フィナステリドの副作用【主な症状と発生頻度】
フィナステリドの副作用の発生頻度は、承認時の臨床試験データで4.0%と比較的低い数値です[1]。
約96%の方が副作用を経験することなく治療を続けており、重篤な副作用も国内臨床試験では報告されていません。
報告されている副作用は、性機能・肝機能・過敏症・その他の4つに大きく分類されます。
いずれも発生頻度は低いものの、服用前にどのような症状があるかを把握しておくことで、症状があらわれた際にも落ち着いて対応できるでしょう。
ここでは、副作用の種類と発生頻度について詳しく解説します。
報告されている主な副作用の種類
フィナステリドの添付文書に記載されている副作用を分類ごとに整理すると、以下のようになります。
| 分類 | 主な症状 |
| 性機能 | リビドー減退(性欲の低下)、勃起機能不全(ED)、射精障害、精液量減少 |
| 肝機能 | 肝機能障害(AST ・ALT ・γ-GTPの上昇) |
| 過敏症 | そう痒症、じん麻疹、発疹 |
| その他 | 乳房圧痛 ・乳房肥大 ・抑うつ症状 ・めまい |
「どんな副作用があるのかわからないまま服用するのは不安」という方も多いでしょう。
あらかじめ主な副作用を把握しておくことで、万が一症状があらわれた際にも「これは副作用かもしれない」と早めに気づくことができます。
服用中に気になる変化があれば、自己判断せずに医師へ相談しましょう。
副作用の発現率は承認時データで4.0%
承認時の国内臨床試験(48週間)では、276例中11例に副作用が認められました[1]。これは約4%、つまり100人のうち4人程度の割合です。
報告された主な副作用と発生頻度は以下のとおりです。
| 副作用 | 発生頻度 |
| リビドー減退 | 1.1%(276例中3例) |
| 勃起機能不全 | 0.7%(276例中2例) |
| 重篤な副作用 | 国内臨床試験では報告なし |
注目すべき点として、プラセボ(偽薬)を投与した群でも2.2%に有害事象が認められています。
これは「副作用が起こるかもしれない」という心理的な不安が症状の自覚に影響する可能性を示唆しており、「ノセボ効果」と呼ばれる現象が関与している可能性があります。
この結果から、フィナステリド特有のリスクはデータ上の数値よりも低い可能性もあるといえるでしょう。
また、国内長期投与試験期間(通算96週間)中における副作用発現率は1.1%(374例中4例)にとどまっており、長く服用しても副作用リスクが大きく上昇することはないと考えられています[1]。
「副作用が怖い」という不安から治療を諦める前に、この数字を参考にしながら医師と相談してみてください。
性機能に関する副作用と発生確率
性機能に関する副作用の発生頻度は2%前後と低い数値にとどまっています[1]。
「服用すると性欲がなくなるのでは」「パートナーとの関係に影響が出たらどうしよう」と心配される方も多いですが、過度に不安になる必要はありません。
症状があらわれた場合でも服用中止により改善するケースが多い一方、一部では持続する可能性もあるため、不安な方は服用前に医師へ相談しておくと安心です。
リビドー減退の発生頻度は1.1%
リビドー減退の発生頻度は1.1%と報告されています[1]。
国内臨床試験では、276例中3例にリビドー減退が認められました[1]。
この数値はプラセボ群と比較しても大きな差はなく、フィナステリドの服用だけが原因とは限らない可能性があります。
リビドー減退はストレスや疲労、加齢などさまざまな要因で起こりうる症状であり、お薬との因果関係を明確に判断することが難しいケースもあります。
気になる症状があらわれた場合は、一人で抱え込まず医師に伝えることが大切です。
勃起機能不全(ED)・射精障害の発生頻度は1%未満
勃起機能不全(ED)・射精障害の発生頻度は1%未満であり、症状が出て投与中止後に精液の質が正常化または改善されたという報告もあります[1]。
国内臨床試験では、EDは276例中2例(0.7%)、射精障害および精液量減少は1%未満で報告されています[1]。
これらの症状もプラセボ群で一定の割合で認められており、先述のノセボ効果が影響している可能性も指摘されています。
性機能への影響が心配で治療に踏み出せない方もいらっしゃるかもしれませんが、正確なデータを把握したうえで、ご自身に合った選択を検討してみてください。
DHT低下作用が性機能に影響する仕組み
フィナステリドが性機能に影響する可能性があるのは、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑制するためです[1]。
DHTは薄毛を進行させる一方で、性機能にも一部関わっているホルモンです。
ただし、性機能において中心的な役割を果たしているのはテストステロンです。
