大人ニキビとは? その特徴・原因・対策方法を詳しく解説!

「ニキビは思春期にできるものだと思っていたのに、大人になってからニキビが増えてしまった!」そんな悩みを抱えている方も多いと思います。思春期にできるものとは原因がやや異なるものの、大人になってもニキビができることはあります。この記事では、大人ニキビとはどのようなものなのか、その特徴や原因、対策について詳しく解説します。

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大人ニキビとは?

大人ニキビとは、おおむね20歳を過ぎてからできるニキビのことを言います。頬やあご、首といったフェイスラインにできやすいのが特徴ですが、男性の場合はひげ剃りによる刺激が原因で、口の周りにできることも多いとされています。さらに、顔だけでなく胸や背中にできることもあります。

大人ニキビと思春期ニキビの違い

大人ニキビは20代以降にできるニキビのことで、顔の下半分、口周りやアゴなどの「Uゾーン」にできることが多いです。これらの部分は皮脂を分泌する皮脂腺が少なく、乾燥しやすい場所であり、大人ニキビはそのような場所にできやすいとされています。大人ニキビができる原因はさまざまで、生活習慣も関係します。

一方、思春期ニキビは小学校の高学年頃からでき始め、20歳前後になると自然にできにくくなるニキビです。皮脂の分泌が大きく影響するため、皮脂腺の多いおでこやほほを中心に発生し、その後あごや首、胸や背中にも広がることがあります。20歳前後になり皮脂の分泌が正常に戻れば、ニキビもできにくくなることが一般的です。

大人ニキビはどうやってできる?

大人ニキビ、思春期ニキビに限らず、ニキビができる原因は皮脂分泌の増加、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖の3つとされています。具体的には、皮脂が増え、毛穴の出口も詰まっていると、皮脂が毛穴の外に出られなくなり溜まってしまいます。この状態をコメド(面皰・めんぽう)と呼び、いわゆる白ニキビや黒ニキビもこの段階のニキビを指します。

コメドの中はアクネ菌の増殖に適した環境になっているため、アクネ菌が増え、増えたアクネ菌に対抗するために免疫が働くことで炎症が起き、ニキビが赤く腫れあがるのです。赤く腫れた状態を赤ニキビ、さらに悪化して膿をもったものを黄ニキビと呼ぶこともあります。

大人ニキビの原因とは?

大人ニキビの主な原因は、ターンオーバーの乱れや肌のバリア機能の乱れなどによる毛穴詰まりだと考えられています。その原因としては、肌の乾燥や肌への刺激、不規則な生活、睡眠不足、食生活の乱れ、疲れ、ストレス、ホルモンバランスの乱れなどさまざまなものが挙げられます。

また、女性の場合は生理周期によってホルモン分泌の変動があります。生理前はプロゲステロンというホルモン分泌が多くなり、このホルモンによって皮脂の分泌が増加して大人ニキビの原因となるとされています。

40代以降の大人ニキビの特徴・原因とは?

40代以降の大人ニキビは、ターンオーバーが遅くなったり、乾燥肌が悪化したりすることも原因とされています。また、肌のバリア機能が低下するため、ニキビ以外にもシミやシワ、ハリ、たるみなどのトラブルが生じやすい状態となっています。つまり、治療に時間がかかったり、ニキビ跡が残りやすい状態でもあるため、十分なケアを行うことが大事です。

大人ニキビの対策とは?

大人ニキビの主な原因は、ターンオーバーの乱れや肌のバリア機能の乱れなどによる毛穴詰まりだと考えられていますが、その背景には、肌への刺激や乾燥、生活習慣などさまざまな原因があります。そのため、日常生活の中で、以下のような点に注意するとよいでしょう。

肌への刺激に注意する

肌への摩擦や乾燥、紫外線といったさまざまな刺激でバリア機能が低下すると、皮膚の外側の角層が厚くなり、毛穴が詰まりやすくなります。そのため、以下のような刺激に注意しましょう。

メイクに注意する

メイク自体が肌の刺激になるだけでなく、メイクが濃いほど落とすときにも肌に負担をかけることになります。そのため、ニキビができているときはメイクを控えるか、油分の多い化粧品を避けたりノンコメドジェニックテスト済み(ニキビのもとができにくいことがテストされている)の化粧品を使ったりするとよいでしょう。

また、フルメイクではなく、ポイントメイクをする方法もあります。ファンデーションを塗らないか、極力薄くすることで、肌に負担がかかりづらくなり、さらにポイントメイクによってニキビから目線をそらす効果も期待できます。特に口元や目元を印象的にすることで目をそらす効果が期待できるため、濃い目の口紅を使う、アイメイクはばっちり行うなどの工夫をしてみましょう。

