フィナステリドによる頭頂部の薄毛への効果【作用の仕組み】

フィナステリドはAGA治療の基本となるお薬で、頭頂部の薄毛に対しても効果が期待されています。
ただし、飲み始めてすぐに見た目の変化があらわれるわけではないため、「本当に効くのだろうか」「どのくらいで効果が出るのか」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

実際には、頭頂部の薄毛に対してフィナステリドを服用した人のうち、約98%が「改善」または「現状維持」の評価が得られたと報告されています。
効果は半年〜1年ほどかけて徐々にあらわれるのが一般的です。

この記事では、フィナステリドが頭頂部の薄毛に効く理由と、服用開始から1年後までの変化の目安、お薬の効果を高めるコツについて解説します。

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フィナステリドは頭頂部の薄毛に高い効果が期待できる

フィナステリドは、頭頂部の薄毛に対して98%以上の有効性が確認されています。日本人男性を対象とした臨床試験において、フィナステリド1mgを3年間継続服用した結果、頭頂部の写真評価で「改善」が77.8%、「維持」が20.2%と、合計98%の患者でAGAの進行抑制効果が認められました[1]

評価3年間服用後の効果発現割合
改善(軽度改善以上)77.8%
維持(不変)20.2%
進行抑制効果(改善+維持)98%

フィナステリドの主な作用は、薄毛の進行を抑えること(脱毛抑制)です。そのため、見た目に大きな変化がなくても、抜け毛が減り現状を維持できている場合は、お薬が適切に作用していると考えられます。

フィナステリドが頭頂部の薄毛に効きやすい理由

フィナステリドが頭頂部の薄毛に効果が出やすい理由は、頭頂部にフィナステリドの作用対象である5α還元酵素(5αリダクターゼ)が多く存在すると考えられるためです。

フィナステリドの作用機序(メカニズム)は、「5αリダクターゼ」を阻害することにより、AGAの原因となる「DHT(ジヒドロステロン)」という男性ホルモンが作られるのを抑えるというものです。

AGA患者の前頭部(薄毛になりやすい部位)と後頭部(薄毛になりにくい部位)の毛の細胞を比較した研究では、前頭部の細胞の方が後頭部に比べて、5αリダクターゼの発現量が高いことが確認されました[2]。この研究では前頭部と後頭部の比較でしたが、AGAが進行しやすい部位は前頭部と頭頂部であり、その原因はどちらもDHTです。そのため、頭頂部にも前頭部と同様に5αリダクターゼが多く発現していると推測されます。5αリダクターゼが多い部位ほど、フィナステリドによる抑制効果が発揮されやすいため、頭頂部の薄毛にフィナステリドが効きやすいと考えられます。

フィナステリドの効果を実感できるまでの期間

フィナステリドの効果は服用開始から徐々にあらわれ、髪の変化を実感しやすいのは3〜6か月頃です。1年経過する頃には安定した効果が期待できます。

3~6か月:抜け毛減少・ボリューム変化が出やすい

服用開始から3〜6か月は、「抜け毛が止まってきた」「ボリュームが戻ってきた」と実感しやすい時期です。フィナステリドの有効性を確認した調査では、服用後6か月時点で毛髪数が有意に増加しました[3]。3〜6か月の期間は改善が最も顕著にあらわれる時期であり[4]、継続服用のモチベーションを維持しやすい段階といえます。

6か月~1年:改善効果を実感しやすい

服用開始から6か月〜1年は、多くの方が「増えた」「維持できた」と明確に感じる段階です。日本人男性を対象とした臨床試験において、フィナステリド1mgを1年間服用した結果、頭頂部の写真評価で「改善」が58.3%、「維持」が40.2%と、合計98.5%の患者でAGAの進行抑制が認められました[1]

評価1年間服用後の効果発現割合
改善(軽度改善以上)58.3%
維持(不変)40.2%
進行抑制効果(改善+維持)98.5%

同じ調査では、3年後の有効性で「改善」が77.8%、「維持」が20.2%でした。継続年数が長くなるほど「薄毛への効果」を感じられやすいといえるでしょう。

フィナステリドと他のAGA治療薬との違い

フィナステリド以外のAGA治療薬には、デュタステリドとミノキシジルがあります。デュタステリドはフィナステリドと同じく「5αリダクターゼ」を阻害し、抜け毛の進行を抑えるお薬です[6]。ミノキシジルはこれら2つとは作用の仕組みが異なり、血管拡張作用や毛包の再活性化などで発毛効果をあらわします[7]。外用薬として長年使用されてきましたが、近年では内服薬のAGA治療に関する有効性も確認されています。

フィナステリドとデュタステリドの違い

デュタステリドはフィナステリドより強い脱毛抑制効果が期待できるお薬です[5]。効果の差をもたらす大きな違いは、お薬が作用する場所の「数」です。どちらもテストステロンをDHTに変換する「5αリダクターゼ」を阻害することで薄毛の進行を抑制します。この「5αリダクターゼ」を2種類阻害するのがデュタステリド、1種類阻害するのがフィナステリドです。

