更年期は太りやすい?体重増加の原因と40代・50代のダイエット対策

40代半ばから50代にかけて、「食べる量は変わっていないのに体重が増えた」「お腹周りだけぽっこり出てきた」と感じていませんか?
これは「更年期太り」と呼ばれることもある体の変化で、多くの女性が経験する体の変化です。

更年期太りの背景には、エストロゲンの減少に伴う体組成の変化(脂肪↑・除脂肪量↓)や、加齢による筋肉量低下などが関わっています。
放置すると脂質異常症や糖尿病など生活習慣病のリスクが高まる可能性があるため、早めの対策が必要です。
この記事では、更年期に太りやすくなる原因をわかりやすく解説し、食事・運動・生活習慣の見直しによる具体的な対策をご紹介します。

更年期太りのチェック方法は?

更年期太りは、体重の増加だけでなく体型や体調の変化としても現れます。次のセルフチェックで、自分の状態を確認してみましょう。

当てはまる項目が多いほど、更年期太りと考えられる体の変化が生じている可能性が高いです。

体重・体型の変化をチェックする

体重はそれほど変わっていなくても、体脂肪率が上がっていたり、お腹周りのサイズが大きくなっていたりするケースが少なくありません。

以前は履けていたズボンやスカートのウエストがきつくなった、ベルトの穴を緩めるようになったという変化は、脂肪や筋肉のつき方が変わってきたサインといえるでしょう。

また、二の腕や背中など、これまであまり気にならなかった部位にも脂肪がつきやすくなるのが更年期の特徴です。

全身鏡で自分の体型を定期的にチェックし、変化に早めに気づくことが大切です。

体重だけでなくウエストサイズや体脂肪率も測定しておくと、より正確に自分の状態を把握できます。

食習慣と生活習慣をチェックする

更年期太りの背景には、知らず知らずのうちに変化している食習慣や生活習慣が隠れていることがあります。

「甘いものを食べる頻度が増えた」「夜遅い時間に食事をすることが多くなった」「ストレス発散のためについ食べてしまう」といった変化はありませんか?

また、更年期特有の疲労感やだるさから、以前より活動量が減っている方も多いです。

休日は家でゴロゴロ過ごすことが増えた、階段を避けてエスカレーターを使うようになったという変化も、消費カロリーの減少につながります。

食事内容と活動量を振り返り、改善できるポイントがないか確認してみましょう。

小さな変化の積み重ねが、体重や体型の変化につながっていることが多いのです。

更年期に太りやすくなる4つの原因

更年期に体重が増えやすくなるのは、大きく分けて4つの原因があります。

女性ホルモンの変化、代謝の低下、脂肪のつき方の変化、そして精神的なストレスなど、複数の要因が重なって起こります。

まずは太りやすくなる仕組みを理解することが、効果的な対策への第一歩です。

女性ホルモン「エストロゲン」の減少

更年期に「太りやすい」と感じる背景には、体重の増加そのものだけでなく、体脂肪が増えやすく、筋肉などの除脂肪量が減りやすいといった体組成の変化(脂肪量↓・除脂肪量↑)が関わっている可能性があります。

1300人弱の女性を対象とした研究ででは、脂肪量(および体脂肪率)の増加と除脂肪量(および除脂肪率)の低下が、最終月経の約2年前から加速し、最終月経後約1.5年ごろから変化が鈍化することが示されました[1]。

一方で、体重やBMIは更年期移行期の開始で急に増えるわけではなく、閉経前から移行期にかけて比較的なだらかに推移し、閉経後は増加が頭打ちになる傾向が報告されています。

脂肪が増える一方で除脂肪量が減るため、体重の変化だけでは「太り方の変化」が見えにくいこともあり得ます[1]。

また、エストロゲンの低下ははインスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)に関与するとされ、血糖値が上がりやすくなることがあります。

エストロゲンの減少は自然な生理的な現象であり止めることはできませんが、その影響を理解して適切な対策を取ることは可能です。

基礎代謝と筋肉量の低下

加齢とともに筋肉量が減少し、基礎代謝が低下することも更年期太りの原因です。

基礎代謝とは、呼吸や体温維持など生命活動に必要な最低限のエネルギー消費のことで、何もしなくても消費されるカロリーを指します。

1日の総エネルギー消費量のうち、基礎代謝が占める割合は約60%といわれており、基礎代謝量全体の約20%を筋肉が占めています[2]。

つまり、筋肉量が減ると自動的に消費カロリーが減少し、太りやすい体になってしまうのです。40代・50代では20代と比べても筋肉量が減っている場合が多く、基礎代謝が低下しやすくなります。

