※※自由診療
※医師の判断によりお薬の処方ができない場合があります
テラコートリルはニキビに使える?効能と効果
ドラッグストアの棚の前で、テラコートリルを手に取ったまま迷っている方もいらっしゃいますよね。
「赤ニキビに効くという口コミを見たけれど、本当に使ってしまっていいの?」と、確信が持てずに立ち止まってしまう場面もあるはずです。
効能・効果の欄に何が書かれているかを先に確認しておけば、買うかどうかをその場で判断できるでしょう。
ここでは、テラコートリルをニキビに使えるかどうかの結論と、配合されている成分について詳しく解説します。
効能・効果にニキビは含まれていない
テラ・コートリル軟膏aの効能・効果に、ニキビは含まれていません。
添付文書に記載されているのは「化膿を伴う湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん」と「化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎)」です[1]。
ニキビにあたる尋常性ざ瘡は、どこにも出てきません。
それどころか、使用後に患部へニキビがあらわれた場合は直ちに使用を中止し、その文書を持って医師や薬剤師に相談するよう、副作用として明記されています[1]。
ニキビに使うための薬どころか、ニキビが出てきたら手を止めるべき薬として位置づけられているということです。
パッケージの裏面や添付文書を一度開いてみると、この記載はすぐに見つかります。
配合されているのは抗菌成分と弱いステロイド
テラ・コートリル軟膏aには、抗菌成分のオキシテトラサイクリン塩酸塩と、ステロイドのヒドロコルチゾンが1gあたり30mgと10mgずつ配合されています[1]。
オキシテトラサイクリン塩酸塩はグラム陽性菌からグラム陰性菌まで広く働く抗生物質で、ヒドロコルチゾンは炎症に伴う熱感や発赤、腫れを抑える副腎皮質ホルモンです。
ヒドロコルチゾンはステロイド外用薬を強さで5段階に分けたときに最も穏やかなウィークへ位置づけられる成分ですが、弱いから顔に長く塗ってよいという意味ではありません。
抗菌成分と抗炎症成分を組み合わせることで、細菌が関わって化膿した湿疹や皮膚炎に対応できるよう設計された配合剤という位置づけです。
どちらの成分が何のために入っているのかを押さえておくと、この先の理由も理解しやすくなるでしょう。
自分の判断でニキビに塗ることは避ける
ニキビだと思った赤みにテラコートリルを塗ることは、自分の判断では避けてください。
効能・効果に含まれていない使い方であるうえ、配合されたステロイドがニキビを長引かせる方向に働く可能性があるためです。
添付文書の「してはいけないこと」には、顔面へ広範囲に使わないこと、化粧用やひげそり後用として使わないこと、長期連用しないことが並んで記載されています[1]。
ニキビは頬やあご、額といった顔全体に散らばって出ることが多く、この注意書きと真っ向からぶつかる使い方になってしまいます。
手元にあるからという理由だけで塗り始める前に、いったん立ち止まりましょう。
テラコートリルが「ニキビに効く」と言われる理由
効能・効果に入っていないと分かっても、「実際に塗ったら赤みが引いた」という声はやはり気になりますよね。
「効いた人がいるのに、どうして使ってはいけないの?」という疑問が残ったままでは、納得して手を引くことができないでしょう。
赤みが引いて見える仕組みを成分の側から知っておけば、その変化が治癒とは違うことも見えてきます。
ここでは、テラコートリルが効くと言われる背景について詳しく解説します。
抗菌成分が化膿した状態に働きかけるため
膿を持ったニキビに塗ったときに変化を感じるのは、配合された抗菌成分が働いているためです。
オキシテトラサイクリン塩酸塩は細菌のたんぱく質の合成を妨げることで増殖を抑える抗生物質であり、化膿した状態そのものには一定の作用を示します[2]。
白い膿を持った赤ニキビが翌日には小さくなっていたという体験談が生まれるのは、この働きによるものだと考えられます。
ただしそれは膿という結果に対する一時的な作用にすぎず、詰まった毛穴が開くわけでも、新しいニキビができにくくなるわけでもありません。
効いたように見える現象と、ニキビの治療になっているかどうかは分けて考えましょう。
ステロイドが赤みを一時的に抑えるため
赤みや腫れが引いて見えるもう一つの理由は、ヒドロコルチゾンが炎症そのものを抑えているからです。
ステロイドには炎症に伴う熱感や発赤、腫れを防いだり抑えたりする働きがあり、原因が何であっても見た目の炎症を弱める方向に作用します。