薬剤名阻害する5αリダクターゼAGA治療効果
フィナステリド2型のみデュタステリド>フィナステリド
デュタステリド1型+2型の両方を阻害

5αリダクターゼをダブルで阻害するため、デュタステリドの方がフィナステリドよりもAGA治療効果が高くなると考えられています。

フィナステリドとミノキシジルの違い

フィナステリドとミノキシジルは、効果と作用の仕組みが異なります[7]

薬剤名期待される効果作用の仕組み
フィナステリド脱毛の進行を抑えるDHTが作られるのを抑え、髪が細くなったり抜けやすくなったりするのを防ぐ
ミノキシジル発毛を促す頭皮の血管を広げて血流を良くし、毛根に栄養が届きやすくする。髪の毛が伸びる期間を延ばす

フィナステリドはAGAの原因となる男性ホルモン(DHT)の生成を抑えて脱毛の進行を抑える「守り」のお薬です。ミノキシジルは、頭皮への血流を改善し、毛根に栄養を届け発毛を促す「攻め」のお薬として使用されています。

頭頂部の薄毛改善効果を高めるフィナステリドの使い方

フィナステリドの効果を高めるための方法として、早期から治療を開始する、毎日継続して服用する、必要に応じてミノキシジルと併用する、の3つがあります。早期に治療を開始した若年層の患者では、より高い改善効果が得られることが報告されています。また、服用を中断すると薄毛の進行が再開するため、継続的な服用が必要です。さらに、作用機序の異なるミノキシジルとの併用で、より高い改善効果が期待できます。

早期から治療する

フィナステリドはAGAの進行が早いうちに治療を開始するほど、高い効果が期待できます。日本人を対象とした10年間の長期追跡調査では、治療開始時のAGA進行度が初期~中等度の人の方が、進行期の人と比較してフィナステリドによる改善効果が有意に高いという結果が得られました[8]。また、40歳以上で治療を開始した患者や、生え際の進行した脱毛には効果が減弱することも報告されています[8]。頭頂部の薄毛が気になり始めた段階で治療を開始することで、より良い結果が得られる可能性が高まります。

毎日継続して服用する

フィナステリドの効果を維持するためには、毎日継続して服用することが基本です。AGA治療のガイドラインには「内服を中止すると効果は消失する」と明記されています[9]。服用を自己判断で中断すると治療開始前の状態に戻る可能性があります。毎日飲んでいれば、1日飲み忘れても効果がなくなることはありませんので、翌日から普段通り再開しましょう。ただし、副作用などで毎日継続して飲むことが難しい場合は、主治医へすぐに相談してください。

ミノキシジルと併用する

フィナステリドとミノキシジルの併用により、それぞれ単独で使用するよりも高い改善効果が期待できます。ミノキシジルには外用薬(塗り薬)と内服薬がありますが、どちらにおいてもフィナステリド+ミノキシジル併用群の方がより良い成果が確認されました[10][11]。フィナステリド単剤で効果が不十分かもしれないと感じる場合は、「発毛を促す」ミノキシジルとの併用を医師に相談してみてもよいでしょう。

まとめ:フィナステリドは頭頂部の薄毛に高い効果あり

フィナステリドは、頭頂部の薄毛に対して98%の高い効果が確認されているAGA治療薬です。フィナステリドがこれだけ高い効果を発揮できる理由は、頭頂部にはフィナステリドが作用する「5αリダクターゼ」が多く存在するためです。効果を実感しやすいのは服用開始から3〜6か月頃で、1年後には約6割が改善、約4割が維持できたと報告されています。フィナステリドは頭頂部の薄毛に効果が認められているお薬ですので、安心して服用してください。

フィナステリドの効果をより高めたい場合、AGAが進行する前の早期に治療を開始すること、毎日欠かさず服用を継続することを意識しましょう。「服用を始めてから半年以上経ったけどなかなか効果が感じられない…」と心配な方は、デュタステリドへの変更やミノキシジルとの併用も検討してみましょう。

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参考文献

  1. プロペシア®錠 臨床成績<国内データ (3年)> - Organon Pro - Japan
  2. Establishment and characterization of matched immortalized human frontal and occipital scalp dermal papilla cell lines from androgenetic alopecia | Scientific Reports
  3. FDA Approval Package for Propecia (finasteride) NDA 20-788/S-018. U.S. Food and Drug Administration.
  4. Evaluation of long-term efficacy of finasteride in Korean men with androgenetic alopecia using the basic and specific classification system. J Dermatol.
  5. A randomized, active- and placebo-controlled study of the efficacy and safety of different doses of dutasteride versus placebo and finasteride in the treatment of male subjects with androgenetic alopecia
  6. 臨床発毛医学の現状と展望 2018. 国際抗老化再生医療学会雑誌.
  7. Minoxidil Use in Dermatology, Side Effects and Recent Patents. ResearchGate.
  8. Long-term (10-year) efficacy of finasteride in 523 Japanese men with androgenetic alopecia
  9. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
  10. Combined treatment with oral finasteride and topical minoxidil in male androgenetic alopecia: a randomized and comparative study in Chinese patients - PubMed
  11. Effectiveness of Combined Oral Minoxidil and Finasteride in Male Androgenetic Alopecia: A Retrospective Service Evaluation - PMC
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