ニキビを潰すと早く治るって本当?医師が正しいニキビケアを解説

ニキビには、毛穴に皮脂などがつまった白ニキビ(面皰)、毛穴につまった皮脂などが酸化して黒く見える黒ニキビ、炎症して赤くなった赤ニキビ、膿を持った黄ニキビがあります。 いずれのニキビも、目立ってくると「潰したい」と思う方は少なくないでしょう。では、ニキビは潰してもよいでしょうか? 今回は、ニキビを自分で潰すリスクと、ニキビを潰してしまったときの対処法などについて詳しく解説します。

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ニキビを自分で潰すリスク

結論からお伝えすると、ニキビを自分で潰すのはよくありません。以下のようなさまざまなリスクがあるため避けましょう。

雑菌が入ってしまう

ニキビを潰すと、潰した部分から雑菌が入ってしまい、炎症がひどくなったりしてニキビが悪化することがあります。自分で潰すときは指を使うことが多いため、指についた雑菌が入ってしまうことも多いでしょう。

ニキビが治りづらくなる・ニキビ跡が残ってしまう

つぶして膿を出したと思っても、完全には出し切れていないことが多いです。膿が残ったままではニキビは治らず、潰しても意味がありません。かえって治りづらくなってしまうこともあるので注意しましょう。

また、ニキビを潰した刺激で炎症してしまったり、炎症によってニキビ跡が残ってしまったりすることもあります。潰すことで周りの皮膚にもダメージを与えてしまい、ニキビやニキビ跡の範囲が広がる懸念もあります。

強い痛みを感じることがある

正しい知識なしに自分でやみくもにニキビを潰してしまうと、強い痛みを感じることもあるでしょう。上記のようなリスクがあり、さらに痛みまで感じてしまっては、よいことが何もありません。自分でニキビを潰すのはくれぐれもやめましょう。

ニキビへの刺激を避けるためのポイント

潰すのと同様に、ニキビに刺激を与えるのもよくありません。無意識に潰したり刺激を与えたりしないように、爪を短く切ったり、顔を触らないように心がけたりすることが大事です。

また、髪の毛もニキビや肌への刺激となるため、ピンでとめたり束ねたりして、髪の毛が触れないようにしましょう。

医療機関でニキビを潰す「面皰圧出」とは

自分でニキビを潰すことにはさまざまなリスクがありますが、実は医療機関では、面皰圧出という治療を行うことがあります。

面皰圧出では、医療用の細い針を使ってニキビに穴をあけ、皮脂や膿を押し出します。ニキビの治療ガイドラインでは、面皰(白ニキビ)や、炎症が起きたニキビ(赤ニキビ)に面皰圧出を行うことを「選択肢の一つとして推奨する」としています。

ただ、面皰圧出は衛生面に十分注意して処置を行います。さらに、医療用の細い針を使うため、皮膚へのダメージや感染リスクも最小限に抑えられます。また、どのようなニキビでも面皰圧出を行うわけではなく、面皰圧出を行うのが適切かどうか、医師が慎重に判断して処置を行います。

以上のように、医療機関で行う面皰圧出と、自分でにきびを潰すことは似て非なるものなので、自分では絶対に行わないでください。

ニキビを潰してしまったときの対処法

ニキビを潰してしまったときは、まず清潔なティッシュやガーゼで血や膿をふき取りましょう。こすったり圧迫したりするのは避けてください。できれば消毒薬を使って消毒をしたり、抗菌作用のあるニキビのお薬を塗っておきましょう。

また、潰したニキビは傷口が開いており、雑菌が入りやすい状態です。手で触ったりすることは避け、清潔に保ちましょう。

早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けるのも一つの方法です。

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潰さない!ニキビの正しい対処法

ニキビができたら以下のような対処法を講じ、改善を目指しましょう。

正しい洗顔をする

毛穴づまりや余分な皮脂を取り除き、清潔にするためには、洗顔が重要です。ただし、強すぎる洗浄剤を使ったり、頻繁に洗顔したり、強くこすったりすると逆効果になります。乾燥や刺激につながり、皮脂の分泌が増えてニキビの原因になることがあるため注意しましょう。

