薄毛にはどんなタイプがある?
髪型を変える前に、どういった髪型に変えると薄毛が目立たないのかを判断する必要があります。まず、自分の薄毛タイプを確認しましょう。
薄毛タイプは以下のように分類されます。
①つむじ薄毛タイプ
AGAに多いタイプで、つむじのある頭頂部の髪の毛が特に薄いタイプになります。自分からは見えにくいにもかかわらず他人からは目立ってしまいがちなタイプです。
②生え際後退タイプ
こちらもAGAに多いタイプで、いわゆるM字ハゲといわれる薄毛タイプになります。鏡で見て一目でわかってしまうタイプで、下手に隠そうと髪型をセットすることでかえって悪目立ちしてしまいやすいタイプでもあります。
M字ハゲの進行度が気になる方は、セルフチェックで現在の状態を確認することをおすすめします。生え際が指3本分以上後退している場合や、剃り込み部分が深くなっている場合は、早めの対策が効果的です
もっと知りたい方はこちらの記事をお読みください!
M字ハゲの進行度チェック!「生え際の後退」が目立ってきたときの対策について医師が解説します。
③同時進行タイプ
つむじ薄毛・生え際後退が同時に進行してしまうタイプになります。時間差でどちらかが起きた後にもう一方が起きるものもあれば、同時につむじ・生え際が薄毛になってしまう場合もあります。両方起きてしまうので特に薄毛の悩みが強くなってしまいがちなタイプでもあります。
【今日からできる】M字ハゲを目立たせない即効対策
「明日の大事な予定までに何とかしたい」という方のために、すぐに実践できる対策方法をご紹介します。これらは根本的な治療ではありませんが、視覚的に薄毛を目立たなくする効果が期待できます。
手段別の比較表
| 手段 | 即効性 | 持続性 | 月あたり費用目安 | 注意点 | こんな方におすすめ |
| 髪型の工夫 (短髪・分け目変更) | 高い | 中程度 | 0〜6,000円 | 似合う髪型に個人差あり。職場や学校の規則も確認 | 今すぐ印象を変えたい方 |
| 繊維パウダー (増毛パウダー) | 非常に高い | 高い(洗髪まで) | 1,500〜3,000円 | 汗や雨で落ちる可能性。枕カバーへの色移りに注意 | 会議や写真撮影など特定の日に使いたい方 |
| カラーリング (明るめの色) | 中程度 | 中程度(色落ちあり) | 6,000〜10,000円 | 髪や頭皮へのダメージ。職場規則の確認が必要 | 黒髪で地肌とのコントラストが強い方 |
| SMP (頭皮への色素注入) | 高い | 高い(数年) | 総額10〜30万円 (分割の場合月1〜3万円) | 施術者の技術に左右される。徐々に退色する | 坊主・ベリーショートを好む方 |
| 部分ウィッグ | 非常に高い | 高い | 3,000〜10,000円 (メンテナンス込) | 装着感やズレ。定期的なメンテナンスが必要 | 式典や舞台など特別な場面で使いたい方 |
| AGA治療 (外用薬・内服薬) | 低い (2〜6か月後) | 非常に高い (継続必要) | 3,000〜15,000円 | 効果実感まで数か月。副作用の可能性あり | 数か月かけて根本的に改善したい方 |
薄毛になったらどんな髪型がいい?
次に、薄毛の方がタイプ別に似合う(薄毛が目立たない)髪型・スタイリングをご紹介していきます。何人かの美容師さんにアドバイスをもらっていますので、参考にしてみてください。
①つむじ薄毛タイプにおすすめの髪型
まず①つむじ薄毛タイプですが、オールバックがお勧めとのことです。こちらは②、③の生え際が気になる方にはお勧めできませんが、生え際の後退がない①のタイプの方には、髪の毛を後ろに流すことで頭頂部の髪の毛のボリュームアップができます。さらに、オールバックはあまり薄毛のイメージがないため、周りの薄毛の印象を払拭できるという点でも良いでしょう。
似たような髪型で、ソフトモヒカンも、つむじの薄毛を隠すことはできます。いきなりオールバックやソフトモヒカンにするのは勇気がいるという方は、ツーブロックもおすすめです。
②生え際後退タイプ(M字ハゲ)におすすめの髪型
次に②生え際後退タイプですが、パーマを当ててみるのが一つの方法だということです。パーマを当てることで少し後退気味の方の髪の毛も自然に前髪にすることができ、後退した生え際をカバーすることができます。
パーマを当てたくない方はショートレイヤーやスポーツ刈りなどの髪型も逆にスッキリしてお勧めだということでした。
M字ハゲの場合、ベリーショートやツーブロックで思い切って短くすることで、薄毛とのコントラストを軽減できます。また、アップバングスタイルで前髪を立ち上げることで、生え際を自然にカバーしつつ清潔感のある印象を与えることができます。分け目を普段と変えるだけでも、薄毛が目立ちにくくなる効果があります。
③同時進行タイプにおすすめの髪型
最後に③1・2同時進行タイプですが、スキンヘッドやお洒落坊主など、極端に髪の毛を短くする髪型で薄毛を目立たなくする髪型が良いでしょう、ということです。確かに男性から見ても、逆に短くしている方のほうが清潔感も有り、好感が持てるような印象を受けます。
