授乳中でもアフターピルは服用できます
授乳中でも、アフターピルを服用することはできます。母乳へ移行する成分はごくわずかとされており、緊急避妊のために服用が必要な場合、それが授乳をやめる理由にはならないと考えられています。産後まもない時期でも、まずは落ち着いて対処を検討して問題ありません。
そのうえで、赤ちゃんへの影響をできるだけ小さくするために、服用後の24時間は授乳を避けるという配慮が推奨されます。
授乳中に服用できる理由(母乳へ移る量はわずか)
授乳中に服用できるとされるのは、アフターピルの成分が母乳へ移る量が少ないためです。
日本で承認されているアフターピル「ノルレボ」(有効成分:レボノルゲストレル)の場合、成分は母乳へ移行するものの、母乳中の濃度は服用後2〜4時間ほどで最も高くなり、その後は時間とともに低下し、24時間後にはピーク時の1割程度まで下がると報告されています[1]。
もう一方の「エラワン」(有効成分:ウリプリスタール酢酸エステル)についても、母乳へ移る量はわずかで、服用が必要な場合に授乳を中止する理由にはならないとされています[2]。
このように、赤ちゃんが母乳から受け取る量はごく少ないと考えられているため、授乳中でも緊急避妊が可能とされています。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。ご自身の状況については医師にご相談ください。
服用後24時間は授乳を避けるのが基本です
クリニックフォアでは、「ノルレボ」「エラワン」共に、服用後24時間は授乳を避けることをおすすめしています。
これは、母乳に成分が最も多く移行するのが服用直後であり、時間の経過とともに量が減っていくためです。
ノルレボの場合、母乳への移行を理由に「服用後24時間は授乳を避ける」ことが添付文書で案内されています[1]。エラワンの場合、最新の文献では授乳を中止する必要自体がないとされています。
いずれの場合も、飲む前に「いつから授乳を再開してよいか」を医師に確認しておくと安心です。
服用後の授乳はどうする?母乳を無駄にしない安全な進め方
服用後の授乳は、「24時間は搾って捨て、その後に再開する」進め方が基本です。母乳の分泌を保ちながら、赤ちゃんへの影響にも配慮できる方法です。
服用後24時間は「搾って捨てる」
服用後24時間は、授乳を控えつつ、その間の母乳は搾って破棄する方法(いわゆる「搾って捨てる」対応)が用いられます。
授乳を休むと母乳が張って分泌が滞ることがあるため、飲ませない場合でも、いつもの授乳のタイミングで搾乳しておくと、乳房のトラブルを防ぎ、分泌のリズムを保ちやすくなります。搾った母乳は赤ちゃんには与えず破棄します。
服用前に搾乳しておくと安心
24時間授乳を控える間、赤ちゃんに与える母乳がなくて困らないよう、服用前に搾乳して保存しておくと安心です。
あらかじめストックがあれば、授乳を控える間もあわてずに対応できます。搾乳が難しい場合の対応(育児用ミルクの活用など)も含めて、心配な点は医師に相談しておきましょう。
24時間経過後は通常どおり授乳を再開できます
服用から24時間ほど経てば、母乳中の成分は大きく減っていくため、通常どおり授乳を再開できるとされています。
再開のタイミングに迷うときや、赤ちゃんの様子で気になることがあるときは、自己判断せず医師に相談してください。
アフターピルの種類と、授乳中の選び方
アフターピルには、リスク行為からの経過時間によって選ぶお薬があります。クリニックフォアのオンライン診療では、「ノルレボ」と「エラワン」を取り扱っています。どちらも授乳中に処方することが可能ですが、有効な時間や国内での承認状況が異なります。
ノルレボ(レボノルゲストレル/72時間・国内承認)
ノルレボは、リスク行為後72時間以内に1錠を服用するアフターピルで、日本国内で緊急避妊薬として承認されている点が特徴です。
主に排卵を抑える(遅らせる)ことで妊娠を防ぐと考えられています[1]。授乳中の使用については、成分が母乳へ移行するため、服用後24時間は授乳を避けることが案内されています[1]。国内で承認・使用実績のあるお薬を選びたい方に向いています。
ノルレボの詳しい解説は、ノルレボ(レボノルゲストレル)の効果・飲み方の記事もあわせてご覧ください。
エラワン(ウリプリスタール酢酸エステル/120時間・海外製)
エラワンは、リスク行為後120時間(5日)以内に服用できるアフターピルで、服用できる期間が長いことが特徴です。ノルレボと同じく、主に排卵を抑えることで妊娠を防ぐと考えられています。
エラワンは緊急避妊薬として日本国内では承認されていない海外製のお薬で、クリニックフォアでは医師の診察・管理のもと、医師が正規のルートで輸入したものを処方しています。国内未承認のお薬のため、万が一重い副作用が生じた場合も医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。母乳へ移る量はわずかとされていますが[2]、授乳を控える期間の考え方には幅があるため、授乳を再開するタイミングは必ず医師に確認してください。
エラワンの詳しい解説は、エラワンの記事もご参照ください。
ノルレボとエラワンの比較(授乳中の観点)
| 項目 | ノルレボ | エラワン |
|---|---|---|
| 有効成分 | レボノルゲストレル | ウリプリスタール酢酸エステル |
| 服用できる時間の目安 | リスク行為後72時間以内 | リスク行為後120時間(5日)以内 |
| 国内承認 | 国内承認あり | 国内未承認(海外製・医師の管理下で処方) |
