※※自由診療
※医師の判断によりお薬の処方ができない場合があります
ニキビにロコイド軟膏は使える?
顔の湿疹やかぶれで処方されたロコイド軟膏が引き出しに残っていて、赤く腫れたニキビにも使えるのではないかと考えた方もいるのではないでしょうか。
「弱いステロイドと聞いたし、顔のために出されたお薬なら大丈夫では?」と、判断がつかないまま手が止まってしまいますよね。
添付文書に書かれた効能・効果を先に確認しておくと、そのお薬が何のために作られたのかがはっきりし、迷っている時間に区切りをつけられるでしょう。
ここでは、ニキビにロコイド軟膏を使ってよいのかという疑問について、結論から詳しく解説します。
添付文書の効能・効果にニキビは含まれていない
ロコイド軟膏をニキビの治療目的で塗ることは、国内で認められた使い方ではありません。
添付文書に記載されたロコイド軟膏の効能・効果は、湿疹・皮膚炎群、痒疹群、乾癬、掌蹠膿疱症とされています[1]。
この一覧のどこにもニキビ(尋常性痤瘡)という病名は挙がっておらず、もともとニキビに用いることを想定して設計されたお薬ではないと分かります。
効能・効果には脂漏性皮膚炎が含まれており、これは顔に赤みや小さな盛り上がりが出るためニキビと見間違えられやすい病気です[1]。
「以前に顔のブツブツへ塗ったら効いた」という記憶が、実はニキビ以外の症状に対する効果だったというケースも考えられます。
効能・効果という客観的な記載を確かめられれば、使うかどうかで悩む時間をぐっと短くできます。
赤みが引いても治ったことにはならない
ロコイド軟膏を塗って赤みが薄れたとしても、ニキビが治ったことにはなりません。
ステロイドには炎症を抑える働きがあるため、赤みや腫れといった見た目の症状は数日で和らぐことがあります。
ただし毛穴のつまりやアクネ菌の増殖というニキビの成り立ちそのものには働きかけないため、原因は皮膚の中に残ったままです。
塗るのをやめて数日たった頃に同じ場所が再び赤くなり、以前より治りが遅くなったと感じる方も少なくありません。
「あのときは効いた」という感覚が、次にニキビができたときも手を伸ばしてしまう習慣につながっていきます。
見た目の変化と治ることは別物だと押さえておけば、遠回りを避けられるでしょう。
ロコイド軟膏はどんなお薬?成分と強さ
名前は知っていても、どんな成分が入っていてどれくらい強いお薬なのかまでは意識していない方も多いのではないでしょうか。
「子どもにも処方されるくらいだから、顔に塗っても問題ないのでは?」と考えてしまいますよね。
成分と強さのランクを把握しておくと、それをニキビに塗るという行為の意味合いが具体的に見えてくるでしょう。
ここでは、ロコイド軟膏の成分とステロイドの強さについて詳しく解説します。
ヒドロコルチゾン酪酸エステルを含むステロイド外用薬
ロコイド軟膏の有効成分は、ヒドロコルチゾン酪酸エステルというステロイドです[1]。
ステロイドは体の過剰な免疫反応を抑えることで、炎症、赤み、かゆみをやわらげる働きを持っています。ロコイドは、ステロイド外用薬の強さ5段階中、上から4番目のミディアム(IV群)に分類されます。
抗菌薬は配合されておらず、ステロイドの単剤として作られている点で、抗菌薬を含むリンデロン-VGと違い、またステロイド外用薬の強さ5段階中、上から3番目のストロング(III群)に分類されるリンデロン-VGよりもロコイドは作用がマイルドです。
細菌に働きかける成分が入っていないため、アクネ菌が関わるニキビに対して菌を減らす作用は期待できません。
炎症を抑える働きだけが表に出て、原因はそのまま残るという状態になりやすいでしょう。
何が入っていて何が入っていないかを知っておけば、名前の印象だけで判断せずに済みます。
5段階のうち上から4番目のミディアムに分類される
ロコイド軟膏は、外用ステロイドの強さを5段階に分けた分類でミディアムに位置づけられています。
5段階はストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、ミディアム、ウィークの順に並んでおり、ミディアムは上から4番目にあたります。
弱いほうに位置するため、皮膚の薄い顔や小さな子どもへの処方でも選ばれやすいお薬です。