運動習慣がなければ減少スピードはさらに加速し、特に50代以降は筋肉量が低下しやすくなるとされています。

筋肉量が減ると消費カロリーが少なくなるため、以前と同じ量を食べていても太りやすくなってしまうのです。

基礎代謝の低下を防ぐには、意識的に筋肉を維持する取り組みが欠かせません。

内臓脂肪がつきやすくなる体質の変化

更年期を迎えると、脂肪のつき方にも変化が現れます。

エストロゲンには内臓脂肪の蓄積を防ぐ働きがあり、閉経前の女性は皮下脂肪がつきやすい傾向にあります。

皮下脂肪は皮膚の下につく脂肪で、お尻や太もも、二の腕などにつきやすく、指でつまむことができるのが特徴です。

一方、内臓脂肪は胃や腸などの内臓の周りにつく脂肪で、外からつまむことはできません。

エストロゲンが減少すると、男性と同じように内臓脂肪がつきやすくなる可能性があります。

内臓脂肪はお腹周りに蓄積されやすく、ぽっこりお腹の原因となるでしょう。

内臓脂肪は見た目の変化だけでなく、さまざまな生理活性物質を分泌して高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病リスクを高めることがあります。

女性の場合、腹囲90cm以上が内臓脂肪型肥満の目安とされていますが、この基準に達する前から対策を始めることが重要です。

見た目の変化だけでなく、将来の健康リスクを考えて早めの対策を心がけましょう。

自律神経の乱れとストレスによる過食

エストロゲンの減少は自律神経にも影響を与え、イライラや不安、気分の落ち込みを引き起こすことがあります。

自律神経は体温調節や心拍、消化など、体の機能を自動的にコントロールしている神経系です。

エストロゲンの変動は自律神経機能や気分に影響しやすく、分泌量が減る時期には自律神経症状が出やすくなることがあります。

自律神経が乱れると、ホットフラッシュや発汗、動悸、めまいなどの身体症状に加え、イライラや不安、抑うつなどの精神症状も現れやすくなります。

更年期特有の不調によるストレスは、食欲のコントロールを難しくする要因のひとつです。

ストレスを感じると、脳内で「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。

コルチゾールは食欲や代謝に影響し、ストレスが続くと過食につながることがあります。

ストレスを解消しようとして甘いものに手が伸びたり、ドカ食いをしてしまったりする方も少なくありません。

また、ホットフラッシュや不眠などの症状がつらいと、運動する気力がわかず活動量が減ってしまうこともあります。

夜中に何度も目が覚めて睡眠の質が低下すると、日中の疲労感が増し、体を動かすことがおっくうになりがちです。

心身の不調が重なることで、太りやすい状態がさらに加速してしまう可能性があるでしょう。

更年期太りを改善するためには、ストレスや自律神経の乱れへの対策も重要なポイントとなります。

更年期太りの特徴とお腹周りに脂肪がつきやすい理由

更年期太りには、体重が増えるだけでなく脂肪のつき方に特徴があります。

特にお腹周りに脂肪が集中しやすくなるのは、ホルモンバランスの変化が深く関係しています。

体重はかわらなくても、体型の変化に気づいたら、早めに対策を始めることが大切です。

皮下脂肪から内臓脂肪へ変わる脂肪のつき方

若い頃は皮下脂肪がつきやすく、お尻や太ももなど下半身がふっくらする「洋ナシ型」の体型が多い傾向にあります。

皮下脂肪は皮膚のすぐ下につく脂肪で、指でつまめるのが特徴です。

女性ホルモンであるエストロゲンには、脂肪を皮下脂肪として蓄える働きがあり、これは妊娠・出産に備えてエネルギーを蓄えるための体の仕組みといえます。

皮下脂肪は一度つくと落ちにくい性質がありますが、内臓脂肪と比べて健康への悪影響は比較的少ないとされますが、過剰な蓄積は生活習慣病リスクにも関与します。

一方、更年期以降はエストロゲンの減少により内臓脂肪がつきやすくなり、お腹周りが太くなる「リンゴ型」の体型へと変化していきます。

内臓脂肪は腸の周りに蓄積されるため、外からつまむことはできません。

お腹がパンパンに張っているように感じるのは、内臓脂肪が蓄積しているサインである可能性があります。

内臓脂肪は皮下脂肪と比べて「つきやすく落ちやすい」という特徴があるとされており、適切な対策を取れば比較的短期間で減らすことが期待できます。

この脂肪のつき方の変化が、更年期特有の体型変化を引き起こしています。

体型の変化に気づいたら、脂肪の種類が変わっていることを理解した上で対策を始めましょう。

ぽっこりお腹が気になり始めたらサイン

お腹周りが以前より太くなってきたと感じたら、内臓脂肪が蓄積し始めているサインかもしれません。

具体的には、「スカートやパンツのウエストがきつくなった」「ベルトの穴を一つ緩めた」「お腹だけがぽっこり出てきた」といった変化が挙げられます。

体重はそれほど変わっていなくても、体型が変化しているケースは少なくありません。

これは筋肉量が減少して脂肪が増えている状態であり、「隠れ肥満」とも呼ばれることもあります。

内臓脂肪の蓄積は見た目の問題だけでなく、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病リスクを高めます。

女性の場合、腹囲90cm以上が内臓脂肪型肥満の目安とされています。

ただし、90cmに達する前でも太ももに比べてお腹周りが太くなってきたら注意が必要です。

自分の体型の変化を客観的に把握するために、定期的にウエストサイズを測定する習慣をつけることをおすすめします。

測定する際は、立位でへその高さで床と水平になるようにメジャーを巻き、息を自然に吐いた状態で計測しましょう。

体型の変化に気づいたタイミングで、食事や運動などの生活習慣を見直すことが大切です。

40代と50代で異なる体の変化

更年期太りは40代と50代で、体の変化の現れ方が異なる傾向があります。

40代前半から半ばにかけては、エストロゲンの分泌量が徐々に減少し始める時期です。

この時期はまだ生理があることが多く、ホルモンの変動が大きいため、体重や体調の波を感じやすくなります。

「生理前に体重が増えやすくなった」「むくみがひどくなった」といった症状を感じる方も多いでしょう。

40代後半になると、エストロゲンの減少が加速し、更年期症状も本格化してきます。

ホットフラッシュや発汗、イライラなどの症状に悩まされる方が増え、これらのストレスが食欲や活動量に影響を与えることがあります。

50代に入ると、多くの方が閉経を迎え、エストロゲンの分泌量は大幅に減少します。

この時期は内臓脂肪が特につきやすくなり、お腹周りの体型変化を強く実感する方が増えます。

また、筋肉量の減少も加速するため、基礎代謝がさらに低下して太りやすい状態が続きます。

年代によって体の変化が異なることを理解し、それぞれの時期に合った対策を取ることが重要です。

更年期太りはいつまで続く?