もちろん、メイクをした場合は、1日の終わりにクレンジングでしっかりメイクを洗い落とすことが大切です。オイルクレンジングによってニキビが改善することもあるため、大人ニキビに悩んでいるときはオイルクレンジングが選択肢の一つとなります。一方でシートタイプのものは、摩擦による刺激が生じることがあるため注意しましょう。

むやみに触らない

ほおづえをついたり、ニキビをいじったりすると、刺激になったり雑菌が繁殖したりして大人ニキビの発生・悪化の原因となります。そのため、ニキビが気になってもむやみに触らないように注意しましょう。

髪型に注意する

髪の毛が触れることで刺激になり、おでこやフェイスラインのニキビの発生・悪化につながることがあります。そのため、前髪は分ける、長い後ろ髪はまとめるなどの工夫をして、髪の毛が顔に触れないようにしましょう。

ひげ剃りの仕方に注意する

男性はひげ剃りの刺激に注意が必要です。ひげを剃るときの道具は清潔なものを使い、シェービング剤などで刺激を和らげるようにしましょう。また、切れ味が悪いと余計に刺激になってしまうため、こまめにカミソリや刃を交換することが大切です。さらに、剃った後に何もしないと乾燥の原因となるため、保湿クリームなどでケアするとよいでしょう。

肌の乾燥に注意する

前述の通り、乾燥によって肌のバリア機能が低下するほか、ターンオーバーも乱れて毛穴が詰まりやすくなるとされています。そのため、以下のような乾燥対策を心がけましょう。

適切なスキンケアを行う

化粧水や乳液で水分と油分をバランスよく補うことが大事です。油分が多いとニキビになりそうで避けてしまう、という方もいるかもしれませんが、実は化粧水だけで済ませてしまうと、乾燥して余計に皮脂が分泌されることがあります。そのため、乳液の保湿成分で潤いを維持したり、クリームの油分で水分が逃げないようカバーをしたりすることが大事です。ただし、ニキビの炎症がひどい場所は避けましょう。

さらに、摩擦は肌の負担となるため、スキンケアのときは指の腹全体を使って優しくのばし、手のひらでプレスするようになじませましょう。ノンコメドジェニックテスト済みのスキンケア用品を使う選択肢もあります。

また、スキンケア用品を変えた場合、すぐにニキビへの効果が現れないからといって他のものに変えるのはNG。ターンオーバーによって肌が完全に生まれ変わるには通常1~2カ月程度かかるため、効果が感じられるまで数カ月は様子を見るとよいでしょう。

ひげ剃りの仕方に注意する

冷暖房が効いた部屋は乾燥しており、肌によくありません。特に、エアコンの風が直接当たると肌が乾燥しやすくなるため注意しましょう。可能な場合は加湿器を置いたり、自宅であれば風の通り道に洗濯物を干すだけでも乾燥対策となります。

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適切な方法で洗顔する

大人ニキビができているときは洗顔で肌を清潔に保つことが大事です。しかし、洗顔の方法が間違っていると、肌の刺激や乾燥につながるため、正しい方法で行いましょう。

洗いすぎもよくないため、洗顔回数は1日2回がよいとされています。また、手でごしごしこするのではなく、よく泡立てた洗顔料でやさしく洗います。スクラブ入りの洗顔料の是非ははっきりしていませんが、肌を傷つけることがあるため、肌に合わないと感じたら使わないようにしましょう。

また、入浴時はシャンプーやリンスの後に洗顔することで、これらが顔などに残るのを回避できるため、順番も工夫してみてください。いずれにしても、顔に洗顔料などが残ると肌に悪影響があるため、十分なすすぎが大切です。

UVケアをしっかり行う

前述の通り、紫外線による刺激もターンオーバーの乱れやバリア機能の低下につながり、大人ニキビの発生・悪化原因となります。そのため、日焼け止めなどでUVケアをしっかり行いましょう。

ただし、紫外線吸収剤を含むものは肌の刺激になりやすいため注意が必要です。できれば低刺激のものを選ぶとよいでしょう。

睡眠をしっかりとる

肌は睡眠中に修復・再生されるため、睡眠不足になるとニキビがなかなか治らなかったり、悪化したりする可能性があります。また、睡眠不足によってターンオーバーが乱れて古い角質が残り、毛穴が詰まることでも大人ニキビの原因となりえます。そのため睡眠はしっかりとりましょう。

ただし、単に長く寝ればよいというわけではなく、適切な時間帯に質の良い睡眠をとることが大事です。そのためには、規則正しい生活を送り、夜は暖色系の光の中で過ごしたり、就寝前に体を温めたり、寝る前にスマホやパソコンなどを見ないといったことを心がけましょう。スムーズな入眠につながります。体を温めるのは、入浴がおすすめ。38~40℃ほどのぬるめのお湯に入浴することで、リラックス効果も期待できます。

