ミノキシジルのおもな副作用と特徴
ミノキシジルには内服薬と外用薬があり、それぞれ異なる副作用の特徴があります。
| 剤形 | 作用の範囲 | おもな副作用 |
| 内服薬 | 成分の多くが血液を通じて全身へと広がる | 全身症状が中心(動悸、むくみ、体毛の増加など) |
| 外用薬 | 成分の多くが塗布した頭皮にとどまる | 塗布した部分が中心(かゆみ、かぶれ、発赤など) |
内服薬は、国や医療機関の方針により適応外使用となる場合があります。処方の可否や用量は医師が個別に判断します。また内服薬は外用薬に比べてより高い発毛効果が期待できる反面、全身に作用するため頭皮以外にも影響が出やすくなります。
一方、外用薬は作用が塗った部位にとどまり、全身への影響は少ないのが特徴です。
ミノキシジル内服薬の副作用【全身症状が中心】
ミノキシジル内服薬の副作用は、頭皮とは別の部位にあらわれるのが特徴です。
<ミノキシジル内服薬のおもな副作用>
- 動悸
- むくみ
- 体毛の増加(多毛症)
- 頭痛・めまい・立ちくらみ
- 赤ら顔・ほてり
ミノキシジルには血管を広げて血流を促す作用があり、これが発毛効果につながります。
しかし内服薬では、成分全身に広がるため、循環器系の症状が生じたり、一部の毛包に作用して体毛の変化があらわれたりすることがあります。
これらは必ず起こるわけではなく、またいずれの副作用も軽度にとどまるケースが多いため、過度に心配する必要はありません。
気になる変化が続いた場合に適切に対応できるよう、起こりうる副作用を一つずつ理解しておきましょう。
1.動悸
ミノキシジルの血管拡張作用によって、動悸が起こることがあります[1]。
血管が広がり血圧が低下すると、体は血流のバランスを保とうと心拍数を上げる働きを起こすためです。胸の鼓動が強く感じられるほか、脈が速くなることがあります。
動悸をはじめとする心臓・血管に関わる症状は、飲む量が多いほど発現しやすい傾向があります。
軽度の動悸であれば、カフェインやアルコールを控える、十分な睡眠をとるなど、心拍を過度に刺激しない生活を心がけながら経過をみてもよいとされています。
症状が続く場合や不安が強い場合は、自己判断をせず医師に相談し、必要に応じて用量調整などの対応を検討しましょう。
一方、胸の痛みや強い息苦しさをともなう場合は、心臓への負担が疑われるため、速やかに医療機関を受診してください。
2.むくみ
むくみはさまざまな要因で起こりますが、ミノキシジルの血管拡張作用が関係する場合もあります[2]。
血管が広がることで、血管の壁から周囲の組織へと水分が移動しやすくなるためです。また腎臓では、塩分・水分を体内に保とうとする働きが強まります。
この2つの作用が重なり、体内に余分な水分がたまりやすい状態になるのです。
<むくみがあらわれやすい部位>
- 顔(とくにまぶた):皮膚が薄く、わずかな水分増加でも影響を受けやすい
- 手足:心臓から離れており血液の流れが滞りやすい
むくみは、塩分のとりすぎや運動不足など生活習慣でも起こりやすく、必ずしもミノキシジルだけが原因とは限りません。
また、ミノキシジルの影響でむくみが起こったとしても、一時的なケースが多いと報告されています[3]。
軽度であれば塩分を控える、マッサージをするなどのセルフケアで様子を見ることも可能です。
ただし、急激に体重が増える場合は、心臓に負担がかかっている可能性もあるため、医師に相談しましょう。
3.頭痛・めまい・立ちくらみ
ミノキシジルの血管拡張作用は、頭痛やめまい、立ちくらみを引き起こす可能性もあります。
ミノキシジルはもともと高血圧治療薬として開発された成分であり、血圧を下げる作用を持っています。血圧が下がり脳への血流が変化すると、頭痛やめまいを感じることがあるのです。
とくに急に立ち上がったときには注意が必要です。血圧が下がった状態で急に体勢を変えると、脳への血流が一時的に不足し、めまいや立ちくらみがおこりやすくなるためです。
対策として、服用タイミングを就寝前に変更する方法をとられることがあります[1]。就寝中は横になっているため、立ちくらみの影響を受けにくくなります。
症状が続く場合は、医師と相談のうえ服用タイミングを見直してみましょう。
4.赤ら顔・ほてり
赤ら顔やほてりも、ミノキシジルの血管拡張作用によって起こる症状です。
血管が広がると皮膚表面の血流量が増えるため、顔が赤く見えたり、熱っぽく感じたりすることがあります。これは、アルコールを摂取したときに顔が赤くなるのと似た反応です。