塗った翌朝に赤みが薄くなっていれば、効いたと受け取るのはごく自然な反応といえます。
一方でその作用は毛穴の詰まりにもアクネ菌の増殖にも届いていません。
塗るのをやめれば同じ場所に炎症が戻ってくるため、戻るたびに塗り足すうちに使用期間だけが伸びていく流れに入りやすくなるでしょう。
見た目の変化を治癒のサインと受け取らないよう、意識しておきたいところです。
見た目が落ち着いても毛穴の状態は変わっていない
赤みが引いた状態と、ニキビが治った状態はまったく別のものです。
ニキビは毛穴が詰まって皮脂がたまり、その中でアクネ菌が増えて炎症へ進むという段階を踏むため、最後の炎症だけを抑えても手前の詰まりはそのまま残るからです。
同じ場所に何度も繰り返しできる、塗るのをやめた途端に以前より腫れて見えるという経過は、詰まりが解けていないことの表れだといえます。
顔の別の場所に新しいニキビが増えていく状況も、炎症を抑えるだけの薬では止められません。
原因の手前で止まっている薬だと分かれば、切り替えの判断もしやすくなります。
テラコートリルをニキビに塗ると起こりうること
「効かないだけなら、しばらく試しても損はないのでは」と考えてしまう方もいらっしゃいますよね。
ところが実際には効かないだけでは済まず、塗る前より状態を悪くしてしまう場合があります。
起こりうる変化を先に知っておけば、試してみるかどうかの判断材料になるでしょう。
ここでは、ニキビにテラコートリルを塗り続けたときに起こりうることについて詳しく解説します。
ステロイドざ瘡で新しいぶつぶつが増える
ステロイドを塗り続けると、ステロイドざ瘡と呼ばれる新しいぶつぶつがあらわれることがあります。
炎症を抑える作用と免疫を抑える作用は表裏一体であり、皮膚を守る力が落ちて菌が増えやすくなるうえ、毛穴の角化が進んで詰まりまで強まってしまうためです。
テラ・コートリル軟膏aの添付文書に、使用後にニキビがあらわれた場合は直ちに中止して相談するよう書かれているのも、この変化が実際に起こりうるからにほかなりません[1]。
白ニキビや黒ニキビにあたる面皰がほとんど見られないまま、同じ大きさの赤いぶつぶつが塗った範囲に一斉に並ぶのが特徴です。
塗り始めてからぶつぶつが増えたと感じたら、そのまま続けずに使用を止めましょう。
顔は成分が吸収されやすく皮膚が薄くなりやすい
顔はほかの部位より皮膚が薄く、ステロイドの影響を受けやすい場所にあたります。
同じ量を塗っても成分が皮膚へ入りやすく、長く続けたときの変化が形になってあらわれやすいためです。
ステロイド外用薬では、長期または大量に使った場合の副作用として皮膚萎縮や毛細血管の拡張が知られており[3]、いずれも顔で起こると見た目に残りやすい変化です。
頬全体がうっすら赤い、洗顔やタオルの摩擦だけでひりつくといった自覚が出てくる頃には、皮膚が薄くなり始めている可能性があります。
顔面へ広範囲に使わないこと、長期連用しないことが添付文書に明記されている理由もここにあるため、期間と範囲を自分で決めずに済む方法を選ぶのが安心でしょう。
抗菌成分を漫然と使うと耐性菌のリスクが高まる
抗菌成分を目的の合わない使い方で長く続けることも、避けておきたい行為です。
細菌が薬に慣れて効きにくくなる耐性菌の問題があり、本当に必要な場面で使えなくなる事態を招きかねないためです。
皮膚科でニキビに抗菌薬が処方される場合も、炎症が強い時期に限って使い、落ち着いた段階で中止して別の薬へ重心を移す進め方がとられます。
市販薬を自分の判断で数週間塗り続ける使い方は、この考え方とは正反対の方向にあたります。
抗菌成分は必要なときに必要な期間だけ使うものだと捉えておきましょう。
効能・効果にある毛のう炎とニキビの違い
効能・効果を読んで、「毛のう炎が入っているならニキビにも効くのでは」と受け取った方もいらっしゃいますよね。
見た目がよく似ているだけに、自分がどちらなのかを見極めるのは簡単ではありません。
2つの違いを知っておけば、効能・効果に毛のう炎だけが載っている理由も見えてきます。
ここでは、毛のう炎とニキビの違いについて詳しく解説します。
毛のう炎は毛穴に細菌が入って起こる
毛のう炎は、毛穴の奥に細菌が入り込んで炎症を起こした状態を指します。
黄色ブドウ球菌などが原因になることが多く、細菌の感染そのものが出発点になっている点がニキビとの大きな違いです。
ひげそりや自己処理で皮膚に細かい傷ができたあと、その毛穴だけが赤く腫れて膿を持つといった出方が一般的です。
