思春期のニキビの特徴とは? 原因・対策も詳しく解説!

小学生から高校生くらいの時期にできる思春期ニキビ。なかなか治らなかったり、治ってもまた新しいニキビができてしまったりして、悩んでしまいますよね。そこでこの記事では、思春期ニキビの特徴や原因を詳しく解説。さらに、ケア方法なども紹介するので、思春期ニキビに悩んでいる方はぜひ最後まで読んでください。

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思春期ニキビとは?

思春期ニキビとは、小学生から高校生くらいの時期にできるニキビのことです。小学校の高学年から中学生くらいの間にでき始め、高校生くらいの時期に最も悪化し、その後は徐々によくなるとされています。

小学生くらいの時期にはおでこにできることが多く、徐々に頬にもできるようになり、さらにあごや首、胸、背中などにできることもあります。ただ、ニキビができる時期や場所には個人差による影響も大きいです。

思春期ニキビはどうやってできる?

ニキビの原因としくみ

思春期ニキビも、大人になってからできるニキビも、原因は皮脂分泌の増加、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖だとされています。

皮脂が増え、毛穴の出口が詰まっていると、毛穴の外に皮脂が出られなくなってしまいます。このように、皮脂が溜まってしまった状態をコメド(面皰・めんぽう)と言い、状態によって白ニキビや黒ニキビと呼ばれることもあります。

皮脂はアクネ菌の栄養となるため、コメドの中はアクネ菌の増殖にうってつけの環境です。そのため、アクネ菌が増え、増えた菌に対処するために免疫システムが働くことで、炎症を起こして赤く腫れあがったニキビになります。この状態を赤ニキビと呼ぶこともあります。

思春期ニキビは特に皮脂の過剰分泌が大きな原因となっています。これは、12~18歳頃に男性ホルモンがたくさん分泌されるために、皮脂の分泌が増えることが一つの理由です。20代前後になるとホルモンバランスが安定するため、思春期ニキビも自然にできにくくなることが一般的です。ただし、その後も大人ニキビができることはあるため注意しましょう。

思春期ニキビの対策

ここからは、思春期ニキビの対策方法を詳しく解説します。炎症がひどい思春期ニキビは、放置したり間違った対処をしてしまったりすると、ニキビ跡になってしまうことがあります。跡を残さないためにも適切な対策を行いましょう。

洗顔を適切に行う

洗顔は1日2回

日本皮膚科学会のニキビ治療ガイドラインでは、1日2回の洗顔が推奨されています。洗わないのはもちろんNGですが、逆に洗いすぎてしまうと肌が乾燥してしまい、それを補おうとして皮脂がたくさん分泌されてしまうため、注意しましょう。

自分に合った洗顔料を選ぶ

使う洗顔料ですが、しっかり汚れを落とすためにスクラブを使っている方もいるでしょう。しかし、医学的にはスクラブの有無がニキビに影響することはないとされています。場合によっては肌の負担になる可能性もあるため、肌に合わないと思ったら洗顔料を変えることも大事です。

また、洗顔料には抗菌作用のあるものや刺激の少ないものなどさまざまな種類があるので、自分に合った洗顔料を選ぶことが大事です。

優しく洗う

洗顔するときは、手をきれいに洗って清潔にし、洗顔料をしっかり泡立てることが大切です。肌の負担にならないために、こするのではなく、泡を転がすイメージで汚れを落とすのがポイント。また、すすぎ残しがないようにしっかりすすぐ必要がありますが、このときもこすらないように注意しましょう。最後に清潔なタオルでそっと水分をふきとって完了です。

オイルクレンジングをしっかり行う

メイクをする場合は、クレンジングが重要です。クレンジングが十分でないと、メイクが毛穴に残り、毛穴が詰まってニキビの原因となるため注意しましょう。

メイク落としは、オイルクレンジングが選択肢の一つとなります。オイルクレンジングによってニキビの個数が少なくなり、ニキビの悪化もないという研究結果もあります。迷う場合はオイルクレンジングを選んでみてはいかがでしょうか。

