加齢による白髪と若白髪に違いはある?
加齢による白髪と若白髪において、毛根や髪自体に違いはないと考えられています。
ただ、全体的な傾向として、加齢による白髪はもみあげを中心に広がり、若白髪は頭全体にランダムに広がるケースが多いと言われています。
また、病的なものが原因の場合、一か所に集中して白髪が発生することもあります。
白髪のメカニズム
生まれたばかりの髪の毛はもともと白色で、成長する時に色素細胞(メラノサイト)からメラニン色素を取り込むことで、髪が黒くなります。そして、メラノサイトの機能が低下したり、メラノサイト自体がなくなったりすることが、白髪の原因と考えられています。
ただ、白髪のメカニズムは、はっきりと解明されているわけではありません。
生活習慣も!若白髪の7つの原因
続いて、若白髪になる原因として考えられる以下の7つのポイントについて詳しく解説します。
- 頭皮がダメージを受けている
- 食生活
- 運動不足
- 睡眠不足
- 過度なストレス
- 喫煙
- 病気
頭皮がダメージを受けている
紫外線や摩擦による刺激など、頭皮がダメージを受けている場合、若白髪の原因になることがあります。
紫外線は頭皮に直接ダメージを与える要因の一つです。紫外線は髪の毛に色素を供給するメラノサイトにダメージを与え、その結果としてメラニンの生成が阻害されることがあります。
また、日常生活での摩擦も頭皮に悪影響を与えます。例えば、過度なブラッシングや髪の毛を強く引っ張るような髪型は、頭皮に物理的なダメージを与えます。これらの状態が慢性化すると、頭皮が炎症を起こし、メラノサイトの機能が低下する可能性があるでしょう。その結果、髪の成長が遅れたり、メラニンの生成が減少したりして、若白髪が増える可能性もあります。
食生活
朝食を抜いたり、バランスの取れていない食事が続いたりしているなど、食生活の乱れも若白髪につながります。朝食を抜くことは、体全体のエネルギーバランスを崩し、髪の健康にも悪影響を及ぼします。朝食を取らないことで、体が慢性的な栄養不足状態に陥り、髪の成長が遅れる可能性があるでしょう。
タンパク質、鉄分の不足、糖質や脂質の過剰摂取にも注意が必要です。
タンパク質不足
タンパク質は髪の主要な構成要素であり、健康な髪を維持するために不可欠です。特にメラニン色素の生成には、タンパク質由来のアミノ酸であるチロシンが重要です。
タンパク質が不足すると、チロシンの供給が減少し、メラニンの生成が滞るため、白髪が増える恐れがあります。
ミネラル不足
鉄などのミネラルも髪の健康に重要です。鉄が不足すると貧血を引き起こし、血液中の酸素運搬能力が低下します。頭皮が酸素不足に陥ると、メラニン色素を生成するメラノサイトの機能が低下し、白髪が増える原因となります。
糖質の過剰摂取
糖質を過剰に摂取すると、余分な糖が体内のタンパク質と結びついて糖化現象を引き起こします。糖化は細胞の機能を低下させ、頭皮の老化を促進します。結果として、髪の成長が妨げられ、白髪が増える恐れがあります。
脂質の過剰摂取
脂質の過剰摂取は血流を悪化させることがあります。血流が悪くなると、頭皮への栄養供給が不十分になり、髪の健康に悪影響を及ぼします。
運動不足
運動不足が若白髪の原因となることはあまり知られていませんが、実際には大きな影響を与える要因の一つです。運動をすることで血行が良くなり、頭皮にも十分な血液と栄養が行き渡ります。これにより、毛根の健康が保たれ、メラニン色素を生成するメラノサイトも正常に機能します。
しかし、運動不足になると血行が悪くなり、頭皮に十分な栄養が届かなくなります。これが原因でメラノサイトの働きが低下し、髪の色素が不足して若白髪が増えることになります。また、運動不足は代謝の低下やストレスの蓄積にもつながり、さらに若白髪を引き起こすリスクを高めることになります。
睡眠不足
睡眠不足も若白髪の大きな原因の一つです。睡眠は体全体の修復と再生に欠かせない時間であり、特に深い眠りの時間に成長ホルモンが分泌され、細胞の再生が促進されます。