個人差はありますが、ホルモンバランスが安定してくると体重増加も落ち着く傾向があります。

期間を区切るよりも、長期的な視点で体づくりに取り組むことが大切です。

閉経後も太りやすい状態は続く可能性がある

更年期が終わっても、女性ホルモンが減少した状態は変わりません。

閉経後はエストロゲンの恩恵を受けられなくなるため、何も対策をしなければ太りやすい状態が続く可能性があります。

閉経後の女性は閉経前と比べて、内臓脂肪が蓄積しやすく、筋肉量も減少しやすいことが知られてます。

エストロゲンの低下による脂肪分布や代謝が変化しやすくなるため、意識的な対策が必要となるのです。

一方で、更年期特有のつらい症状から解放されることでストレスが減り、体重管理がしやすくなる方もいます。

ホットフラッシュや不眠、イライラなどの症状が落ち着くと、気持ちに余裕が生まれ、食事の対策や運動に取り組みやすくなるでしょう。

更年期が終われば自然と痩せるわけではないため、継続的な生活習慣の改善が欠かせません。

閉経後の健康維持のためにも、更年期のうちから対策を始めておくとよいでしょう。

「更年期が終わったら頑張ろう」と先延ばしにせず、今できることから始めることが大切です。

体重増加が落ち着く時期の目安

一般的に、閉経後数年が経過してホルモンバランスが安定してくると、急激な体重増加は緩やかになる傾向があります。

更年期は閉経前後の約10年間を指し、日本人女性の平均閉経年齢は約50歳といわれています[3]。

つまり、45歳頃から55歳頃までの約10年間が更年期にあたり、この期間中は体重が増えやすい状態が続きます。

閉経後しばらく経過すると、ホルモンの急激な変動が落ち着き、体が新しいホルモン環境に適応していきます。

この時期になると、更年期症状も軽減し、体重の変動も緩やかになることが多いです。

ただし、体重増加が落ち着く時期には個人差が大きいため、一概に「いつまで」と断言することはできません。

大切なのは期間を気にするよりも、自分の体の変化を理解して適切な対策を継続することです。

体重や体脂肪率、ウエストサイズなどを定期的に記録し、自分の体の傾向を把握しておきましょう。

不安な場合は医師に相談し、自分に合った体重管理の方法を見つけていくことをおすすめします。

更年期太りを解消する食事のポイント

更年期太りの対策として、食事の見直しはとても重要です。

極端な食事制限ではなく、栄養バランスを整えながら無理なく続けられる方法が効果的です。

日々の食生活にちょっとした工夫を取り入れてみましょう。

タンパク質をしっかり摂る

筋肉量を維持するためには、タンパク質を十分に摂取することが大切です。

タンパク質は筋肉の材料となる栄養素で、不足すると筋肉量の減少が加速し、基礎代謝がさらに低下してしまいます。

更年期以降は筋肉量が減少しやすい時期であるため、意識的にタンパク質を摂ることが重要となります。

肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などをバランスよく毎食取り入れることを意識しましょう。