| 授乳中の服用 | 可能(服用後24時間は授乳を避ける[1]) | 可能(母乳への移行はわずか[2]/念のため服用後24時間は授乳を避ける) |
| 医薬品副作用被害救済制度 | 対象 | 対象外 |
※どちらのお薬が適しているかは、経過時間やご希望をふまえて医師が判断します。服用前に授乳中である旨を必ずお伝えください。
授乳中にアフターピルを飲むときの注意点
授乳中でも服用できますが、アフターピルはホルモン剤であり、いくつか押さえておきたい注意点があります。
避妊効果は100%ではありません(妊娠の確認を)
アフターピルを服用しても、妊娠を完全に防げるわけではありません。服用後に生理のような出血(消退出血)が見られることがありますが、服用から3週間ほど経っても出血がない場合は、妊娠検査を行ってください。
授乳中は月経が不順になりやすく、出血の有無だけでは判断しにくいこともあるため、気になるときは医師に相談しましょう。
起こりうる副作用
アフターピルの服用後には、頭痛・吐き気・腹痛・倦怠感・めまいなどがあらわれることがあります。副作用の程度には個人差があり、症状が強い場合や長引く場合は医師にご相談ください。
とくに服用後に嘔吐してしまうと、お薬の成分が十分に吸収されず効果が得られない可能性があるため、吐き気が心配な方は吐き気止めをあわせて処方することもできます。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
産後・授乳中の「これからの避妊」も相談を
アフターピルは、あくまで緊急時に用いるお薬です。産後・授乳中も妊娠の可能性はあるため、これからの避妊についてもあわせて考えておくと安心です。
授乳中でも使える避妊方法には、ミニピル(授乳中でも服用しやすいとされるお薬)などの選択肢があります。
ご自身に合った方法は、低用量ピル・ミニピルの診療ページも参考にしつつ、医師に相談して選びましょう。
自己判断や個人輸入は避け、医師に相談を
授乳中の服用は、赤ちゃんへの配慮や授乳の進め方など、状況に応じた判断が必要です。
個人輸入や通販で入手したお薬は、成分や品質が確認できず、偽物が含まれる可能性も指摘されています。授乳中の緊急避妊は、必ず医師の診察を受けたうえで、管理下で服用するようにしてください。
クリニックフォアのオンライン診療
クリニックフォアのオンライン診療では、授乳中の方の緊急避妊のご相談も承っています。スマートフォンから受診でき、授乳中である旨をお伝えいただければ、経過時間やご希望をふまえて医師がノルレボ・エラワンのいずれが適しているかを判断し、授乳の進め方についてもご案内します。お薬はご自宅などご希望の場所に配送します。
料金の目安(2026年7月時点・税込)は、診察料1,650円、お薬代がエラワン後発品(海外製)8,965円・エラワン(海外製)9,680円・ノルレボ(国内後発品)9,680円・ノルレボ(国内先発品)17,600円、配送料550円/回です。吐き気止めは550円で追加できます。
※アフターピルは自由診療です。診察料1,650円(税込)がかかります(当クリニックのオンライン診療で過去に決済履歴がある方は診察料無料)。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※効果・効能・副作用の現れ方には個人差があります。
よくある質問
Q. 授乳中にアフターピルを飲んだら、赤ちゃんに影響はありますか?
A. 母乳へ移る成分はごくわずかとされており、赤ちゃんが受け取る量はごく少ないと考えられています[1][2]。そのうえで念のため、服用後の一定時間は授乳を控えることが推奨されます。気になる症状があるときは医師に相談してください。
Q. 服用後、どのくらい授乳を空ければよいですか?
A. クリニックフォアでは念のため、服用後24時間は授乳を避けることをおすすめしています。ノルレボは母乳への移行を理由に服用後24時間の授乳回避が案内されています[1]。エラワンは最新の文献では授乳を中止する必要自体がないとされていますが、念のため服用後24時間は授乳を避けて下さい。
Q. 24時間、搾って捨てた後、母乳は元どおり出ますか?
A. 授乳を休む間も、いつものタイミングで搾乳しておくと、乳房の張りを防ぎ分泌のリズムを保ちやすくなります。分泌の戻り方には個人差があるため、心配なときは医師や助産師に相談しましょう。
Q. 産後すぐ(授乳中)でもアフターピルは飲めますか?
A. 産後・授乳中でも服用は可能とされています。ただし体調や授乳の状況によって配慮が必要なため、産後まもない時期の服用は、医師に状況を伝えたうえで相談してください。
まとめ:授乳中のアフターピルは「24時間の授乳中止」で落ち着いて対応を
授乳中でも、アフターピルは服用できます。母乳へ移る成分はごくわずかとされ、授乳を続けながら緊急避妊を行うことができると考えられています。
赤ちゃんへの影響に配慮するため、服用後24時間は授乳を控え、その間の母乳は搾って破棄する進め方が基本です。服用前に搾乳しておくと、授乳を控える間もあわてずに対応できます。お薬はノルレボ(72時間・国内承認)とエラワン(120時間・海外製)があり、経過時間やご希望に応じて医師が判断します。
避妊効果は100%ではないため、服用後3週間ほど経っても出血がない場合は妊娠検査を行いましょう。授乳中の緊急避妊は状況に応じた判断が必要です。
自己判断や個人輸入は避け、クリニックフォアのオンライン診療などで医師に相談したうえで、落ち着いて対処してください。