原因が細菌であるからこそ、抗菌成分を含む薬が効能・効果として対応する形になっています。
出発点が細菌かどうかという一点が、選ぶべき薬を分けています。
ニキビは毛穴の詰まりから始まる
ニキビは、毛穴が詰まって皮脂がたまるところから始まります。
詰まった毛穴の中でアクネ菌が増え、そこから炎症へと進むという順番をたどるためです。
白ニキビや黒ニキビにあたる面皰が先にでき、その一部が赤く腫れて膿を持つという段階の踏み方をするのも、毛のう炎とは異なる点です。
詰まりを解かない限り、菌を抑えるだけでは同じ場所に何度も繰り返しできてしまいます。
詰まりから始まる状態だと理解しておけば、必要な薬の方向性もつかめます。
見分けがつかないときは自分で判断しない
毛のう炎とニキビの見分けは、自分の目だけではつきません。
どちらも赤いぶつぶつとしてあらわれ、膿を持つところまで共通しているためです。
診察では、面皰があるかどうか、ひげそりや自己処理のあとに出たかどうか、同じ場所を繰り返しているかどうかといった複数の点から判断されます。
病名が変われば適した薬も変わり、市販薬で対応できる範囲かどうかも変わってくるでしょう。
迷ったまま塗り始めるより、一度診てもらうほうが結果的に早く落ち着きます。
テラコートリルを塗ってしまったときの対処
すでに何日か塗ってしまったと気づくと、これからどうすればいいのか不安になりますよね。
「すぐにやめるべき?」「わざわざ受診するほどのこと?」と、判断の基準が分からず迷う方もいらっしゃいます。
やめる目安と受診する目安を分けて知っておけば、落ち着いて次の行動を選べるでしょう。
ここでは、塗ってしまったあとの対処について詳しく解説します。
使用をやめて経過を見る目安
数日塗っただけであれば、いったん使用をやめて経過を見て構いません。
短い期間の使用であれば、中止によって強い反動があらわれることは考えにくいためです。
5〜6日間使っても症状がよくならない場合は使用を中止し、その文書を持って医師や薬剤師に相談しましょう[4]。
ステロイド外用薬全般についても、5〜6日間使って改善しなければ受診するよう注意喚起することが求められており、漫然と続ける前提の薬ではないことが分かります。
やめたあとは新しい薬をすぐ重ねず、洗顔と保湿だけで数日様子を見ると変化が読み取りやすいでしょう。
悪化しているときに受診する目安
ぶつぶつが増えている、赤みが広がっているという場合は、早めに皮膚科を受診してください。
ステロイドざ瘡が起きている可能性があり、そのまま放置すると落ち着くまでに時間がかかるためです。
塗っていた範囲と一致してぶつぶつが並んでいる、白ニキビや黒ニキビがほとんど見られないという状態は、受診を判断する分かりやすい手がかりになります。
顔に数週間以上塗り続けていた場合には、急にやめると赤みが一時的に強まることがあり、減らし方の指導を受けたほうが安心です。
迷った段階で受診しておけば、こじれる前に手を打てるでしょう。
受診時に伝えておきたい情報
受診の際は、使った薬の名前、塗っていた期間、塗っていた範囲の3点を伝えてください。
この3つがそろうと、症状が薬によるものかどうかを医師が短時間で判断しやすくなるためです。
名前が思い出せない場合でも、チューブや外箱をそのまま持参すれば中身を確認してもらえます。
市販薬には処方の記録が残らないため、いつから使い始めたかは自分で覚えておくか、メモに残しておく必要があります。
塗った範囲は「頬の全体」「あごの下だけ」といった具合に、指で示しながら伝えると誤解なく届けることが可能です。
ニキビに使える市販薬と皮膚科での治療
テラコートリルが向かないと分かると、では何を選べばいいのかが次の疑問になりますよね。
「できれば市販薬で何とかしたい」「皮膚科は費用が高いのでは」と、迷いを抱えている方もいらっしゃいます。
市販薬を選ぶ基準と皮膚科で受けられる治療を知っておけば、自分に合う進め方を選べます。
ここでは、ニキビに使える市販薬と皮膚科での治療について詳しく解説します。
市販薬を選ぶときに確認したい成分
市販薬を選ぶときは、効能・効果の欄に「ニキビ」と書かれているかどうかを最初に確かめてください。
効能・効果はその薬が何に対して使えるかを示す欄であり、そこに書かれていない症状へ使うことは想定されていないためです。
ニキビ用として販売されている市販薬には、角質をやわらげるイオウやレゾルシン、炎症と面皰の両方に働くイブプロフェンピコノールといった成分が用いられています。