ただし弱いランクだから副作用が起きないという意味ではなく、添付文書には頬や口の周りの潮紅、膿疱、丘疹、毛細血管拡張といった症状が報告されています[1]。
顔の皮膚は腕や脚に比べて薄く、外から塗った成分が吸収される割合が高い部位のため、弱いランクでも塗り続ければ変化は現れます。
強さのランクという物差しを持っておくと、手元のお薬をどう扱うべきかを冷静に考えられるでしょう。
ロコイド軟膏をニキビに塗ると起こり得ること
適応外だと言われても、実際に何が起こるのかが見えないままだと、危険性が自分ごとになりにくいですよね。
「少しくらいなら平気では?」「悪化するとしたらどんなふうに?」と、具体的な像が浮かばず判断を先延ばしにしてしまう方もいるでしょう。
起こり得る変化を先に知っておくと、目の前のニキビにお薬を塗るかどうかを自分の言葉で決められるようになります。
ここでは、ロコイド軟膏をニキビに塗った場合に起こり得ることについて詳しく解説します。
毛穴の中で細菌が増えやすくなる
ステロイドを塗った部分では皮膚の免疫の働きが抑えられ、細菌が増えやすい状態になります。
ステロイドには炎症を鎮める作用と同時に、体が細菌や真菌を排除しようとする反応そのものを弱める作用があるためです。
ニキビは毛穴の中でアクネ菌が増えることが関わって生じるため、菌を抑える力が落ちた皮膚ではかえって数が増えていくことも考えられます。
塗り始めた数日は赤みが薄れて順調に見えても、2週間ほどたった頃に周囲へ小さな発疹が広がっていくケースが知られています。
ニキビだと思っていたものが実は毛嚢炎や水いぼだった場合には、一気に広がってしまう可能性も否定できません。
見た目の炎症が引くことと、皮膚が守られていることは別だと理解しておきましょう。
ステロイドざ瘡や酒さ様皮膚炎を招くことがある
ステロイド外用薬を顔に塗り続けると、ニキビによく似た症状が新たに現れることがあります。
ステロイドざ瘡は、赤い小さな盛り上がりが同じような大きさで一面に並ぶのが特徴で、もとのニキビと見分けがつきにくい状態です。
酒さ様皮膚炎は頬や口の周りを中心に赤みが広がり、ほてりやヒリヒリとした感覚を伴います。
どちらもニキビと似ているため、症状が増えたのを見て「効いていないからもっと塗ろう」と量を増やしてしまう流れが起こりがちです。
塗るほどに発疹が広がってやめられなくなり、改善までに数ヶ月かかった状態で受診する方も見られます。
似た見た目でも原因が違う症状があると知っておけば、早い段階で立ち止まれるでしょう。
弱いランクでも顔では副作用が出やすい
弱いランクのステロイドであっても、顔に長く塗れば副作用が現れることがあります。
顔は皮膚が薄いぶん成分が体に取り込まれやすく、同じ量を塗っても腕や脚より影響を受けやすい部位です。
長期にわたって塗り続けると、皮膚が薄くなる、毛細血管が浮き出る、うぶ毛が濃くなるといった変化が出てくる場合があります。
まぶたの周りは顔のなかでもとりわけ皮膚が薄く、慎重な扱いが求められる場所です。
「弱いお薬だから」「数日だけだから」という感覚が、部位によっては当てはまらない点は押さえておきたいところです。
塗る場所によってリスクが変わると知っておけば、手元のお薬を安易に転用せずに済むでしょう。
ニキビに使われる治療薬と受診の目安
ロコイド軟膏が向かないと分かっても、では何を塗ればいいのかが見えないままだと動き出せませんよね。
「市販薬で足りるの?」「もう塗ってしまったけれど大丈夫?」と、次の一歩の見当がつかない方も多いでしょう。
ニキビには専用に開発された治療薬があり、受診の目安を知っておけば迷う時間も短くなります。
ここでは、ニキビに使われる治療薬と受診の目安について詳しく解説します。
毛穴のつまりとアクネ菌に働く外用薬
ニキビの治療に用いられるのは、毛穴のつまりとアクネ菌のそれぞれに働きかける外用薬です。
アダパレンは毛穴の出口の角質が厚くなる過程に働きかけるお薬で、まだ赤くなっていない段階のニキビから使えます[2]。
過酸化ベンゾイルはアクネ菌を減らす働きと角質をやわらげる働きをあわせ持ち、炎症のあるニキビにも用いられるお薬です[3]。
赤みや膿を伴う場合には、クリンダマイシンなどの外用抗菌薬が組み合わされることもあります。