多くの場合は一時的なもので、服用を続けるうちに体が慣れ、症状は軽減していくと考えられています。
5.体毛の増加
体毛が増えたり濃くなったりする現象は「多毛症」と呼ばれます。
お薬の効果が、頭皮だけでなく全身の毛包に作用すると、顔や腕、脚の産毛が濃くなることがあります。
<多毛症があらわれやすい部位[4]>
- 顔まわり:こめかみ、もみあげ、口ひげ、額など
- 四肢:腕、手の甲、足など
これらの部位はもともと細く短い毛であるため、本来目立たなかった産毛が濃くなると変化に気づきやすくなります。
内服薬の場合、ミノキシジルの用量が増えるほど多毛症の発現率が高くなる傾向があります。
外用薬でも顔に液剤が付着した場合などに産毛が濃くなることがありますが、内服薬ほど顕著ではありません。
また、多毛症はお薬の服用を中止すれば徐々に元に戻るとされています。
気にならなければ過度に心配する必要はありませんが、気になる場合は医師に相談し、用量の調整を検討してもらうことも選択肢のひとつです。
ミノキシジル外用薬の副作用【皮膚症状が中心】
ミノキシジル外用薬の副作用は、塗った部位の皮膚トラブルが中心です。
臨床試験で報告されている皮膚症状は「頭皮のかゆみ」「刺激感」「炎症」などです[5]。
多くの場合、ミノキシジルの成分そのものではなく、溶剤として含まれる「プロピレングリコール」が原因と考えられています[5]。
プロピレングリコールとは、液剤を安定させるために配合される添加物です。肌が敏感な方では、この添加物がアレルギー性の皮膚炎を引き起こすことがあります。
また、外用薬では濃度が高いほど皮膚症状が見られたとの報告もあります[6]。
発毛効果を重視して高濃度を選びたい気持ちはあるかもしれませんが、肌負担への考慮も必要です。
もともと肌が弱い方は、医師との相談の上、低濃度のお薬から開始し、経過を見ていくとよいでしょう。
初期脱毛は一時的な反応で副作用ではない
AGA治療を開始すると、一時的に抜け毛が増える現象が起こることがあります。
これは「初期脱毛(シェディング)」と呼ばれ、副作用ではありません。ヘアサイクルが健全な状態に戻る過程で起こる現象です。
ミノキシジルの作用で新しい髪の成長がはじまると、それまで休止期にあった古い髪が押し出されて抜けていきます。
つまり、抜け毛が増えたように見えるのは、新しい髪が生える準備が進んでいるサインともいえます。
男性AGA患者を対象とした海外の研究では、ミノキシジルの使用開始後最初の12週間に、一時的に抜け毛が増える時期がみられたと報告されています[7]。
この期間を過ぎると抜け毛は落ち着き、太く髪が生えてくることが期待できます。
「髪が生えるどころか薄くなってきたように感じる…」と不安になるかもしれませんが、お薬が効きはじめている兆候と捉え、治療は継続しましょう。
どうしても心配な場合でも、自己判断で中断せず医師に相談してください。
ミノキシジルの副作用が疑われるときの適切な対応
「これは副作用かもしれない」と感じる症状があらわれた場合は、症状の程度と持続期間をもとに対応を判断しましょう。
症状に応じた対応の目安は以下のとおりです。
<対応の目安>
- 軽度の症状の場合:セルフケアで様子を見る
- 重篤な症状の場合:早急に受診する
- 軽度でも症状が続く場合:医師に相談する
副作用の多くは軽度で一時的なものですが、なかには医療機関での対応が必要なケースもあります。
「様子を見てよいのか」「すぐに受診すべきか」の判断基準を知っておくことで、過度な不安を抱えることなく治療を続けられます。
安心してAGA治療を進めるためにも、適切な対処法を把握しておきましょう。
その1:まずはセルフケアで様子を見る
軽度の症状であれば、まずは生活習慣の工夫やセルフケアで緩和できる場合があります。
とくに内服薬による症状の多くは、血管が広がることに関連して生じます。そのため、血管拡張作用を助長しない生活を心がけることが大切です。
体毛についても、脱毛ケアをしながら治療を続けられます。
<症状別のセルフケア例>
| 症状 | セルフケア方法 |
| むくみ | ・塩分を控える ・水分をこまめに飲む ・足を高くして休む ・入浴やマッサージで血流をよくする ・適度に運動する |
| 頭痛 ・めまい ・立ちくらみ | ・急に立ち上がらない ・起き上がるときはゆっくり動作する ・血圧を測定して、推移を把握する |
| 赤ら顔 ・ほてり | ・アルコールやからい食べ物を控える ・入浴は熱すぎない温度にする |