朝食でヨーグルトや卵を食べる、昼食で魚や肉をメインにする、夕食で豆腐や納豆を添えるなど、各食事でタンパク質源を1品以上取り入れるのがポイントです。

食事量を減らすダイエットでは脂肪だけでなく筋肉も落ちてしまい、かえって太りやすい体になる可能性があります。

量を調整しながらも、タンパク質をしっかり摂り、栄養バランスを整えることが、更年期太り解消の近道です。

大豆イソフラボンを意識して取り入れる

大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は、エストロゲンに似た作用を持つ成分です。

化学構造がエストロゲンと似ているため、体内でエストロゲンに近い働きをすることが期待できます。

更年期にエストロゲンが減少する中で、大豆イソフラボンはエストロゲン様作用を持つとされ、更年期症状の軽減に役立つ可能性があります。

納豆、豆腐、豆乳、味噌、きな粉など、日本の食卓に馴染みのある食品に多く含まれています。

毎日の食事に大豆製品を1〜2品加えることで、目安量を無理なく摂取することが可能です。

朝食に納豆を食べる、味噌汁に豆腐を入れる、おやつにきな粉ヨーグルトを食べるなど、取り入れやすい方法から始めてみましょう。

ただし、大豆イソフラボンだけに頼るのではなく、バランスの良い食事を基本にすることが大切です。

食べる順番と食物繊維の活用

食事の最初に野菜や海藻などの食物繊維を摂ると、糖質や脂質の吸収を緩やかにする効果が期待できます。

食物繊維は胃の中で水分を吸収して膨らみ、食べ物の消化吸収をゆっくりにする働きがあります。

血糖値の急上昇を防ぐことで、インスリンの過剰分泌を抑え、脂肪が蓄積されにくくなることが考えられます。

野菜→タンパク質(肉・魚)→炭水化物(ごはん・パン)の順番で食べることを意識してみましょう。

食物繊維が豊富な野菜、きのこ類、海藻類は糖質も少ないため、積極的に取り入れたい食材です。

サラダだけでなく、煮物や炒め物、スープなど調理法を工夫すると、かさが減って食べやすくなります。

食べる順番を変えるだけでも、ダイエット効果が期待できるでしょう。

血糖値を急上昇させない食品選び

血糖値の急上昇は、脂肪の蓄積を促進する大きな要因となります。

血糖値が急激に上がると、体はインスリンを大量に分泌して血糖値を下げようとします。

インスリンには余った糖を脂肪として蓄える働きがあるため、大量に分泌されると脂肪がつきやすくなってしまいます。

血糖値の上がりやすさを示す指標として「GI値(グリセミック・インデックス)」があります。

GI値が高い食品ほど食後の血糖値が上がりやすく、低い食品ほど上がりにくい傾向があります。

白米よりも玄米や雑穀米、食パンよりも全粒粉パンやライ麦パンの方がGI値が低く、血糖値の上昇が緩やかです。

うどんよりもそば、じゃがいもよりもさつまいもの方がGI値が低いため、主食や炭水化物の選び方を工夫してみましょう。

また、食事と一緒に酢の物を食べたり、食後に軽い運動をしたりすることも、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。

