あごやフェイスラインのニキビの特徴・原因・予防・対処法とは?

思春期にはできなかったのに、年齢を重ねてからできることも多い、あごやフェイスラインのニキビ。その原因は一体何なのでしょうか。この記事では、あごやフェイスラインにできるニキビの特徴、原因、予防法、対処法などについて詳しく解説します。

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あご・フェイスラインのニキビの特徴

あごは皮脂を分泌する皮脂腺が多い一方で、汗を分泌する汗腺が少ないため、乾燥しやすい場所です。そのため、乾燥を補うために皮脂がたくさん分泌されると、毛穴が詰まってニキビができることがあります。

また、あごやフェイスラインといったいわゆるUゾーンにできるニキビは、20代を過ぎてからできることが多いです。このようなニキビは大人ニキビと呼ばれ、生活習慣の乱れ、疲れ、ストレス、間違ったスキンケアなど、さまざまな要素が絡み合って生じると考えられています。生活習慣の乱れなどは、肌のターンオーバーの乱れや、外部の刺激から肌を守るバリア機能の低下につながったりしてニキビの原因となるのです。

また、大人ニキビではホルモンバランスの乱れも原因となります。特に女性は生理などで常にホルモンバランスが変化しているため注意が必要です。生理前に分泌される黄体ホルモンは皮脂分泌を活発にするはたらきをもつため、皮脂が過剰に分泌され、ニキビにつながることがあります。

あご・フェイスラインのニキビの原因

まずはあごやフェイスラインのニキビの原因について見ていきましょう。

さまざまな刺激

頬杖、口元をぬぐう動作、マフラーやマスク、髪の毛など、あごやフェイスラインはさまざなものが触れやすい部分です。また、産毛処理やひげそりでも刺激を受けやすい部分です。

刺激そのものが肌の負担になり、さらに、触れたものから雑菌が付着し、ニキビにつながることがあります。ニキビを潰したりいじったりするのも刺激となり、ニキビの悪化やニキビ跡の原因となるため注意しましょう。

紫外線

特にあごのあたりは帽子や日傘を使っていても紫外線が当たりやすい部分です。紫外線によって乾燥が起き、肌を守るために角質が厚くなって毛穴が詰まりやすくなります。さらに、紫外線によって炎症が起きたり、ニキビ跡につながったりすることもあります。

生活習慣の乱れ

あごやフェイスラインのニキビはホルモンバランスが大きな原因だといわれています。ホルモンバランスが崩れると、皮脂の分泌が増えたり毛穴が詰まりやすくなったりするのです。

ホルモンバランスの乱れの原因として、不規則な生活やストレス、睡眠不足などが挙げられます。

ニキビ全般の原因はこちらで詳しく解説しています。

あご・フェイスラインのニキビの予防・対処法

あごやフェイスラインのニキビを予防・改善するためにはどうすればよいのでしょうか?その方法について詳しく見ていきましょう。

皮膚科で治療を受ける

ニキビができたらまずは皮膚科で治療を受けましょう。毛穴に皮脂が詰まった状態の、いわゆる白ニキビの時から治療が可能なので、早めに受診するとよいでしょう。早めに治療を始めることで、ニキビの悪化やニキビ跡の予防にもつながります。

皮膚科の治療では、毛穴の詰まりを改善する塗り薬、抗菌薬の飲み薬や塗り薬などを使うことが多いです。その他、漢方薬やビタミン剤、低用量ピル、ケミカルピーリングなども選択肢となります。

むやみに刺激を与えない

頬杖や口元をぬぐう動作が癖になっている場合は控えましょう。ニキビをむやみにいじるのもNG。また、できるだけマフラーを使わない、マスクは摩擦の少ない布製(綿やシルク)のものを使うなどの工夫が必要です。髪の毛はあごやフェイスラインにかからないように束ねましょう。

産毛処理やひげ剃りの際は、シェービングクリームを使います。カミソリよりも電気シェーバーのほうが刺激が少ないとされています。

マスクによるニキビの原因、対策はこちらで詳しく解説しています。

丁寧に洗顔する

肌を清潔に保ち、余分な皮脂を取り除くためには洗顔がとても大事です。ただし、皮脂をとりすぎるとかえって過剰な皮脂分泌を招くため、日本皮膚科学会の治療ガイドラインでは、洗顔は1日2回が推奨されています。

また、強くこするのも肌の刺激となります。よく泡立て、泡で洗うイメージでやさしく洗いましょう。

あごやフェイスラインにすすぎ残しがないように、ぬるま湯(30~37℃)で優しく丁寧にすすぎ、清潔なタオルで押さえるように水分をオフしてください。

十分に保湿する

洗顔後は乾燥しやすい状態になっているため、すぐに保湿しましょう。油分の少ない化粧水や乳液をたっぷりと使って保湿をしてください。ノンコメドジェニックテスト済み(ニキビができづらいように設計されたもの)の化粧品を選ぶのもよいでしょう。

紫外線対策を行う

日傘や帽子だけではあごやフェイスラインに当たる紫外線はカバーしきれません。そのため、日焼け止めを塗ったほうがよいでしょう。

ただし、日焼け止めが肌の刺激となることがあるため、ニキビや敏感肌でも使える低刺激のものを選びましょう。「ノンケミカル」、「紫外線吸収剤フリー」などと表記されたものが目印です。

生活習慣を整える

生活習慣の乱れはホルモンバランスの乱れなどにつながり、ニキビにとって悪影響が多いです。そのため、以下のような点に気をつけましょう。

十分な睡眠をとる

睡眠不足は自律神経やホルモンバランス、ターンオーバーの乱れにつながります。そのため、十分な睡眠時間を確保しましょう。

特に、成長ホルモンが分泌されやすい22~2時の間に寝るのがよいといわれていますが、その時間に寝られなくても、毎日決まった時間に寝ること、質の良い睡眠をとることを心がけるとよいでしょう。

質の良い睡眠のためには、以下のようなことがポイントとなります。

  • 日中は適度に運動し、ほどよく疲れておく
  • 寝る1~2時間前に入浴し、体温を上げる
  • 寝る前にスマホなどの画面を見ない
  • 照明を暗めにする
  • アロマやゆったりした音楽などでリラックスした時間を過ごす

寝る前にリラックスすることは、ストレス解消にもつながります。

栄養バランスのとれた食事をする

脂質や糖質の多い食べ物を摂りすぎると、過剰な皮脂分泌につながるため控えましょう。さらに、すこやかな肌をつくるためにはタンパク質、ビタミン、ミネラルなども重要です。そのため、野菜などをたっぷり摂り、バランスよく食べることが大事です。

また、便秘もよくないので食物繊維を積極的に摂りましょう。

ストレスをうまく解消する

ストレスは自律神経の乱れから過剰な皮脂分泌やターンオーバーの乱れにつながります。そのため、ストレスを解消するために、適度な運動、趣味の時間を作る、ゆっくり入浴する、アロマを使うなど、自分に合った方法を試してみましょう。

ニキビ全般の対処法、治療法はこちらで詳しく解説しています。

クリニックフォアでは、オンライン診療でニキビ治療を行っています。薬は自宅などに配送するため、自宅にいながらニキビ治療が可能です。あごやフェイスラインにニキビができてしまったら、ぜひ検討してみてください。

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参考文献

  1. 公益社団法人 日本皮膚科学会, 2017,「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」,日本皮膚科学会雑誌 127 (6):1261-1302