抗菌成分としてイソプロピルメチルフェノールを配合したものもあり、膿を持った赤ニキビ向けとして棚に並んでいます。
棚の前で迷ったときは、まず効能・効果の欄を読むところから始めましょう。
皮膚科で処方されるアダパレンと過酸化ベンゾイル
皮膚科でのニキビ治療の中心になるのは、アダパレンと過酸化ベンゾイルの2つです。
アダパレンは表皮の細胞の分化を抑えることで角質が厚くなるのを防ぎ、詰まりのもとになる面皰そのものを減らしていきます[5]。
過酸化ベンゾイルは強い酸化作用によってアクネ菌に殺菌的に働きます[6]。
これまで耐性菌が見つかっていないことから、長く使っても効きにくくなりにくいお薬です。
どちらも1日1回、洗顔後に患部へ塗る使い方が基本です[5][6]。
塗り始めには乾燥やひりつき、皮むけが出ることがあるため、保湿を組み合わせながら少しずつ肌を慣らしていきましょう。
詰まりと菌の両方に届く薬だと理解できれば、続けていく意味も自然と見えてきます。
保険適用で受けられる治療と費用の目安
ニキビの治療は健康保険が使えるため、費用は多くの方が想像するほど高くはありません。
尋常性ざ瘡は保険診療の対象として認められており、外用薬も内服薬も保険の範囲で処方されるためです。
診察料と薬代を合わせて1回あたり1,000〜2,500円ほど※が目安になり、1本で1ヶ月ほど使える塗り薬が多いことから、通院も月に1回程度で済む場合があります。
※あくまで診療費・薬代の目安であり、実際には診察内容によって異なります。診療報酬点数表に基づいて計算され、患者様の自己負担割合(原則3割)に応じて請求されます。
ニキビ跡の治療やピーリングといった処置は保険の対象外となり、こちらは費用が全額自己負担になる点は分けて考えておく必要があります。
自己判断で市販薬を買い足し続けるより負担が軽く済むこともあるため、一度受診してみましょう。
※※自由診療
※医師の判断によりお薬の処方ができない場合があります
テラコートリルとニキビに関するよくある質問
Q:テラコートリルはニキビに効きますか?
A:テラ・コートリル軟膏aの効能・効果にニキビは含まれておらず、ニキビに使うことは想定されていません[1]。
添付文書には、使用後にニキビがあらわれた場合は直ちに使用を中止して相談するよう、副作用の症状として記載されています[1]。
膿を持ったニキビで赤みが引いて見えることはありますが、毛穴の詰まりは残るため、治ったわけではありません。
Q:テラコートリルは顔に使えますか?
A:添付文書では、顔面へ広範囲に使わないこと、化粧用やひげそり後用として使わないことが「してはいけないこと」に記載されています[1]。
顔は皮膚が薄く成分が吸収されやすいため、長く使うと皮膚萎縮や毛細血管の拡張といった変化が起こりやすい部位です。
顔に使う必要がある場面では、期間と範囲を医師に決めてもらう形が安心です。
Q:テラコートリルは何日まで使えますか?
A:5〜6日間使っても症状がよくならない場合は使用を中止して、医師や薬剤師に相談しましょう[4]。長期連用しないことも「してはいけないこと」として記載されており、続けて使う前提の薬ではありません[1]。
改善しないまま塗り足していくより、早めに切り替えることを検討しましょう。
Q:効能・効果に毛のう炎があるのに、なぜニキビには使えないのですか?
A:毛のう炎は毛穴に細菌が入って起こる感染症で、ニキビは毛穴の詰まりから始まる別の状態だからです。
抗菌成分は細菌が出発点の毛のう炎には対応しますが、ニキビの毛穴の詰まりには届きません。
見た目が似ていて自分では判断がつかないため、迷う場合は皮膚科で確かめてください。
まとめ
テラ・コートリル軟膏aは抗菌成分のオキシテトラサイクリン塩酸塩と弱いステロイドのヒドロコルチゾンを配合した市販薬です。
効能・効果は化膿を伴う湿疹や皮膚炎、とびひ、めんちょう、毛のう炎であり、ニキビは含まれていません。
添付文書では、使用後にニキビがあらわれた場合は直ちに中止して相談するよう副作用の症状として記載されています。
膿を持ったニキビで赤みが引いて見えるのは抗菌成分とステロイドの働きによるもので、毛穴の詰まりは解けていません。
塗り続けるとステロイドざ瘡で新しいぶつぶつが増え、顔では皮膚が薄くなる変化も起こりやすくなります。
すでに塗ってしまった場合はいったん使用を止め、ぶつぶつが増えているときは早めに皮膚科を受診してください。
ニキビの治療は保険診療が可能なため、市販薬を買い足し続ける前に一度相談してみましょう。
※※自由診療
※医師の判断によりお薬の処方ができない場合があります
