熱中症の症状・原因とは?下痢は熱中症のサイン?医師が解説します。

これから暑くなるにつれて気になるのが熱中症。特に今年の夏は例年より少し高いもしくは平年並みの気温であることが予想されています。昨年の夏よりも熱い今年の夏、注意したいのが熱中症です。

毎年ニュースなどでも報じられ、おなじみの方も多いでしょうが、改めて熱中症の症状や原因、治療について詳しく解説していきます。

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1.熱中症の初期症状とは?下痢になることもある?

熱中症の初期にみられる症状は3つあります。

めまい・失神

1つ目はめまい・失神です。通常のめまいと同様にくらくらする、立ちくらみが起こるという場合には熱中症の初期である可能性が高いです。意識を消失するほどの失神は初期の段階では起こらないものの、熱中症の初期症状で立ちくらみのような症状が起こることを熱失神ともいいます。これは、身体に熱がこもったことによってその熱を体外に排出させようと全身の血管を広げるのですが、全身の血管を広げたことによって血圧が下がり、脳への血流量が低下することによって起こる、と考えられています。

このような状態になると呼吸の回数が増えたり、脈が速く弱くなったり、唇がしびれたりすることもあります。人によっては初期の段階であっても嘔気、嘔吐、頭痛といった症状が起こることがあります。

また、下痢もあまりなじみがないのですが熱中症の初期症状としてみられることがあります。熱中症にかからないようにと水分を摂ることは良いのですが、電解質が含まれていない真水ばかりを摂ると身体の中のナトリウムの濃度が薄まるため、塩分濃度を維持するために尿量や便への水分量を増やして体外に排出させようとします。このメカニズムによって下痢が起こると考えられています。

筋肉の緊張や硬直

2つ目は筋肉の緊張や硬直です。例えば暑い中散歩をしたり、熱帯夜で寝苦しい夜などに足がつったという経験をしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はこの時に筋肉の緊張や硬直が起こっていると考えられます。身体に溜まった熱を放出するために発汗をすると、ナトリウムも汗と一緒に体外へ放出されてしまいます。体内のナトリウムが減り、電解質のバランスが崩れたことによって起こっていることが考えられます。これを熱性けいれんともいいます。

大量の発汗

3つ目は大量の発汗です。拭いても拭いても汗が止まらないという時には熱中症の初期の症状であることが考えられます。

熱中症の初期には体温が上がらないこともあります。そのため、熱中症にかかっているかどうかの判断が難しい場合もありますが、上記の症状が見られている場合には熱中症の初期段階であると考えて、対応されることが良いでしょう。

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2.熱中症が起こる三つの原因とは?

熱中症が起こるメカニズムは身体にたまった熱を外気温が高くなることで逃がすことができなくなり、体温が体内にどんどんたまってしまうことによって起こります。そして、熱中症が起こる原因には環境、身体、行動の3つが関係しているとされています。

それぞれがなぜ熱中症を引き起こす原因となっているのかを詳しく解説していきます。

環境

まずは、環境です。外気の温度が高くなったり湿度が高くなったりすると身体から熱が逃げていかなくなります。そのため炎天下の外、体育館、工事現場、気密性の高いビルやマンションの最上階や、窓を閉め切った日差しの強い部屋においては熱中症になる可能性が高くなります。

また、風が吹いていなければ身体を冷やすすべがなくなります。風が吹いていたとしても熱波ですと、熱中症となる危険性が高まります。さらに急に暑くなってしまえば、身体が暑さになれていないため熱中症となる可能性が高まります。

身体

次に身体です。身体とは熱中症になりやすい身体のことを言います。例えば汗をかきにくい高齢者、体温がもともと高く体にたまりやすい乳幼児は熱中症にかかるリスクが高いです。

特に乳幼児は身長が低かったりベビーカーに乗っていたりと地面に近いため輻射熱といい、地面から放射された熱が伝わってしまい熱中症となるリスクが高まります。

また、低栄養や下痢、インフルエンザや新型コロナウイルスなど感染症にかかっているという方、多量の飲酒をする方や二日酔いの方はもともと発熱していたり身体から水分が出ていたりして軽い脱水状態となっています。元々体内に水分が少ないという観点から熱中症のリスクが高まります。他にも糖尿病や精神疾患といった疾患を抱えている方も熱中症にかかりやすいため注意が必要です。

行動

最後に行動です。行動とは具体的に、運動や長時間の屋外での作業など体温を上昇させる行動、水分補給ができないという状況です。

熱中症を予防するためには主な原因となるこの3つを回避することが熱中症対策にもつながると言えます。

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3.熱中症、どう予防する?