この成長ホルモンは髪の毛の健康にも直結しており、十分な睡眠を取ることでメラノサイトの機能も維持されます。しかし、睡眠不足や睡眠の質が悪いと、成長ホルモンの分泌が減少し、細胞の再生が十分に行われなくなります。その結果、メラノサイトの働きが低下し、髪の色が薄くなって白髪が増えてしまうのです。
過度なストレス
過度なストレスも若白髪を引き起こす大きな要因です。ストレスがかかると、交感神経が優位になり、ノルアドレナリンという神経物質が過剰に放出されます。このノルアドレナリンは血管を収縮させ、血行を悪化させるため、頭皮への血流が減少し、毛根やメラノサイトに必要な栄養が届かなくなります。その結果、メラノサイトの機能が低下し、髪の色が薄くなることにつながります。
また、過度なストレスが続くと、ノルアドレナリンは髪の色をつくる細胞(幹細胞)を直接減らすことがわかっています。これにより、若白髪が急激に増えることがあるのです。
喫煙
タバコの煙には多くの有害物質が含まれており、これらが血管を収縮させるため、頭皮への血液の供給が減少します。血液の流れが悪くなると毛根やメラノサイトに十分な酸素や栄養が届かなくなり、その結果、メラニン色素の生成が妨げられ、白髪が増えることになります。
また、喫煙によって体内で活性酸素が増加し、細胞の老化を促進します。この活性酸素は頭皮の細胞やメラノサイトにダメージを与え、メラノサイトの機能低下を引き起こすこともあります。さらに、喫煙は全身の血行不良を引き起こし、髪の健康にも悪影響を及ぼします。
病気
若白髪の原因として、特定の病気が関与している場合もあります。例えば、甲状腺機能低下症や尋常性白斑、フォークト・小柳・原田病、悪性貧血(ビタミンB12不足)などが挙げられます。これらの病気はメラニンの産生に影響を与え、白髪を引き起こすことがあります。
甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモンの不足により新陳代謝が低下し、髪の成長が遅くなり、メラニンの生成が妨げられます。尋常性白斑は、メラノサイトが自己免疫反応によって破壊されるため、色素が失われて白髪になります。また、ビタミンB12不足による悪性貧血では、DNAの合成が阻害され、メラノサイトの生成が妨げられます。さらに、円形脱毛症ができた後、再生する髪が白髪になることもあります。これらの病気が原因の場合、根本的な治療が必要です。
若白髪は治る?
若白髪は治るケースと治らないケースがあります。
メラノサイトの働きが一時的に低下して白髪になっている状態(休止型)の場合は、メラノサイトが残っているので、働きが戻ればメラニンも生成されるようになり、黒髪に戻る可能性があります。
一方、メラノサイトの働きが完全に止まった白髪(欠失型)の場合は黒髪に戻らない恐れがあります。
自分の白髪がどちらのタイプなのか判断することはほぼ不可能なので、まずは予防・改善に努めてみましょう。次の項で解説するように、生活習慣の改善などでよくなるケースもあります。
若白髪の予防・改善のための10の方法
ここからは、若白髪の予防・改善のために心がけたい10のポイントをご紹介します。
頭皮に負担をかけない
若白髪を予防・改善するためには、頭皮に負担をかけないことが重要です。正しいシャンプー方法、紫外線ケア、過度なヘアケアやカラー・パーマを避けることで、頭皮の健康を保ちましょう。
シャンプーを行う際は、まず髪をよくすすぎ、汚れや皮脂を落とします。シャンプー剤を直接頭皮にかけるのではなく、手のひらで泡立ててから頭皮全体に優しくマッサージするように洗います。指の腹を使い、頭皮を傷つけないように心がけましょう。すすぎ残しがないようにしっかり洗い流すことも重要です。
紫外線ケアも忘れずに
紫外線は頭皮にダメージを与え、メラノサイトの機能を低下させる原因となります。外出時には日傘や帽子を使用して紫外線をカットすることが大切です。特に夏場や直射日光が強い時間帯には、紫外線対策を徹底しましょう。
また、過度なヘアケア・カラー・パーマをやめることも大切です。
頻繁にヘアカラーやパーマを行うと、頭皮や髪に負担がかかり、健康を損なう原因となります。これらの化学処理を控えることで、頭皮の健康を保ち、若白髪の予防に繋がります。