フィナステリドはテストステロンからDHTへの変換を阻害しますが、テストステロン自体の血中濃度には大きな影響を与えないとされています[1]。そのため、性機能への影響は限定的と考えられるでしょう。
同じAGA治療薬のデュタステリドはDHTをより強く抑制するため副作用の発現率が高い傾向がありますが、フィナステリドは作用がおだやかで影響は小さいとされています[2]。
肝機能への影響と定期検査の重要性
フィナステリドは主に肝臓で代謝されるお薬のため、まれに肝機能に影響を及ぼす可能性があります。
「肝臓に負担がかかるのでは」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、年に1回程度の検査を習慣にすることで早期発見・早期対応につながります。
定期的な検査を受けていれば、安心して治療を続けられるでしょう。
重大な副作用として肝機能障害が報告されている
フィナステリドの添付文書では、重大な副作用として「肝機能障害(頻度不明)」が記載されています。
肝機能障害があらわれた場合、AST(GOT)やALT(GPT)、γ-GTPの上昇などが認められることがあります。
これらは血液検査で確認できる数値であり、自覚症状がないまま進行することもあるため注意が必要です。
倦怠感や食欲不振、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などの症状があらわれた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。
もともと肝機能に問題がある方や、日常的にお酒を多く飲む方は、服用前に医師へ相談しましょう。
定期的な肝機能検査が推奨される理由
フィナステリドの服用中に定期的な肝機能検査が推奨されるのは、肝機能障害が自覚症状なく進行する可能性があるためです。
血液検査でAST、ALT、γ-GTPなどの数値を確認することで、異常を早期に発見できます。
年に1回程度の健康診断や、医師の指示に従った定期検査を受けるようにしましょう。
検査で異常が認められた場合は、服用を中止するなど適切な対応が必要になります。
「検査が面倒」と思わずに、安心して治療を続けるための習慣として取り入れていきましょう。
精神面への影響と抑うつ症状のリスク
フィナステリドの副作用として、まれに抑うつ症状の報告がありますが、発生頻度や因果関係は明確になっていません[1]。
「気分が落ち込むことがあるかもしれない」と聞くと不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、多くの方が問題なく服用を続けています。
ここでは、報告されている症状の内容と、服用にあたって注意が必要な方について解説します。
抑うつ症状がまれに報告されている
フィナステリドの添付文書では、その他の副作用として「抑うつ症状(頻度不明)」が記載されています[1]。
また「本剤との因果関係は明らかではないが、自殺念慮、自殺企図、自殺既遂が報告されている」との記載もあります[1]。
気分の落ち込みや意欲の低下、不安感などの症状があらわれた場合は、自己判断で服用を続けず医師に相談してください。
精神面の変化は自分では気づきにくいこともあるため、家族やパートナーにも服用していることを伝えておくと安心です。
うつ病等の既往歴がある人は服用前に申告する
うつ病やうつ状態の既往歴がある方、自殺念慮や自殺企図の既往歴がある方は、服用前にかならず医師に伝えましょう。
添付文書では「特定の背景を有する患者」として注意が必要とされています[1]。
医師は既往歴を踏まえたうえで、服用の可否や経過観察の方法を判断します。
服用中も気分の変化には注意を払い、異常を感じたら速やかに医師に連絡しましょう。
その他に報告されている副作用
性機能や肝機能、精神面への影響以外にも、乳房圧痛や過敏症などいくつかの副作用が報告されています。
いずれも発生頻度は低いですが、気になる症状があらわれた場合は医師に早めに相談しましょう。
乳房圧痛・乳房肥大
頻度は不明ですが、乳房の圧痛(押すと痛む)や乳房肥大(乳房が大きくなる)症状があらわれることがあると報告されています。
DHTの低下によるホルモンバランスの変化が原因と考えられており、女性化乳房と呼ばれることもあります。
症状があらわれても服用を中止すると改善するケースが多いとされていますが、乳房にしこりや強い痛みを感じた場合は、他の疾患の可能性もあるため早めに医師の診察を受けましょう。
過敏症(そう痒症・じん麻疹・発疹)
フィナステリドの成分に対するアレルギー反応として、そう痒症(かゆみ)、じん麻疹、発疹などの過敏症が報告されています。かゆみや発疹などの症状があらわれた場合は、すぐに服用を中止して医師の診察を受けてください。
