フィナステリドの推奨用量は1mg!安全性や効果は?
フィナステリドという成分そのものは日本で承認されていますが、AGA治療薬として承認されている用量は0.2mgと1mgです。
このうち1mgが国内外で広く使用されています。
1mgが推奨される背景には、臨床試験で確認された有効性と安全性があります。
国内で承認されており安全性が確認されている
フィナステリド1mgは、厚生労働省からAGA治療薬として正式に承認を受けている用量です。
国の承認は、科学的根拠にもとづいて有効性と安全性が審査されたことを意味します。
フィナステリドには0.2mgと1mgの2つの承認用量があり、このうち1mgは国内外で広く患者さんに処方されて使われている用量です。
フィナステリド0.2mgより効果が高く、治療効率が良い
日本人男性414名を対象とした臨床試験のデータによると、フィナステリド1mgを服用した群のほうが0.2mgの服用群よりも改善率がやや高いという結果が示されています。
| フィナステリドの投与量 | 観察期間 | 効果(軽度改善以上) |
| 0.2mg/日 | 48週 | 54% |
| 1mg/日 | 58% |
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版|日本皮膚科学会
0.2mgでも一定の効果は期待できますが、より確実な効果を求める場合は1mgの服用が検討される傾向にあります。
副作用のリスクは0.2mgと大きく変わらない
臨床試験のデータでは、フィナステリド1mgと0.2mgで副作用の発現率に大きな差はないと報告されています。
AGA診療ガイドラインによると、0.2mgから1mgへ用量を増やした患者で、性機能に関する副作用の増加は見られませんでした。
試験中に出現した胃潰瘍や大腸ポリープなどの有害事象についても、フィナステリドとの因果関係は不明とされています。
このように、1mgは0.2mgの5倍の用量ですが、副作用リスクが比例して高まるわけではありません。海外では1mgの用量がスタンダードであることを考えても、1mgが推奨されるでしょう。
フィナステリド1mgとほかの用量との違い
フィナステリドは、推奨用量である1mgのほか、0.2mg、1.3mg、2mg、5mgの用量が存在し、効果や承認状況などが異なります。
| フィナステリドの用量 | 国内承認(AGA治療) | ポイント |
| 0.2mg | 承認 | 副作用が心配な方向け(クリニックフォアでは対応なし) |
| 1mg | 推奨用量 | |
| 1.3mg | 未承認 | 1mgと効果はほぼ同等だが国内未承認 |
| 2mg | 効果は1mgと変わらず、副作用が強くなる場合も | |
| 5mg | AGA治療では使用不可 |
各用量の違いを正しく理解し、自分に適した治療を医師と相談するのに役立てましょう。
フィナステリド1mgと0.2mgの違い
フィナステリド1mgと0.2mgの違いは、臨床データで示されている発毛効果です。
臨床試験では1mgのほうが改善率が高く、通常1mgが選ばれます。
フィナステリド1mgと1.3mgの違い
フィナステリド1.3mgは海外の一部の製品に含まれている用量で、日本ではAGA治療薬として承認されていません。
1mgと2mg・5mgの違い
フィナステリド2mgおよび5mgの服用は、AGA治療において国内では承認されていません。とくに5mgは、「プロスカー」という名称で前立腺肥大症の治療に用いられる別のお薬です。
AGAに対する効果についても、「1mgを超えて用量を増やしても発毛効果はほとんど変わらない」とした海外の報告もあり、むしろ副作用のリスクだけが高まる恐れがあります。
フィナステリドは用量を増やせば効果が高まるというものではなく、副作用のリスクも考慮する必要があります。
承認された用量以外を自己判断で使用することは健康上のリスクをともなうため、医師の処方した用量で服用するのが安心です。
インターネットの個人輸入サイトで高用量のフィナステリドが販売されていることがありますが、偽造品だったり不純物が混入していたりするリスクもあり、おすすめできません。
健康被害を避けるためにも、医療機関で処方されたフィナステリドを服用しましょう。
フィナステリドの用量を決めるときに知っておきたいポイント
フィナステリドの用量は、期待する効果や副作用への懸念、体質などによって決まります。
医師と相談する際の参考として、用量選択のポイントを押さえておきましょう。
初めて服用する方は1mgが基本
フィナステリドを初めて服用する場合、1日1mgが推奨される用量です。
0.2mgも選択肢ではあるものの効果が1mgよりもやや控えめなため、まずは1mgから治療を開始します。
もし服用開始後に副作用が見られた場合には、医師の判断のもと一時的に服用を中止し、必要に応じて再開や用量調整するといった対応も可能です。
初回診察時に医師が健康状態やAGAの進行度を総合的に判断します。「効果を優先したい」「副作用が心配」などの思いがあれば、正直に伝えましょう。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
フィナステリドの副作用について
| おもな副作用 | 出現頻度 |
| リビドー減退 | 5%未満 |
| 勃起不全射精障害精液量減少 | 1%未満 |
| かゆみ、蕁麻疹睾丸の痛み肝機能障害乳房の圧痛気分の落ち込み など | 頻度不明 |
参考:フィナステリド錠0.2mg1mgインタビューフォーム|日本病院薬剤師会
これらの副作用の頻度は高くなく、万が一発現した場合でも多くは服用の中止で回復します。
また、重大な副作用とされる肝機能障害も、あらわれるのはまれです。
AGA診療ガイドラインによると、0.2mgと1mgで、性機能に関する副作用の変化は見られませんでした。