ニキビ治療のガイドラインでは、洗顔は1日2回が推奨されています。よく泡立てて優しく洗い、十分にすすいでから丁寧にタオルドライをしましょう。

しっかり保湿をする

乾燥すると肌のバリア機能が低下したり、余計に脂っぽくなったりするので、保湿がとても大事です。適切なスキンケアを行えば、それだけでニキビが改善することもあります。

また、ニキビの治療ガイドラインでは、低刺激でノンコメドジェニック(ニキビのもととなる毛穴のつまりが生じにくいように設計されたもの)のニキビ用化粧品の使用が、選択肢の一つとして推奨されています。保湿力があるものだとなおよいでしょう。

なお、アルコール分の入ったスキンケア用品は避けましょう。ニキビのある肌には刺激となったり、蒸発しやすいアルコールとともに肌が乾燥してしまったりするためです。

メイクをすることは問題ない

ニキビの治療ガイドラインでは、メイクはかえってQOL改善につながるとされています。ただし、コメドジェニックな(毛穴がつまりやすい)アイテムによってニキビが悪化することがあるため、低刺激かつノンコメドジェニックのメイク用品を選ぶのがよいとされています。

また、メイクブラシやパフを清潔に保つ、メイクをしたら丁寧に落とすなどの心がけも大事です。

医療機関を受診する

ニキビは医療機関で治療を受けることが可能です。まずは毛穴のつまりを改善したり、抗菌作用があったりする塗り薬が処方されることが一般的です。

また、抗生物質やビタミン剤といった飲み薬も選択肢となります。

身の回りを清潔に保つ

雑菌の繁殖や毛穴のつまりを防ぐためには、清潔を保つことが大事です。肌だけでなく、肌に触れるタオル、寝具などもこまめに洗濯・交換し、清潔に保ちましょう。

生活習慣の見直し

生活習慣の見直しだけでニキビを治すことは難しいですが、発症・悪化予防のためには、生活習慣を改善することも大事です。ホルモンバランスやターンオーバーを整えるためにも、以下のような点に注意しましょう。

バランスのよい食事を心がける

極端な偏食などはせず、栄養バランスのよい食事をとることが基本です。脂っこいものや甘いものの摂りすぎはできるだけ避けましょう。

また、水分をこまめにとることも大事です。水分不足は、血行不良、乾燥、肌のターンオーバーの乱れなど、肌にさまざまな悪影響を及ぼすためです。

十分に睡眠をとる

睡眠中に成長ホルモンの分泌が活発になります。成長ホルモンは肌の修復やターンオーバーのコントロールにかかわるため、ニキビ改善のために重要なものです。そのため、質の高い十分な睡眠をとるようにしましょう。

寝る前にブルーライト(スマホなど)を見たり、カフェインを摂取したりするのはよくありません。室温や明るさ、寝具などを快適な状態にし、質の高い睡眠を目指しましょう。

ストレスをためない

ストレスは血行不良やホルモンバランスの乱れにつながり、肌の健康にとってよくありません。趣味の時間を持ったり、軽い運動をしたりして、ストレス解消に努めましょう。

ニキビのお悩みはクリニックフォアのオンライン診療へ

クリニックフォアではニキビ治療のオンライン診療を行っています。医師の診断のもと、外用薬、内服薬、スキンケアアイテムなど、症状や肌質に合った治療を受けることができます。

ご自宅にいながら診察を受け、お薬を受け取れるので、忙しい方や直接の受診にハードルを感じる方も、まずは受診をご検討ください。

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。 

※自由診療

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参考文献

  1. 日本皮膚科学会|尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023