| 体毛 | ・脱毛処理する(シェービング、家庭用光脱毛器、医療脱毛など) |
まずはセルフケアをとり入れながら、ご自身の体の変化を観察してください。
日常生活に支障をきたす場合や悪化する場合は、ひとりで悩まず医師に相談しましょう。
その2:早急に受診すべき症状を見極める
以下のような症状が見られた場合は、重篤な副作用の可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
<すぐに受診が必要な症状[2]>
- 急激な体重増加(2〜3kg以上)
- 息苦しさ・強い動悸
- 胸の痛み
- 強いめまい・ふらつき・失神
これらの症状は、心臓や血管に負担がかかっているサインと考えられ、放置すると心臓の病気につながるおそれがあります。
AGA治療で使われるミノキシジルの量では、重い副作用はまれとされています。
しかし、どのお薬であっても副作用のリスクはゼロではありません。
万が一の場合に適切に判断できるよう、受診すべきサインを十分に把握しておきましょう。
その3:副作用が続く場合は医師に相談する
我慢できる程度の症状でも、長期間続く場合は医師に相談してください。
副作用が長引く場合、以下の可能性があります。
- 用量や濃度が合っていない
- 剤形が合っていない
- お薬そのものが体質に合っていない
用量や剤形の調整、他のAGA治療薬への変更によって対処できる場合もあります。
まずは医師に相談し、症状が副作用によるものか他の原因によるものかを見極めたうえで、治療方針を見直しましょう。
用量・濃度を調整する
軽度の副作用は、用量や濃度を減らすことで和らぐ場合があります。副作用の多くはお薬の量に依存する傾向があるためです。
服用量や塗布する濃度を下げることで体への作用が弱まり、症状の軽減が期待できます。
<変更の例> ※実際の変更は医師の判断のもとで行います。
| 困っている副作用の例 | 変更の例 | |
| 内服薬 | 軽度のむくみや動悸、ほてりなど | 1日の服用量を減らす |
| 外用薬 | 皮膚トラブル | 濃度の低い製剤に変更する |
ただし、自己判断で用量を変えたり中止したりすると、発毛効果が得られなくなる可能性があります。症状が気になる場合は、医師の指示のもとお薬の調整を検討しましょう。
剤形を変更する
副作用の種類によっては、お薬のタイプを変更することで症状を回避できる場合があります。
内服薬の副作用は成分が血液を通じて全身に届くことが原因であり、外用薬の副作用は頭皮に直接塗ることが原因です。
このため、吸収経路を変えれば症状を軽減できる可能性があります。
<変更の例> ※実際の変更は医師の判断のもとで行います。
| 困っている副作用の例 | 変更の例 | 理由 |
| かゆみ ・かぶれなどの頭部の皮膚炎 | 外用薬から内服薬へ変更する | 頭皮への刺激を避けるため |
| 全身の体毛増加(多毛症)やむくみ | 内服薬から外用薬へ変更する | 全身への作用を抑えるため |
ただし、外用薬から内服薬への変更は全身性の副作用リスクが高まる可能性もあります。
ご自身の健康状態を正確に医師に伝え、適切に判断してもらいましょう。
他のAGA治療薬を検討する
動悸やむくみなどの症状がつらい場合は、「フィナステリド」や「デュタステリド」など作用の仕組みが異なるお薬への変更も選択肢です。
これら2つのお薬には、男性ホルモン(テストステロン)が抜け毛の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)に変化するのを抑える働きがあります。
ミノキシジルのような血管拡張作用はないため、動悸やむくみ、ほてりといった循環器系の症状や体毛増加は起こりにくいと考えられます。
ミノキシジルが合わない場合でも、他のお薬でAGA治療を続けることは可能です。医師と相談しながら、ご自身に合う治療法を見つけていきましょう。
ミノキシジルの副作用が心配な方に知っておいてほしいこと3つ
AGA治療をしたいものの、「副作用が心配で踏み出せない」「このまま続けて大丈夫かな…」と不安に感じる方もいるでしょう。
ここでは、安心してAGA治療をするために知っておきたい3つのポイントをお伝えします。
ポイント1:持病がある方は治療前に医師へ伝える
以下に該当する方は、ミノキシジルで治療をはじめる前に持病を医師へ相談してください。
- 高血圧の方
- 心臓や腎臓に病気がある方
- 高齢の方