不安な点は医師に遠慮なく相談し、納得して治療を進めましょう。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
効果が十分でない場合の増量は医師と相談を
フィナステリド1mgを一定期間服用しても期待した効果が得られない場合「2mgに増やしたら効果が上がるのでは?」と考えるかもしれませんが、自己判断による増量は避けてください。
フィナステリドは1mgより増やしても、AGAに対する発毛効果は変わらないと示されています。効果が高まらない一方で副作用のリスクだけが増える可能性があるため、自己判断での増量にはメリットがありません。
効果が不十分だと感じる場合は、デュタステリドなどほかの治療への変更が適切である可能性があります。
まずは処方を受けた医師に相談し、適切な方針について指示を仰ぎましょう。
フィナステリドの正しい服用方法と注意点
フィナステリドの効果を得るには、正しい方法で継続して服用することが大切です。
服用タイミングや飲み忘れ時の対応、守るべき注意点を確認しておきましょう。
服用タイミングと基本ルール
フィナステリドを服用する際は、以下の基本的なルールを守りましょう。
- 血中濃度を一定に保つため、毎日同じ時間帯に飲む
- お薬の吸収に影響しない水またはぬるま湯で服用する
- 効果を維持するために毎日1回の服用を続ける
フィナステリドは食事の影響を受けないため、食前・食後いつでも服用できます。
「朝食後」や「就寝前」など、ご自身のライフスタイルに合わせて忘れにくいタイミングを設定することをおすすめします。
飲み忘れたときの対応
うっかり飲み忘れてしまったら、一度に2回分飲まずにその日はスキップしてください。
2回分をまとめて飲むと、副作用のリスクが高まるためです。
飲み忘れを防ぐには、スマートフォンのリマインダー機能を活用したり、歯磨きや朝食後など毎日の習慣とセットにしたりするのが効果的です。
効果が出るまでの期間と継続の目安
フィナステリドは即効性のあるお薬ではなく、効果があらわれるまで6ヶ月程度かかるのが一般的です。
AGA診療ガイドラインでも「少なくとも6ヶ月程度は内服を継続し効果を判定する」と推奨されています。
フィナステリドは、服用量よりも飲み続ける期間によって効果があらわれやすいお薬です。
焦らず、医師の指示どおりに服用を続けましょう。
フィナステリドの服用で守るべき注意点
フィナステリドを安全かつ効果的に使用するために、以下の注意点を守ってください。
- 効果や副作用のリスクが変わるため自己判断で用量を増減しない
- 深刻な健康被害につなげないためにも個人輸入は避ける
- 治療効果の確認や副作用の有無をチェックするため定期的な医師の診察を受ける
- 副作用を感じたらすぐに医師に相談する
健康を守りながら治療効果を最大限に引き出すためにも、安全な服用を心がけましょう。
フィナステリドの用量についてよくある質問
フィナステリドの用量選びでよくある疑問をまとめました。
医師と相談する際の判断材料として、ぜひ参考にしてください。
フィナステリド1mgは多いですか?
フィナステリド1mgは、国内で正式に承認された推奨用量です。
なかには「1mgは多い」と感じる方もいますが、臨床試験で安全性が確認されており、副作用の発現率も0.2mgと大きな差は見られていません。
重要なのは用量の多さではなく、自分の体質に合った用量を医師と話し合って決めることです。
フィナステリド5mgはAGA治療に効果がありますか?
「前立腺肥大症に対して海外ではフィナステリド5mgが使われているなら、AGAにも効くのでは?」と考える方もいますが、疾患が異なれば必要な用量も違います。
AGAでは1mgで効果が得られると研究で確認されており、それ以上増やしてもメリットはありません。
効果が不十分な場合は、用量の調整だけではなく、デュタステリドへの変更やミノキシジルとの併用など別の治療を医師と相談するのも方法の一つです。
フィナステリドをやめたらどうなりますか?
フィナステリドは「薄毛の進行を抑えるお薬」であるため、服用を中止するとAGAが再進行する可能性が高いと考えられます。
お薬で抑えられていた抜け毛の原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)が増加することが原因であり、AGA診療ガイドラインでも「中止すると効果は消失する」と示されています。
ただし、以下の場合は中止や減量を検討できます。
- 副作用が強く出て日常生活に支障が出ている
- 妊活を検討している
中止を考える場合は自己判断せず、医師と相談してタイミングや代替策を検討しましょう。
フィナステリドは通販(個人輸入)で購入できますか?
海外サイトから購入できることがありますが、以下の理由からおすすめできません。
- 偽造品・粗悪品である可能性が高い(厚生労働省からも注意喚起が出されています)
- 副作用が出ても自己責任とみなされる可能性がある
- 医師のサポートが受けられない
「安く買えるから」という理由だけで個人輸入を選ぶと、健康を損なうリスクがあります。
医療機関で医師の診察を受けながら安全に治療を進めましょう。
フィナステリドの用量は1日1mgが基本!医師の指示のもと正しい服用を続けましょう
AGA治療に対するフィナステリドの推奨用量は、1日1mgです。
臨床試験で有効性が確認されており、多くの医療機関でフィナステリドを処方する際の第一選択とされています。
「効果が出ないから増やしたい」「副作用が怖いから減らしたい」と考えることもあるでしょう。しかし、自己判断での用量変更は効果が得られないだけでなく、健康を損なう恐れがあります。
用量に関する不安や疑問があれば、必ず医師に相談し安全で適切な治療につなげましょう。