環境

環境という面ではまず涼しい環境を作りましょう。室内では冷房を活用して温度を調節するようにし、炎天下や気温の高い日の外出は控えましょう。外出が必要な場合は日陰を歩くようにし、運動は避けましょう。日傘や帽子を活用して人工的に日陰を作り出すという方法も効果的です。

水分はこまめに摂取することが必要です。汗をかいたらその都度水分を取るというのがおすすめです。また、真水ばかりですと、電解質のバランスが乱れるため麦茶やスポーツドリンクを活用しましょう。糖尿病などの疾患をお持ちの方はスポーツドリンクをたくさん飲むと血糖コントロールが不良となりますので麦茶やコップ1杯(200ml)の水に、ひとつまみ(0.2g)の塩を入れた塩水を飲むようにしましょう。

水分であってもカフェインを含むお茶やコーヒー、アルコールを含む酒類には利尿作用があるため、かえって脱水を助長し、熱中症となるリスクを高めるため水分補給として活用はできません。また、冷たい水分を一気に多量に摂っても身体に吸収されないだけでなく下痢を引き起こして脱水を助長させてしまいますので、冷えすぎていないものを少しずつ、こまめに水分を取るようにしましょう。

身体、行動

身体、行動という面では服装は風通しの良い涼しい服装とし締め付けるような服は避けましょう。高齢者や乳幼児は暑い時間の外出を避け早朝や夕方など涼しい時間にするよう心がけましょう。

人間の身体は環境に適応するための能力が備わっているものの、適応するまでには時間を要するとされています。そのため、梅雨の晴れ間など急に暑くなった日は無理のない程度の外出とし、暑さに身体を徐々に慣らしていくことが必要です。

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4.熱中症の治療法は?まず何をするべき?

対策を心がけていても熱中症は100%予防することは難しいでしょう。万が一熱中症になったかもしれないという場合にはすぐに応急処置をすることが必要です。

まずは風通しの良い場所や冷房の効いた室内へ移動しましょう。なるべく涼しい格好にして楽な体勢をとるようにしましょう。意識があれば水分を摂取します。

冷房の力だけでは熱中症となった体を冷やしきることはできません。胸や腹の体の表面に水をかけて、うちわや扇風機などで扇いで身体を冷やしましょう。氷嚢や保冷剤などがあれば、頚部、腋窩部(わきの下)、鼠径部(股)に当てます。この部分は皮膚の直下を血液が流れているのでこの血液を冷やすことで全身を冷やすことができます。いかに早く冷やし、水分を取ることができるかによって予後が大きく変わってきます。

これらの対処法を行っても症状が改善されない、意識障害がある、全身の痙攣が見られるという場合にはすぐに医療機関に連絡をしてください。医療機関では点滴で水分を補給しつつ、応急処置と同様に体を冷却するという治療方法で熱中症の治療をします。

これからますます暑さが増してきますが、意識して熱中症を予防していきましょう。もしも熱中症の初期症状がある、熱中症となっている人を見かけたという場合にはこの記事を活用し、熱中症の対策を行ってみてください。

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公開日:5月26日

監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

一般社団法人日本呼吸器学会 https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=152

一般財団法人日本気象学会 https://www.netsuzero.jp/learning/le01/case01-01

第一三共ヘルスケア https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/31_nettyusyo/

環境省 https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/gline/heatillness_guideline_4-A.pdf

https://www.wbgt.env.go.jp/doc_prevention.php

日本赤十字社 http://www.jrc.or.jp/activity/study/safety/fever/

一般社団法人千葉市薬剤師会 http://www.chibashiyaku.or.jp/pdf/story/story_15.pdf

一般社団法人全日本病院協会https://www.ajha.or.jp/guide/23.html