毎日の食品選びを少し意識するだけで、太りにくい食生活に近づけます。

避けたい食習慣

更年期太りを防ぐためには、避けたい食習慣もあります。

食事を抜くと空腹時間が長くなり、次の食事で血糖値が急上昇しやすくなるため、1日3食きちんと食べることが基本です。

特に朝食を抜くと、昼食時に血糖値が急上昇しやすくなり、脂肪が蓄積されやすくなるといわれます。

また、甘いお菓子や菓子パン、糖質の多い清涼飲料水は血糖値を急上昇させるため、控えめにしましょう。

ジュースや甘い缶コーヒーには想像以上の糖質が含まれており、500mlのペットボトルジュースには角砂糖10〜15個分の糖質が入っていることもあります。

夜遅い時間の食事も脂肪が蓄積されやすくなる原因となります。

夜は活動量が少なく、食べたものがエネルギーとして消費されにくいため、できれば就寝の2〜3時間前までに食事を済ませましょう。

どうしても夕食が遅くなる場合は、炭水化物を控えめにして野菜とタンパク質を中心にするなど、内容を工夫することが大切です。

無理な制限ではなく、できることから少しずつ改善していくことが継続のコツです。

更年期太り対策におすすめの食事メニュー例

更年期太り対策に効果的な食事の具体例をご紹介します。毎日の献立の参考にしてみてください。

【朝食の例】

和食派の方は、ご飯(できれば玄米や雑穀米)、納豆、焼き鮭、味噌汁(豆腐とわかめ)、ほうれん草のおひたしという組み合わせがおすすめです。

タンパク質を納豆と鮭から、大豆イソフラボンを納豆と味噌から、食物繊維を野菜と海藻から摂ることができます。

洋食派の方は、全粒粉パン、スクランブルエッグ、ヨーグルト(無糖)にきな粉とバナナをトッピング、野菜サラダという組み合わせが良いでしょう。

時間がない朝は、豆乳とバナナ、きな粉をミキサーにかけたスムージーと、ゆで卵だけでも栄養バランスが整います。

【昼食の例】

外食が多い方は、定食スタイルのメニューを選ぶと栄養バランスが取りやすくなります。

焼き魚定食や生姜焼き定食など、主菜がしっかりあるメニューを選び、ご飯は少なめにしてもらいましょう。

コンビニで済ませる場合は、サラダチキン、海藻サラダ、味噌汁、おにぎり1個という組み合わせがおすすめです。

野菜から先に食べることを意識すると、血糖値の急上昇を防ぐことができます。

【夕食の例】

夕食は炭水化物を控えめにして、タンパク質と野菜を中心にしましょう。

刺身や焼き魚、鶏むね肉のソテーなどをメインに、きのこや野菜をたっぷり使った副菜を2〜3品添えると理想的です。

豆腐ステーキや厚揚げの煮物など、大豆製品を使ったメニューを取り入れると、大豆イソフラボンも摂取できます。

汁物は具だくさんの味噌汁や野菜スープにすると、満足感がありながらカロリーを抑えられます。

【間食の例】

どうしても間食したいときは、ナッツ類(無塩・素焼き)、ヨーグルト(無糖)、チーズ、ゆで卵などがおすすめです。

これらはタンパク質や良質な脂質を含み、血糖値を急上昇させにくい食品です。

甘いものが食べたいときは、きな粉をかけたヨーグルトや、高カカオチョコレート(カカオ70%以上)を少量にすると良いでしょう。

お菓子を食べる場合は、食後すぐのタイミングにすると血糖値の上昇が緩やかになります。

更年期太りに効果的な運動

運動は更年期太り対策に欠かせない要素です。

脂肪を燃焼させる有酸素運動と、基礎代謝を上げる筋トレを組み合わせることで、より効果的に体重管理ができます。

無理のない範囲で、できることから始めてみましょう。

有酸素運動で脂肪を燃焼する

ウォーキング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動は、内臓脂肪の燃焼に効果的です。

有酸素運動は酸素を取り込みながら行う全身運動で、脂肪をエネルギーとして消費します。

運動を開始すると、最初は血液中の糖質がエネルギー源として使われますが、運動時間がながくなるほど(おおむね20分以上)体脂肪がエネルギー源として使われる割合が増えていきます。

