お尻ニキビの特徴
お尻は毛穴が多く、下着のこすれや圧迫などの刺激を受けやすい場所なので、毛穴が詰まり、ニキビにつながりやすいです。また、下着などで蒸れやすく細菌も繁殖しやすいです。ニキビの原因となるアクネ菌が繁殖すると、炎症が起こることがあります。
炎症を起こして腫れたいわゆる赤ニキビは痛みを伴うことがあり、座る時に痛みを感じたり、不快な思いをしたりすることがあるのも特徴です。
お尻ニキビの原因
お尻は常に下着をはいているため、他の部分に比べて蒸れや摩擦、圧迫などの負担がかかりやすい部分です。ここでは、お尻ニキビの原因について詳しく見ていきましょう。
蒸れ
お尻は、長時間座っていたり、通気性の悪い下着、生理用ナプキンなどを使っていたりすることで、蒸れが生じやすい場所です。蒸れると雑菌が繁殖してニキビにつながることがあります。
摩擦や圧迫
座っている時も寝ている時もお尻には圧がかかり、摩擦の刺激にもさらされています。下着やストッキングなども摩擦、圧迫の原因となります。
皮膚が刺激を受けると、肌のバリア機能が低下したり、ターンオーバーのサイクルが乱れたりして毛穴が詰まり、ニキビにつながることがあります。
ニキビ全般の原因はこちらで詳しく解説しています。
お尻ニキビの予防・対処法
お尻ニキビの予防やケアのためには、日常生活の中で気をつけたほうがよいことがたくさんあります。詳しく見ていきましょう。
皮膚科で治療を受ける
ニキビができたら、まずは皮膚科で早めに治療を受けましょう。皮膚科では、症状に合わせて毛穴の詰まりを解消する塗り薬や、抗菌薬の飲み薬、塗り薬などを使って治療を行います。場合によっては漢方薬やビタミン剤、ケミカルピーリング、レーザー治療なども選択肢となります。
毛穴に皮脂が詰まる、いわゆる白ニキビの状態から治療が始められるので、早めに受診するとよいでしょう。
さらに、以下のようなセルフケアも同時に行うことが大事です。
蒸れ・摩擦・圧迫を減らす
椅子に長時間座ったままでいると、お尻の負担になり蒸れにもつながるため、たまに立ち上がったりして姿勢を変えるようにしましょう。硬い椅子ではなく、クッションを敷いたほうが負担が少なくなります。もちろん、ニキビをいじったりつぶしたりしてはいけません。
さらに、次の項目で説明するような服装にも注意するとよいでしょう。
服装に注意する
締め付けの強いスキニーやジーンズ、お尻までカバーするストッキングなどは避けましょう。ポリエステルなどの化学繊維の下着に刺激を感じる場合は、コットンなどの素材のものを選ぶのがおすすめです。
また、下着に残った洗剤や柔軟剤の成分が刺激になることもあります。その場合は、低刺激の洗濯洗剤に変えるのも一つの方法です。その他、汗をかいたあとは早めに着替えるなどの対応も大事です。
優しく洗う
お尻の汚れや皮脂を取り除くために、お風呂で十分に洗いましょう。ただし、強くこすると刺激となってしまうため、ソープをよく泡立て、優しく洗ってください。洗浄力が強いボディーソープは肌の負担になるため、低刺激のものや石けんを使うとよいでしょう。
また、洗浄成分が残っていると肌への刺激となるため、十分にすすぐことが大事です。体を洗うのを最後にすると、シャンプーやリンスの成分が残ることが防げます。お風呂を出たら柔らかいタオルで押さえるように優しくふきましょう。この時も、強くこするのはNGです。
保湿を行う
乾燥や摩擦による負担の軽減のために、入浴後はボディクリームなどで保湿をしましょう。乾燥すると余計に皮脂が分泌されたり、肌のバリア機能が低下したりしてニキビの原因となるため、保湿はとても大事です。
生活習慣を改善する
脂質や糖質の多い食べ物は皮脂の過剰分泌や毛穴詰まりにつながることがあるので、食生活にも注意しましょう。肌の健康のためには、魚や肉、野菜などでたんぱく質やビタミンなどもバランスよく摂取してください。
また、ホルモンバランスの乱れなどを防ぐため、寝不足やストレスを避け、十分な睡眠、ストレス発散などを心がけましょう。
ニキビ全般の予防・対処法、治療法などは以下で詳しく解説しています。
ニキビではなく他の病気である可能性も!
お尻ニキビだと思っているものが、実は他の病気である可能性もあります。可能性がある病気について詳しく見ていきましょう。
毛嚢炎(毛包炎)
毛嚢炎(毛包炎)とは、毛穴を包む毛包に細菌などが感染し、炎症を起こした状態のことです。悪化して大きく腫れ上がった状態は癤(せつ)と呼ばれ、痛みを伴うこともあります。また、マラセチア菌というカビの一種が原因となる、マラセチア毛包炎の可能性もあります。
毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)
毛孔性苔癬とは、角質が毛穴に詰まってブツブツやザラザラができるものです。肌色、薄い赤色、褐色などの色をしていることが多く、かゆみや痛みなどはほとんどありません。
化膿性汗腺炎
化膿性汗腺炎とは、汗を分泌する汗腺や、毛包の機能障害によって毛包に炎症が起き、ニキビのようなものができる病気です。ひどくなると膿が出たり、皮膚の下にトンネルのようなものができたりしてしまい、痛みなどによって日常生活に支障をきたすこともあります。
粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤とは、皮膚の下に袋状の嚢腫ができ、角質や皮脂が溜まったものです。大きくなると十数センチにもなり、悪臭を放つこともあります。
粉瘤についてはこちらでも解説しています。
お尻ニキビが気になったら皮膚科の受診を!
お尻ニキビは皮膚科で治療を受けることができます。また、ニキビではない場合もあるため、正しい診断や治療を受けるためにも皮膚科の受診が必要です。
その他、デリケートゾーンのできものは性器カンジダ症などの性感染症の可能性もあり、その場合は婦人科を紹介されることもありますが、まずは皮膚科に相談してみるとよいでしょう。
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