繊維パウダー(増毛パウダー)の使い方
髪型だけでは不安な方や、特に重要な日には、繊維パウダー(増毛パウダー)の併用も効果的です。これは髪と同じ色の微細な繊維を薄毛部分に振りかけることで、視覚的にボリュームアップする製品です。主な製品としてスーパーミリオンヘアーなどがあり、ドラッグストアやオンラインで購入できます。使用方法は、薄毛が気になる部分に振りかけ、軽くなじませるだけです。ただし、汗や雨で落ちやすい点、枕カバーへの色移りに注意が必要です。日常使いというよりは、会議やデート、写真撮影など「この日だけは」という特別な日の使用がおすすめです。
カラーリングで地肌を目立たなくする
黒髪の方で地肌の白さが目立つ場合、髪色を少し明るめにすることで、髪と地肌のコントラストを減らし、薄毛を目立ちにくくする効果があります。極端に明るくする必要はなく、ダークブラウン程度でも十分効果が期待できます。ただし、職場や学校の規則、髪や頭皮へのダメージを考慮する必要があります。
根本的には薄毛対策をするオプションも
髪の毛の治療をせずに薄毛を目立たなくする方法として髪型・スタイリングを紹介しましたが、もっともこれらは薄毛を目立たなくする一つの方法に過ぎません。
薄毛は、科学的根拠を持つ治療薬で改善が期待できる時代になってきました。日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」[1]では、外用ミノキシジルと内服薬(フィナステリド・デュタステリド)は推奨度A(行うよう強く勧める)とされています。注射等の極めて高額な治療を選択しなくても、十分な効果が得られる可能性が高く、ご自身の予算・改善したいレベル・いつまでに治したいのか、などを踏まえて、治療オプションを選択することをお勧め致します。
AGA治療の効果と治療期間の目安
AGA治療を検討される方が最も気になるのが「いつ頃効果が出るのか」という点です。治療方法によって効果が実感できるまでの期間は異なりますので、現実的な目安を知っておくことが大切です。
治療薬別の効果発現時期と特徴
| 治療薬 | 役割 | 効果実感の目安 | 主な注意点 | データの出典 |
| 外用ミノキシジル | 発毛促進 (「攻め」の治療) | 3〜6か月 ※初期脱毛が1か月程度起こることあり | 使用開始時に一時的な抜け毛増加の可能性。胸の痛み、動悸、めまいなどがあれば使用中止して受診[2] | FDA DailyMed[2] |
| フィナステリド (プロペシア等) | 抜け毛抑制 (「守り」の治療) | 1〜3か月 ※通常は6か月で効果判定 | 性欲減退1.8%、勃起機能不全1.3%(対象945人の臨床試験)[3]。献血は中止後1か月間不可[4] | プロペシア添付文書[3]、日本赤十字社[4] |
| デュタステリド (ザガーロ等) | 抜け毛抑制 (「守り」の治療) ※フィナステリドより高い効果が期待される | 1〜3か月 ※早い方は3か月で改善例あり | 性機能不全1%以上、肝機能障害(頻度不明)。PSA値低下に注意[5]。献血は中止後6か月間不可[4] | ザガーロ添付文書[5]、日本赤十字社[4] |
それぞれの治療薬について詳しく解説
フィナステリド(プロペシア等)について
フィナステリドは抜け毛を抑える「守り」のためのお薬です。抜け毛の原因とされる「DHT(ジヒドロテストステロン)」は男性ホルモン(テストステロン)が変化して生じますが、このお薬は男性ホルモンがDHTに変化するのを抑える働きがあります。内服開始後1〜3か月位で効果が実感できることが多いですが、通常は6か月継続して効果を評価します[1]。
国内臨床試験(対象945人)では、副作用として性欲減退が1.8%、勃起機能不全が1.3%報告されていますが、これらは偽薬(プラセボ)を服用した群でも見られました(それぞれ1.3%、0.7%)[3]。その他、食欲不振、抑うつ感、かゆみ、蕁麻疹などが報告されています。
デュタステリド(ザガーロ等)について
デュタステリドもフィナステリドと同様に、抜け毛を抑える「守り」のためのお薬です。テストステロンからDHTへの変化の原因となっている5α還元酵素にはI型とII型が存在していますが、フィナステリドはII型のみに働きかけるのに対して、デュタステリドはI型とII型の両方に働きかけるため、より高い効果が期待されます。実際の研究では、デュタステリドはフィナステリドと比較した場合、約1.6倍毛髪数が増加したという報告があります。
早い方では12週(約3か月)で改善が見られることもありますが、通常は6か月で効果を評価します[5]。副作用として性機能不全(1%以上)や肝機能障害(頻度不明)などが報告されており、フィナステリドと比べるとやや副作用の発症率が高いとされています(フィナステリド:約1%未満に対して、デュタステリド:約5%未満)。また、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA値を低下させるため、検診を受ける際には医師にデュタステリドを服用していることを伝える必要があります[5]。