内臓脂肪は皮下脂肪よりも代謝が活発で、有酸素運動によって優先的に燃焼されやすいという特徴があります【5】。

脂肪を効率よく燃焼させるには、ウォーキングの場合1回30分以上を目安に継続して行うのがおすすめです。

ただし、30分まとまった時間が取れない場合でも、10分×3回など分割して行っても効果が期待できます。

激しい運動である必要はなく、会話ができる程度の負荷で十分です。

息が上がりすぎる強度では継続が難しくなるため、会話ができる程度の強度から始めるとよいでしょう。

「ややきつい」と感じる程度、具体的には心拍数が最大心拍数の50〜70%程度になる強度が理想的とされています。

まずは通勤時に一駅歩く、エレベーターではなく階段を使うなど、日常生活の中で活動量を増やすことから始めてみましょう。

週にどのくらい運動すればよいか

内臓脂肪を減らすためには、週にどのくらいの運動量が必要なのでしょうか。

メッツとは運動の強度を表す単位で、安静時を1メッツとして、その運動が安静時の何倍のエネルギーを消費するかを示しています。

普通の速さのウォーキングは約3メッツ、早歩きは約4メッツ、軽いジョギングは約6メッツ、水泳は約8メッツに相当します。

週10メッツ・時を達成するためには、早歩き(4メッツ)なら週に2.5時間、つまり1日約20〜30分を週5日行えば目標に達します。

水泳(8メッツ)なら週に約1時間15分で達成できる計算です。

毎日運動する必要はなく、週に3〜5日、1回20〜60分程度の運動を継続することが大切です。

最初から高い目標を設定すると挫折しやすいため、まずは週に2〜3日、1回15〜20分程度から始めてみましょう。

体力がついてきたら、徐々に時間や頻度を増やしていくことで、無理なく運動習慣を身につけることができます。

筋トレで基礎代謝を上げる

筋肉量を増やすことで基礎代謝が上がり、太りにくい体づくりにつながります。

基礎代謝とは何もしなくても消費されるエネルギーのことで、筋肉量が多いほど基礎代謝は高くなります。

更年期以降は筋肉量が減少しやすいため、意識的に筋トレを行って筋肉を維持・増加させることが重要です。

特に太ももやお尻など、大きな筋肉を鍛えると効率的に基礎代謝を上げられます。

下半身には全身の筋肉の約60〜70%が集中しているため、下半身を鍛えることで効率よく筋肉量を増やすことができます。

また、筋トレを行った後は代謝が高い状態が数時間続くため、脂肪が燃焼されやすくなります。

筋トレの後に有酸素運動を行うと、より効率的に脂肪を燃焼させることが期待できます。

筋トレは週に2〜3回、1回15〜20分程度行うのが理想的です。

毎日行う必要はなく、筋肉の回復のために1〜2日の休息日を設けることで、効果的に筋肉を増やすことができます。

自宅でできる筋トレメニュー

特別な器具がなくても、自宅で手軽にできる筋トレメニューをご紹介します。ご自身の体の状態にあわせて無理のないメニューを検討してくださいね。

【スクワット】

スクワットは下半身全体を効率よく鍛えられる、おすすめの筋トレです。

足を肩幅に開いて立ち、背筋を伸ばしたまま、椅子に座るようにお尻を後ろに引きながら膝を曲げます。

太ももが床と平行になるくらいまで腰を落としたら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。

膝がつま先より前に出ないように注意し、かかとに重心を置くことがポイントです。

最初は10回×2セットから始め、慣れてきたら15回×3セットを目標にしましょう。

【ワイドスクワット】

通常のスクワットより足を大きく開いて行うワイドスクワットは、内ももの筋肉を鍛えるのに効果的です。

足を肩幅の1.5〜2倍程度に開き、つま先を外側45度に向けて立ちます。

背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと腰を落としていき、太ももが床と平行になったら元に戻ります。