いずれも処方薬にあたるため、入手には診察が欠かせません。
炎症が強い時期に頼れる手立てがあると知っておけば、市販薬で耐え続ける必要はなくなります。
すでに塗ってしまった場合と受診の目安
すでにロコイド軟膏を塗っていた場合は、次にどうするかを皮膚科で相談してください。
数日程度であれば中止して様子を見て問題ないことが多いものの、数週間以上続けていた場合は急にやめると強い赤みが出ることがあります。
いつから、どの部位に、どれくらいの頻度で塗っていたのかをメモし、お薬そのものを持参すると医師が状態を把握しやすくなります。
赤みが顔全体へ広がっている、同じ大きさの発疹が一面に並んでいる、ヒリつきや熱っぽさが続いているといった変化は、早めの受診が望ましい状態です。
痛みを伴うしこりが大きくなってきた、跡が残り始めているという場合も、選べる手立てが多いうちに診てもらうほうが結果につながります。
迷った時点で一度相談しておけば、長引かせずに済みます。
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ニキビとロコイド軟膏に関するよくある質問
ここまで読んでも、自分の状況に照らすと判断がつかない部分が残っている方もいるでしょう。
「市販でも買えるのでは?」「子どもに出るお薬なのになぜ?」といった疑問は、調べても答えが揃いにくいところですよね。
寄せられやすい質問を確認しておくと、診察の場で聞くべきことも絞り込めるでしょう。
ここでは、ロコイド軟膏とニキビについてよく寄せられる4つの質問について詳しく解説します。
Q:ロコイド軟膏は市販で買えますか?
A:ロコイド軟膏は医師の処方が要る医療用医薬品のため、薬局やドラッグストアの店頭で購入することはできません。
同じ成分を含む市販薬は販売されていますが、ニキビ用として作られたものではない点は変わりません。
ニキビには専用の市販薬や処方薬がありますから、そちらから選ぶようにしてください。
Q:子どもにも処方されるお薬なのに、なぜニキビには使えないのですか?
A:小さな子どもに処方されるのは、湿疹やかぶれといった効能・効果に含まれる症状に対してです。
弱いランクであることと、どんな症状にも使えることはまったく別の話になります。
お薬は症状に合わせて選ぶものだと考えると、区別がつけやすくなるでしょう。
Q:ニキビ跡の赤みには使えますか?
A:ニキビ跡として残る赤みに対して、ロコイド軟膏を塗ることは勧められません。
跡の赤みは炎症が治まったあとに毛細血管が広がって残っている状態で、ステロイドで解決する性質のものではありません。
多くは時間の経過とともに薄くなりますが、長く残る場合は跡に対する治療を医療機関で相談してみてください。
Q:皮膚科でロコイド軟膏を処方されたのですが大丈夫ですか?
A:医師が診察のうえで処方したのであれば、指示どおりに塗って問題ありません。
ニキビによく似た見た目でも、脂漏性皮膚炎やかぶれなど別の病気だと判断されている場合があります。
何のために出されたお薬か分からず不安なときは、次の受診で診断名と塗る期間を確認しておくと安心です。
まとめ|ロコイド軟膏はニキビ用に作られたお薬ではありません
ロコイド軟膏はヒドロコルチゾン酪酸エステルを含む外用薬で、添付文書の効能・効果にニキビ(尋常性痤瘡)は含まれていません[1]。
抗菌薬を含まない単剤であるため、アクネ菌が関わるニキビに対して菌を減らす働きは期待できません。
塗った直後に赤みが薄れることはあっても、毛穴のつまりという原因には働きかけないため、治ったことにはならないのです。
ステロイドの強さは5段階のうち上から4番目にあたりますが、顔は成分が吸収されやすく、弱いランクでも副作用が現れることがあります。
塗り続けるとステロイドざ瘡や酒さ様皮膚炎といったニキビに似た症状を招き、かえって治療が長引く場合もあるでしょう。
ニキビにはアダパレンや過酸化ベンゾイル、外用抗菌薬といった専用の治療薬があり、いずれも診察を受けることで処方を受けられます。
手元のお薬で何とかしようとせず、ニキビに合った治療を選ぶことが、遠回りせずに肌を整える近道になります。
※※自由診療
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