保湿をしっかり行う

洗顔をしたら、そのあとの保湿も大切です。なぜなら、乾燥すると肌のバリア機能の低下やターンオーバーの乱れ、皮脂の過剰分泌につながり、ニキビの原因となるためです。

保湿の際は、化粧水や乳液を優しく、肌になじませるように使います。強くこすったり刺激を与えたりするのはよくないので注意しましょう。

また、低刺激性、ノンコメドジェニック(ニキビの元となるコメドができにくいとされる化粧品)のニキビ用基礎化粧品を使うのもよいでしょう。

メイクは工夫して行う

油分の多い化粧品は毛穴が詰まる原因となります。とはいえメイクを全くしないのは抵抗があるという場合は、ポイントメイクがおすすめです。肌やニキビへの影響が減らせるだけでなく、メイクによってニキビから目線を反らす効果も期待できます。

また、メイクに使うブラシやパフは雑菌がつきやすいため、こまめにケアや交換するとよいでしょう。

UVケアをしっかり行う

紫外線によるダメージを受けると、肌のバリア機能が低下し、ターンオーバーも乱れてニキビにつながることがあります。また、紫外線によって皮脂がコメドになりやすくなるほか、アクネ菌が分泌するポルフィリンという物質は、紫外線が当たることで活性酸素が発生し、ニキビのさらなる炎症につながるとされています。すでにニキビがある場合は紫外線によってしみになるリスクもあるなど、紫外線は肌やニキビにとってたくさんのデメリットがあります。

そのため、日焼け止めなどの紫外線対策を十分に行うことをおすすめします。

むやみに触らない

ニキビを触ったりつぶしたりすると、余計に炎症やニキビ跡の原因になるため、むやみに触らないようにしましょう。また、ほおづえも、雑菌が肌についたり刺激になったりする原因になるので注意が必要です。

そのほか、おでこにかかった前髪やマスクが刺激になってニキビができたり、悪化したりすることもあるため注意しましょう。

十分な睡眠を取る

睡眠不足はさまざまな理由でニキビにとってよくありません。睡眠不足になると、ストレスホルモンの分泌が増え、皮脂の分泌が促されてしまうのです。さらに、寝ている間に皮膚のダメージの修復や再生が行われているため、睡眠不足が続くと修復が十分にできず、ターンオーバーの乱れにもつながります。

ゲームやテスト勉強などでついつい夜更かししてしまうという方もいるかもしれませんが、お肌のことを考えて、しっかり睡眠をとりましょう。

食生活や無理なダイエットにも注意する

「アーモンドやチョコレートを食べるとニキビができる」というような話を聞いたことがあるかもしれません。たしかに、脂っこい食べ物やインスタント食品、甘いスナック菓子などの食べ過ぎは皮脂の分泌を増やしてニキビにつながるという説はありますが、実は医学的には、特定の食べ物がニキビに影響するかどうかははっきりしていません。

また、肌のことだけでなく、思春期の体の成長のことも考えて、まずはバランスのよい食生活を心がけることが大切です。無理なダイエットなどをして栄養が不足すると、肌に必要な栄養が届かず、ニキビの原因になるため注意しましょう。

皮膚科で治療を受ける

にきびは、正式には「尋常性ざ瘡」と呼ばれる皮膚の病気のひとつで、皮膚科で治療を受けることができます。治療では、毛穴の詰まりを改善する薬や、抗生物質(抗菌作用がある薬)などが使われることが一般的です。そのほか、毛穴にたまった皮脂を押し出す処置や、ピーリング、漢方などさまざまな選択肢があります。

どのような治療を受けるにしてもニキビ治療は早めが肝心なので、ニキビがひとつでもできたら早めに皮膚科を受診するとよいでしょう。コメドの状態でも治療を始めることができます。

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クリニックフォアではオンライン診療でニキビ治療を行っています。塗り薬だけでなく、飲み薬、ニキビ用化粧品など、さまざまな選択肢を用意しているので、一人ひとりに合った治療が可能。薬や化粧品は配送するので、勉強に部活に忙しい方でも利用しやすくなっています。

参考文献

  1. 公益社団法人 日本皮膚科学会, 2017,「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」,日本皮膚科学会雑誌 127 (6):1261-1302
  2. 公益社団法人 日本皮膚科学会,「にきび」,皮膚科Q&A