内ももを引き締めたい方におすすめのメニューです。

【プランク】

プランクは体幹を鍛えるトレーニングで、お腹周りの引き締めに効果的です。

うつ伏せの状態から、肘とつま先で体を支え、頭からかかとまでが一直線になるようにキープします。

お腹に力を入れて、腰が反ったり丸まったりしないように注意しましょう。

最初は20秒キープを2セットから始め、徐々に時間を延ばして60秒を目標にしましょう。

【かかと上げ(カーフレイズ)】

ふくらはぎの筋肉を鍛えるトレーニングで、むくみ解消にも効果が期待できます。

壁や椅子の背に手を添えてバランスを取りながら、かかとをゆっくりと上げ下げします。

上げきったところで2〜3秒キープすると、より効果的です。

20回×2セットを目安に行いましょう。

生活習慣の見直しでできる対策

食事や運動に加えて、睡眠やストレス管理も更年期太り対策には重要です。

生活習慣全体を見直すことで、より効果的に体重管理ができるようになります。

できることから少しずつ取り入れてみましょう。

質の良い睡眠をとる

睡眠不足は食欲や代謝に影響し、体重増加につながることがあります。

睡眠が不足すると、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌が減少し、食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌が増加します。

その結果、食欲がコントロールしにくくなり、つい食べ過ぎてしまうことにつながるといわれています。

また、睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、脂肪の分解や筋肉の修復が十分に行われなくなります。

更年期はホルモンバランスの変化により睡眠の質が低下しやすいため、意識的に睡眠環境を整えることが大切です。

就寝前のスマホやパソコンの使用を控え、ブルーライトによる刺激を避けましょう。

カフェインは就寝の4〜6時間前から控え、アルコールも睡眠の質を低下させるため、寝酒は避けることをおすすめします。

寝室の温度や湿度を快適に保ち、リラックスできる習慣を取り入れましょう。

起床時刻と就寝時刻をなるべく一定にすることも、体内時計を整えて睡眠の質を高めるポイントです。

必要な睡眠時間には個人差がありますが、6〜7時間程度の睡眠時間を確保することを目標にしてみてください。

ストレスをためない工夫

ストレスはコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を促すことなどから、過食の原因となり脂肪の蓄積につながる可能性があります。

また、コルチゾールは特に内臓脂肪の蓄積を促進することがわかっており、お腹周りが太りやすくなる原因のひとつとされています。

更年期は心身ともに不調を感じやすい時期のため、自分に合ったストレス解消法を見つけることが重要です。

趣味の時間を持つ、友人と話す、散歩をするなど、気分転換できる方法を日常に取り入れましょう。

ヨガや瞑想は自律神経を整える効果もあり、更年期の不調緩和にも役立ちます。

深呼吸をするだけでも副交感神経が優位になり、リラックス効果が期待できます。

1日5分でも良いので、意識的にリラックスする時間を作ることが大切です。

「完璧にやらなければ」と自分を追い込まず、無理のないペースで過ごすことを心がけましょう。

ストレスを感じたときに食べ物に頼らず、別の方法で発散できるようになると、過食を防ぐことにもつながります。

日常生活での活動量を増やす

特別な運動の時間が取れなくても、日常生活の中で活動量を増やすことで消費カロリーを上げることができます。

これは「NEAT(ニート:非運動性熱産生)」と呼ばれ、運動以外の日常活動で消費されるエネルギーを指します。

NEATを増やすことで、1日の総消費カロリーを無理なく増やすことが可能です。

エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を上る、電車では座らずに立つ、一駅手前で降りて歩くなど、小さな工夫を積み重ねましょう。

家事も立派な身体活動であり、掃除機をかける、床を拭く、洗濯物を干すなどの動作でカロリーを消費しています。

テレビを見ながらストレッチをする、料理をしながらかかと上げをするなど、「ながら運動」を取り入れるのも効果的です。

座りっぱなしの時間が長いと、代謝が低下して太りやすくなることがわかっています。

デスクワークの方は、1時間に1回は立ち上がって歩いたり、ストレッチをしたりする習慣をつけましょう。

歩数計やスマートウォッチを活用して、1日の活動量を可視化するとモチベーション維持にもつながります。

まずは1日8,000歩を目標に、少しずつ活動量を増やしていくことをおすすめします。

更年期太りに関するQ&A

Q1:更年期に太りやすくなるのはなぜですか?