ミノキシジル(外用薬・内服薬)について
ミノキシジルは発毛を促進する「攻め」のためのお薬です。ミノキシジルという成分が頭皮の血管を拡張することで、毛を作る細胞への血流を促進します。血行が改善されることで、毛細血管から毛乳頭へ栄養を行きわたらせることができるようになるため、頭頂部や生え際の発毛が促進されます。
外用ミノキシジルは2〜4か月で効果が実感できることが多いです[2]。内服型のミノキシジルタブレットは、外用薬に比べて体内への吸収率が高く、より高い発毛効果が期待できます。
副作用として、血圧低下や心拍数の増加、頭痛やめまい、体重増加、手足のむくみなどが報告されています。また、頭髪の増加に伴い、他の部位の毛量も増加するのが一般的です(増加の程度には個人差があります)。稀に低血圧などの副作用症状が見られることがあり、これらを自覚された際には医療機関へご連絡ください。
「初期脱毛」について知っておくべきこと
ミノキシジル(外用薬・内服薬ともに)の使用を始めると、開始後およそ1か月程度で一時的に抜け毛が少し増えることがあります。これは「初期脱毛」と呼ばれる現象で、古い毛が新しい毛に生まれ変わっているサインであり、薬が効いている証拠です[2]。多くは2週間から1か月程度で落ち着き、その後は発毛が促進されますので、ここで中断せず飲み続けることが大事です。
ただし、胸の痛みや動悸、急な体重増加、失神のような症状があれば、使用を中止して速やかに医師に相談してください[2]。
AGA治療における重要な注意事項
献血について
AGA治療薬を服用中の方は、献血に制限があります。フィナステリド(プロペシア等)を服用中の方は、中止後1か月間は献血ができません。デュタステリド(ザガーロ等)を服用中の方は、中止後6か月間は献血ができません[4]。これは全国の血液センターで共通のルールです。献血を予定されている方は、治療開始前に医師にご相談ください。
妊娠・授乳・小児について
フィナステリドおよびデュタステリドは、妊婦、妊娠する可能性のある女性、授乳中の女性には禁忌です[3][5]。また、これらの薬剤は皮膚からも吸収される可能性があるため、女性やお子様が触れないよう、手の届かないところに保管してください。パートナーが妊娠中または妊娠を計画している場合は、必ず医師に相談してください。
持病がある方・高齢の方
肝臓の悪い方は、フィナステリドやデュタステリドの使用に注意が必要です。また、ミノキシジルについては、高血圧や腎臓などの持病のある方、高齢の方は特に注意が必要です。持病がある方は、治療開始前に必ず医師にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 前髪のM字を今日すぐ目立たなくするには?
ベリーショートなど思い切った短髪にし、分け目を工夫するのが基本です。さらに、会議や写真撮影など特に気になる場面では、髪と同じ色の繊維を振りかける「増毛パウダー(繊維パウダー)」を併用すると即効性があります。黒髪で地肌が目立つ方は、少し明るめのカラーリングも有効です。
Q2. AGA治療はいつまで続ける必要がありますか?
AGA治療薬は、使用を中止すると再び薄毛が進行する可能性が高いため、効果を維持するためには継続的な使用が必要です。まずは6か月継続して効果を判定し、その後は医師と相談しながら治療を続けることをおすすめします[1]。
Q3. AGA治療は保険適用されますか?
AGA治療は美容目的と見なされるため、保険適用外(自費診療)となります。月々の費用は治療内容によって異なりますが、3,000円〜15,000円程度が目安です。当院では患者様のご予算やご希望に応じた治療プランをご提案しております。
Q4. 外用ミノキシジル開始後の初期脱毛はどのくらい続きますか?
使用開始の初期に、一時的に抜け毛が増加することがあります。これは「初期脱毛」と呼ばれ、多くは2週間から1か月程度で自然に落ち着きます[2]。ただし、胸の痛みや動悸、めまいなど、普段と違う症状があれば使用を中止し、速やかに医師の診察を受けてください。
まとめ
M字ハゲへの対策は、「今日からできる即効対策」と「数か月かけて行う根本治療」の2つの軸で考えることが大切です。髪型やスタイリングの工夫、繊維パウダーなどは即効性がありますが、根本的な改善にはAGA治療薬による医療的アプローチが有効です。
日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨されている治療法は、科学的根拠に基づいた効果が期待できます[1]。ただし、効果が実感できるまでには数か月かかること、継続的な使用が必要なこと、副作用の可能性があることを理解した上で、ご自身の状況に合った治療を選択することが重要です。
当院では、オンライン診療にも対応しており、お一人おひとりの悩みや状況に合わせた治療プランをご提案しております。まずはお気軽にご相談ください。