まれに血管浮腫(口唇、舌、咽喉、顔面の腫脹)があらわれることもあります。
とくに呼吸困難を伴う場合は緊急性が高いため、速やかに医療機関を受診する必要があります。
また、過去にフィナステリドでアレルギー反応を起こしたことがある方は、服用が禁忌であるためかならず医師に申告しましょう。
フィナステリド服用前に確認すべき注意点
フィナステリドは、女性や妊婦など服用が禁止されている方や、持病によって事前申告が必要な方がいます。
これはフィナステリドの作用が胎児に影響を与える可能性があることや、肝臓で代謝されるお薬であることが理由です。
安心して治療を始めるためにも、服用前に該当する項目がないか確認しておきましょう。
ここでは、女性や妊婦への禁忌、肝機能障害がある方の注意点、前立腺がん検診時の留意事項について解説します。
女性・妊娠中・授乳中は服用できない
女性、とくに妊婦・授乳中の方はフィナステリドの服用が禁忌です。
フィナステリドは女性への適応がなく、DHT低下作用により男子胎児の生殖器官の正常発育に影響を及ぼすおそれがあるためです。
また、お薬が粉砕・破損した場合は皮膚から成分が吸収される可能性があるため、妊婦はお薬に触れることも避ける必要があります。
お薬はコーティングされているため、割れたり砕けたりしない限り通常の取り扱いで有効成分に接触する可能性は低いですが、パートナーが妊娠中または妊娠の可能性がある場合は取り扱いに十分注意してください。
肝機能障害がある人は事前に申告する
フィナステリドは主に肝臓で代謝されるお薬です。
肝機能が低下している状態で服用すると、体内での代謝が遅れてお薬の血中濃度が上昇し、副作用が出やすくなる可能性があります。
医師は肝機能の状態を確認したうえで、服用の可否や用量の調整を判断します。
肝機能障害の程度によっては服用が推奨されない場合もあるため、自己判断での服用は避けましょう。
前立腺がん検診の際には服用中であることを伝える
前立腺がん検診を受ける際は、フィナステリドを服用中であることをかならず医師に伝えましょう。
フィナステリドを服用すると、前立腺がんの指標となるPSA(前立腺特異抗原)の血中濃度が約40〜50%低下することが報告されています[1]。
事前に伝えないことでPSA値が実際より低く測定され、前立腺がんの発見が遅れる可能性があり、注意が必要です。
医師はフィナステリド服用中であることを考慮して、測定されたPSA値を2倍にした数値を目安として評価をおこないます。
健康診断や人間ドックで前立腺がん検診を受ける際も、問診票に服用中のお薬として記載するようにしましょう。
他のAGA治療薬の副作用との違い
AGA治療薬にはそれぞれ異なる特徴があり、副作用の種類や発現率も異なります。
| 治療薬 | 副作用発現率 | 主な副作用 |
| フィナステリド | 4.0%[1] | リビドー減退、勃起機能不全など |
| デュタステリド | 17.1%[2] | リビドー減退、勃起不全など(フィナステリドと類似) |
| ミノキシジル外用薬 | ―[3] | 頭皮のかゆみ、かぶれ、発疹など |
フィナステリドは、デュタステリドと比較して作用がおだやかで副作用発現率が低い傾向があります。
また、ミノキシジル外用薬は性機能への影響がないため、副作用が心配な方はミノキシジルから始めて、医師と相談しながらフィナステリドの併用を検討する方法もあります。
副作用があらわれた場合の対処法
副作用があらわれても、多くの症状は服用中止で改善するとされています。
ただし、自己判断で服用を中止するのではなく、まずは医師に相談して適切な対応を確認しましょう。
症状の種類や程度によって対処法は異なり、用量の調整や他の治療法への変更で対応できる場合もあります。
多くの症状は服用中止後に改善する
副作用の多くは服用中止で改善するとされており、過度に心配する必要はありません。
添付文書にも「本剤の投与中止後に、精液の質が正常化または改善されたとの報告がある」と記載されており、性機能に関する副作用は多くの場合、可逆的であると考えられています
副作用が気になる場合は、自己判断で服用を中止するのではなく、まず医師に相談して適切な対応を確認しましょう。
症状によっては、用量の調整や他の治療法への変更で対応できる場合もあります。医師と相談しながら、治療を継続する方法を一緒に考えていくことが重要です。
服用中止後も症状が続く場合もある【ポストフィナステリド症候群】
まれに服用中止後も性機能障害や抑うつ症状などが続くケースがあり、「ポストフィナステリド症候群(PFS)」と呼ばれています。
添付文書にもリビドー減退が「投与中止後も持続したとの報告がある」と記載されていますが、発生頻度や因果関係は明らかになっていません[1]。