心臓に持病がある方は負担がかかりやすく、腎臓に持病がある方はお薬が体に長くとどまり作用が強くなる可能性があります。
高齢の方では体の機能に個人差があり、人によってはお薬の影響を受けやすいため注意が必要です。
事前に持病やお薬の情報を伝えておけば、医師は副作用対策として、用量を低めに設定する、診察の頻度を増やすなどの対応ができます。
安心して治療を続けるためにも、持病や服用中のお薬は初回の診察時に伝えましょう。
ポイント2:効果と副作用のバランスを確認しながら進める
ミノキシジルでAGA治療を開始したら、効果と副作用の程度を確認しながら進めていきましょう。
ただし、発毛効果を感じるまでに4〜6か月程度の期間が必要であり[8]、治療の初期は効果が実感しにくい場合もあります。
治療を開始したばかりの時期は、軽い不調だけを感じて不安になるかもしれませんが、焦らず経過を見ていくことが大切です。
軽い症状であればセルフケアで対応し、副作用の負担が大きい場合は治療方針を見直すことも可能です。
効果と副作用のバランスについて医師と定期的に話し合い、ご自身にとって最適なAGA治療を続けていきましょう。
ポイント3:気軽に相談できるクリニックで治療する
安心してAGA治療を続けるためには、ささいな変化でも気軽に相談できるクリニックを選ぶことが重要です。
実際に気になる症状が出た際に、「受診が必要なサインなのか」「よくある症状なのか」を的確に判断するのが難しいケースもあります。
本来は治療を続けられる程度の症状でも、過度な不安から自己判断で治療を中断してしまう可能性も考えられます。
迷いや不安がある場合、すぐに専門家に相談できる環境であれば、症状に応じた適切な対応がとりやすくなるでしょう。
クリニックフォアではオンライン診療により、自宅から気軽にご相談いただけます。安心してAGA治療を受けられる体制を整えていますのでご活用ください。
※自由診療
※医薬品副作用被害救済制度等の対象外となります。
※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。医師の診察を受け、診断された適切な治療方法をお守りください。
※医師の判断でお薬の処方可否・お薬の処方日数は変わります。
ミノキシジルの副作用に関するよくある質問
ミノキシジルの副作用について、よく寄せられる質問にお答えします。
正しい情報を身につけて、安心してミノキシジルによるAGA治療を受けましょう。
ミノキシジルで太ることはありますか?
ミノキシジルに脂肪を増やす作用はなく、直接的に太ることはありません。
ただし、血管拡張作用により体内に水分がたまりやすくなるため、むくみによって体重が増加する可能性はあります。
むくみは一時的なケースが多いため、塩分を控えたり運動をとり入れたりすることで様子を見ましょう。
万が一息苦しさや胸の痛みをともなう場合は、医療機関を受診してください。
ミノキシジルの副作用でうつ症状がありますか?
ミノキシジルの直接的な副作用として、うつ症状は報告されていません。脳に直接作用するお薬ではないため、起こる可能性も低いと考えられます。
ただし副作用への不安や、期待どおりに効果が出ない焦りが原因となり、気分の落ち込みを感じる可能性は考えられます。
不安が強い場合は、ひとりで抱え込まず医師へ相談してください。
ミノキシジルで肝臓の数値が上がることはありますか?
健康な肝臓であればお薬を処理する能力が十分に備わっており、重篤な肝機能障害が起こる可能性は低いと考えられています。
一方、もともと肝機能が低下している方や、飲酒習慣・脂肪肝などで日常的に肝臓へ負荷がかかっている場合は注意が必要です。ミノキシジルの代謝が、相対的に負担となる可能性も考えられます。
肝機能に不安がある方は、治療前に医師へ伝えてください。
また、治療中は3〜6か月ごとに血液検査を受け、肝臓の数値に変化がないか確認すると安心です。
まとめ:ミノキシジルの副作用を正しく理解し、不安なときは医師に相談しよう
ミノキシジルは発毛効果が期待できる反面、外用薬では皮膚症状、内服薬では循環器系の副作用リスクが存在します。
しかし、多くは一時的なものや軽度なものであり、用量調整や製剤の変更で対応することも可能です。
大切なのは自己判断で服用を中止・変更しないことです。発毛効果が得られなくなるばかりか、他の病気のサインを見落とすリスクもあります。
判断に迷う場合はまずは医師に相談してください。不安や悩みをひとりで抱えず、医師とともに自分に合うAGA治療を見つけていきましょう。