栄養をしっかり摂る
若白髪の予防には、バランスの取れた食事が重要です。特に髪の健康に関わる栄養素(タンパク質、鉄分、亜鉛など)を意識して摂取しましょう。
タンパク質を積極的に摂る
髪の主成分はタンパク質であり、不足すると髪の健康が損なわれ、白髪が増える原因となります。髪を黒くするメラニン色素(チロシン)は、タンパク質を基に生成されるため、タンパク質をしっかり摂ることが必要です。多く含む食材には、肉、魚、大豆製品、卵などがあります。
鉄分を積極的に摂る
鉄分は貧血を予防し、頭皮への酸素供給を維持するために重要です。メラノサイトが正常に機能するためには、十分な鉄分の摂取が必要です。多く含む食材には、レバー、赤身の肉、ほうれん草、豆類などがあります。ヘム鉄(動物性食品)と非ヘム鉄(植物性食品)がありますが、ヘム鉄の方が吸収率が高いです。
亜鉛を積極的に摂る
亜鉛は細胞の生成や修復に関与しており、髪の健康にも重要な役割を果たします。白髪の予防に効果的です。多く含む食材には、牡蠣、牛肉、ナッツ類などがあります。
ビタミンも摂る
ビタミンB群やビタミンEは、髪の健康を保つために重要です。ビタミンB群は髪の成長を促し、ビタミンEは血行を促進し、頭皮の健康を保ちます。多く含む食材には、豚肉、卵、ナッツ、アボカドなどがあります。
カルシウムも摂る
カルシウムは細胞の生成や機能維持に重要で、白髪予防にも関与しています。多く含む食材には、乳製品、小魚、緑黄色野菜などがあります。
脂質・糖質はほどほどに
適量の脂質・糖質は健康維持に必要ですが、過剰な摂取は若白髪の原因となります。
バランスの取れた食事を心掛け、脂質や糖質の摂取量を管理しましょう。特に、加工食品や甘い飲み物の摂取を控え、全粒穀物、野菜、果物を多く取り入れるのがおすすめです。
適度に運動する
運動は血流改善に役立ち、頭皮への血行を促進します。また、ストレス解消や睡眠の質向上にも効果的で、定期的な運動は、成長ホルモンの分泌を促し、髪の健康を保つために重要です。
週に2回以上の適度な運動(例:ウォーキング、ジョギング、ヨガなど)を行うことで、頭皮への血行が良くなり、若白髪の予防につながります。また、運動は全身の健康維持にも貢献します。
十分な睡眠をとる
十分な睡眠をとることも、若白髪対策のためには重要です。成人は1日6時間以上の睡眠が推奨されます(必要な睡眠時間には個人差があります)。特に深い睡眠を取ることが重要です。
深い睡眠をとるためには、就寝前にリラックスする時間を持ち、スマホやパソコンの使用を控えましょう。規則正しい生活リズムを保ち、寝室の環境(暗さ、静かさ、快適な温度)を整えることも大切です。
ストレスをためない
ストレスは若白髪の大きな原因の一つです。適度なリラクゼーションを心がけ、ストレスを解消する方法を見つけましょう。ヨガや瞑想、趣味の時間を持つことが有効です。睡眠もストレス解消につながります。
禁煙に努める
喫煙は血管を収縮させ、頭皮への血行を悪化させます。また、活性酸素の増加により、頭皮や髪の老化が進みます。禁煙を心がけることで、若白髪の予防に繋がるため、出来る限り努力してみましょう。
スマホやデスクワークのやり方に注意する
長時間のスマホ使用やデスクワークは、姿勢の悪化や肩こりを引き起こし、頭皮の血行を悪化させます。定期的に休憩を取り、ストレッチを行うことで、血行を改善しましょう。
ヘアカラーで一時的に対策するのも〇
若白髪が気になる場合は、ヘアカラーで一時的にカバーすることも一つの方法です。ただし、過度なカラーリングは避け、頭皮へのダメージを最小限に抑えることが重要です。これにより、白髪のストレスを軽減し、気持ちを前向きに保つことができます。
白髪は絶対に抜かないで!
白髪を抜くと、周辺の細胞にダメージを与えることがあります。そのせいで皮膚炎や薄毛につながることもあるので、白髪は抜かないようにしましょう。
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※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。