か後に飲みましょう。服用後に尿の量が増えるので、夜よりもトイレに行きやすい朝がおすすめです。
また、炭水化物や糖分をとるときだけジャディアンスを服用するという方法もあります。
具体的には、普段はGLP-1受容体作動薬(満腹感を持続させ、食欲を抑えるお薬)で食欲を抑え、糖質をたくさんとりたいようなときにはジャディアンスを飲みます。これらの服用方法については医師の診察のもと正しい服用を守りましょう。
ジャディアンスの副作用
どんなお薬にも、効果の反面、副作用のリスクがあります。以下のような症状が現れた場合は早めに医師に相談してください。
- 口の渇き
- 頻尿
- 排尿の異常
- 空腹感
- めまい
- かゆみなど
また、以下のような重大な副作用がまれに生じることがあります。当てはまる症状があるときはすぐに医師に相談してください。
- 低血糖(血糖値が下がりすぎてしまう):ふらつく、脱力感がある、冷や汗が出る、動悸がする、手足がふるえる、強い空腹感があるなど
- 脱水:尿量が増える、頻尿、口が渇く、血圧が下がるなど
- ケトアシドーシス(糖が排出されることで、血液が酸性に傾く):食欲不振、腹痛、吐き気、嘔吐、強い口の渇き、だるさ、息苦しさ、意識の低下など
さらに、糖が尿に排出されやすくなることで、膀胱炎などの尿路感染症、カンジダや亀頭包皮炎などの性器感染症が起きやすくなります。
- 膀胱炎:排尿時の痛み、残尿感、頻尿など
- 性器感染症:性器のかゆみや痛みなど
感染が腎臓まで広がると腎盂腎炎にいたることがあり、命にかかわるケースもあるため、発熱や排尿時の痛みなど気になる症状があるときは放置しないでください。
ジャディアンスの処方ができない方
体質や持病によっては、ジャディアンスの処方ができない方や、処方に注意が必要な方がいます。特に以下に当てはまるような方は必ず医師に相談をお願いします。
- 薬や食べ物によるアレルギー症状(かゆみ、発疹など)が出たことがある
- 感染症にかかっている
- 手術前後である
- 過度にやせている
- 妊娠、妊娠している可能性がある
- 授乳している
併用に注意が必要なお薬
他のお薬やサプリを飲んでいる場合は、ジャディアンスと併用することで、お互いに効果が下がったり、逆に作用が強くなりすぎて体に悪影響を及ぼしたりすることがあります。併用したいときは医師に相談しましょう。
なお、ジャディアンスには併用禁忌薬(併用が禁止されているお薬)はありませんが、注意が必要なお薬は複数あります。たとえば以下のようなものが挙げられます。
- 糖尿病治療薬
- β遮断薬(高血圧や心臓病の治療薬)
- 利尿薬
- 炭酸リチウム(躁状態に対するお薬)
ジャディアンスを飲むときの注意点
ジャディアンスを飲むときは低血糖症状に注意し、過度なダイエットをしながら服用しないことが大事です。詳しくは以下の通りです。
低血糖症状に注意する
ジャディアンスは血糖値を下げるお薬ですが、まれに血糖値が下がりすぎて低血糖症状が現れることがあります。症状は以下のようなものです。
- ふらつき
- 脱力感
- 冷や汗
- 血の気が引く
- 強い空腹感
- 疲れやすさ
- 手足が震える
- 動悸
- 意識が朦朧とするなど
このような症状が起こったら、糖分の多い食べ物や飲み物をすぐにとる必要があります。
また、家族などの周りの人に、低血糖になるかもしれないことを伝えておき、症状が出たら糖分をとらせてもらえるようにサポートをお願いしておくとよいでしょう。
過度なダイエットをしながら服用しない
過度な糖質制限をしながらジャディアンスを飲むと、副作用の項目でも紹介したケトアシドーシス(糖が排出されることで、血液が酸性に傾く)になりやすいです。
さらに、激しい運動や過度な食事制限をした場合は低血糖になることもあるため注意しましょう。ダイエットの仕方は担当医に相談してください。
そのほかにも、不規則な食事や、過度な飲酒も低血糖やケトアシドーシスのリスクとなりますので、生活習慣を整えることも意識して服用してください。
効果が出ないときはどうする?
ジャディアンスを飲んでも効果が出ないと感じることがあるかもしれません。そんなときは、以下のようなポイントを押さえましょう。
しばらく飲み続ける
効果を実感するには数ヶ月~半年はかかるとされています。飲み始めの頃に効果が出ないと思っても、しばらく飲み続けることが大事です。
適度に運動する
ジャディアンスによって糖質制限状態になって体重が減ったとしても、適切な痩せ方とは限りません。
たとえば筋肉が落ちて体重が落ちているだけだと、代謝が落ち、やせにくい体になってしまいます。このような状態は、ジャディアンスをやめたあとのリバウンドの原因にもなります。
そのため、適度に筋トレや有酸素運動などを行い、適度な筋肉量を維持することも大事です。
1日3食を食べる
食事を抜くのはダイエットにおいて以下のようなデメリットがあります。
- 空腹が続き、ドカ食いしてしまう
- 空腹後に食べ物を摂ると、血糖値が急激に上がって太りやすくなる
- 体が飢餓状態になり、栄養を蓄えようとしてしまう
ジャディアンス服用中は、特に朝食を抜かないようにしてください。朝食を食べずにジャディアンスを飲むと、低血糖状態になることがあるためです。
ジャディアンスは通販でも入手できる?
個人輸入という形でネットでジャディアンスを購入することができます。しかし、個人輸入にはさまざまなリスクがあり、たとえば偽物の可能性があったり、副作用が生じたときなどに対応が難しかったりします。
そのため、ジャディアンスを扱っている病院を受診し、医師の指示のもと服用することが大事です。
クリニックフォアのオンラインメディカルダイエット
クリニックフォアではメディカルダイエットのオンライン診療を行っていますが、ジャディアンスは取り扱っていません。ただ、ジャディアンスと同じSGLT2阻害薬の「ルセフィ」と「フォシーガ」の取り扱いがあります。
SGLT2阻害薬単体で「じっくり少しずつ痩せていくプラン」もあれば、GLP-1受容体作動薬と組み合わせて「短期で集中的に痩せていくプラン」もあるため、目的やライフスタイルに合わせてダイエットをしてみましょう。
スマホなどを使ってオンラインで診療を受けていただければ、処方されたお薬はご指定の場所に配送します。定期配送もあるので、忙しい方でもダイエットが続けやすくなっています。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。