また、肌の新陳代謝が活発になるのは22~2時頃とされているため、この時間帯はしっかり寝ているようにしましょう。この時間に寝られない場合は、起床時間と就寝時間を毎日同じくらいにして体内時計を整え、成長ホルモンがしっかり分泌されるようにするとよいでしょう。

バランスのよい食事をする

過度なダイエットによる栄養不足や、栄養バランスの偏りは大人ニキビの発生・悪化につながることがあります。栄養不足によってターンオーバーが乱れたり、糖分や脂肪分が多い食事で皮脂分泌が増えたりすることもあるため、美しい肌を目指すためには、バランスのよい食事をとることが大切です。

特にビタミンは大人ニキビの予防や改善のために必要とされています。代謝に関わるビタミンB群、コラーゲン生成や色素沈着を防ぐビタミンCなどは意識的に摂りましょう。また、健やかな肌に欠かせない良質なたんぱく質(アミノ酸がバランスよく含まれており、体の中で効率よく働く)、便秘予防のために食物繊維が多い食べ物なども取り入れましょう。例えば、以下のような食べ物があります。

  • ビタミンB群:豚肉、レバー、うなぎなど
  • ビタミンC:アセロラ、赤ピーマン、キウイフルーツ、イチゴなど
  • 良質なたんぱく質:肉類、魚介類、牛乳・乳製品、卵類、大豆・大豆製品など
  • 食物繊維:根菜、海藻など

また、暴飲暴食、間食や夜食のとりすぎ、過度の飲酒などは控えましょう。

ストレスを解消する

疲れやストレスは肌の免疫力低下によってニキビの炎症を悪化させたり、肌の再生力低下につながったりします。さらに、ターンオーバーが乱れて角層が厚くなり、毛穴をふさぐ原因になったり、ホルモンバランスが崩れ、皮脂分泌が増加したりと、よいことがありません。さらに、ストレスによって睡眠不足につながるなど、間接的に大人ニキビの発生や悪化につながる可能性もあります。

そのため、ストレスを溜めないようにし、ストレスを解消する時間を大切にしましょう。適度な運動や趣味の時間を作るほか、睡眠もストレス解消によいとされています。

適度に運動する

運動は代謝を上げ、肌のターンオーバーを促すとされています。さらに、運動はストレス解消にもつながるため、時間を見つけて適度な運動をする習慣を作りましょう。

忙しい方は、通勤や通学時に一駅分歩いたり、エレベーターではなく階段を使ったりするなど、日常のちょっとしたことで運動を取り入れると無理なく続けやすいでしょう。

禁煙する

喫煙によって肌のターンオーバーが乱れ、毛穴詰まりにつながることがあります。さらに、喫煙は血行不良の原因となるため、ニキビ以外にもさまざまな肌トラブルの原因となりえます。喫煙している方は、できれば禁煙するとよいでしょう。

皮膚科で治療を受ける

大人ニキビは皮膚科で治療が可能です。一般的な治療法は、毛穴の詰まりに効果が期待できる塗り薬や抗生物質を使うというものです。他にも、毛穴に溜まった皮脂を押し出す処置や、ピーリング、漢方などさまざまな選択肢があります。

大人ニキビは早めの治療が肝心なので、ニキビができたら早めに皮膚科受診を検討するとよいでしょう。クリニックフォアでは、オンライン診療でニキビ治療を行っています。一般的な塗り薬や飲み薬のほかに、漢方やニキビ用のスキンケア用品も取り扱っており、オンラインで診察後、自宅まで薬をお届けします。病院に行くのが面倒な方や時間がない方は利用をご検討ください。

大人ニキビに似ている皮膚の病気もある!

実は、大人ニキビに似ている皮膚の病気もいくつかあります。たとえば、以下のようなものです。

病名病気の詳細
毛のう炎毛根を包む毛のう(毛包)の傷から細菌が感染して炎症が起き、赤みや膿をもった発疹が現れる
癤(せつ)いわゆるおできのこと。主に黄色ブドウ球菌という細菌が原因となる皮膚の感染症
粉瘤(ふんりゅう)皮膚の下に袋のようなものができ、皮膚からはがれるはずだった角質や皮脂が袋の中に溜まってできた腫瘍の総称
脾粒腫(はいりゅうしゅ)粉瘤の一種で、主に目の周りに1~2ミリの白いぶつぶつができる

大人ニキビだと思っていても、実はこのような皮膚の病気の可能性もあるため、大人ニキビのようなものができたら、早めに皮膚科の受診を検討しましょう。

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参考文献

  1. 公益社団法人 日本皮膚科学会, 2017,「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」,日本皮膚科学会雑誌 127 (6):1261-1302
  2. 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター,「No.9 良質なたんぱく質とは?」, 国立長寿医療研究センターホームページ
  3. 公益社団法人 日本皮膚科学会,「アンテローム(粉瘤)」,皮膚科Q&A