このような報告があることを理解したうえで治療を開始し、気になる症状が続く場合は医師に相談してください。
フィナステリドの副作用リスクを下げるポイント
フィナステリドは副作用の発生頻度が低いお薬ですが、正しい方法で服用することでリスクをさらに軽減できます。
フィナステリドを服用する際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 医師の診察を受けてから服用を開始する
- 用法・用量を守り、自己判断で増量しない
- 定期的に健康診断や肝機能検査を受ける
- 気になる症状があらわれたら早めに医師に相談する
- 個人輸入ではなく、医療機関で処方を受ける
個人輸入で入手したお薬には偽造品のリスクがあり、健康被害が発生しても医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があるため注意が必要です。
医療機関で処方を受けることで、副作用があらわれた際にも適切なサポートを受けられます。
また、オンライン診療に対応した医療機関も増えているため、忙しい方でも無理なく続けやすい環境が整っています。
副作用が不安な方はオンライン診療で相談しましょう
副作用が心配でAGA治療をためらっている方も多いのではないでしょうか。
オンライン診療なら、スマートフォンやパソコンから気軽に医師へ相談できます。
以下のような方にとくにおすすめです。
- 副作用が心配で、服用前に医師に相談したい方
- 服用中に気になる症状が出たとき、すぐに相談したい方
- 対面では副作用について聞きづらいと感じる方
- 定期的に経過を確認しながら治療を続けたい方
クリニックフォアでは、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジル内服薬などを取り扱っています。
副作用が不安な方も、まずは医師に相談することで自分に合った治療法を見つけられるでしょう。
※保険適用外の自由診療です。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合もございます。
※診察料1,650円/回がかかります
※再診察が必要な場合は診察料1,650円がかかります。
フィナステリドの副作用に関するよくある質問
フィナステリドの副作用について多くの方が抱く疑問にお答えします。
フィナステリドの副作用はいつからあらわれますか?
フィナステリドの副作用は服用開始から数週間〜数か月以内にあらわれることが多いとされています。
ただし、副作用があらわれる時期には個人差があり、長期間服用した後にあらわれるケースもあります。
服用中は継続して体調の変化に注意を払うことが大切です。
フィナステリドで太ることはありますか?
体重増加に関する副作用は添付文書に記載されておらず、医学的なエビデンスもありません。
フィナステリドの服用が直接的に体重増加を引き起こすという報告は現時点ではないため、体重の変化が気になる場合は食生活や運動習慣など他の要因も含めて検討してみましょう。
フィナステリドは妊活中でも服用できますか?
フィナステリドは精液中にもごく微量ですが移行することが確認されており、この点も含めて妊活の予定がある方は医師に相談の上で治療方針を検討することをおすすめします。
フィナステリドの服用を中止すると精液の質が正常化または改善されるとの報告もあるため、妊活のタイミングに合わせて服用を一時中断する選択肢もあるでしょう[1]。
フィナステリドで初期脱毛は起こりますか?
フィナステリド単独の治療において、お薬の作用によって初期脱毛が起こる可能性は低いとされています。
治療開始後に抜け毛が増えたように感じることはありますが、季節要因による生理的な抜け毛や、抜け毛に意識が向くことなどが影響している場合もあります。
なお、発毛を促す作用をもつミノキシジルを使用している場合には、治療初期に一時的な抜け毛を感じることがあります。
抜け毛が続く場合や不安がある場合は、医師に相談しましょう。
まとめ:副作用を正しく理解したうえで治療を進めましょう
フィナステリドの副作用発現率は4.0%であり、約96%の方が問題なく治療を続けています[1]。
性機能への影響や肝機能障害、精神面への影響などの副作用が報告されていますが、発生頻度は低く、多くの症状は服用中止で改善します。
副作用が心配で治療をためらっている方もいるかもしれません。
大切なのは、正しい知識を持ち、医師と相談しながら治療を進めることです。気になる症状があらわれた場合は自己判断で服用を中止せず、まず医師に相談してください。
AGAは進行性の症状です。個人輸入ではなく医療機関で処方を受け、適切なサポートのもとで治療を始めましょう。
※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