エストロゲンの減少に伴う体組成の変化や、加齢による筋肉量低下などが背景にあります。

エストロゲンには脂肪の蓄積を抑える働きや、食欲に関与するとされています。

また、加齢による筋肉量の減少で基礎代謝が低下することも、太りやすくなる要因のひとつです。

これらの要因が重なることで、以前と同じ食事量でも体重が増えやすくなってしまいます。

Q2:更年期太りはいつまで続きますか?

個人差がありますが、閉経後数年が経過してホルモンバランスが安定してくると、急激な体重増加は緩やかになる傾向があります。

ただし、閉経後も女性ホルモンが減少した状態は変わらないため、継続的な生活習慣の改善が必要です。

「いつまで」と期間を区切るよりも、長期的な視点で体づくりに取り組むことが大切です。

Q3:更年期のお腹周りの脂肪を落とす方法は?

有酸素運動と筋トレを組み合わせることが効果的です。

ウォーキングなどの有酸素運動で内臓脂肪を燃焼させ、スクワットなどの筋トレで基礎代謝を上げましょう。

週に10メッツ・時以上の運動量を目標に、無理のない範囲で継続することが大切です。

食事面では、タンパク質をしっかり摂り、食物繊維を先に食べる習慣を取り入れると、より効果が期待できます。

Q4:更年期太りを放置すると、どんな病気になりますか?

脂質異常症、糖尿病、高血圧などの生活習慣病リスクが高まります。

これらの疾患は動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる可能性があります。

また、肥満は乳がんや子宮体がんなどのリスクと関連することが報告されています。

見た目の問題だけでなく、将来の健康のためにも早めの対策が重要です。

Q5:食事制限だけで更年期太りを解消できますか?

食事制限だけでも体重を減らすことは可能ですが、おすすめできません。

極端な食事制限は筋肉量の減少を招き、基礎代謝が低下してかえって太りやすい体になってしまいます。

また、必要な栄養素が不足すると、更年期症状が悪化したり、骨粗しょう症のリスクが高まったりする可能性があります。

食事の見直しと運動を組み合わせて、筋肉を維持しながら脂肪を減らすことが大切です。

まとめ

更年期に太りやすくなるのは、女性ホルモン「エストロゲン」の減少や基礎代謝の低下など、複数の要因が重なって起こります。

特にお腹周りに内臓脂肪がつきやすくなるのが更年期太りの特徴で、放置すると脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病リスクが高まります。

食事面では、タンパク質や大豆イソフラボンを意識して摂り、食物繊維を先に食べる習慣を取り入れることが効果的です。

運動面では、ウォーキングなどの有酸素運動で内臓脂肪を燃焼させ、スクワットなどの筋トレで基礎代謝を上げることをおすすめします。

睡眠の質を高め、ストレスをためない工夫をすることも、体重管理には欠かせない要素です。

更年期症状が強く、セルフケアで改善しない場合は、ホルモン補充療法や漢方など医療機関での治療も選択肢のひとつとして検討してみましょう。

「更年期だから仕方ない」と諦めず、自分に合った方法で健康的な体づくりを始めてみてください。

参考文献

  1. Greendale GA, Sternfeld B, Huang M, Han W, Karvonen-Gutierrez C, Ruppert K, Cauley JA, Finkelstein JS, Jiang S-F, Karlamangla AS. Changes in body composition and weight during the menopause transition. JCI Insight. 2019;4(5):e124865. doi:10.1172/jci.insight.124865.
  2. 田中 茂穂(国立健康・栄養研究所)「総論 エネルギー消費量とその測定方法」 『静脈経腸栄養』24巻5号, p.1013–1019, 2009
  3. 日本産科婦人科学会「更年期障害」