黄砂やPM2.5などによるアレルギー症状に注意?今年の飛沫量や対策法を医師が解説します。

毎年、春先から黄砂やPM2.5が飛び交うようになります。黄砂やPM2.5によってアレルギー症状が誘発されるということをご存知でしょうか。

今回は黄砂やPM2.5とアレルギー症状の関係性について医師が詳しく解説させていただきます。

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1.黄砂とは?

まずは、黄砂・PM2.5とは何かについてご説明します。

黄砂とは中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など、乾燥・半乾燥地域で、風によって巻き上げられた多量の砂や塵(砂塵)のことをいいます。この黄砂が上空の風によって運ばれ、大気中で浮遊しつつ降下することを黄砂現象と呼んでいます。春に舞うことが多いという特徴があります。

黄砂は毎年同じ量の黄砂が同じ量だけ舞うのではなく、植生、積雪の有無、土壌水分量、地表面の土壌粒径などの地表の状態や上空の風の状態によって大きく左右されます。ですので、黄砂の量が少ないという年もあれば黄砂がたくさん舞うという年もあります。中国の黄砂が日本に飛んでくるというニュースもよく耳にしますが、全ての黄砂が飛んできているわけではありません。一般的に粒子の大きい黄砂は風によって上空に舞い上がった後すぐに地表に落ちていきます。粒子の小さい黄砂が風に乗って日本や、日本周辺の広い範囲に降り注ぐといわれています。

中国大陸から舞った黄砂は日本周辺域に落ちることが多いのですが、過去には北米やグリーンランドへ輸送されたという報告もあります。ちなみに黄砂が、日本へ飛来してしまう原因には、大陸に吹く風が日本に向いているためです。この風の風向きの関係から2月~4月が黄砂のピークにあり、夏になると減少します。

2.PM2.5とは?

PM2.5とは微小粒子状物質といい、大気中に浮遊している2.5μm以下の小さな粒子のことを言います。環境基準を定めて対策を進めてきた浮遊粒子状物質よりも小さいことが特徴です。粒子が非常に小さいため、肺の奥にまで入りやすく、呼吸器系や循環器系の病気の原因となる可能性が高いと考えられています。PM2.5には物の燃焼によって出る煙に含まれているものと、ガス状の大気汚染物質が環境大気中での化学反応により粒子化したものに分類されます。ガス状の大気汚染には自動車の排気ガスや工場の排気ガス、ごみ焼却施設からの煙など人定的なものから火山噴火による火山ガスといった自然由来のものにまで及びます。近年、大気汚染防止法や自動車の排気ガスなどの規制などを行っているため、PM2.5は減少傾向にあるといわれています。

3.花粉症より症状が重い?

黄砂やPM2.5は私たちの健康状態にどのような影響を及ぼすのでしょうか。PM2.5においては呼吸器系や心血管系へ影響を与えることが考えられており、肺がんへ罹患してしまったり喘息悪化の原因となったりとさまざまな病気に罹患する可能性があります。黄砂はアレルギーのような症状を引き起こしたり、花粉症等のアレルギーを悪化させたりすることが動物実験などによって証明されています。黄砂が直接的にアレルギーを引き起こす原因物質ではないので原因は不明と考えられています。

黄砂にアレルギーを誘発する物質が付着しており、それを吸い込むことでアレルギーを引き起こす可能性があることが現段階では考えられています。黄砂やPM2.5は花粉などと比べて粒子が細かく、吸い込むことで肺の末端にまで行き届いてしまいます。そのため、花粉症よりも症状が重くなったり花粉症の症状を重くしてしまう可能性が懸念されています。

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4.今年の飛沫量は?

今年のPM2.5や黄砂の飛散状況はいかがなものでしょうか。今年はPM2.5は大幅に低下、中国では主要都市において2013年と比べて94.2%も低下しています。また、黄砂に関しても2020年の飛散日数は3日としており、2017年以来の少なさとなっています。PM2.5に関しては環境に係る法律が制定されてから徐々に減少傾向にはなっていました。また、黄砂も中国の降雨量や風向きなどが関係しているため、その年の飛散量は天候に左右されるとも考えられています。

ですが、今年は新型コロナウイルスの影響もあり、世界的に外出自粛傾向にあったため、向上など排気ガスを出す施設の稼働が止まっていたことが、PM2.5や黄砂の飛散量を例年よりも少なくした要因であると考えられています。実際に中国では大気汚染が改善されたとニュースなどでは報じています。そのため、今年は例年よりPM2.5や黄砂の飛散は抑えられています。ですが、経済活動が再開すればまた工場なども稼働しだします。もしかしたら、今後黄砂やPM2.5の飛散量が増加する可能性がでてくることも考えられます。

5.予防方法は?

PM2.5や黄砂を予防するためにはどのような方法を取ればよいのでしょうか。

黄砂やPM2.5の対策は吸い込まない、持ち込まないことが対策として有効です。家にいるときは窓の開け閉めを最小限にし、空気清浄機なども活用しましょう。掃除機だけでなく水拭きをするようにするのも効果的です。環境省はサイトにて黄砂やPM2.5の飛散量、PM2.5においては濃度のレベルに応じた注意喚起を行っています。これらの情報を活用し、飛散量が多い時には不要不急の外出を控えましょう。特に高齢者や乳幼児、呼吸器系に病気のある方は外出を控えるべきです

外出をする際にはマスクを着用することがおすすめです。ですが、花粉よりも粒子が細かいため花粉症用のマスクでは、粒子を吸い込んでしまいます。そのため、ウイルス対策用の高機能マスクを着用されることをおすすめします。

また表面がつるつるした素材の服、帽子やメガネを着用し、家に入る前に付着しているPM2.5や黄砂を叩き落としてから入室することを心がけてください。帰宅後はうがい手洗いだけでなく洗顔も行い、肌に付着したPM2.5や黄砂を洗い流すようにしましょう。

私たちの健康状態に影響を及ぼす黄砂やPM2.5。できる限りの対策を講じて予防をしていきたいものです。

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公開日:5月21日

監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

環境省 https://www.env.go.jp/air/dss/kousa_what/kousa_what.html

http://www.env.go.jp/air/osen/pm/info.html

環境省 黄砂とその健康影響について http://www.env.go.jp/chemi/mat01_1/105328_1.pdf

国土交通省 気象庁https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/kosahp/4-4kosa.html

日本クリニック株式会社 http://www.japanclinic.co.jp/counseling/detail.php?id=45

岡山大学医学部付属病院 http://pharm.hospital.okayama-u.ac.jp/wp-content/uploads/2013/03/170_000.pdf